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[ 読書/BLコミック ]

明治カナ子『生まれ星』

 今更すごいことを知ってしまった。きつねは、デスクトップにドラッグ&ドロップで、画像保存できるのよ!こんな便利な機能、もっとはやく知っておきなさいよ自分!

 『三村家の息子』シリーズの三作目で最終巻。
 なんというか、よかったね…弓も敏も。二作目の『出来の悪い子』の後半とか、どっちもものすごいぐるぐるだったし、読んでてしんどかったので、よかったなあという感じ。
 弓は鈍くて恋愛にかんして幼くて敏にたよりっぱなしで、でも兄へのコンプレックスとか家族の期待とかの自分ではどうしようもない原因もいっぱいあって、敏は敏で自分になついてくる幼げな弓の一挙一動にふりまわされっぱなしなのはかわいそうで、でも弓を突き放そうとしてみたりしてあんまり弓にシビアなのはちょっと弓もかわいそうで、というぐるぐるが、弓のそれこそはりつめた矢のようなまなざしで一気にばっと裂けたような、そんな結末だった。

 弓とか、ニブくて攻めがイライラするのもわかるんだが、でも環境のせいというのがかなり大きいから同情してしまう、というのは『キモチの行方』『リアル1/2』と結構多い感じの受けだね。
 あと敏はタレ目だったんだね。

 矢によってひらかれた世界では、弓も敏もものすごいニコニコでれでれで、なんかすごいかえって恐くなるようなしあわせそうな顔で、でもそれはそうなんだろうなあ、という感じだった。足にキスされてすごい笑顔な弓とかなんかスゲエなあと。もうちょっと後日談も読みたかった。

 それはいいのだが、三巻分も精神的なぐるぐるが続いた後で、最後にあれ、なんというか…まあいつもの明治カナ子だなって感じなんだけど、今までそういうのゼンゼンなかった作品がいきなりポルノになったよなあ、って感じで、なんか違和感あったなあ。

 それにしても、明治カナ子は正直絵はあまり好きではないし、話も前のほうが好みだった気がする(というか、初期の『キモチの行方』がいまだに一番すき)けど、やっぱすごい漫画家だなあというかあたし好みの漫画家(なんというか、独特で代替のきかない世界を書いてくれる漫画家)だなあと再確認した。

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