宮本佳野『RULES』1~3
きれいで優しいお兄さんと悩める高校生、きれいで影のあるお兄さんとへんな髪型の高校生。
前の版で一巻を読んでいたので、最後の巻まで出てからまとめて読もうと思っており、なぜか全四巻だと思ってもいたので、しばらく待ってしまいました。全三巻なのですね。そして二巻三巻を購入してサテ読んでみたら、…話がとんでいる。一巻で収録されてた短編が、三巻の最後に収録されていて、一巻にヒカルとユキの話の最後まで入ってたんですね。
なんかそんな感じでグダグダでしたが、やっと読み終わりました。
しかし…。
どうも最近の宮本佳野はキャラに感情移入しづらくなってしまった気がする。
わたしはBLは基本的に(余程アレな人間でなければ)主人公サイドに寄り添って読むので、最初の視点人物ユキには同情的に読めたんだけど、それでもユキのむやみな鬱々っぷりとか、アトリやヒカルへの二股っぽいありようは、やっぱりズルく思えてしまう気がした。
ヒカルもなんであんなにユキに優しいのか、ってかアトリにも結構親切だと思うんだけど、とにかくその理由がわからない。まあヒカルのユキへの気持ちの描写は圧倒的に足りないんだけど、そういう今のヒカルを形づくったのであろう過去のノンケとのあれこれも全然示されないので、ヒカルがどういう人間なのかよくわかんなかった。(あ、そういえば同人誌は読んでないんだけど、そっちに出てくるのかな、もしかして…。
ただ、先にも書いたように基本ユキサイドに寄り添って読んだので、ヒカルが(経過はわからんが)ユキに惚れたのはよかったと思えたし、だから番外編みたいなユキの天然に振り回されるヒカル、なんてのも面白く思えた。
しかしトオルとアトリは…。もう、ねえ。
この『ルールズ』全三巻を読んだのは、勿論一巻が中途半端に放置されてたせいというのもあるんだけど、わたしのトラウマBL『ノット・ラブ』(いやあれキライではないというか、むしろどちらかといえば好きなんだけれど、やはり名指すならばトラウマなアンハッピーエンド漫画だ)の続きとしても気になっていたからなんだよね。つまり、トオルの去就が、ってことなんだけど。
うまくいえないけど、トオルとアトリの関係はあんまり楽しく読めなかった。トオルのダメっぷりはなんとなく納得できるけど、なんかやっぱり『ノットラブ』のトオルとうまくつながってない気もする。アトリもあんまり魅力なかったし、だからトオルがなんでアトリに救われたのかもよくわかんない。
だけど、そんなよくわかんなさも含めて、『RULES』ってそういう話だったのかな、という気もする。ヒカルとユキもそうだけれど、気持ちよりも先に体の関係をつくってしまう話というか。情緒面が全般的に、なんとなくはわかるんだけど、つながりがよくわかんないというか。まあ人間の気持ちなんてそういうよくわかんないものですよね、という感じなのかなあ。
あと、絵が変わったなあって思った。アトリのへんな頭がだんだんふつうになっていってしまって、誰だこれ、って感じ。前の絵のほうが好きだなあ。