一ノ瀬ゆま『嫌いな先輩』
Kindle Ultimated。
嫌いな先輩と、嫌いな後輩同士…だったはずなのに。
会社の後輩=受けが、元気で頑張り屋でみんなに可愛がられているんだけど、一言多かったり無頓着に失礼なこと言ったりしてしまうタイプで、ほとんどの人には気にならないけど気になる人(攻め)には気になるタイプ、というのがリアルですごくいい。
だから受けにイラつく攻めに感情移入しつつ、でも攻め自体イケメンで出来る男なので感情移入しにくい部分ありつつ…な状態で、受けの秘密がわかって一気に引き込まれ、そこからはお互いの感情の揺れにはらはらしつつ一気に読んじゃう感じ。
古典かもしれないけれど、受けのこういう設定好きだなあ…(笑。ほとんど必然的に健気受けになるし。
絵はきれいだけど、少々顎が尖りすぎなのが残念。受けも攻めも喫煙者なのは、時代が変わって古くなってしまった。
本編の終わり方が物足りないと思ったら色々事情があったようで、続編の同人誌がpixivでも読めて、これが本当によかった。続編の後半は本当に泣ける。
極端に辛い設定、展開ではないのに、キスすらしないのに、これだけ泣かせる話がありうる、というのをすごく鮮やかに示してくれていて、本当にいい。
もっと多くの人に読まれるべき続編同人誌だなあ、と思ったのは、明治カナ子の三村家の息子以来かも…いや、こんなに偉そうに言えるほど続編同人誌をそんなに沢山は読んでいないけど(笑。