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2020年05月26日

夜光花『ラブシッター』

 積んでいたのを発掘した。
 人に興味のない受けが、銀行業務に音を上げて実家のペットシッターで働いていたら、よくいじめてきた幼馴染がお客になり、今ではモデルとして活躍している彼にふたたびからまれるようになって。
 攻めも特に昔は手が出たりで無茶苦茶でひどいのに、受けがあまりどうとも思っていなくていじめられたとも感じておらず、攻めのあれこれにめっちゃ塩対応なので、攻めが気の毒になっていくお話。最終的には一応、攻めに興味は持てたのかな…?(笑。



2020年05月14日

間之あまの『嘘つき溺愛ダーリン』

 ある事件から人とかかわらず生きている天才プログラマーが、結婚をすすめる叔母の手前、いきつけのレストランのスタッフに恋人役をお願いすることに。
 友人で雇い主でもある社長、その秘書、叔母さんと、人数はそうでもないのにキャラが多く感じる。攻め以外の人が結構無茶苦茶で、攻めに無茶を頼む受けと社長はもとより、目的はわかるけどいきなり同居する叔母さんとか、勝手な達成項目つくりはじめる秘書とか、怒らない攻めがすごくできた人に見える…。



2020年05月11日

夜光花『花嵐の血族』

 『烈火の血族』の第二巻。タイトルどおり、オスカーがわりと出てきて、怪しげで、やっぱりそう?という感じ。
 内容は相変わらず素晴らしく面白い。ギフト周辺の設定とか、一巻から結構伏線があってすごい。
 しかしマホロの仲間はみんな日本名なのかと思ってたらそうでもなかった。
 あと絵がいつもながら素晴らしく、売れっ子さんなのに(というのもかえって失礼かもしれないけど)きちんと読み込んでて、本文に描写がなくても別の箇所の設定からちゃんとマホロの足に輪がついてたり、細かくて素晴らしい。作者さんもきちんとスケジュール押さないように書いて、本文なしでイラスト描いてもらうようなことはしないのだろうなあ。キャラ造形はもちろん服装調度もお話にぴったりで素敵。電子版には裏表紙がない気がするので、紙版も買おうかな。



2020年05月06日

かわい有美子『月一滴』

『透過性恋愛装置』の続編を結局購入。
 透過性~の攻めのホテルのドアマン受けと、お客のデザイナーさん。
 結構透過性~の二人や他のキャラも出てきて、メインCPは少々薄目だったかも。でも面白かった。



2020年05月01日

いとう由貴『まだ、恋とは言わない ただ一度の恋のために』

 Kindle Ultimated。
 お酒に弱いのに亡き父のあとを継いで酒造会社の若社長になった受けが、経営不振を悩みバーでやけ酒してたら、なんかイケメン金持ちと寝てしまい、なんか助けてくれるって。
 攻めのキャラが性格も外見もよくわからない気がして、挿絵がないのでよけい厳しい気がした。受けの弟はよかったね。



かわい有美子『透過性恋愛装置』

 建築士のイケメン俺様ノンケが、設計コンペの開催元の大人なホテルマンに興味を惹かれてしまって。
 著名な作品が安くなっていたので購入した。冒頭はとにかく受けがダメで読みにくかった(笑。後半は受けがしおらしくうぶになるのが猫と犬を足して割ったようでとてもかわいいのだけれど、中学生並の手管であれこれがんばるのがやっぱり読みにくかった(笑。でも評価が高いのはわかるし面白くはあったので、もう一度ゆっくり読み返そうとは思う。攻めが受けを愛でるパートをもっと読みたかったー。番外編あるけど受け視点だし、続編のドアマンの話にも番外編があるようなのでそちらも読もうかな。受けの友人の前編もあるのね。



2020年04月19日

杉原理生『光さす道の途中で』

 評価が高かったので、幻冬舎のセールで購入。
 クラス替えで、仲のいい友人の小学校時代の友達という相手と三人同クラになったけど、なんか友人をとられたようで反発してしまって。
 冒頭で将来について触れられてて衝撃的なネタバレになってて、あと前半は上述のような自意識が肥大した高校生らしい友情ものでジュブナイルっぽい雰囲気なので、BLとしては異色かも。後半はどうやってくっつくのかとハラハラさせられ、最後は少々拍子抜けだけれどでもそれしかないかなという気もした。



2020年04月14日

雪代鞠絵『全寮制櫻林館学院 ~ゴシック~』

 地方の名家の愛人の子の受けが、ある事件のために本家の兄も通うミッション系の全寮制高校に編入し、ソルトラムという自治会のイケメンに怪我をさせてしまった縁でかまわれる。
 シリーズ化のためにか全体的にキャラが多く、攻め受け含めて説明や描写が物足りなかった。受けが接触嫌悪のコミュ障気味なのだけれど、それで周りとうまくやれないのがいたいたしく、兄に汚いとか言われて水で洗う辺りとかも、かわいそうであると同時になんだかついていけない感も正直あった。でも、友達とうまくやれないところに攻めがアドバイスをするところとかはよかった。攻めの立ち位置や受けへの気持ちはもう少し詳しく丁寧に勝て欲しかった気もする。後輩への対応と周囲からの評価と受けの印象の違いとか、ちょっとわかりにくい気がした。
 学校の描写や雰囲気は素敵でよかった。



2020年04月04日

月村奎『眠り王子にキスを』

 ゲイだけど恋はしないと決めてる受けがやっているお惣菜屋さんの常連になったノンケを好きになっちゃいそうで、しかもなんか料理教室にも通ってくることになって。
 受けが家族にひどくされてて臆病でネガティブで、かわいそうではあるんだけどなんかかわいそう受けとは違うんだよなあ…。攻めのこと好きになっちゃいけない、友達として対応しなきゃ、という自分への言い聞かせが多すぎて、少し読んでて疲れた。攻めは明るくてちょっと抜けたところもあっていいやつなんだけど、あまり人間味を感じなかった。末っ子で無邪気な強引さとかあっていいと思うんだけど、なにかが足りない感じだった。



2020年03月28日

月村奎『それは運命の恋だから』

 同性愛者であることを秘して彼氏いない歴イコール年齢の受け。このままではまずいと、ゲイ向け婚活パーティに行ったら、好みだけど愛想のない男性とカップリング、初めてのお付き合いに幸せな気持ちになるも、実は彼はノンケだったことがわかって。
 わかりやすい展開ではあるけどその分王道に面白かった。なんとなく、二人きりのお話を想像してたら、意外に攻めの従兄弟がしっかり出てきて、最後には従兄弟の短編もあった。受けが引っ込み思案でうじうじしてしまうのが少々しんどいところもあったけど、設定的に仕方ないし、攻めにしっかり真面目に怒るところもよかった。



2020年03月26日

高岡ミズミ『ナイトローズ ~囚われの寵花~』

 家の借金で、男娼として売られてきた受けと、娼館のオーナー。
 あとがきにあるように現代日本の遊郭ものという感じなんだけど、相手がオーナーなのであまり遊郭が活きてない気もした。あと、受けがつんけんしてて親切なルームメイトとかにも感じ悪く接しているので、なんだかあまり好きになれず、お話にものめり込めなかった。オーナーがなぜ受けを好きになったのかもよくわからない。



2020年02月09日

餡玉『怖がりヤクザに懐かれまして。』

 Kindle Ultimated。 
 神社の跡取り息子が、父親が入院中に除霊を頼みに関西から来たヤクザを祓ってあげる。
 高校生が祝詞をたくさん覚えてるのがちょっと荒唐無稽に感じるのと、ノンケヤクザがいきなり男子高校生に惚れるのはちょっと唐突だった。



2020年01月29日

神香うらら『傲慢紳士と溺愛クルーズ』

 日系人大学生が、エキセントリックなミステリ作家にヒロイン役のモデルとして気に入られて、アメリカからヨーロッパへの豪華客船の旅のおともにつれていかれまして。
 面白かったけど、宝石がなくなる事件にまつわりミステリを期待してたら、かなり後半の方までそのお話がお預けで、攻めの受けへの偏執狂ぶりと豪華客船のサービスの描写がかなり長かったので、もう少しミステリメインだと個人的にはよかった。



栗城偲『玉の輿ご用意しました』

 仲間と当たり屋をしていた受けが、被害者の攻めに企みがバレ、顔だけはかわいいからと元カレへのあてつけ役に拾われて。
 面白かった。なんかいろいろアンバランスだけど勢いで読ませてくれる。
 最初は受けがダメダメなので、いくらなんでもなんで攻めが目をつけたのかと少々思った。攻めの元カレが最低で、なんでそんなに執着してんのかというのもよくわからんかった。意地だけだったというのを後から気づいてほしかった気はした。
 受けは馬鹿だけど根はいい子で、いろいろ切ない。最初の日にお腹をすかせた受けにえっなんでコンシェルジュつかわないのとか言ってる攻めの無神経金持ちぶりはよかった。その後ラーメン食べたいとかゆう受けが超かわいい。書類届けに行って怒られて、素直に反省しちゃう受けと自分の間違いに気づいてちゃんと謝る攻めもよかった。受けはこれから能力発揮できそうでよかった。



2020年01月28日

伊勢原ささら『嫌われ魔物の大好きなひと』

 昔宇宙からやってきた謎の生物の最後の生き残り、人間には魔物と忌み嫌われているので山に隠れて住んでいたら、親がいないことでいじめられている小学生と知り合って。

 お話はベタで泣かせる展開で、けなげな受けといい人の攻めが幸せになってよかったーという感じです。
 少々ネタバレ気味かもしれませんが。
 こういう話だと、もともとの外見ではなく、かわいい人間体を好きになるのはなんか本質を見ていないのでは…という気になってしまうので、攻めが謎の生命体状態の受けも好きなのはいいなあと思いました。



真宮藍璃『純情淫魔と絶倫社長』

 魔女の呪いで人間になってしまった淫魔が、やはり呪いで絶倫になってる社長に拾われ、精力を得なきゃいけない淫魔と誰とも長続きできない社長の利害が一致。
 うーむ。悪くないんだけど。
 攻めの過去がプラトニックだけど(というか、プラトニックであるからこそ?)なんだかなあという感じ。受けにたいしてもっともっと真摯に対応してほしかった。



2020年01月27日

海野幸『良き隣人のための怪異指南』

 男に騙され、お金も職もない受けが安アパートに越したら怪異だらけで、隣人のホラー作家に助けてもらいつつ、悪夢で眠れない作家の怪異をなんとかしてあげたい。
 面白かった。京極堂というか、物語シリーズっぽい感じも少しあった。



2020年01月25日

相内八重『転生したらスパダリ王と溺愛生活が待っていた件』

 Kindle Ultimated。
 アラフォーリーマンがプロポーズしたらえっ付き合ってないじゃんとかいわれてトラックにはねられ異世界転生、その土地の王に気に入られて。
 よくある設定だけど、受けの中身がおっさんであることはあまり活きてないのが残念。あと最初に助けてくれた貴族がなんかかわいそうだった。



2020年01月24日

夜光花『烈火の血族』

 タイトルが、内容にあまり合っていないしキャッチーでもないのはなんでなのー。
 魔法学校に入れられた貴族の養子でアルビノの受けが、落ちこぼれながらもカースト最上位の超エリート貴族なつんつん攻めに気に入られたり、義理の兄の消息を探すうちに大事件になっていったり。
 面白かった!文句なしに、というか、細かいこたいいんだよ!という感じで面白い。あと、最近のこの作家さんは昔以上に攻めがエキセントリックで素敵な気がして、すごく好きです。今回は初めて受けと…という場面で、一回いなくなって戻ってくるのとかすごくよかった(笑。ちなみにまだ結ばれてないのもよいと思います。魔法学校という舞台もいいので、次巻からは舞台がかわってしまうのか…?と心配したけど、やっぱり学校に戻るのかな?



