雲田はるこ『窓辺の君』
びみょうに読み飛ばしてしまった。
絵がものすごい勢いで70年代少女漫画なのだけれど、果たして作者はそのつもりで描いているのかどうか…という印象。単に流行が一巡しているだけなのかも。あと足の短いところは70年代ではない…最近はやってるのかなあ、足短いの。サムエルとかの影響なのか。
しかしとにかく、絵はわりと好みです。ちょっと高尾滋フォロワーぽいけど。
内容は、すごい勢いでマーブルコミックス…雰囲気漫画だ…。
雰囲気漫画は何がいけないのか?と考えるに、とりあえず萌えない、というのが個人的には一番ネックなんですが、あれだ、二次創作だったら雰囲気漫画でもモエモエなのかもしれない。つまりそれってヤマオチイミのないやおいパロなのだけれど。共有してる設定という土台が既にあるから、雰囲気漫画でもモエモエできるのだ。
逆に言えば、共通の土台のない雰囲気漫画は、読者おいてきぼりの可能性大なわけで。とくに、本作もそうだけど、キャラ造詣や感情描写がテキトウすぎる漫画が多い。どうしてその相手をすきになったのかとか、どういうふうにすきなのかとか、ぜんぜんわかんなくてキャラも恋もぺらいんだ。だから萌えない。
表題作の学生×オクテ教師とか、先生はともかく、攻めはなんだったの?何がしたかったの?実は最初から本気だったの?と、よくわからん。
ちょっとへんな高校生×女子高生フェチ教師とかも、攻めがへんなのはいいのに、めっさキャラ迷子。なんで脅してつきあわせるほど先生すきなの?セーラー服着ちゃうほど先生にあわせたいなんて、そんなそぶりいままで見せてないじゃない?オトコマエなの乙女なの?両方だったらもうちょっと丁寧に説明してほしいし…。
元カレに会いに行く写真家の話も、今カレはただただハラハラ心配してるだけで、そんな描写だけで写真家は今カレにゾッコンだから大丈夫よみたいなフォローされてもなんかそらぞらしいよ。
お話とかも微妙によくわからん。
サリーさん、あんなうれっこなのになんで事務所が守ろうとさえしないの?罪状は根も葉もないウソなのではないの?なんでそんなに悲愴なの?
あとあとがき…作者は「雲助」という言葉の意味をわかっているの?