桃山なおこ『この世界でたった二人』
わけありぽい男のケンカっぷりを見て、跡目争いにまきこまれそうなヤクザの次男坊は彼を用心棒にやとう。次男坊の愛人である足のわるい美青年をまじえ、しだいに次男坊→愛人→用心棒→…な関係に。
…うーん、キライじゃないけど、帯に短し襷に長し、という感じ。
昭和な雰囲気とか用心棒以外の土地の人々の小倉弁とか、雰囲気はすごくいい感じ。絵はそんなにうまくないし、おじさんとか見分けづらいとこも少しあったけど、全体的な感じがいい。けどお話の筋だけでひっぱっていけるような魅力は十全ではないなあ、という感じ。
で、一方恋愛面はというと、三角関係はおいしいのだけれど、やや物足りない。次男坊がなんであの愛人のこがすきなのか、用心棒がなんで彼に思い入れたのか、がいまいちしっくり伝わってこない。
ていうか一番気になるのは、ラストはお話としても恋愛物語としてもわざと宙吊りにしてんのだろうけど、その余韻を楽しめるほどの地場はなかったなあ、という感じで物足りなさが残ってしまった印象。うーん、なにかが足りない感じで、それはラストの描写なのかもしれないし、あるいは他で補えるのなら他でもいいんだけど、ともあれ物足りないなーという感じはする。