2020年01月22日

小中大豆『ラプンツェルの通い妻』

 ゲイバーで知り合った新進気鋭の画家と、普通のリーマン。芸術家気質な攻めのために、ラプンツェルの塔に通う王子のように尽くす受けだけど…。
 後半の展開は前半から予想できなかったというか、冷静に考えたら全然ありうる展開なんだけど、あらすじやイラストの牧歌的な感じからはかなりの急展開だった感じがした。
 攻めはダメダメで、生活能力がどうとかより、攻めの憧れのモデルとのあれこれとかその後の無フォローというよりダメ押しとかがひどすぎる(笑。受けはかわいそうだし、うじうじしてしまうのも当たり前な気がしてとにかく攻めがひどい感じ。後半になってのロミオ活動もすごいけど、攻めがかなりの手段をつかったところで受けが拒絶するのはよかった。おそらく元はここで終わっていたんだろうなという感じだったけど、ここで終わってしまうとありがちな話になっていた気もするので。そんなわけで、怒涛の後半と徹底的に壊れた後の再構築ラストがとってもよかったです。



2020年01月14日

伊勢原ささら『孤独な天使が舞い降りる』

 Kindle Ultimated。
 駅前で「家族募集中」の看板を持っていたかわいい男の子を拾って帰るイケメン。
 育ちのせいかもともとなのか、受けはちょっと足りていない感じで、素直で無邪気。攻めの美人元彼が最低すぎて、ちょっと流石にもう少し救いが欲しかった…攻めに受けの居場所を教えたくらいで印象はかわらないぞ…。



2020年01月10日

小中大豆『腹黒天使はネコ耳王子と恋に落ちるか』

 魔界の女王の長男だけど身分も低く力もないかわいい悪魔が、一発逆転を狙って人間ではなく天使を堕落させようと、人間界でご近所のさわやか完璧イケメン天使に近づいてみて。
 ベタで予想のつく展開ではあったけど面白かった。悪魔がピュアでかわいすぎる。ただ、天使側の計画と、冒頭の悪魔に対する天使の応対ぶりがなんだかかみあってない感じがした。あと悪魔の執事が適当ぶりしか描かれてなくて、もうちょっと溺愛ぶりも読みたかったし、脇キャラはもうちょっと活躍してほしかった。



2020年01月01日

滝沢晴『初めまして、君の運命の番です』

 Kindle Ultimated。
 オメガバース、運命の番マッチング組織の担当が、引きこもりのところに自分が運命の番ですと名乗り出て。
 過去設定とかもあって変化球で面白かった。



2019年12月23日

はなのみやこ『恋と謎解きはオペラの調べにのせて』

 上司ともめて自衛隊から警察に出された受けが、なんにもしない閑職の上司にイラつきつつ親友の自衛隊員がらみの事件を調べ始める。
 BLミステリが読みたくて、こういう意欲的な作品はとてもありがたい。
 ただ、受け攻めともにキャラにあまり魅力がなく、BL面は残念だった。受けはかわいい美形で強くて、な普通の人。攻めが、仕事をしないのにも理由があって…な昔の熱い性格はいまいち見えてこず、ITに強い、やたら金持ち、オペラが好き、受けの外見を褒める、という個々の特徴がちぐはぐでまとまりがない。スパダリらしい安定感はない。特にオペラ好きという感じがぜんぜんせず、オペラ要素は一応事件にもかかわってくるけれど、タイトルにまで入っていることに違和感。



2019年12月09日

真式マキ『恋罠ロックオン』

 探偵というか別れさせ屋が、お嬢様の依頼でそつのないイケメン婚約者を誘惑するため女装して工作に。
 お話は悪くなかったんだけど、心理描写が多すぎてすごく主観的な感じだった。攻めが裏表のある人間だというせいもあるけど、わかりにくい。攻めに限らず、場面や外見、表情をもう少し描写してほしかった。
 あと、Kindle版は挿絵がないので、女装姿がイメージしづらい。



2019年12月08日

高遠琉加『天使と悪魔の一週間』

 事故で瀕死になったら天使と悪魔が現れて、片思い中の大学の同級生の親友の体に入ってみる?とか言われまして。
 なんか設定があまく、一週間後にその体を出るとどうなるのかとか曖昧なので出るかどうかの決断に重みがあまりない。あと、最初のあたりでは受けが攻めの事故をさほど気にしているように見えなかったので、攻めを気にしてたって設定も唐突に感じた。
 そもそも、途中まで体を貸してもらった親友×攻めなのかと期待して読んでしまった…。いけすかないあいつになってみて、あいつの苦労とかがわかって…なのかと思ったのよ。



2019年12月02日

谷崎泉『リセット 上』

 もしかしてこの作家さん読むの初めてかも…?
 幼い頃の事件がきっかけで、トラウマもち&彼に共依存な二人。
 ミステリか、せめてサスペンスが読みたくて読んでみて、面白くはあったんだけれど、後半でBL的にはおや?まさかそっち…?と思いはじめ、ネットのレビューとかで下のあらすじ確認したらやっぱりそっちになってしまうようだったので、脱力して上でやめにしました…。残念。



2019年12月01日

海野幸『ifの世界で恋がはじまる』

 人付き合いが苦手で好きな同僚にも嫌われてるリーマンが、神社の階段から落ちて人付き合いが上手く行った世界に飛んでしまう。
 設定は面白いんだけれど、なんか物足りなさがあった。攻めが二人いて攻め本人が当て馬、みたいな感じの奇妙さがあるせいかなあ。



越水イチ『ニャンダフルライフ』

 猫になってしまって、アパートの隣室の片思いしてた警官に保護される。
 そこそこに面白かった。受けの名前や実弥央で、猫にかけていると思うのだけれど、こういう名付け方が少々苦手なのかもしれないという気が最近してきた。イラストが昔の寿たらこっぽいと思った。



2019年11月02日

小中大豆『甘えたがりなネコなのに。』

 ネコなのにイケメンでネコにばかりもてる受けが、友達からしつこい男を追い返すために彼氏役を頼まれて、後日その友達の元カレと再会、なんだかんだで同居することに。
 おでぶな猫や捨て犬の話なども含めて面白かったのだけれど、おまけの後日談が個人的な地雷(BLの地雷ではない)だった…。



2019年10月14日

凪良ゆう『美しい彼』『憎らしい彼』『悩ましい彼』

 ひさびさの凪良ゆう…超面白かった…!
 高校の同級生、うざキモい平良は、クラスどころか学校のトップのリア充清居が好きで。
 1巻は、そんな高校時代で清居くんがカーストの頂上から失墜するあたりがえげつなくてよかった。その後の復権ぶりも素晴らしくて、清居というキャラがたんなる美人なだけではない感じがよく伝わってくる。平良との秘密の気持ち悪い関係もすごくいい。そして別離があっての再会となるので、BL要素は少なくて、いい意味で丁寧に積み重ねられてる感じで読み応えがあった。ただ、双方からの視点で描かれる部分があるので、面白いけれどそれで展開がさらにゆっくりになりまどろこしいところもある。再会後は清居のふりまわされっぷりがひどくなり、かわいそうだけど面白い。
 2巻以降、清居の熱烈ファンをやめない平良とか、写真の世界に入っていく話とか、ますます面白い。
 3巻では清居が役作りに苦戦するのが読んでいて辛い。でも面白い。
 なんか最初から、平良は雲の上の清居様と自分、のつもりでいるけど、平良よりも清居がずっと苦労する話で、とにかく清居に幸せになってほしい(笑。ついでに平良も…というか平良が幸せじゃないと清居もしあわせになれないものね。
 はやく続きが読みたいー!



2019年10月12日

名倉和希『手をつないでキスをして』

 Kindle Ultimated。
 甥を育てている受けが、美形モデルの攻めと知り合って仲良くなって。
 ベタだけど面白かった。



名倉和希『恋の魔法をかけましょう』

 Kindle Ultimated。
 美少年好きの男が、イケメン外国人を家に呼んだら、朝には美少年になっていて。
 ライトで面白かった。



義月粧子『報われない恋の代償』

 Kindle Ultimated。
 イケメンリア充が、他校の剣道の達人美人に恋をして。
 女子を利用したりといろんな手段を使っていくので、えげつなさもあるけれど、結構長いスパンの話で面白かった。



2019年10月09日

華藤えれな『眠れる森』

 Kindle Ultimated。
 ヨーロッパにつれてこられた日本人受けが、記憶がなく頭の回転も遅くて、立ちんぼの男娼をして糊口をしのいででも幸せそうに暮らしていて、マフィアを助けたことで彼に引き取られることになるけど、妻の居る攻めが好きになってしまって。
 なんか受けがかわいそうすぎる場面がいくつかあり、ハッピーエンドでもちょっと足りないような感じもした。



2019年10月06日

渡海奈穂『カクゴはいいか』

 Kindle Ultimated。
 ヤクザの坊っちゃんとお目付け役。
 正直あまり印象に残らなかった。



英田サキ『STAY』『AWAY』

『DEADLOCK』番外編。
 こんなに出ていて、まだ番外編が描かれ続けてるって、ファンにはうれしいよねえ。
 と思いつつ、ユウトがかわいそうな展開(ディックの記憶がとか、元カレ関係者がとか)が多くて少々辟易もした。そういう展開なら、最後にはユウトにとっておいしいオチならまだしも、そこまででもないし。
 逆にダンスの話とかは、今度はディックがかわいそうだけど、オチがおいしかったのではないかと。



