池玲文『銀閣博士とモルモット』
近未来、天才的頭脳ながらも都市再生の研究をうちすてて、エッチな機械ばかりつくっている銀閣博士と、博士にあこがれて助手に志願したらそんなんで、へんな機械の実験台にされてばかりの助手。
前半は博士が潔癖症で人間嫌いだとかの伏線はありつつも、基本的には変人博士と博士に悩まされる助手のアホな話が中心で、面白かった。
後半はけっこうシリアス展開で、それもよかった。博士の人間嫌いの原因であり研究を捨てることになった理由でもある過去の事件とか、助手へのラブとか。
というわけで面白かったのです。SFぽいとこと、軽めながらも倫理的な問題も書き込まれているあたり、あたし好みです。
この作者の本を買うのは初めてな気がするのだが、現代物の作家というイメージがあったのだけれど、こういうSF系の話結構書いてるのかな。最近の雑誌掲載短編もSFとかややファンタジーとかだったよね。ちょっと他のコミクスも買ってみようかな。
初出一覧を見ていて、年表なんてどこにあったっけ…とめくっていてそこでやっとピンナップを見たが、カラーきれい。年表はカバー下にあった。