"読書/BLコミック"のアーカイブへ


[ 読書/BLコミック ]

今市子『僕のやさしいお兄さん』3

 『幻月楼奇譚』でも思ったが、最近の今市子はちょっとストーリーテリングが雑めなんではないか。
 やさしいお兄さんは、なんかキャラが多くて関係性を把握するだけで結構大変だし、キャラ設定自体把握しづらい気がする。
 聖は結構モテ男なのに、お兄さんに恋してうじうじ、かと思えば言い寄ってくるセンパイには結構あっけらかんな感じ?…という多面性がよくまとまんない気がする。とにかく女好きのアキニンはいいけど、今回の恋愛ざたはなんかお話を面白くするための展開に見えてしまって、アキニン自体のキャラがやっぱりわかりづらい。鉄平さんも、千人斬りっぷりと小学校の保護者への優柔不断っぷりがまず噛み合いづらいのに、さらに聖への不器用っぷりがかさなって、ちょっとよくわからん。
 多面性のあるキャラはそれはそれでいいと思うんだけれど、描写が丁寧じゃないからただドタバタしてるだけにみえてしまう。個性的なキャラたちの結果のドタバタではなく、ドタバタ自体が目的に見えてしまうというか…。や、ドタバタ自体が目的、にはやっぱり見えないので、つまりどうも雑に見えてしまうんだと思う。

with Ajax Amazon

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mayoiga.s6.xrea.com/x/mt-tb.cgi/2127

with Ajax Amazon