2019年10月02日

かわい有美子『閃光と共に跳べ』

『鮮烈に闇を裂け』は別のCPだったのでとりあえずこちらを読んだ。
 受けが現場を離れてしまったので、こういう展開はよかった。でもさらなる続編はなさそうで残念。



2019年10月01日

かわい有美子『饒舌に夜を騙れ』

 SATの同期、明るい兄貴タイプと一見クールな美人。
 面白かった。訓練の話とかはラブから遠かったので少々じりじりしたけど、それもまたよかった。



2019年09月28日

神香うらら『カウボーイは清楚な花を愛す』

 小学校に赴任した日本人受けが、寮の火事で地元の名家でもあるカウボーイの家に間借りすることになって。
 面白かった。わりとベタで期待通りでよかった。



2019年09月27日

神香うらら『恋の吊り橋効果、試しませんか?』

 幼馴染の恋人役として雪の別荘に招待されたら、初恋の相手である幼馴染の兄も来ていて、殺人事件まで起こってしまって。
 しっかりしたミステリでとてもよかった。こういう作品もっと読みたいなあ。



2019年09月23日

釘宮つかさ『王子は無垢な神官をこよなく愛す』

 運命の相手を占うことができる神官が、大国に招かれて王子を占わされて。
 ベタ設定だけど期待通りに面白かった。



2019年09月22日

橘かおる『咎人は罪に濡れて』

 Kindle Ultimated。
 ヤクザの組長に、捜査中の事故で弟を亡くした恨みで抱かれる警視庁キャリア。
 面白かった。ちょっと逆恨みに近い気はして受けが気の毒ではあった。



2019年09月21日

真宮藍璃『四獣王の花嫁』

 Kindle Ultimated。
 大事な役目があると言い聞かされてきた高校生が、異世界で四聖獣のだれかと結ばれなくてはならないらしくて。
 ベタだけど面白かった。事件の解決もよかった。



2019年09月19日

いおかいつき『利息は甘いくちづけで』

 Kindle Ultimated。
 個人で闇金をやってる受けと、ヤクザ。
 ヤクザものにありがちながらちょっと設定が無茶というか甘い気はするけど、お話は面白かった。



2019年09月09日

間之あまの『恋とうさぎ』

 クール美人と思われがちだけどほんとはぽやぽやな受けが、初彼女に浮気されてやけ酒していると、知り合いの社長秘書に恋をしたことがないのでお試し恋人になってほしいと言われて。
 申し訳ないのだが、こんなに読むのが苦痛な本は久々だった。初めての作者ではないので、この作品が自分にとって苦痛なんだろうと思う。別作品のスピンオフらしいけど、そういう問題ではないと思う。
 受けは恋愛をしてこなかったせいだけではないだろうけど、内面が子供っぽくて悪い子ではないけれどちぐはぐ。攻めが本当にキツくて、恋愛がしてみたいといいつつ今まで散々遊びまくっていたらしく、受けにもこんなの初めてとか今までの恋人にはどうこうとか常に過去の恋愛を引き合いに出すのがすごく萎える。受けはよく平気だな。やたら手慣れて愛の言葉をささやきまくりなのも本気に見えないし萎えるし、どこから受けが特別だったのかわからない。最初から特別だったのかもしれないけど、だったらお試しの意味はなんだ(このあたりは読み落としたのかもしれないけど。とにかく好きになれない攻めで、あらすじからは堅物秘書だと思ったのに…という落差が余計に苦痛を感じさせたのかもしれない。
 お話の展開も微妙だし、とにかく苦痛で途中で読むのをやめようかと思ったくらい。ざっと飛ばし読みした。



2019年08月24日

たけうちりうと『海とボディガード』

 四作目。豪華客船でのショーに出演しているフィギュアスケーターの警護のお話。
 うーん。なんだか微妙だった。最初に依頼を受けたのがスケーターの彼氏で、そこから警護をいやがっていたスケーターの警護にうつるのが曖昧。俺様で嫌われ者らしいスケーターがわりとすぐジュンになついて気遣いできるいい子なので、嫌われててかわいそう。彼氏のあれこれはそんな気がしてたけど、逆恨みだし、感情面の決着が書かれてないしでスケーターがかわいそうなまま。ということで、全般的にスケーターがかわいそうだし展開がすっきりしなかった。



2019年08月23日

沙野風結子『閨盗賊』

 近代イギリス、継母に嫌われて家族から浮いているので、なんとか家業だけは頑張ろうと輸入商をしている受け。子供の頃誘拐した盗賊がライバル商人になっていて、昔はいい感じだったのに、なんかすごい嫌われてる。そんな受けに、父の知り合いの怪しい科学者が近づいてきて。
 なんか要素詰め込みすぎて、継母が来たせいで阻害される貴族の坊っちゃんがワイルド盗賊に好かれて再会し幸せになる話と、一人で生きるために冷酷っぽい商人になった受けがワイルド攻めに癒やされる話と、攻めが受けを誤解して嫌っている話と、マッド博士のフランケンシュタインばりの人間改造話と、冷たかった父との和解話と、それぞれ別でもいいくらいなのに一つのお話になっている。そのせいで、攻めと受けの話が物足りない。特に人間改造話のせいで攻めが受けを蔑んでいる感じなので、かわいそうな坊っちゃんもしくは冷淡な大人になってしまった坊っちゃんがワイルド攻めの包容力で癒やされる…というカタルシスがほとんどないのがBLとしてなんだかなという感じ。
 小山田あみさんの絵はいつもどおり美しいのだけれど、なぜかこのお話には合わない気がした。



2019年08月15日

野原滋『年上の男性』

 モデルのバイトをしている大学生受けが、兄の同僚とひょんなことから知り合って仲良くしてもらって。
 うーん、なんだかちょっと単調だった。攻めが最後のあたりまで大人の対応で、感情移入しにくいし心情もわからない。受けは、子供で攻めに甘えてるなあと反省しつつ、家族への対応や生活も直しつつなところはいいけれど、普通の人だなあという感じ。



2019年08月14日

野原滋『買われた男』

 上京した時からお世話になってる先輩がしくじってヤクザに売られた受け。地下オークションにかけられて、書道家の親子に一週間買われていく。無表情な息子の方が春画の制作をしているということで、そのモデルとして縛られたり、ごはん作ってあげたりしてるうちに次第に打ち解けて。

 面白かった。
 受けはヤクザにたいして何の借りもないので、導入がちょっとついていきにくい。あとオークションは一生モノだという先入観があり、一週間で開放されるという設定が入ってきにくかった。冷静に考えれば日本が舞台なのだし、一生モノというのは考えにくいよね。
 攻めがよくわからない人で、父に抑圧され、力があって、生活能力はあるんだかないんだかで、不思議ちゃんだった。受けはイケメンで普通の人。ヤクザがえげつなくはあるけどそれほど悪い人でもなさそう…と思っていたら、いろいろ事情があった。
 小山田あみさんの絵は本当に素晴らしい。受けがしっかりした体つきなのもいい。しかし、攻めが柿右衛門の壺を持って父とヤクザを見ている場面とか、なぜここにイラストを入れたのか…(笑。挿絵がエッチシーンばかりだと飽きてしまうので、いいんだけど、セレクトが不思議。



2019年08月12日

野原滋『空の蒼』

 病院開院の事務手伝いに行った先で焼き鳥屋に入ったら、なんか妙な男に懐かれて、親しくなっていく話。
 受けは身体が弱くて、我慢しなければならないことも多くて、心も弱くなって甘えたり逃げたりして、よろしくないこともしてしまうんだけど、丁寧に描かれているせいか好感を持って読めた。
 攻めは勉強のできるアスペルガー的な人で、特に場場面はかなり変わった人で、でも周りの人に愛されてて、読んでいるうちにこちらも萌えというよりは好感を持つ感じ。



2019年08月11日

秀香穂里『束縛志願』

 銀行の融資課の仕事は出来るけど対人関係に難ありな美人が、人気も実力もあるイケメンメガネに好き好き言われて、のめり込ませてから振ってやろうとか思って付き合い出す話。
 わりとありきたりなツンケン受けがイケメンで全力で押してくる攻めに絆され結果メロメロ、というお話で、キャラもテンプレっぽいし融資先の町工場とか出てくるけれどあまり特色というほどにはならず、普通のお話だった。後日談で結婚話になってたけど、そこまで関係が成熟したようには思えなくて、ちょっとついていけない感じだった。



2019年08月10日

バーバラ片桐『愛炎の檻』

 Kindle Ultimated。
 暴対法関係で狙われている政治家の家に、妹をヤクザの人質にとられた医師がスパイとして潜入して。
 設定とかは好きなのだけど、受けが黙って仕置を受けるのとそれで攻めが誤解を強めるのは少々ご都合主義的な印象。あと、なんかお互い好きになるのが唐突でついていけない感じであった。



2019年08月09日

間之あまの『お兄ちゃんのお嫁入り』

 父の借金などで幼い弟妹をかかえる受けが、弁護士の攻めの家に住ませてもらうことになって。
 作中でも攻めが対等な恋人よりリードしたいというようなことを言っていたけど、受けが受け身すぎで聖母すぎな気がした。頑張って弁護士になってほしい。父をここまで嫌な人にしなくてもよかったのではないかという気がする。弟もわがままばかりな感じで印象がよくなかった。
 最近こういう弟とかを育てる受けが多い。



2019年08月07日

秀香穂里『純情アクマとひつじくん』

 喫茶店の三歳児に懐かれた小劇団の美人エースの十七年愛。
 おじさんと若手俳優CPのスピンオフらしい。
 ひつじくんのキャワエピソードが半分以上で、BLとしては特になにもなく…(笑。いや、ちゃんとくっつくけど、特に起伏もなくふつーにくっつくのみ。年齢差はものすごい。受けは最終的に何歳なんだろう。あまりアクマっぽくはない。



2019年08月06日

朝香りく『うちの殺し屋さんが可愛すぎる』

 Kindle Ultimated。
 ある事情からやさぐれているフリーのボディーガードが、知り合いの刺青師からどこかのヤクザの愛人だという少年を託されて。
 面白かったけど、タイトルでネタばらししてしまっているので、最初の辺りで受けの素性が秘密っぽく書かれている部分が冗長になってしまった感があった。その謎めいた導入と、無知で無垢な少年を教育していくパートが長く、攻めが受けを愛するのがやや唐突で、クライマックスの展開も短めで少々消化不良というか、物足りないというか。



夕映月子『バズる男と営業の彼』

 SNSで童貞ゲイの日常を面白おかしく書いていた受け。ちょっとトラブったこともありぎくしゃくした関係だった営業のリア充への憧れとか書いてだけど、その彼と仲良くなり始めて。
 ややネタバレになるが、攻めにアカばれするあたりがアチャー感が強くて共感性羞恥の強い人にはしんどい。そのあたりは流し読みでもいいかも。あとバレた直後の粘着とかくどき方とか、攻めの感覚もおかしいので、これから大変そう(笑。



