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[ 読書/BLコミック ]

今市子『僕のやさしいお兄さん』

 二百十日でまだあおいいちょう葉がたくさん散ってしまい、なみきみちはまるで、あたかも、

 『グリーンデイ』ッ!!

 …てかんじでしたわ。
 (パンクロッカーではなく、カビの先生の方です勿論。

 むむむー。

 三歳の時に生き別れ、亡くなったと聞かされてきた実の母に無理矢理引き取られることになった主人公。実の母の再婚夫の連れ子(血縁関係なし)をなぜかひきとっており、元夫の子(主人公と腹違いの兄にあたる)までなぜかひきとることに。顔合わせの日、血縁のない方の兄が初めて行った二丁目でお持ち帰りされかけた初恋のひと=千人斬りの王子だとわかって気まずいけれど、腹違いの兄を牽制するために同居に踏み切る主人公。

 どうも最近今市子もいろいろ雑になってない?
 設定がややこしすぎて、人間関係もよくわからない。わからないというか、なんかへんな人が多くて、それがなんでありえているのかわからないという不条理さは、ある意味現実味があるのかもしれないけれど…。

 まず、腹違い兄の母、つまり主人公を祖父曽祖父にあずけて出て行って過去別れた女性とまた再婚し、また離婚してた実の父の元妻(ややこしい!)があまりにひどい。そして、その息子である腹違いの兄も天然にダメ男で、しかも主人公とその母への対応がひどすぎる。ひどすぎるのに天然ってことでなんか許されてるかんじで、主人公もまるっとよい子ではないけれどやっぱりかわいそう。
 血のつながりのない方の兄=王子は、なんかもう一人の兄に妙に甘いのはなぜなんでしょう。主人公に妙に厳しいのもなぜなんでしょう。出会いの傷とか昔からの初恋をひきずってのあの対応なのかな。だとしてもいまのところはなんだかいまいち感じわるい人にしか見えない…。
 ところでそんなきれいなお兄さん、元々書き分けのうまくないこの作者が普段→天パメガネ、王子時→ストレート美人、を同じ人間として書こうというのに無理があるのでは…なんか髪の長さちがいすぎる…。
 主人公は主人公でよくわかんない。おじいちゃん子で女の子にモテて、でもあの家では妙に存在感ない感じで、どっち方面向いてるキャラなのかよくわからないのだ。

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