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[ 読書/BLコミック ]

池玲文『≠ノットイコール』

 はてしなく今更な感じでアクエリオンが面白いぃ。

 幼い頃に両親が離婚、17歳になった息子はきれいなお兄さんみたいだった父に会いたくなって、長崎まで訪ねていったのですが、版画作家の父はなぜか挙動不審、そんなこんなしているうちに、庭ですっころんでタイムスリップ、ついた先には14歳のかわいらしい父が。

 池玲文は作家買い指定中なので購入したのですが、さすがに実の親子は…と思いしばらくつんでいた。けど読んでみたら、親子CPということは思ったよりも気にならなかった…のは、たぶん巻末のオチのおかげだとは思うんだけれど、しかしそれってちょっと致命的っぽいタイムパラドクスでもあるんだよね…この点、これから説明つくんだろうか…。そして、一巻できれいにまとまっているので、二巻は一体どうなるんだ…という気も。
 まあ、いい(@ルシフェル。
 タイムスリップ先が八十年代で、時代っぽさも多少書かれているので面白い。基本家での話が中心なので、あんましがっつり時代描写があるわけでもないのだけれど、それでも八十年代ファッションとかダイヤル電話とか、書いて欲しい基本をおさえてくれてる感じ(笑。八十年代描写がここ数年すきなのもあって、楽しかった。あと、最初の辺りのインフルエンザ対策で手荒いうがい…とかしている息子の描写はハテナだったんだけれど、ああ二〇〇九年を記号化した描写なのかと納得。

 しかし、この作家さんはあんまし絵がうまくならないなあ…なんだか人体デッサンにちょっと違和感があって、でもずっと安定して同じ絵なので、たぶんかわらないんだろうな。
 で、それはいいんだけれど、今回、絵だけではなくて、漫画もあんましうまくないかもなあと思ってしまった。家の間取りとかそれを利用した描写とかがちょっとわかりづらかった。たとえば玄関入って奥の壁の扉とか、最初の段階でもうちょっと大きい絵で印象的に描いておいてくれたほうがわかりやすかったと思う。あと、過去現在でふたりが云々なときに、現在の父が縁側にすわるあたりの表現とかも、ちょっと把握しきれなくてしばらく考えてしまった。どこかで居間と縁側の設計をもうちょっとはっきり書いておいてほしかったし、あと過去の居間のふたりと現在の縁側の父の場所をうまくずらして配置するとか、もうちょっと効果的なコマ割りがあった気がする。…なんかすんごくもったいないんだよなあ。

 でもやっぱりお話は面白かった。次巻も期待してますv

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