2019年08月05日

菅野彰『色悪作家と校正者の不貞』

 Kindle Ultimated。
 校正者と歴史作家が居酒屋で出会ってしまい、校正者がやたら書き込むのにイライラしていた作家と、作家が素敵なキャラを殺したことに激怒する校正者が、ケンカからしだいにそんな関係に。
 面白いし不思議な作品。こんなの出せるのはベテラン作家さんだからだろうなあという気はする。
 うんちくや他作品の語りの部分は少々長すぎて、作者が前面に出すぎている気もした。



義月粧子『秋田課長の憂鬱 ―御曹司に翻弄されて』

 Kindle Ultimated。
 製薬会社で仕事バリバリの受け、社長一族のイケメン御曹司が仕事そこそこで辺りよくモテモテで、厳しくしたらくらいついてきて。
 面白かった。仕事出来てする人、出来なくてしない人の差異化がかなり描写されていて、その辺りはもう少し薄くてもよい気がした。



2019年08月04日

バーバラ片桐『無敵のまなざし』

 超お金持ちのボンボンが庶民に惚れて、手製の豪華弁当とか忘れ物対策の備品一式とか秋の海辺デートとかで押しまくられる話。
 最初はコメディと思って読んでたらギャグだった。受けも読者も、攻めについていくのが大変。



2019年07月28日

野原滋『天色の瞳は千年の恋を抱く』

 外国人の血をひいて金髪碧眼の容姿なので忌み嫌われてきた受けが、山の神への生贄にされて、そこで呪われて千年生きている半妖の攻めと出会う。攻めの運命を変えるために、時間を戻す鏡を探しに行って。
 うーん。面白かった。面白かったんだけど、過去を変えたら千年後の半妖の攻めはどうなるんだろうと思っていたら、…これは個人的にはメリーバッドエンドにも思えるのだが…呪われたまま消えるのとは違うのかもしれないけど…でもなあ。ご都合主義でも世界線は収束して、なんかかんかで幸せな人生になっててほしかった。
 あと、ファンタジーなのかもしれないけれど千年たってもそれほど生活が変わってない感じなので、時代設定はどれくらいかなと思った。千年前は庶民は穴居住まいみたいなので、西暦500年→1500年くらいかなあ。



2019年07月27日

朝香りく『純愛エクスタシー』

 Kindle Ultimated。
 違法賭博で借金をつくったチャラい大学生が、支払いを待ってもらうかわりに夜の街の帝王をたぶらかせと言われまして。
 こういう嘘からはじまるお話って好きです。現実にはやったらだめなことだけど、フィクションとして面白いので。嘘がバレたあとにどう修復するのかが面白いです。
 というわけで面白かったし好みだったけど、嘘がバレたあと、今までの受けの素直さも嘘だったのかとか、いやそれが本性だったのかとかいう辺りも書いてほしかったという物足りない部分も少しだけあった。



2019年07月26日

朝香りく『ロマンチストは止まれない!』

 Kindle Ultimated。
 片思いしていた高校の同級生と再会し、相手は社長になったのに自分はチンピラで気後れがしてしまうけれど、向こうからぐいぐい押してきて。
 王道で面白かった。攻めは予想通りの事情持ちだった。



2019年07月24日

野原滋『気高き愚王と野卑なる賢王』

 Kindle Ultimated。
 野蛮な隣国に攻め入られ、皇太子が即位してすぐに人質にされ、野蛮だと教えられてきた隣国の様子に次第に真実を知っていく。
 受けがかわいそうすぎ…(涙。母国でのことも、忘れそうになってたけど捕虜になってすぐの扱いも、とにかく気の毒。最後の方では、攻めは勿論めろめろで、周囲の他の人にも受け入れられ始めてたけど、もう少し受けのターンをたっぷり読みたい…。



2019年07月23日

夜行花『狐の告白 狸の添い寝 -眷愛隷属-』

 ついに!陥落の三巻と、作者さんのブログにあったので、電子書籍の発売が待てずに久々に紙の本を購入しました。
 お話も、豆まきのイベントや義母の登場など面白かった。



2019年07月21日

夜光花『きつねに嫁入り -眷愛隷属-』

 二巻では仲が深まりつつもまだまだじれったい二人。
 今回は埼玉での仕事と、敵集団の登場のお話。埼玉の有名な神社はどこがモデルなのかな。あと、末弟がソシオパスっぽくて怖い。狸はびっくりしたけど、元に戻ってしまったのが残念でもあり安心でもあり(笑。



夜光花『眷愛隷属 -白狐と貉-』

 眷属をつけて怪異を解決する一族で、頑張って試験に受かったのに眷属が子狸になってしまった受け。以前からセクハラしてくる白狐つきの当主次男に笑われつつ、やはり試験に受かった兄が、眷属のはずの大蛇に憑依されてしまって。
 もー素晴らしい。超いい。面白かったし萌えもあった。
 特に、性格に難ありで受けを馬鹿にしまくり見下しまくりなのに執着している攻めが素晴らしい。夜光さんは正直文章に難があるのだけれど、この攻めのセリフ回しみたいな独特のキャラはすごくいいなと思う。
 受けはおバカだけれど、子狸はかわいいし、これから成長してくれるはず…。
 笠井あゆみの絵はあまりこのお話には合っていないけれど、きれいなのでいいんです。



月東湊『鳳凰様の約束の花嫁』

 高校卒業したら突然四神のおさめる異世界に飛んで、自分は鳳凰様の花嫁になる神子だと言われたけど思い出せません。
 ベタだけれど面白かった。「鳳凰様」という呼び名があまりかわいくない…。せっかく異世界に行った設定なので、こちらの世界での鳳凰様との話ももうちょっとあると特色が出たんじゃないかという気もした。



2019年07月20日

野原滋『愛されたがりの嘘つき』

 精力旺盛で気軽な付き合いだらけのワンマン社長と体の関係ありな秘書、社長が記憶をなくした夜に一緒だったので、自分が恋人なのだと嘘をついて社長のお世話をする。
 面白かったけれど、意外な展開はなかったのと、記憶喪失中の記憶の扱いが少々寂しい(短編で補われてはいるけど。



2019年07月17日

野原滋『いじわる狐とハートの猫又』

 Kindle Ultimated。
 人間のご主人さまが亡くなっても家を守ってきた猫又に、調査の人間のふりをして狐が近づいてきたけど、実は前世での因縁があって。
 とにかく狐が健気!可愛そう!でも再会できてよかったね…。タイトルがあってないというか、あまりいじわるな感じはしない。
 猫も、後にああいう受け入れられ方をするのなら、なぜ昔はあそこまで嫌われてしまったのか…。時間の経過で周囲の人も丸くなったということなのかなあ。
 前世編がかなりボリュームがあるので、二匹の小狐とか周囲の人とか、もう少し読みたかったなあという部分はある。



2019年07月16日

月村奎『片思いアライアンス』

 外見も家柄も完璧な王子なのに、付き合ってみるとつまらないとふられてばかりの大学生が、ばっちり好みの店長がいる喫茶店に通ってバイトをはじめ、次第に仲良くなるけど、付き合うわけには行かないから片思いでいたい。
 というわけで受けが攻めに嘘をついて攻めも嘘をつくはめになるのだけれど、嘘の必然性がやや薄く感じて、もたもたしていう二人に感じてしまった。受けは言葉遣いがあまりお坊ちゃんっぽくなかったので、もう少し丁寧だとよかった。



間之あまの『公爵は愛妻を攫う』

 呉服問屋、祖父の横暴で次男以降は殺されてしまうため女子として育てられた受け。ある日反物をもっていった華族の屋敷で美貌の攻めに見初められて。
 ベタだけれど逆に言えばほぼ期待通りなのでよかった。
 穂波ゆきねさんの絵が地味になりすぎているような気がする。



2019年07月10日

野原滋『犬、拾うオレ、噛まれる』

 Kindle Ultimated。
 元カレのストーカーをしていたら、元カレの依頼を受けた便利屋の男が来て拉致監禁暴行をされる話。
 ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、最初のあたりからなんか受けの内心に一物ありそうだなとは思ったけれど、思った以上の展開でとても面白かった。受けの変わり者っぷりも、その過去もとても好み。攻めは最初は普通の人だなあという感じだったけど、読み進むうちに魅力的になっていってこちらもよかった。



2019年06月30日

灯伽『満ちてゆく月』

 Kindle Ultimated。
 田舎で一日一組の高級旅館をいとなんでいる受けのところに、怖いエリート風の男とAVで知っていた俳優のカップルがやってきまして。
 なぜ受けがもてるのか、ご都合展開か…と思ってしまうけれど、後々の方で美形なんだなと納得できたのでよかった。



あいだ『やさしくしないでくれた』

 Kindle Ultimated。
 義理の兄弟、平凡な兄と美形の弟。かなり非道い扱いをするけど兄を慕い続ける弟にへきえき。
 面白かった。ただ、兄から弟への愛がもう少しくらいはあるとよかった。いきなり弟を探しに行くのも唐突で、理由付けがほしかった。弟が兄を慕い続ける理由も、最初のきっかけはそれでももう少し何かあったらよかったかも。



2019年06月23日

たけうちりうと『琥珀とボディガード』

 シリーズ三作目。
 息子の警護をと頼まれた受けだけれど、父親が怪しくて。
 今回も面白かった。父親に関する結末があいまいなのもいい。でもできればこの後消息が書かれるといいな。息子の方はまた登場してほしい。

 三作目まで読んで、もったいないのでちょっと休憩をしています(笑。



2019年06月22日

たけうちりうと『星とボディガード』

 シリーズ二作目。
 受けが超お金持ちの起業家のボディガード業務に入る。
 超お金持ちが魅力的でよい。超お金持ち周辺のゲストキャラが多いけれど、それが気にならないのが巧い。



2019年06月21日

たけうちりうと『薔薇とボディガード』

 結構古い作品なのかな?文庫版を北畠あけ乃さんの絵に惹かれて購入。
 日系アメリカ人でバイアスロンでメダルをとってる受けが、ボディガード会社に就職したら、警備チーフがいじわるするけどがんばります。

 三作目まで読んだ段階でもボディガード会社の設定がよくわからず、クライアントに厳しい会社だと思われていたり、理念がクライアント第一だったり、わからなくもないけれどもう少し説明がほしい。
 妙に矛盾する設定は他にもいくつか気になっていて、一作目で受けがほぼベジタリアンと言っていたのに攻めのつくるローストビーフのサンドイッチが好物になるとか、なんだかな。
 あと、攻めにあまり魅力がなく、一作目でのキャラ迷子ぶりは受けに危ない仕事を諦めさせようと冷たくしていたから、というのでわからなくはないんだけれど、薔薇と犬が好きなイギリス人で、イギリス風のジョークもいう、任務に徹するけど受けには甘々、というのがまとまりきっていないというか、正直設定を並べている印象があり顔が見えてこない。北畠さんの絵も合っていないせいもあるかも、少なくともイラストよりはもう少しおっさんな印象ではあるので。
 キャラ描写についてはハッカーの子とかも、登場シーンではテンション高いイカレ気味のハッカーのステレオタイプだなという感じだったし、ちょっとステレオタイプなキャラが多いし、描写は丁寧ではないなと感じる。
 受けが冬季とはいえオリンピックでメダルまでとっているのに、全然顔がわれてないのも少々違和感がある。
 あとトムの設定がわかりにくく、三作目まで読んでやっと、仕事も恋愛も無茶する人なこと、攻めが辞めさせたかったのは警備っぷりが無茶だからで、社長が聞き入れなかったのは恋心ゆえ、というのがやっと見えてきたけど、一作目ではなんかよくわからなかった。

