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[ 読書/BLコミック ]

西田東『もろとも』


 表題作はなんだかいまひとつ。見所もなくって印象に残らない。最近やはり、ちょっと荒っぽいつくりになっちゃってる漫画が目立つように思う。
 特に、なんで主人公が義弟に惹かれたのかよくわからない。好意まではわかるけど、そこに恋愛が出てくるのはどうしてだ。

 警官とヤクザものは普通に読み始めたら異様なノリに最初ついていけなくて、ああ!コメディなんだ!と気づいてからは楽しんだ。ギャグくらいはいつも入るけど、コメディってはじめてなのではなかろうか。あとがきのノリが本編に持ち込まれたような感じで、なんかすごい可笑しかった。まぬけなヤクザがかわいくて、それをかわいがってる警官の気持ちもよくわかる。

 わけのわからない荒くれ者と牧師の話は少し異様で、こういうのも描くのかーと思った。犯罪者だわ女と見れば襲いかかるわ、な獣っぽい荒くれ者は、獣っぽいというよりむしろ獣で、描かれ方もえげつないし、いままでの西田東にはないキャラっていうか、BLにはあまり見ないキャラだったように思う。牧師も唐突で薄っぺらいからか、わけわかんないし恐い。個人的にはあまり好きではないけど、最後の場面の展開とかは妙な迫力があるし、このキャラたちでなきゃ描けないだろう展開だから、納得というか。
 このお話はそうでもなかったんだけどしかし、西田東の日本以外の国を舞台とした作品は、なぜか郷愁を誘う雰囲気がある。映画やお話の世界っぽいというか、展開とかが結構ステロタイプなのかもしれない。でもだからこそ好きなんだけどね。売笑夫の話とかピアニストの話みたいのまた描いて欲しいな。

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