天城れの『SM-スキモノ-』
あたしには彼らの物語はたくさんある物語のうちの一つにみえてしまうけれど、当人にとっては自分の物語しかみえなくて当たり前なのだという当たり前のことを忘れてはならないと思うのですが、ぜんぶ共有は出来ないのも当たり前なのです。
表題作は子持ちの雑用係×モデル事務所のトップモデル兼社長。
受けが攻めをいじめてて、でも実は独占したいだけだったのです。それはいいけれど、あたしはやっぱり子持ちキャラはニガテだなあと思った。
葬儀屋の息子シリーズが入ってた。これもイニシャルがSMらしい(笑。
恋人?らしい男性の葬儀にきたお客のおじさん×葬儀屋の兄は、ちょっと最後のたねあかしがあっさりすぎだった。弟の話はたしかどっちか同人誌で読んだことあった気がする。どっちだっけ…愛人さんのほうかな?過去の話は切なかった。この兄弟のオマケ漫画が短いけどかわいくて面白かった。
朴念仁で犬には優しい獣医の従兄弟がスキスキな少年の話は、攻めがダメでちょっと受けがかわいそう。
娯楽に興味のない教授のところに人気俳優が転がり込んでくる話はベタだけど面白かった。
しかしこの作家はやはりこういうシリアスものの方がいい気がした。画風作風のせいか、ギャグだと手抜きすぎに見えてしまう気がする。