 なんだか異常に文句ばかりに見えると思いますが、しかしお世辞ではなく面白かったし好きなのです…。攻めがあまり素敵に思えないこともあり、正直BL要素は添え物という気もするけど、ボディガード業務のお話が面白いです。でもやっぱり受けが危ない仕事をこなして攻めと再会できるとホッとするので、BLなのです。

 この一作目では、前半は大物ミュージシャンのバカンス警護、そこからつながる会社への復讐をもくろむテロリストの話と、前半後半で違う業務の話になっているのが意外とよかった。
 ただ、受けのバージンの扱いが軽すぎてショックだった。モブレに対する攻めの冷たさは初めてだと知らなかったこと&動揺のせいだとしてもだ…薔薇だけではなくもう少しフォローがほしかった…。



2019年06月12日

宮緒葵『奈落の底で待っていて』

 華族御用達の学校で憧れだった雅楽家のご令息の家が破産して遊郭に行ったと聞いて、財産にものを言わせて助けに来た成金家の青年実業家。
 以下ネタバレになると思います。

 うーん、なんというかかゆいところに手が届かない印象。
 結局攻めが買い切るのなら、遊郭設定の必要はなくって単に攻めが受けを保護しつつの展開でもよかったのでは。
 あと一見傲慢、実際には受けの下僕になりたい攻め、というのはとてもいい設定なのに、変態みが強すぎて萌える暇がない。いや変態でいいんだけど、テンションが高すぎというか。
 受けをお姫様扱いというのもいい設定だと思うのだけれど、呼び名が「お姫様」ってなんか違うような。「姫」か「姫様」がよかった。
 というわけで面白くなりそうなのに個人的にはなんとなく違う感じで残念。



2019年06月02日

鈴木あみ『恋と戦争~前火に堕ちる騎士~』『恋と戦争~後宮にひらく薔薇~』

 皇帝の遠縁のキラキラ貴族と、皇帝の愛人でもある側近。政争や戦争を背景とした、誤解とすれ違いの恋。
 全体としては面白かったんだけど、誤解が結構多くて最後にいっきにこれはこうで、これはこうだったの、と解決するのが少々雑に感じてしまったのと、攻めの行く末が少々納得しづらいのと、受けの行動がやや軽はずみに見えるところがあったのとで、ハマりきれなさがある。
 ハイマートローゼ的なお話を期待したせいで、少々物足りなさがあったというところかもしれない。後編でいきなり舞台が全然かわってしまうのは斬新。



2019年06月01日

金坂理衣子『宝石紳士と甘い初恋始めました』

 祖母がやっている町の寂れた定食屋を手伝っている受けと、受けの料理を気に入って通う近所の宝石商兄弟。
 BLにありがちな、特殊職業もので宝石のうんちくが少々冗長とか、商店街ものでご近所さんとの心温まる交流の中で愛が育まれるパターンでちょっとキャラ多すぎ交流の描写長すぎ、というところは少々気になった。
 だけど、受けの過去の伏線が宝石のうんちくできれいに回収されたところはよかった。
 イラストもきれいでよかった。



2019年05月26日

高岡ミズミ『祟り神様の愛し子』

 なんだかむしょうに麻々原絵里依の挿絵が見たくなって、近刊の中で面白そうだったので購入。
 烏の祟り神様に、恋人持ちの親友に恋する天涯孤独の公務員受けが、幼い頃にした契約で魂を捧げなければならないのだけれど、勿論神様に気に入られて云々。
 素直な受けと優しい神様でいい。だけどくせがないので、ありがちな異世界の人おもてなし話(俗世のものを面白がる展開)と、純愛だけという感じもある。スパイスとして因縁の男が出てくるけど、二人の関係にすごくからむというよりファンタジー展開要素なので、やっぱりBLとしては正直少々物足りなさはあった。



2019年05月12日

丸木文華『言いなり』

 この作者さんを久々に読んだ。
 チャラ大学生が、テニサーで妙になついてくるもさい男を犬扱いしてたけれど…。
 作者も描いていたけど、イラストがかっこよすぎて攻めがもさくない(笑。
 流石に過去の話が少々受け入れ難い。読んでてそういう展開かな、いやでも流石に…とか思ってたら本当にそういう展開だった。でもこの作者さんらしい展開と終わり方なのかな。二人とも依存しあっている感じ。

 どうでもいいけど、最近のチャラ男は煙草吸わない人も増えてそう。



2019年05月09日

楠田雅紀『あの日、あの場所、あの時間へ!』

 少々ネタバレあります。
 タイムリープものということで読んでみた。
 そこそこ面白かったけど、タイムリープってやっぱりキャラを魅力的にするのはかなり難しいかもと思った。どうしても設定と展開にふりまわされがちな気がする。
 あと、電子書籍で読んで表紙の印象が薄かったせいもあってか、誰が攻めなのかが最初はわかりにくく、タイムリープで親友君が改心するのかなあとも思ったし、真の攻め(笑)は最初の印象があまりよくなくて、受けが二度目に会った時に(精神的に追い詰められていたとはいえ)急に心をゆるしてしまうのが違和感がある。



2019年04月01日

バーバラ片桐『家に帰って一人で泣くわね』

 磨けば光りそうな朴訥真面目ノンケが、お嬢様にアタックするために、同僚のイケメンオネエにアドバイスを受ける話。
 なんか面白くなりそうなのにあと一息な感じだった。お嬢様が本当はこうなんじゃないか、という疑念などは話をふくらませられそうだったのに、尻すぼみで残念。



2019年03月20日

ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ6  So This is Christmas』

 五巻の終わり方が美しかったので、後日談ってどんな感じかなと少々不安になりながらも、やっぱり続編が読めるのはうれしい。リアルタイムで追いかけていた皆さんの喜びはいかばかりだったろうか…。
 ケヴィンて二巻からわりとダメっ子だよね(笑。アドリアンはケヴィンに甘いと言うか、実はイケメンに弱いのでは。ケヴィンの場合はジェイクに似ているからかも。
 ガイがアドリアンにスタッドを送ってたけど、これ身に付けられないよね?(笑。どういうチョイスなのだ。
 リバがあるけれど、ジェイクがしてみたい理由はすごくよかった。なんかM/Mものでリバ見るのは二度目なのだが、これはリアリティの追求なのか、それともむしろファンタジーなのか、少し気になる。
 電気毛布はロマンチックでない、というところでタクミくんを思い出した(笑
 今回もきれいに終わったけれど、まだ続きそうな気もする。ナタリーの出産と結婚、ジェイクの趣味、ドーテン家とリオーダン家の顔合わせ、エマとジェイク、アドリアンの小説や書店のあれこれとか、まだ読みたい。あとアヴェリー・オックスフォードも気になる。ただ、アドリアンがケイトと和解しないとできない展開もある気がするし、でもそれはご都合主義過ぎるかなあとも思うので、難しいものもあるかも。ご都合主義でもケイトとアドリアンが仲良くなったらうれしいけど。

 全体を読んで、ゲイ差別とか想像してたより厳しそうだなあと思った。というかケイトへの風当たりがつよいのはどうしてなんだ…何も悪くないのに。好奇の目でってことかなあ。逆に、ガイともジェイクとも結婚って話がふつうに出てくるのはびっくり。これは日本との社会の違いのせいなのか、それとも作品の特徴なのかはわからない。
 あと、リサのアドリアンに対する理解力がこっそりすごい。煩いように見えて、アドリアンが思っているよりもずっと理解し、尊重している感じ。

 全体を振り返って、アドリアンが作中でモンゴメリー・クリフトに似ていると何度も書かれていたせいか、わりと実写で想像しやすい。このクリスマス編ではマットなんとかに似てる、と言われていたけれど、モンゴメリー・クリフト役をやるそうなマット・ボマーかな。あちらのファンサイトとかでもともとマット・ボマーが押されていたそうなので、その反映かなあ。マット・ボマーだとあまりにイケメンすぎ、マッチョすぎな気もする。ジェイクは私の中では故ヒース・レジャーのイメージだけど、ブロークバック・マウンテンの印象に引きづられているかも…と思って調べたら、ヒース・レジャーはアイルランド系の血もひいていたようなので、あながち遠すぎでもないかなと。



2019年03月17日

ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ5 冥き流れ』

 Kindle Ultimated。
 五巻はアドリアンの元カレ揃い踏みで日替わりデート状態で、ちょっと性格というか思考回路が破綻気味でキレやすく(体調のせいでしょうが)、少々読んでいてしんどい部分もある。ケイトにわざわざ会いに行く(キャラではなく展開の問題なのかもしれないけれど)のもどうか。でもアドリアンがジェイクがタイ料理を買ってきてくれて久々に空腹を感じたところは萌えた。やっぱりインフルエンザ、肺炎、手術で、ずっとロウだったんだね。
 逆にジェイクは菩薩のようになってしまって、アドリアンのまだ決心は出来ないけど引っ越さないで!とかいう無茶苦茶にもすんなり応えたり(この場面とこの展開が、ものすごく好きです)、無言でハンバーガー横取りされても怒らないし(笑、ほんと菩薩。言葉は足りてないのだけは変わらないけれど、アドリアンがそれにこだわっていたとわかったところが面白かった。
 とはいえ前述のように当て馬キャラのような外道行為をし、アドリアンの命を危険に晒しさえした後に、ジェイクがいくら菩薩になってもパートナーと読者を納得させるのは難しいはずで、その問題を、アドリアンの三年の痛みととジェイクの痛みの年数とを引き比べることで乗り越えた展開はまさに特筆すべきところだっただろうと思う。あと、少し前にパートナーをギロチンにかけた『はいまーとろーぜ』に感服したところだったので、なんかそういうジャンル(洒落にならない鬼畜攻めとか?)もあってもいいと思った(笑。
 メルはダメすぎてひどすぎる(笑。それこそ伝説の男なのだから、もうちょっとマシな人であってほしかった(笑。アドリアンがいちいちジェイクだったら…とか考えちゃうのも性格悪い(笑。でもメルがダメダメなのって、なんか学生時代の恋とか恋人ってそんな感じかもなあとも思う。メルとは映画とかの趣味があうというのも同様にしっくりくる。
 逆に、ジェイクは趣味とかは合うわけではないので、だから周囲からはアドリアンとジェイクは全然似合わないと思われてしまっていて、でも本人達はすごく気が合って自然でいられると思っているのがなんだかいい。正反対の相手に惹かれているのではなくて、全然違う二人なのに、世界で一人だけ本音を話せて、なぜか誰よりも理解してくれる相手、というのがすごくいい!
 ガイとアドリアンは、それぞれ一般的に言って魅力があってモテるほうで、だから互いに好意を持って付き合えるしパートナーになってもいいと(少なくともガイは、そしてアドリアンもたぶんジェイクを知らなければ)思うんだろうけど、互いに一番の相手ではないんだね。なんかリアルだなあと思った。



ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ4 海賊王の死』

 Kindle Ultimated。
 ジェイク、はやく諦めてしまえ!跪け!な四巻。
 つきとばしたことを謝らないし恥じてないとでも思うのかとか逆ギレするジェイク、往生際悪く愛人関係をせまるジェイク、最悪なんですけど!!けど、それでもいい!!なんだこれ!!!(笑。三巻同様に前代未聞級に最悪なことをしているのはわかってるんだけど、三巻と違ってそれでもせつな萌える!いや、三巻も後から読み返すとせつな萌えたけどね。
 ジェイクの、こんなに何もかも失うと思ってなかった、という言葉と、ほとんど全てを失ってもいい、という言葉の中で、すべてはアドリアンでありアドリアン以外のすべてであるのが印象的。アドリアンの方も、もうジェイクのために一滴も涙を流したくない、と思っていたのに、ラストで泣くのがいい。
 普通ならジェイクの言動は当て馬キャラのものでしょうという感じなんだけど、そしてガイも魅力あるキャラになりそうなのに微妙に主役を張れない感じで、アドリアン(の本心)はジェイクにしか向かってないし、そのバランスが珍しいし面白い。
 個人的に、BLでもそれ以外でも不倫ものってアウトなんだけど、この巻に関してはものすごい引力で萌える。
 特に四巻ラストから五巻に、twenty one pilotsの「lovely」がすごくピッタリでびっくりするくらい。Won't you stay alive,I'll take you on a ride.I will make you believe you are lovely! ジェイク→アドリアンという感じ。
 一方で、ガイとアドリアンの、互いが一番じゃないけど好意をもっている感じの付き合いもわからないでもない。



2019年03月16日

ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ3 悪魔の聖餐』

 Kindle Ultimated。
 デキ婚の上愛人関係を続けるつもりとか暴力沙汰とか…!標準的なBLでなら当て馬キャラの行動だろうそれは…!という、とにもかくにもジェイクが最悪な三巻後半(笑。三巻の後半は二人のすれ違いがつらいので、三巻はあんまり読み返せていない…。
 ジェイクのお前をかばおうと思っているのに!みたいな自分へのごまかしと言い訳が強くて、その結果のあの暴力なので、いろいろ考えさせられる。チャンやリサは二人の関係を受け入れようとしてくれているのになあ、とも思う。
 ガイとアドリアンが惹かれ合った理由は微妙にわからんかった(笑。二人とも魅力的なところがあるから、という感じの理由な気がする。



ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ2 死者の囁き』

 Kindle Ultimated。
 二巻が一番平和で幸せというのも感慨深い。表紙の変化が二人の距離感の変化とぴったりシンクロしている。
 たががはずれていくジェイクがせつなかわゆいがズルい男だ…けどかわゆい。先がないなんてわかっていて予想以上にハマってしまうアドリアンも後のことを考えるとせつない。
 ジェイクがアドリアンのことをきれいだと言い始めるのもすごく萌える。これ原文ではbeautifulなのかなあ。アドリアンなら似合う単語だ。beautiful guyなのか、beautiful boy(宇多田ヒカル?)なのかそれとも別の表現なのか気になる。結局原書に手を出すことになりそうだ。

 読み返すと、アドリアンは何にも期待してないって断言しちゃってるんだな…(笑。何も約束してやれないのにというジェイクの躊躇もよくわかる。でもジェイクは、アドリアンがいいって言ったから、みたいな言い訳をするわけではなく、どうやっても自分はアドリアンを追いかけてこうなる運命だったんだ、みたいな諦念がこの頃からある気がする。
 あと、ジェイクはアドリアンとメルがまだつながりがあることを知って、アドリアンは別れた相手と友人でいられるタイプだと思ってたのかな、とも思った。メルとは違ってジェイクは結婚するために別れたわけだし、状況が違うのに。そしてアドリアンも、メルよりもずっと強くジェイクを愛してしまったのだろうし。まあでも、ジェイクのそんなアホなところも萌えます、再読なら(笑



ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ1 天使の影』

 Kindle Ultimated。
 なるべく避けているつもりですがねたばれあります。

 正直、一巻を初めて読んだ段階ではまだそれほどでもなかった。
 キャラがあまり立ってない感じでよくわからないし、特になぜジェイクとアドリアンが惹かれ合ったのかわからず、なんかいきなり付き合うことになったような感じがした。
 ミステリの筋もわりとあちこちに飛ぶし、恋愛というか感情面と並行して進むのでちょっとゆっくりすぎる感じで、ミステリとしてもそれほどいいとは思わなかった。最後の張り込みでアドリアンの家に犯人が行ってるのになぜ一人で帰すのかとか、なんで早く助けに行かないのかとか、いろいろ変な感じもしたし。犯人の心情もいまいちわかりにくい。クロードが退場するのも残念。
 そんな感じで恋愛小説としてもミステリ小説としてもそこまで完成度が高い感じがしなくて、でも雰囲気はいいし、五巻も出てるし、アマゾンレビューでの評価もすごく高いし(逆に少々不安にもなったけど)、と思って続きを読む。

 …アドリアンイングリッシュシリーズサイコー!になって帰ってきた二巡目。いや、アマゾンレビューで何巡もしているという書き込みがある理由をやっと体感した感じ。わたしももう何巡目かわからないくらい(笑。
 いろいろわかってから読むと、アドリアンは視点人物なのでともかくも、ジェイクの苛立ちや意地悪の理由や、なんで急に会いに来るのーとか、最後の場面でなかなか助けに入れないのはなんでかとか、いろいろ想像できて非常に萌えた^^初読の時の違和感が消えて、面白く読めるようにもなった。

 関係ないけれど、アドリアンというとロッキーを思い出してしまい(いや見たことはないんですが、それでも知っているくらい有名だということで)違和感があったんだけど、ADSLことアドリアン・シュルタイスのことを思い出してから、無事萌えられるようになりました(笑。



2019年03月10日

J・L・ラングレー『恋する狼』

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 Kindle Ultimated。
 うわさのアルファ✕オメガ。流石に短い。受けがドジっ子で、周囲の皆が微笑ましく見守っているのがなんというか、BLっぽくない。くまのパディントンか何かのような童話っぽい雰囲気というか…。



2019年03月07日

J・L・ラングレー『狼の見る夢は』

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 Kindle Ultimated。
 ホテル王の嫡男でキートンの兄のオーブリー✕大学進学のためオーブリー家に下宿するマット。
 冒頭でタラを誤解する辺り、その後の展開はわかっていたけど面白かった。
 しかしレイノルズの両親は理解あるいい人達っぽいのだが、息子たちがこんなに誤解してゲイであることや嫡子であることを悩んでこじれてるのはどういうことだ…(笑。そこがちょっとご都合展開な気はする。
 あと、マットの色弱設定はあまり活きていないような気もする。マットや、レミの家庭問題って、アメリカの娯楽作品ではこういう社会問題を入れなきゃ!みたいのがある気がする。ハーレクインとかでもよくある気がする。
 そういう気になる点は少々あったけど、全体には甘く面白かった。



2019年03月03日

秀香穂里『黒い愛情』

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 Kindle Ultimated。
 セラピー同士でノンケだったのに調教されちゃう。
 あんまり心理描写がしっかりしてなくて、攻めも受けも相手を好きになるのがなぜかよくわからなかった。



2019年03月02日

J・L・ラングレー『狼の遠き目覚め』

 Kindle Ultimated。
 受けはレミか…とか思いながら読み始め、レミカワイイィ!になって読み終わる狼の遠き目覚め。
 いかつい寡黙なジェイクと、はすっぱをよそおいつつ弟大好きで愛情深いレミ。児童虐待、ゲイ差別、SM、アルファとオメガ…といろいろな角度から二人とその周辺が描かれていて、非常に重層的で面白い。中でもSMは二人の関係を見せるにあたってすごくいい要素になっていた。
 ピクシブでも描いたけどレミとキートンの友人関係がすごくかわいくて、ふたりとも友人に恵まれてこなかったので、こういうケンカ友達は初めてなんだろうなあとしみじみする。

 この巻にかぎらず、前の巻では三枚目とか半ヒールのキャラが主役か…と思いながら読み始めると、主役補正で少々キャラ変がある気がする。
 ので、次はリースとスターリング…!?とちょっとおっかなびっくりですが、心配せずに待つ(笑。



2019年03月01日

バーバラ片桐『摩天楼の鳥籠』

 Kindle Ultimated。
 財閥後継者✕忍者。
 読んでいても最初から忍者への憎悪がまとはずれっぽくてなんかしっくりこない。攻めと受けがなぜ惹かれ合ったのかもあまり納得できない。雰囲気はいいので少々残念だった。



2019年02月25日

鈴木あみ『Heimat Rose』1~4

 核心は避けてますがネタバレ気味です。

   

 もうとにかく面白く、はらはらさせられ、楽しめた。
 なんでこれ今まで読んでなかったんだろうというのと、今更でも読んで良かったというのとだけど、それもこれも2巻までKindle Ultimatedに入れてくれたアマゾンのおかげですよ。読み始める前は3巻以降は購入か~とか思ってたけど、2巻読んでる途中にそれはもうどうでもよくなりとにかく読みたい!読めればいい!状態になった(笑。

 この作家さん遊郭のイメージしかなくて今まで読んだことなかった(遊郭が苦手なわけではなく、遊郭物って数が多くてどれから読んだらいいのか…という感じであんまり読んでないだけです)のだけれど、はいまーとろーぜのタイトルだけは何度か見掛けて気になっていて、でもなんでみんな平仮名で書くんだろうと思ってたら最初のタイトルがそのまま『はいまーとろーぜ』だったのね。なんで平仮名だったんだろう。

 ふつーに面白いんだけど、それだけでは終わらない感じでもある。
 この作品が作者がおいくつの時に書かれたのかはわからないけれど、時々ある、作者の若さとかの理由で相当無茶な展開をしていて&それがものすごい魅力ともなっている&かつ、なんとかまとまっているお話、である気がした。高河ゆんのアーシアンとかこのタイプだと思っている(源氏は終わっていないのでこれにあたらない)。

