山田ユギ『死ぬほど好き』
山田ユギ的な全体的にそこそこの作品ばかりの短編集なのだが、今回はちょっと薄いかなあという印象も。表題作の印象が薄いからかも。
表題作は、高校卒業間近に友達に告白して云々という話なのだが、話の主軸は主人公の思い人のセンパイの遠距離恋愛なので、なんかなあという感じ。二人のその後の遠距離恋愛がつづく短編は多少興味がひかれるものの、長期間遠距離だったら『どうして涙が出るのかな』のが面白いかもとも思ってしまう。
端艇部の孤高っぽい先輩←ちょうちょとんでる後輩はちょっと面白かったけど、BL的にはちょっとものたりない。
イケメンリーマンが、男連れのぼんやり系おっさん同僚にラブホで出くわして、口止めに身体を要求してみる話は、なかなかよかった。でも物足りないので、連載でもうちょっと細かいとこまで読んでみたい感じ。おっさん受けはなかなか若いノンケにマジになれないので、微妙にハッピーエンドまではもうちょっとな感じだし。
『誰がおまえを好きだと言った』の「我が家は楽し」の円ちゃんの子ども×予備校教師は、メガネ予備校教師が堅物で面白かった。が、ダメで大変そうな若い攻めと教師受けというのは、ちょうど『高校教師、なんですが。』を読んだあとだったので微妙に印象がかぶった。