高井戸あけみ『月のマダム』
ゲイリーマン×内部調査課の美メガネ。
不正調査とリーマンの無理めの恋と。という感じ。なんか薄めでものたりなかったのと、受けの心情がいまいちわからなかったのとで印象が薄いが、受けが美メガネなのでよかった。
通学電車でカコイイ他校生と知り合う話はなんかファンタジックにすぎて非現実的だった。
ゲイリーマン×内部調査課の美メガネ。
不正調査とリーマンの無理めの恋と。という感じ。なんか薄めでものたりなかったのと、受けの心情がいまいちわからなかったのとで印象が薄いが、受けが美メガネなのでよかった。
通学電車でカコイイ他校生と知り合う話はなんかファンタジックにすぎて非現実的だった。
なんか後輩といるところを見られたら、フラれた相手に怒られて他のやつにやるのはおしくなったとか言われました。で、そういう関係になったけどひどい扱いをされますがでもやはりのぼせてます。そんな受け…なのだが。
この作家はこういう傲慢攻め書くのうまいと思うし、この作家らしいキャラと話だった気がするのだが、なんか消化不良。受けのがタチ悪いってのがあかされるという展開は別にいいけど、なんか唐突だったというか、前半との整合性がとれてない気が…特に攻めの受けに対する感情とかは、最後の説明はそれまでの行動とは整合性ない感じでなんだか適当っぽいし。あとがきを見ても、やはりこのオチはとってつけた感じなのではと思ってしまった。
あと、なぜ時系列ではこのシリーズの前の話になるはずの読みきりがあとに掲載されているのか。掲載誌が違うというのと、だからシリーズの最初のほうで読みきりの話をくわしく書き込んであるから、冗長にならないように後ろに掲載したのかな。でもやっぱりなんだか違和感がある。
上司のセクハラをこばんだせいで資料室にとばされたら美人がいた表題作、など。
短編集だけどなんかどの作品もライトで、正直あまり印象に残った話がなかったなあ。お話はよくある系で萌えもあまりなく、絵もあんまりうまくない…なんか見てて不安になる感じのバランスな絵だと思った。
帰ってきたらナデナデしてやりたいのだがそんなことしたらきっと大変だ!
よくできたお兄ちゃんの親友で三軒となりの幼馴染が気になって、こっちむいてほしくてなんかいろいろして結局おしたおしてみて怒鳴られて引越しして会えなくなっちゃう。社会人になって、ふたたびマンションの三軒隣りのお隣さんとして再会。
過去の話と今の会社での人間関係の話と今の幼馴染との話、とみっつの位相の話があって、試みとしては面白いけどやはり今の幼馴染の描写がたりなくてキャラがつかみづらいしよくわかんないので感情移入しづらい。主人公の攻めがコワモテで、性格とか言葉遣いがものごしやわらかなのがなんだかよかった。
相変わらずゴツいオイサンが若者に愛されまくる一冊。
だけれどなんか前よりも読み応えがあった気がしたのは、表題作がちょっと絡め手から攻めてたからだろうな。
表題作は生徒×教師、受けはかわいい高校生に惚れてしまったのがバレて、壮絶にSMプレイとか調教とかされてキモがられて、だのに時々気まぐれのように優しくされたりするという。若者攻めがすごい幼い顔で描かれてたのと(&その後のちょっと大人びたメガネの攻めがメチャかっこよかった)、いつもみたいにオッサンに直球メロメロではなかったのが面白かった。アテ馬の教師の書き方とか、やはりこの作家はどうしてもポルノ書きだよなあ(よくもわるくもですが)とか思った。
他はなんかやっぱり若者がメロメロな話も多かったけど、前妻の置き土産な義理息子×警官義父、息子の結婚前日、とかもちょっと異色で面白かった。
あと、PNがかわって、絵(ギャグ顔)が変わったのだろうか?と思った。
高校農業科もの。受けにめろめろのパシられ男×かわいこちゃん。
なんとなく農業科にはいっちゃって後悔してる受けにぞっこんの攻めは、元不良なのだがそんなそぶりはさいしょは全然見えずただのヘタレで、しかしいきなりキレたりするのでなんか単純に怖い。キレる若者怖い、とかそんな感じで萌えない。お話自体いまいちなのだが、設定や展開の無茶さもつらい。
他も、小学校(!)の卒業式に親友に告白してキモがられた中学生の話とか、やっぱりなんか展開とかキャラとかいまいち面白くないのとちょっと無理っぽいのとでつらい。
あと絵が…動きのないバストアップとかはかわいいんだけど、コマわりとか動きのある絵があんまりうまくない。ちょっと絵柄が古い印象もある。
少し前に読んだ。
王や王位継承権のある人間が帝王学などを学ぶための学校というのはなんとも無理のある設定である。せめて教養オンリーだったら納得もするのだが。更にその学校がある王国が設置したものだというのがなんとも。他国の王はよその国のそんな学校に入ることに疑問を感じないのだろうか。しかも全寮制ではないらしいのも何かよくわからない。というわけで、設定からしてちょっと正直稚拙だなと思った(設定から文句つけるんなら読むなよと言われそうですが、裏表紙の梗概からはここまでとは思わなかったのだ。
お話の内容も、奨学制度をつかおうとしたら手違いでその学校に入れられてしまった庶民と、その国の王との友情とかそういう感じなんだけれど、どうもやはりツメが甘いしあんまり面白くなかった。
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ところでこのレーベルは別にBLではないのかな?