 なにしろ、受けは拷問にかけられ半死半生で容貌も回復不可能なんじゃと思うほどにめちゃくちゃになるわ、攻めを手ひどく裏切るわだし、攻めも負けていなくて受けをギロチンにかけるわ、腐乱死体を抱きしめて号泣するわ、ロベスピエール並の独裁者になるわ、もう無茶苦茶(笑。木原音瀬だってここまでしないだろうというくらいだ。
 チュールがレイを裏切るのも、レイがチュールをギロチンにかけるのも、BLとしてというか恋愛物語として相当なので、レイがチュールを、チュールがレイを許せるのか、許すとしたらどういう流れで、というのがすごく興味深かった。その意味で、裏切りの理由と許せなさの理由がちょっとブレぎみなのは少々残念、レイに後悔させたくないからと、ギロチンのことよりも会いに来なかったからというのでまとめてしまってよかった気がする。

 あと、伏線がすごい。チュールがピアノを習うことがフェル関連や教会へつながったり、死の連鎖(オーエンの死→俺が死んだほうがよかったのかよ→その怒りはギロチンへの伏線へ、ギロチンでのチュールの死→死の取り返しのつかなさ→フェルについてのチュールの言葉をレイが納得)とか、すごくまっとうかつ緻密に構成されてる感じがした。
 とはいえ、一番すごかったのはソーセージが伏線になる、しかもすっごいいい場面でってことだけど(笑。

 レイがチュールを失っての砦の場面がものすごいツボ(絶望的で幸せな状況)で大好き。静謐でせつなく美しい。
 最後のあたりはチュールが逃げすぎでちょっとイライラした(笑、もういいじゃん!って。あの逃げまくりは、レイの身分を変えるためには必要かなという気もするし、レイがああならないと話の座りが悪いので仕方ない気はするけど。



2019年02月17日

J・L・ラングレー『狼を狩る法則』

 Kindle Ultimated。
 いわゆる海外BLとかM/Mというものを初めて読んだと思うのだけれど、面白すぎ、かわゆすぎで一気にハマってしまった。この文庫を書店で見た覚えがない(BL小説は漫画ほどはきちんとチェックしていなかったせいかもしれない)ので、今まで知らなかったのが残念。

 シリーズとしては人狼もので、この巻はネイティブアメリカン獣医(ノンケ)とブロンドブルーアイズのかわゆい系大学教授(ゲイ)が運命の「メイト」として出会ってしまって、というお話。
 少々エロ描写が多すぎるのと、リバがあるのが好き嫌いがわかれるところだと思うけれど、あと展開も少々安易なところもある(チェイのお母さんとか)けれどもそれを差し引いても面白いしおすすめ。
 チェイは出会いの場面はもうちょっとうまくやろうよーと思ったけど、その後は忍耐強くいい奴。キートンは名前がちょっとかわいくない(キートン山田のイメージのせいか、笑)し強情、頑固でかんしゃく玉(後に家族からも締め殺してやりたいとか言われるくらいに、笑)だけど、憎めないしかわいい。名前がかわいくないこともあり、チェイが「(リトル)ビット」と呼ぶのは非常にかわいい。
 挿絵も麻々原絵里依でうれしい。コミカライズが連載中だそうでそちらもすっごい楽しみ。



沙野風結子『帝は獣王に降嫁する』

 Kindle Ultimated。
 ファンタジー、わりとよくある(?)野蛮げな敵国に楚々とした王様が人質に出向く話…という設定がわりとよくあるというのも面白い(笑。なんだろう、人身御供ものというか…。
 よくある感じではあるけれど、面白かった。受けの国が和風。



2019年02月16日

私屋カヲル『鳶に蝙蝠』

 大工さんと美人吸血鬼。受けを吸血鬼にした男は別として二人も周りの人も基本いい人ばかりなせいか、話がすんなり通り過ぎて少々盛り上がりにかけてしまった印象。



いおかいつき『飴と鞭も恋のうち』

 男らしい先輩警官を、クールっぽい後輩とちゃらい後輩が狙う三角関係の話。さほど萌えや広がりがなくいまひとつだった。



2019年02月09日

沙野風結子『処女執事 ~The virgin-butler~』

 購入したマスターに仕えるためのアンドロイドみたいな執事が裏世界で販売されている世界の話なのだが、執事じゃなくてもいいのでは…たんなるアンドロイドみたいな存在(執事としても購入可)ってだけでいいのでは…という疑問が残る(笑。他の用途で購入されているし…。攻めと受けの関係は意外だった。



2019年01月01日

小中大豆『盗賊王の溺愛花嫁』

 オメガバース、大国の皇太子に嫁ぐものと思っていたオメガの貴族が、なりあがり新興国の盗賊王に嫁がされることになって絶望的な気分でして。
 蛮族国家が意外と発展していてもちろん王は素晴らしい男で、というありがちな話ではあるけれど、描写も丁寧で面白かった。受けと皇太子との関係とか気持ちはもうちょっと掘り下げて欲しい気もした。まあさらっと流せる関係だったというのはわかるんだけど、なんか設定があまり設定が活きてない感じも少ししたので。



2018年10月06日

剛しいら『黒衣の公爵』

 Kindle Unlimited。
 隣国と紛争中の王✕隣国から人質で来た周囲の人間が死んでばかりの公爵。
 少々薄かったかも。



剛しいら『牡丹を抱いて』

剛しいらさんが亡くなっていらしたことを知りました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

『ライオンを抱いて』の続編。ライトグラフⅡさんのイラストが合っていていい…ライオンをのほうは小笠原宇紀名義だったのになぜだろう。



2018年10月03日

剛しいら『大いなる遺産』

 Kindle Unlimited。
 おじいさんから相続した南の小国が男同士の恋愛推奨でということで、トンデモである(笑。



2018年06月09日

木原音瀬『鈍色の華』

 アメリカ人二人のご所望で性接待に出されるおっさんの話。
 愛想のわるい方のアメリカ人攻めがかわいそうになったけど、このおっさんにつかまらなくてよかったのかも…(笑。
 後半はそのアメリカ人と体でのし上がろうとするノンケ受けの話。ノンケ受けがあいたた過ぎて途中少々読み飛ばした…。でも結果的にはこちらの二人のほうが幸せなのかな?



2018年03月20日

高尾理一『鬼の王と契れ』『鬼の王を呼べ』『鬼の王に誓え』

鬼×鬼使い。受けが鬼怖い、戦い嫌、と、逃げてばかりで、性格的にもふつうで能力のほかは取り柄がないように読める。攻めも、受けがかわいいかわいいばかりで性格面の話がないし、性欲だけなのでは…と感じてしまう。なんかどちらにも感情移入しづらい。受け本家の総帥が殆ど出てこないけど一番魅力的なような…。
あと受け、攻めともに考えや性格がかわるのが唐突な感じがして、もう少し感情面を丁寧に読みたかった。
鬼関連の話もなんか深まりが感じられない。

文句をいいつつ2巻を読む。
1巻に伏線があったり、タイトルの鬼の王についての説明がやっと出てきたり、もともと続編ありの予定だったのかなあ。
受けは少し成長に前向きになってきたけど、依然としてあまり感情移入できない。受けの指導役みたいのが最初は受けの才能の無さをいびるばかりだったのが、最後の方で超おいしい感じになってきて(同作者の『下僕の恋』っぽい)、この人が攻めのほうがいいんでは…と思ってしまう。攻めも相変わらずで、受けの性格や意思は尊重しているような描写は増えたけど、ラストで勝手なことしてるのがわかったり、なんかやはり愛というより性欲な気がする。鬼だからそれでもいいのかなあ。

やはり3冊でひとまとまりな感じ。かなりシリアス展開で重い。祖先の話などに面白みはあるけれど、伝奇としてそう新鮮味があるわけでもない。
しかしキャラのほうが問題で、キャラの気持ちや考えの変化がみな状況から生まれたものという感じで、あまり感情移入できないというか、キャラがたたないというか。攻めは前半、人外思考丸出しで、かわいそうな感じと、しかし感情移入はできない感じで読んでてしんどいというか、伝奇の主人公としてはいいけど、恋愛物語の相手役としては正直きつい。後半の気持ちの変化はいいけど、最後のあたりはもう少し葛藤が読みたかった。受けの決断が、他に手段ないしーみたいな軽さがあって、いままでの固辞はなんだったのか…という感じで、このカップルはなんか感情移入しにくいし、あまりBLとして魅力がない。
それになにより受けの補佐役が気の毒すぎる。最後にむくわれたふうになっているがそういうのじゃない…という感じ。やっぱりこの人が攻めのほうがよかった…。



2018年03月18日

高尾理一『意地悪なカウボーイ』

未読だったので。
やはりアメリカ人攻めが巧い。ただ、お話の展開とかカタルシスのために、攻めがことさら頑なだったり人種差別主義者にされていたりするのもかわいそうかも、という気もしてきた。でも面白いんですけどね。



2017年10月25日

剛しいら『ライオンを抱いて』

 小笠原宇紀の絵が見たい気分で購入。
 裏社会者と警官の話。剛しいららしい話で面白かった。



2017年09月01日

木原音瀬『熱砂と月のマジュヌーン』

ねたばれあります。

少し読んだらかなり愛がなさそうだったりしたこともあり、随分積んでいた。やっと読む気になり読み始めたら一気に読んでしまった。いやー、久々に木原音瀬作品を読んで打ちのめされた…。

そうとは明確に書かれていないが、ハッサンも人間的に問題ある人なんだろうなあと思った。ラージンに仕えて非道なことをしてしまうから、というだけではなく、ハッサンはファウジの気持ちを全然わからないのに弟のアントンはファウジが嫌いでも感情は理解していたあたり、ハッサンとの違いが示されている。
ラージンはなんだったんだろう。もう少し奥行きのあるキャラかと思ったけれど、フェイドアウトしてしまった…同人で書かれているらしい?
ファウジはみんなにめたくそに言われていて、確かに性格は悪いだろうけど、ファウジ自身も言うとおり、ラージンにあそこまでされるほど罪深いようには思えなかった。そもそも最初は父の乱行をちょっと覗いてただけ、みたいに書かれていたのが、他の人の視点ではファウジも奴隷に冷たかったと書かれているので、よくわからなくなった。まあ双方に認識の違いはあって当たり前なのかもしれないけど、ファウジにはちょっと同情してしまった。
ラストでは、さんざん世話になったアリーを殺そうとしたファウジにブチ切れるハッサン、が、しかし、ファウジの行動は自分への愛のためだったと知った瞬間に、アリーという男と自分自身との違いを確認できて、つまりファウジがアリーを殺そうとしたために、ハッサンがたんに世話を焼いたからファウジが自分になついたのではないという証拠を遂に得られてしまう、という構造がすごいなーと思った。あ、なんか言葉にすると陳腐かな…でもすごいんですよ。そこに至るまでの延々と続く徒労(ハッサンも、ファウジも)あってこそだね。
しかしまあ、二人がやっと向き合えるのが最後の数ページだけというのも、木原音瀬らしいというか。そこだけ再読してしまう。
笠井あゆみのイラストも素晴らしかった。小説の価値を更に押し上げるイラストレーターさんであるように思う。



