扇ゆずは『浴びる純情』
仕事でしたよ。ひきこもり対策には一番ですね。
で、こんなこと書いている場合じゃないんだが。
「諸君、私は扇ゆずはが好きだ。(以下略」
作者のファン的にこの表紙は、蝶美麗だけれどえぇ~いつもと違う感じ、今回はいつもと違う方向なのかもー?といちまつの不安がよぎる感じでしたが(この件については作者自身があとがきでもっと激烈な語彙で書いておられる)どうしてどうして、期待はいい方向に裏切られ、もう、ほんと大好きです!(意味不明ですみません。
すっごいのは、扇ゆずはは引き出しはそんなに多くないかもと思うんだけど(基本的に主人公CPは魔性対ヘタレのバリエーションで、ヘタレは美しいヘタレだったり、優秀なヘタレだったり、要するに少女漫画の正統な後継という感じのCPなのだと思う)、新しいものに挑戦する扇ゆずははほんとに素晴らしいガッツの持ち主だ。そしてそれを活かす筆力がきちんとある。こういう組み合わせ、というかもうはっきり書いてしまえば少年、というか正確には少年ではない?主人公で(この件についてももっと正確な言葉で作者があとがきで書いている)くるとは思わなかったし、それがこんなにうまくまとまっているのもスゴイ。やはりお話つくるのが基本的にうまいんだと思う。時々えぇ~その設定・展開は無茶でしょ!と思うような部分が出てきても、全体としての一作品としてはすごくよくまとまってたりする。
それにしても、今回は確かに作者曰く「大作戦」の効果がばっちりで(この件に関してもものごっつい語彙で作者あとがきに詳しく書かれている)やっと堂々と人に薦められる一冊が出来たような。でももう元からのファンは感覚が麻痺してるかもしれないから、この作品でも仰天する人は仰天するかもしれぬ、アレに。だってやっぱり描いてるもの。
なんだかまわりくどい激賞で面目ないですが。とにかく扇ゆずは株は去年からうなぎのぼりなのです。
内容について全然書いてないですね。その先生と生徒の表題作について。タイトルがいい。シリアスなどかっと来る展開が多めなのもこの作者の連載ものでは珍しいかも。そういうところもかなりよかった。歌舞伎町の読みきりも、ちょっとあざとくエグいかな、とも感じるけれど個人的には好きな作品。特に医者。