中村明日美子『同級生』
そうはいいつつも、これもやっぱりいろんなとこで評価されてて気になってたのと、あと書店で少し読んだらそこそこ面白そうだったのとで、購入。
合唱の練習中に口パクしてた優等生メガネは、実は黒板がみえなくて楽譜もよめなかったのだそうで、バンドマンのチャラ男は歌を教えてあげるとかつい口がすべってしまい云々。
王道というよりはややありきたりか。
チャラ男はかわいいけど、キャラとして特筆すべきことはないかなあ。
黒髪メガネはきれいでいいのだけれど、やや心理描写が物足りない。チャラ男への気持ち、特にそのゆれうごきなんかはこういう作風ならもっと読者につたわるように書くべきなんではなかろうか。
このメガネにかぎらず、いろんな要因で動いたり動かされたりしていく心情とその描写って、青春ドラマのキモだと思うけど、そういうのがなんかものたりない。せっかく漫画なのだから、ネーム・絵・雰囲気全部つかって心情を評言して欲しい、と思うんだけど、どれもがんばってはいるけど中途半端な感じ。別にはっきりと描かないこと自体はいいんだけど、どうもそもそもあんましいろんなことをきちんと伝える気がないテクストという気がするし、ひとりよがりな印象。
絵は、デッサンがかわってて面白いのだが、時々二次元でくずれたデッサンでなければありえん構図とかあって、面白いではすまないようなのもあった。あと目がきれいな円形ではなく、更に不定形なのが、個人的には好きではない。