★2007下半期・BLコミックベスト10
うーん、いまいち不作だったかもだ。今期は読んだ冊数も断然少ないのだが、別にそれは漫画に飽きたからではなくって、不作だったからなのかも。ちなみに2007年のベスト3は、円陣闇丸『天国へ行けばいい』小笠原宇紀『BLACK SUN奴隷王』山田ユギ『誰にも愛されない』、…うん、やっぱり後期はちょっと不作でした(笑。来年に期待!
そのせいもあって今回ちょっと評価が難しかったんですが、まずコミクス一冊全体の雰囲気を重視して、短編集の場合は突出した短編があれば考慮してます。あと、ちょっと表記を変えてみました。ホシの数はあまりゲンミツではありません。
2007年12月29日
古街キッカ『洋6K2南向き』
つながりワールド短編集。
概ねつまらなくはないけどありきたりな印象で、個人的には『さくらにあいたら』の方が好き。前作では絵も印象的だったんだけど、本作では絵もなんだかあんまりパンチがなくて、ちょっと丁寧でキレイっぽいだけって印象になってしまってる気がする。
ちなみに本作では、ケンカ番長×ちょっとあたまのよわいこの高校生CPが一番好き。なので、この作家の高校生ものがあたしの趣味にあっているということなのかもしれない。
あとはメガネリーマン×路上詩人とかよかった…メガネがエキセントリックで(笑。
上記おバカ受けも、授業さぼっておやつたべてる攻めにみかんゼリーをもらって、この優しい人に一生ついていこうと思ったり、みかんオレンジ味大好きになったりと、アホっぷりが非常にかわいい。
西田東『素晴らしい失恋』
つまらなくはないけれど、特に印象に残る作品もなかったような…。
なんかゲイ部下×ノンケ上司の部下片思いがこの作家の基本だなあと改めて思ったり…。あと、外国が舞台のものはなんかやっぱいいなあとか思ったり。
しかしそういえば、どの作品も結末が微妙に成就してなかったりして、かといって余韻だけで充分な物語ってわけでもなく、ちょっと物足りなさも残った。
2007年12月17日
小鳩めばる『さわって、とかして。』
なんかリブレの雑誌で短編読んだ時は面白げな作家だと思ったのだが、これはいまいちな短編集だった。全般的にあんまり面白くない。
特に弟×兄ものとか、自分の気持ちに気付いてくれない鈍感な兄にイラつくできのよい弟は別にキャラとしていいけど、イライラを兄にぶつけすぎというか、人としてどうよって感じの対応というか、人を傷つけるようなことを平気で言っちゃう弟にドン引きですよ。あとがき読んだら、作者は弟はヒドいといいながら人としてマズいとまでは感じてないような書き方をしている印象だったので、更にちょっと引いてしまった。
レンタル屋の先輩はヤンキーみたいな顔で天然で面白かったけど、攻めの不器用キャラがいまいち立ちきっていない感じで勿体無い。
あと銭湯の話は、年上ほんわかな受けが告白後にいきなりつっかかってくるような対応なのが一貫性がない感じ。そりゃ憤るのは当然だろうけど、あそこまできつい返しするようなキャラではないんじゃ…。
あと、なぜ目の下に点線がはいっているのか…。
追記、前に雑誌で読んだことあったと思ってたのは、別の作家と勘違いしてました。
2007年12月13日
深井結己『はつ恋ものがたり』
残り時間を100として各作業にわりふってしまうという相対的計画のせいで、いつもぎりぎりなのだと気付きました。時間があればあるだけ、ひとつの作業に時間をかけてしまうのです。
年下わんこ系保険医×メガネのクール数学教師。山奥の全寮制男子校である意味はあったのか…。
人を寄せ付けない、あだ名がアラスカな荒塚先生=受けは、新任の保険医=元教え子=攻めにアタックされて次第に心をひらき、そんな中攻めが半裸の生徒と保健室にいるのを目撃して云々。その後も展開もありきたりで、まあオーソドックスにすぎるわんこ×クールメガネものって感じ。
続編も攻めの元恋人?なMRが来て、受けに恋する生徒をけしかけて襲うというこれまたオーソドックスというかベタな展開で、正直ちょっと飽き気味だったのだけれど、これはオチというか受けの対応(後述)がよかった。
攻めはオーソドックスなわんこ系だけど、受けの惚れた理由とか友人のからみでまあいいかという感じ。たいする受けは、なぜツンドラ(デレではなく)なのかという過去や背景がさっぱり描かれていないので、ちょっとキャラが弱い。
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ちょっとネタばれ過多になるけれど、自分の生徒には好きな相手を傷つける子なんかいないんだと受けは言うが、それはたぶんまっかなウソなのだ。けど自分でもウソだとわかっていながら、あえてそれを信じてみるという行為は、すごく力を持つのだろうなと思う。よくもわるくもね。ポスト構造主義世界の人間は真実なんてどうせ信じてないのだし、だからウソでも全然構わない気がするんだよね。このなりわいはウソをもてあそぶ仕事だなあと思うことが多いので、余計にそう思うのかもしれないね。
2007年12月07日
奥田七緒『与える男。』
にゃんにゃんにゃん。
吸血鬼×健康志向大学生…だっけ?逆!?
