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[ 読書/BLコミック ]

草間さかえ『はつこいの死霊』

 なんかいまいちだった。
 「初恋の死霊」という設定がいまいち活きていない。智の「初恋」がメインになるのはいいけど、裕一の初恋は処理し切れていないというか、そっちの「呪い」はどうなったんだと疑問だし、新興宗教とか色々言い出しても、なんだか空虚なんだよね。「初恋の死霊」という言葉が、ただの言葉遊びで終わっている感じ。だって、裕一に痛い目をみせてんのは智自身だし、別にそれって「呪い」とか仰々しく言う必要はないじゃないか。
 展開に関しても、第一話で過去の話を全部出してしまっているので、裕一がキスのことを忘れているというのが最初は分かりづらく、過去話の出し方はもうちょっと工夫した方がよかったんではなかろうかと思う。裕一が10年後の智を見分けられないというのも納得できなかったし。高校生以上になったら見て分からんほど変わることはないと思うのだけど。そういう物語の入りがちょっと独りよがりな印象。

 前にも書いたように絵は結構好きなんだけれど、やはりキャラの書き分けがいまいちできていない。それって、実は意外と二次元な視線で描いているせいなのではなかろうかと思う。中表紙カラーや各話扉絵なんてかなり素敵だったけどね。

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