阿仁谷ユイジ『刺青の男』
まあ面白かったけど…読んでちょっと後悔した。
表題作からの連作シリーズは、最初の受けっこぽい警官とダメヤクザで、警官が攻めなのはこの作家らしくてよかったし、終わり方もまあしばしのお別れだけれど別によかった。そのあと受けヤクザの組の母似の坊っちゃんとおつきのひとも、まあよかった。敵対する組のサドヤクザが出てきたあたりから雲行きがあやしくなって、最後は…、もう、強烈な鬱展開で…誰もいなくなっちゃうじゃないの…。とにかく鬱鬱鬱。鬱展開しか印象に残らず、入れ墨もそんなにインパクトなかった気がした。
併載の大学生、女好きノンケとゲイの友人同士で、幽体離脱して会うようなお話は、ちょっと幻想的だけれど、その幻想の処理というか設定とか描き方とかがいまいちに感じた。