吸血鬼を拾って面倒をみるとか、吸血鬼の兄が来日とか、とか。つまらないわけではないけどなんだか全般に薄かったし、印象に残ってないなあ…。
それでも一冊まるまる表題作なんだから、読み応えあってほしいなあと期待しつつ読んでたら、途中でサブキャラの助教授カプになってしまうし…吸血鬼もはや関係ないし…。うーん、なんだかなあ。
2007年11月18日
井上佐藤『エンドルフィンマシーン』
DMC実写化はともかく、クラウザーさんが松山ケンイチ…!(笑
DBはどーでもいーと思ってたけど、監督がチャウシンチーらしいのでたぶん観にいく。
4分間のピアニストを観ようかと思ったけど、やっぱりいいかな、と…。
井上佐藤の初コミクスがやっと出て、配本が少ないようで中々買えなくて忘れかけてたとこでやっと買えて読んだ。結構面白いし好みでもあったのでよかった。
表題作は不器用なイケメンフェロモン整体師×整体師のバイト。続編ふくめて、ちょっと筋がごたついてるけど受けが斜に構えた若者でカワイイ。
総ホモアパートに越してきたノンケ製菓専門生の話は面白かった。冒頭で女の子が「敷金戻ってくんでしょうね?住人全員ホモだなんてどうかしてるわよ!」とかもめてるのがまず可笑しい。そして、なんか最悪なリーマンに飼われてるツンデレ長髪のお隣さんが…あの、某ジョジョキャラそっくりで…(笑。たいする主人公のパティシエの卵がキッラキラした若人で、しかも攻め、「年の差6歳、身長差21㎝」だそうなので、対でもうおかしくって…(笑。オチもいいよね(笑
あとはオレ様予備校生×予備校講師とか、リーマン微妙に三角関係とか。それぞれそこそこ面白かった。
この作家は、絵はヘタではないがなにか少し不安な感じがするところは、本間アキラと少し印象が似ている気がする。あとちょっと動きのある絵がイマイチというか、コマわりの仕方が動きに合わない感じがするとこが気になる。
お話は、それぞれに萌えも面白みもあるのだが、なんとなくごたごたしているというか展開がこなれてない感じ。
作者のあとがきを信じるなら経験の浅い漫画書きさんみたいなので、更なる今後の発展に期待できそう。
2007年11月17日
放り投げ本。
最近途中で読みさす本が増えてる気がします。
嶋田二毛作『吸血鬼に愛される方法』
鬼=吸血鬼対渡辺綱の子孫というわたしの大好物設定だったんだけどつまらなくて…。
橘みれい『からくり仕掛けの蝶々』
泉鏡花が出てくるということと絵が今市子なのでワクワクして読んだのだが文体があまりに馴染まなくて読めなかった。半分くらいしか読んでないけどお話自体もイマイチ。ていうか、この橘みれいって『花影の刻』の嶋田純子がPN変えただけだったのね。そうと知っていたら買わなかったのに…って、『花影の刻』も文体も内容もなじまなくてかなり苦労した。こっちは一応読んだけど。
仙道はるか『夜空に輝く星のように』
これも文体がなじまなくて読めなかった。橘みれいにもそう思ったが、なんか昔のラノベ(ラノベという言葉が出来る前のラノベ)文体だなあという印象だった。
清水正『ケンジ・コードの神秘』
どうせトンデモ本だろうとタカをくくって読み始めたら読めないほどのトンデモ本で困った。
榎田尤利『人形の爪 眠る探偵 I』
探偵がまったくもって推理もしないし、かといって立ち居振る舞いその他にきらめく魅力があるでもないし、なぜ皆に愛されまくってストーカーまでされているのか全くわからなくって、本編はかろうじて読み終えたが、後半の過去編と続きは読む気がしない。
2007年11月14日
藤沢キュピオ『お殿様ご乱行』
タイトルからアレな作品というのは時々あるが、作者のPNまでもこんなにワケがわからないのは久しぶりかもしれない。
しかし、締め切りにおわれて疲れ果て、もう何にも考えたくない、という時に読んだらそういう意味では大当たりでした。表題作は受け大好き殿×天然朴念仁忍のアホアホな短編シリーズで、あとは体の関係はないが同棲中の漫画家×漫画家と、漫画家の従弟→アシのアホアホな四コマシリーズ。絵もお話も正直そううまいわけではないけれど、それぞれにほぼ及第点ではあると思うし、ぼーっと読めてよかった。
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リンクつくろうとして間違えてお殿様、でぐぐってしまい(グーグル検索窓とGtools検索窓が一緒なので)、お殿様ベッドという言葉を見つけてびっくりした。お姫様じゃないのか…?とクリックして、見てみて納得した。
2007年11月08日
山田ユギ『ありえない二人』
麗人コミックスだけどほとんどシャレード掲載作なので、いつもの麗人コミックスと全然雰囲気が違っている。
表題作は麗人掲載で、これが一番面白かった…無表情朴訥な鞄職人×ウェブデザイナー。やはり山田ユギのこういう不器用系人間は攻めでも受けでもすごくよい。
一番分量の多い、お酒ののめない年下わんこ系スポーツジムのインストラクター×年上美人系マスターは、なんかいまいちだった。シャレードは短いページで漫画連載する枠があるんだろうと思うが、そしてその枠で連載していたのだろうが、なんか物足りなかった…。
他の短編はそこそこという感じ。
おまけ漫画が三部作らしい…ドアの新装版と連作!?おまけ漫画のためだけに新装版は買えないなあ…。