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[ 読書/BLコミック ]

柳沢ゆきお『ワンダーラスト』

 中学時代の同窓会の日、行方不明の仲間からの手紙をもって集まった級友5人。もともとは男女とりまぜ7人のグループだったのだけど、手紙の送り主のなぞを中心に、過去の事件やら秘密やらなんやらが次第に明らかになってきて云々。

 もともとBL畑の作家さんではない、のかな?

 過去のあかし方はわかりづらいけど面白かった。過去そのものはベタ。
 でも、人物の描写があまいというか、人数が多すぎたというか…とりあえず、群像にするには主人公と過去の彼以外の描写がうすいし、なんでこんなにたくさんのキャラ必要だったんだろうという気もする。青春の陰影を描きたかったんだろうなという気はするけど、ちょっと絵の面でももお話面でも筆力が足りてない印象。人が多い割にかき分けもあまりうまくなくて、名前も似てたりして、いちいち前の方確認しながら読まなきゃならなかった。
 主人公と過去の人はわりとエピソードとしては描かれていたんだけど、なんで惹かれたのか(あるいは引きずられたのか)とかがよくわからない。彼の初恋と、主人公への秘密のゲームの引力くらいしか説得力ない。主人公の恋人になる人も、なんで結局選ばれたのかよくわからない。
 そんなわけで、アドレセンスを描いたサスペンスとしていろいろな面で物足りないし、いわんや恋愛ものとしてもしても…という感じだった。

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