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[ 読書/BLコミック ]

大和名瀬『デキる男の育て方』

 なんか大和名瀬の潜在能力を垣間見た気がした。
 もともとわたし大和名瀬って結構好きなんですが、『さあ恋』をジャケ買いしてからのつきあいなので、作者の活動歴に比してファン歴はそんなに長くはないっていうか、連載や新刊を追ったのが最近のことなのですよ。
 んで、印象としてはキャリアの長い人で、絵もお話も一定水準以上で常に描いてきた人、その中でもさあ恋はかなりヒットよね、とゆー感じだろうと思ってたんだけど、ここしばらくの活動ぶりを見てて、ちょっと最近認識を改めつつある。だって、この人まだまだ伸びそうだ。精密動作性だけでなくって、成長性もAだったのね、と(笑。

 特に最近、キャラづくりがすごいなと思う。
 キャラ絵(特に顔)はなんというか非常にテンプレであんまりパターンも多くないんだけど、なのにキャラ自体はすんごいきちんと書き分けがなされてて(特に攻めはそう)、性格づけや環境やその描き方まで千差万別で、だから顔がテンプレでもあんまり気になんない、気がする。
 今回も、仕事は出来るのにプライベートではダメ人間・ワガママ・不器用な本郷、子供っぽい一途さで失敗もするけどすれてない田舎者っぷりや嫌みでない天然ぷりに読者が共感できそうな和葉、世話焼きだけど一歩引いてる大人な山咲と、それぞれに個性がありキャラがきちんとたってて、そしてこれまでの大和名瀬キャラとあんまりかぶってない感じ。スゴイ! しかも、↑のように抽象的な言葉にしちゃうとそんなに個性あるキャラか???と思っちゃうような設定でも、野菜に名前をつけて育ててる和葉とか、言葉や配慮の足りなさから和葉とすれ違ってしまう本郷など、ちょっとない発想だったりするし、それに細かいエピソードを丁寧に描写しているので、説得力もあるし魅力的だ。
 あとね、いつもそうなんだけど、ラブシーンもきちんとそのキャラならではの展開、描き方をしてるなあって思うので、ほんとすごい尊敬というか。ええと、具体例は書かないけどさ(笑。

 ただほんと絵自体はテンプレなので、表紙だけではうまく魅力が伝わんないというか、いつもの大和名瀬、に見えてしまうんではないかと人ごとながら心配になる。
 あとちょっと微妙かなと思ったのは、山咲がかわいすぎるのと、山咲が本郷に言う「本気なんですね」の決めゼリフが何度(ってでも見返したら二回くらいか、もっと多いかと思った)も出てきてる気がして、それはばしっと一回の方がいいんでないかとか。
 とりあえず、まだ続きも描かれるそうなので、とっても期待してます。そいえば続編描いてもすごくダメにはならないとこも、スゴイと思う、大和名瀬。

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