木下けい子『蜜色パンケーキ』
短編集。表題作の俳優×パティシエとか弓道部後輩×先輩とか先輩×社長の息子とか。
漫画家の話はなんかス既視感がすごかったしベタだしあんまり面白くなかった。けどあとは大体面白かった。ほとんどすべてヘタレ攻めだった。
絵も微妙でお話もごく普通で、とりたてて好きなとこのある作家ではないのだが、特に悪いところもないのでなんとなく読んでる。でも他の毒にも薬にもならない作家にはすごく苦痛を感じるので、ごくふつうな印象の中にも、なにか見るべきものがあるんだろう。たぶん、バランスがとれているというか、商業娯楽BL作品として抑えておくべきツボはきちんと抑えているというか、そういうところがいいのかなと思う。