依田沙江美『よろめき番長』
新聞社のミニコミ誌部門ではたらく攻めは、たぶんノンケなんですけど、偶然知り合った日本茶屋さんで働く美人に押せ押せアタックなのですが、美人はとんでもなく天然でして。
冒頭、受けが自転車を転ばせてしまって、相手を気遣いもせずに自分の穏やかな生活が終わってしまうことを嘆いているので、これはさすがに今回のDQN受けにはついていけないかも…と思ってしまった(笑。この作家のキャラはDQNなのは大前提、というか仕様らしいので(笑、ついていけないレベルでなければそれでオッケー、というふうにやっと理解したので…。
でもめげずに読んでたら、受けはただのコミュ力異様にない天然ちゃんで、攻めが攻めあぐねてぐるぐるぐる、という面白い話だった。
受けはそんなわけで、コミュ力ないので友人ほとんどいないし、誤解させる言い回しや行動多くて難儀なキャラだった(笑。更に潔癖症…や、しかし、トイレの水たまりに素手をつっこむのって、わりとふつうなのかな…?…「覇王の七日」の、龍造がトイレで水を飲む場面に座りくらみしかけた時よりは平気だったけれど…。あ、あと若葉真平でわかぺーというのはどうも慣れなかった…。
攻めは割とふつうのがんばるキャラだったけど、なんかよかった。美形だけど誰しもとりつくしまのなかった受けに、おしたりひいたりで近づいていく様子がなんだかすがすがしい。しかしわりと最初から受けに興味津々なので、受けのDQNぶりについていけなかった当初は、攻めにもついていけなかった…(笑。
商店街のお茶屋さんというのも活きててよかったし、おもしろかわいい話だった。