西田東『願い叶えたまえ』1
うー、ネタバレかもしれません、ご注意ください。
「ピアノなんか俺にわかるか!」
最近の西田東はやはりちょっと雑になってきていると言うのと、コミックス表紙を見てもピンとこなかったのとで、西田ファンのわたしがめずらしくも刊行後すぐには手に取らなかった一冊。
いやはや、面白かった。早く読めばよかった。なんだろう。フジミマイブーム中だったからいけなかったのかもしれない(いや、全然いけなくないんだけど! つまり、「ピアニストとヤクザ」というアオリで読み始めた第一話に上記のセリフが出てきた辺りが西田東らしくて、あぁいいな!と思ったんだな。それで波に乗っちゃったから。長めの連載だからということもあるのだろう、いつもより少しハードめな展開が多いのも少し新鮮。
ただ、ピアニストのキャラ造詣にかんしては、特に最初のほうはきちんと定まっていなかったのかわかりづらい面が多い。このヤクザのよーな強烈キャラが相手である以上、ごくふつーの人っぽくなってしまうのは仕方ないにしても、もうちょっとかっちりした性格づけがあれば、感情移入しやすくなって、この波乱含みの展開がもっと楽しめただろうなと思う。
あと、ヤクザが美人で大変よろしい。あぁ誰だ、西田東の絵がうまくなったらイヤだなんてほざいていたのは!(わたしだ! ヤクザのゲイ嫌いとその原因については若干ありきたりかなーと思うけど、それをどう超えていくのかで西田東節をきかせてほしいなと思う。
あとがきもいつも通りなオチづけになってて笑った。