鈴木ツタ『あかないとびら』
これは面白かった…というかわたし好みだった。
表題作は大学時代の先輩後輩、ノンケオレ様メガネのイケメン×うじうじ系ゲイ(ノンケオレ様メガネ、という時点でわたし好みではあるのですが…笑
大学時代に受けが自分のことを好きだと知って遠ざけた攻めは、仕事が忙しくなって人手を捜して数年ぶりに受けに再会。妙にゲイセクハラを受けやすい受けのうじうじぶりにイライラしたりキツいこと言ったりなんだりでしかし結局ブチきれて無理矢理云々。
と、一見ひどいノンケ攻め話、に見えつつ、第二話では受け視点で結構したたかで攻めになんだかだされても大喜びな内心が描かれており、このかみ合わない二人のそれでもお似合いな感じがすごくよかった。
あと、受けは碇シンジ君に似ていた。
高校時代の同窓生で現大学の友人、モテ男のイケメン×さえないオタク風青年も面白かった。
高校時代に好きだった女の子が攻めを好きだったことからずっと意識してた受け、が根暗な雰囲気や顔がぜんぜんかわいくなくっていい。どうやら体型もずんぐり型っぽいみたいだし(笑、攻めが受けのことを大福っぽい感じで言っていたので。
そして、これまた二話めの攻め視点が全然おもむきがかわって、好きなこのことをいじめちゃう最低攻めであったことが判明して、しかしそれでも上記のような受けが好きらしいので、とても面白い。
もういっこの汚部屋の年上美人の話は、なんだかあんまりカタルシスがなくっていまひとつだった。
やー、最低攻めとか、視点変更による物語の再構築とか、好きなんですよね。だから面白かったです。