なんというか、完璧なカバーアートである(当社比。
グラディエーター。生気のない剣闘士候補を見かけた一番人気な網闘士は、このままでは遠からず彼は命を落とすだろうと彼を犯して自分を憎ませるように仕向ける。剣闘士はまんまと網闘士への憎悪で腕をあげていき、いつか彼を試合で殺そうと機会を狙うが云々。
いやー、面白かった。久々に重い系コミクスでアタリが出た、という感じ。
お話はオーソドックスでとても面白かったし、安心して読めた。安心して、というのは破綻の心配もなく、そしてBL作品としても意外と信頼して読めた。なんとなく。
だがBLだったというのは筋のレベルでの話であって、田亀源五郎だし、受けが攻めより身長もひくく無骨で多毛だったりして、でもあたしはそういうのはそういうので好きなので、とってもよかった。
あれですな。さぶ系とかさぶっぽい作家が時にニガテなのは、別に絵や設定がリアルにゲイゲイしい(@魔性のゲイさま)からではなく、筋においてBLを逸脱するのがイヤなんです。そこそこ甘いハピーエンドなら、むしろゲイゲイしい絵も巧いよな~、と楽しめてしまいます。少なくともあたしは。
なんかすごくいそがしい!
表紙のさわやかさに反してか、やはりまた変なキャラが出てきた。
テニス少年たち→プロ、日本人×オーストラリア人。
テニス留学してたときに受けにちょっとからかわれたことを何年も覚えてて、高校生になった攻めはジュニアの大会で再会した受けに公衆の面前でキス。その後もストーカーというか奇行によるつきまといがつづき、試合で勝ったらキスさせてくれとかなんとか言って勝ったり負けたり、もう早く先に進もうよとか受けが思い始めた頃から攻めはずっと勝てなくて双方数年にわたりおあずけみたいな。
とても面白かった。この作者はちょっとヘンなマンガ好きにはたまらない作品が多いと思う。
攻めがちょっとキモイのだがこの作者らしいキャラでいいと思う。受けはキラキラ王子オーラ丸出しで、次第に攻めにほだされてくというか、結構最初のあたりからほだされてるのがかわいい。絵がいつものとおりなので、受けがもっと外国人的な容貌だったらもっと面白かったかもとは思った。
雑誌で一話目を見たときにヤバい気はしていたのだけれど…、やっぱり面白くなかった。
それはもう、完膚なきまでに。
田舎から家出状況の受けをひろったもと芸能事務所社長兼伝説のマネジャー攻め。キラキラオーラにどきどきしながら受けをアイドルにしようとあの手この手、受けは攻めにひかれつつ自分を売り出すためだけにやさしいのだと思って自重。
なんというのか、やはり受けがキラキラおめめの性別受けだからいけないのだと、一言で言ってしまえばそうなるのだろうけれど、そもそももうお話自体が全然面白くないんだよね。受けの境遇もとってつけたようでうすっぺらいし、さんざんにおわされてる攻めの過去も全然興味がわかない。だって攻めとかってただキラキラな受けにどぎまぎしてるだけのおっさんだし、受けもちょっと天然ぽい孤独しょった性別受けで、ふたりとも個性がなくて大味すぎる。いままでの扇ゆずはキャラはベタ設定にしてももうちょっとキャラたってたと思うんだが…。
で、話は性別受けの是非に戻るが、こないだの『DARLING』の受けもそうだったけど、なんか妙におさない顔と体型なのは性別受けとして仕方が無いのかもしれないが、だったら終始そういうデッサンのキャラとして書いてくれればいいのに、時折ふつうに大人受けぽい絵になってたりして、ちぐはぐというか作者も扱いかねているように見える。で、もしかして絵の問題はそのままキャラ描写の問題でもあるのかな、と思った。天然でちょっとかわいそうなかわいい受けっ子、というキャラを、作者自身うまく消化できてないのではなかろうかと。
まあごたくをならべようと、とりあえずお話として面白くなかった、という以外にないのだけれど。