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[ 読書/BLコミック ]

深井結己『はつ恋ものがたり』

 残り時間を100として各作業にわりふってしまうという相対的計画のせいで、いつもぎりぎりなのだと気付きました。時間があればあるだけ、ひとつの作業に時間をかけてしまうのです。

 年下わんこ系保険医×メガネのクール数学教師。山奥の全寮制男子校である意味はあったのか…。

 人を寄せ付けない、あだ名がアラスカな荒塚先生=受けは、新任の保険医=元教え子=攻めにアタックされて次第に心をひらき、そんな中攻めが半裸の生徒と保健室にいるのを目撃して云々。その後も展開もありきたりで、まあオーソドックスにすぎるわんこ×クールメガネものって感じ。
 続編も攻めの元恋人?なMRが来て、受けに恋する生徒をけしかけて襲うというこれまたオーソドックスというかベタな展開で、正直ちょっと飽き気味だったのだけれど、これはオチというか受けの対応(後述)がよかった。

 攻めはオーソドックスなわんこ系だけど、受けの惚れた理由とか友人のからみでまあいいかという感じ。たいする受けは、なぜツンドラ(デレではなく)なのかという過去や背景がさっぱり描かれていないので、ちょっとキャラが弱い。

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 ちょっとネタばれ過多になるけれど、自分の生徒には好きな相手を傷つける子なんかいないんだと受けは言うが、それはたぶんまっかなウソなのだ。けど自分でもウソだとわかっていながら、あえてそれを信じてみるという行為は、すごく力を持つのだろうなと思う。よくもわるくもね。ポスト構造主義世界の人間は真実なんてどうせ信じてないのだし、だからウソでも全然構わない気がするんだよね。このなりわいはウソをもてあそぶ仕事だなあと思うことが多いので、余計にそう思うのかもしれないね。

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