田亀源五郎『ウィルトゥース』
なんというか、完璧なカバーアートである(当社比。
グラディエーター。生気のない剣闘士候補を見かけた一番人気な網闘士は、このままでは遠からず彼は命を落とすだろうと彼を犯して自分を憎ませるように仕向ける。剣闘士はまんまと網闘士への憎悪で腕をあげていき、いつか彼を試合で殺そうと機会を狙うが云々。
いやー、面白かった。久々に重い系コミクスでアタリが出た、という感じ。
お話はオーソドックスでとても面白かったし、安心して読めた。安心して、というのは破綻の心配もなく、そしてBL作品としても意外と信頼して読めた。なんとなく。
だがBLだったというのは筋のレベルでの話であって、田亀源五郎だし、受けが攻めより身長もひくく無骨で多毛だったりして、でもあたしはそういうのはそういうので好きなので、とってもよかった。
あれですな。さぶ系とかさぶっぽい作家が時にニガテなのは、別に絵や設定がリアルにゲイゲイしい(@魔性のゲイさま)からではなく、筋においてBLを逸脱するのがイヤなんです。そこそこ甘いハピーエンドなら、むしろゲイゲイしい絵も巧いよな~、と楽しめてしまいます。少なくともあたしは。