ミエノサオリ『あの子が彼を好きな理由』
中村一義そこへゆけ「夜を塗り替えた花火が蒔いた星を見ている」で思い出した。こないだ氷上花火というのを見たのだけれど、とりどりの火花がまるく咲いて、ふわっと消えつつ、さらに広くに火花が残る、なんだろうと思ったら星だったので。素晴らしく詩的なアハ体験(笑
かわゆいゲイ高校生は、初恋の人を忘れられなくて相手を取っ換え引っ換えするような恋愛をしているのだけれど、よくいくカフェで初恋の人そっくりなノンケ社会人に出会って、云々。
この作家さんなんとなく藤原薫に似てるよね。けどデッサンがアレだ…とはいえ藤原薫の○○○が発覚した今となっては…似てるなあ、とだけ言っておこう。
それにしても、受けが女の子すぎるなあ。『白木蓮が咲いたなら』は設定が設定だから、受けが女の子でも気にならなかったけど…。
受けは攻めを初恋の人の身代わりにしてるだけなのかもしれないし、攻めはノンケだけどかわいい受けになつかれて悪い気がしてないだけかもしれない…という、ちょっと決め手がなくってかえってずぶずぶと泥沼、みたいな感じ。おまけでわりと未来の描写がある割には、あんまし安心できない感じ(笑。いいけど。
包容力がある分去る者追わずな攻めが、受けの過去ごと受け止めてしまえるのはなんとなくしっくりくるような、けれど実は時間にルーズだったりやきもちやきだったり…というあたりはちょっととってつけた感もあったような。しかしとりあえず、花輪さんて…やっぱりあのお金持ちな彼しか思い出せないよ!(笑。せめて字を替えて欲しかった。なんで担当さんに確認されてもスルーしてしまったんだろうか…(笑
受けは、初恋の人ではなく攻めがすき、というのをもっとはっきり自覚してほしかった気も。おまけのルーズな攻めでもすき、というあたりはわかるんだけど、本編でももう少し語って欲しかった。
あと、受け従兄弟はなんだったんだ…説明しに出てきただけという感じだったなあ…。