山中ヒコ『丸角屋の嫁とり』
面白かったけど、ちょっと物足りなかった。
表題作は、武家の側室の子が正室の嫉妬を恐れて姫として育てられ、なんか評判わるい商家に借金のかたに嫁によこせとか言われて父はほいほいと息子を嫁に出したのだけれど云々。
女装受けはあまりすきではないのだけれど、この受けはかわいらしいながらもかっこよくてよかった、のでまげになってしまって…、や、それでもかわいいんですけど…(笑
攻めが受けにめろめろのジェラスしまくりなのだが、話の構成上なんか攻めの受けラブはあんまし描かれないので、そこがちょっと物足りなかった。
ヘタレリーマン後輩×メガネ先輩の前後編の方も、面白いけどちょっと物足りない感じだった。ふたりともそれぞれに心にあいた穴をかかえつつ、という重めの設定が、なんかあんまし活かしきれてはいないような…。
いずれにしても、短編ではなくて三話以上の連載もののほうがこの作家さんは面白い気がしたのです。
かわいそう設定が好きな作家さんなんだろうなという気がするし、そのかわいそうさの描写の仕方とかもあたし的にストライクな感じなので、なおさらがっちり連載ものな作品が読みたいなあと思うのです。