綺月陣『スレイブ・ゲーム』

 高校時代のバスケ部エースとその友人のオネエ弁護士と純情純粋受け。
 バスケ部エースと受けは遠回り系。
 オネエはなかなか活躍していた。



2017年08月30日

名倉和希『アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋』

 セレブ攻めと純情純粋受け。
 ちょっと物足りなかった。



2012年07月23日

いつき朔夜『初恋ドレッサージュ』

 馬術部の田舎系素朴受けは、学外で乗馬している医学部のお金持ち王子様にからかわれてばかりなのですが、どうやらツンデレちゃんらしくて云々。

 うーん。最初のあたりは、ツンツン攻めがかわいくていいなと思っていたのだけれど…。

 受けはちょっと素朴さ普通さが鼻につく感じ。たとえば攻めが競技会で馬に鞭入れるのに反発するとか、なんか考え浅い。あと攻めを部活の客寄せにつかって、新入生に攻めを部員だと勘違いさせたことに気づいて自己嫌悪とか、なんか、空気読めない天然素朴青年ですてへぺろ、って感じで…要するに、作者のキャラづくりがつたないってことなのかなあと思う。純朴キャラの説明と描写がスムーズでないし、あざといし、うまくいってない感じなのかなあ。
 同じことが攻めにも言えて、受けにたいしてブルータスお前もか、みたいになるとことか、なんかわざとらしいしありきたりな展開とキャラだなあ、と思ってしまって、そのあたりから流し読みになってしまった。

 この作家さんは、キャラクターの魅力がいまひとつ足りてない感じかしばしばする。作家さん自身がキャラにぜんぜん萌えてないだろうなって感じがするし、キャラを記号的に設定して(田舎出身、空気よめない、普通の子、とか)、そのキャラをお話と展開のために動かしちゃってるのが見えてしまっている感じ。



2011年11月27日

渡海奈穂『兄弟とは名ばかりの』

 これは結構前に読んだけどかなりお気に入りv
 父親の再婚で、去年同じクラスだったいけすかない委員長が茶髪だらしない自分の兄になってしまいまして、お互いキライなので両親の前だけ取りつくろって学校ではシカト、なんてしてるうちに歩み寄り。

 わーこういうの好きだわ(笑。
 なんか最近やっとわかってきたんだけど、こういう水と油な二人で反目しあってるうちに相手のいいとこいっぱい見えてきて、好きになったらそれはもうメロメロ…というのはやっぱひとつの王道だなあと思う(や、こんなこと書きつつジョルアバを想定してるあたり、ちっとも王道ではないんだけど、笑

 そんなわけで、チャラ男が父子家庭だったから料理うまいこととか、結構将来の目標ちゃんともってるとことか、いいんちょがマジメ堅物なだけではなくて、すごく母親思いのとことか、お互いに認めていく過程もいいし、互いにのめり込んでいって、いいんちょがすっごくカワイくなってしまって、チャラ男がそれをカワイイィ!とか思ってるのもカワイくてよいですね。
 あと高校生ものなので、いいんちょの頑なで融通きかない感じの不器用さとか、チャラ男の適当さルーズさや売り言葉に買い言葉的なそそっかしさとか、そういう未熟なとこもすごく子どもらしくて
かわゆい。
 ちなみに、堅物朴念仁な父親と、良妻賢母なピアノ教師の母親もいい感じ。
 そんなわけで、なんかもう全体的にかわゆいのでいいか!という…(笑。たぶん、王道でふつーに面白いのと、あたしのツボにはまってくれたのでとってもいい感触なのかなあ、と思う。
 欲を言えば、タイトルはそのまんますぎたかも…あと絵はあんまし合わなかった気もする。



2011年11月25日

『小説Chara』1月号

 超常現象を一切信じない、人を人とも思わぬドS塾講師×天然ぼんやり霊能力の才能ちょっとありな受け、の『不浄の回廊』の新作、「キミと見る永遠」が読みたくて購入。
 『二人暮らしのユウウツ』で終わっちゃうのかと思ってたので、受けがのっとられてワガママぽいままのイメージで終わっちゃうのはやだなあと思ってたので、すごくうれしい!!!そしてまだまだ続きが読みたい!!

 内容も、冒頭でいきなり攻めが甘い言葉をささやきだすのがベタに面白かったv大筋はがっつり心霊現象がらみで、末尾は意外に(?)今後を見据えた展開だった。末尾で結構いろいろ動いてたので、逆説的に今までふたりは安穏としてたんだよね、と思ったけど、これまでずいぶん苦労してきた二人だし、もうちょっと新婚生活させたげたかったですね…という気も。
 しかしまだまだこの先が読みたいなあ。だらだらしてしまってもぜんぜん構わないから、長期シリーズにしてほしいvというか、むしろだらだらが読みたい(笑

 表紙のカラーもかわいいなあ。中身のカラーはアレなシーンばかりでかえって残念…(笑。しかし小山田あみさんは最近仕事しすぎではなかろうか。デッサンしっかりしてる人だし大丈夫とは思うけど、万一この人の絵が残念なことになるようなことがあれば、ほんとうにほんとうに残念なことだぞ…当社比で。



2011年11月24日

凪良ゆう『真夜中クロニクル』

 出た頃に買ってたんだけど、作者さんのブログを読んだらすごく気負わされたというか重荷になってしまって、積んでました(笑。

 光線過敏症の受けは、小学校でいじめにあったりして今では好きな音楽をしつつ通信高校に籍置きつつひきこもり。そんなある日夜の散歩で母親の帰省でやってきた小学生と出会って云々。

 タイトルどおり、小学生×高校生→高校生×20代前半→大学生×二十代後半とエピソードがわかれてた。

 のだけれど、最初のエピソードは当然ラブ未満だったけれどこれが一番よかった。
 ただ、攻めが小学5年生にしてはやたら子どもすぎ素直すぎで、ちょっと正直きもい気もする(笑。素直でかわいくてまっすぐでおひさまのようで、ちょっとジョルノっぽくていいんだけどね(笑。でもかわいそう受けにまっすぐ向かってく感じが王道ながらよい感じだし、夜の出会いから逃避行まで、ファンタジックなかわいさもあって、タイトルにある真夜中という言葉もしっくりくる。

 2つめのエピソードはタイトルが使い古された語句の引用で、それがアレンジなしでそのまんま使われてるのがちょっとなえる。あと脇キャラもいってたけど、毎週末受けの町に通ってくる高校生って…けなげすぎる(涙。しかし攻め視点だからおおむねもんもんとしてる感じだし、攻めも高校生になって、まっすぐさは残ってるものの多少の分別がついたり、一段と社会でも苦労してきてたり、という、おひさまのまんまでは居られない感じが正直残念でもある。クロニクルなのだから仕方ないのかもしれないが、年代記は成長期でなくてもいい気がする。

 そして3つめのエピソードにいたると、もはや受けいい加減にしろい!という感じになってくる…攻めが気の毒すぎる。受けもそれを自覚しててなおあんまし動かないし。受けの思い切った行動に攻めは感動してたけど、しかしその前に攻めを怒らせたある種のでしゃばりと似たような行動でもあると思うんだが…なんにせよ、受けの危機に攻めが華麗に現れすぎだし、この最後のエピソードの影響か、全体的に受けに都合のいいテクストだったなあ、という印象になってしまった。



2011年11月21日

剛しいら『ブロンズ像の恋人』

 芸大を出たもののマネキン会社で原型師してる受けは、バイトの若く美しい大学生が気になって彼をモデルにしたブロンズ像をつくはじめるのだけれど、現実の彼がやってきたりして云々。

 直球なピグマリオン話だけど、かわった設定で期待してたもののなんだかいまいちだった…。
 受けはある意味半端な芸術家で、母のつくった世界で育ってしまったせいもあって、人付き合いがあまりうまくなく、つくっている像の幻覚と対話するクセとか面白みがあった。
 その攻めが…若くて受けに初恋一目惚れで、芸術を語るような人間ではなく太陽のようなふつーの青年で、というのはいいんだけど、というかお話的にもブロンズ像ではない生身の人間の象徴だからそれで仕方ないんだけど、それにしたってあんまりにそれだけなので、情緒がなさすぎる感じも。家の事情でお金に困っててあっさり受けの家に住まうことになったり、家に来たら来たですきなようにリフォームおねだりしまくって…なんかさ!そういう強引さ、生身だからこそ出てしまう要求や瑕疵って、それはあるだろうけど…。なんか、魅力がないんだよね。

 そんな感じで、ん?と思わされちゃう攻めを、受けの幻覚がちくちく攻めていくので、かえって居心地が悪い。受けがノンケ(だと思っていた)の攻めに惹かれる愚かさや、欲望むらむらな攻めの本心への疑いとか、攻めに利用されているのではという疑いとかを露悪的に語る幻覚は、受け自身の無意識によるものだし、それは読者が攻めに感じてた違和感とシンクロするし、結局そうした疑いは宙吊りなままなので、なんだかなーという感じ。そういうモヤモヤや幻覚をガツン、と打ち砕いてくれるような強い≒魅力的な攻めではなかったなあ、という感じ。



2011年11月04日

丸木文華『罪の蜜』

 これは少し前に読んだ。あと、ねたばれぽいかも。
 芸術一家に生まれながら凡才の受けは、芸大をあきらめて美大に通いつつ、自分も通ってた美大受験予備校の講師をしてる。そしたらなんかイケメンで才能バリバリの高校生が入ってきて、めちゃくちゃ嫉妬するんですけどなんか告白された。

 受けの隠している秘密が結構わからなくて、あと各章の最後にはさまれる女性一人称で語られる部分もどう伏線になってるのか後半までわからなくて、なんかそういうサスペンスぽい部分は結構面白かった。
 攻めと受けの関係はわりあいある感じの、凡人な受けが天才攻めに嫉妬しまくりだけど惚れられてるのが優越感で、という感じで、キャラ自体は普通。だけど、ある地点で明確に関係性がかわるのでもなく、無理やりな場面もありつつでもその後とか含めてみるとちょっと異色な感じで、なんというか、案外にだらだらとした関係性はちぐはぐで目新しくて面白い。
 けど、ラブは若干物足りないかも。受けは結局、攻めに惚れたとかほだされたと言うよりも自分の罪悪感にからめとられたっぽい感じだし、攻めは攻めで、今までのコマのように見てきた周囲の人間と、カラクリをわかったうえで自分に縛り付けるために操作してるような感じになってしまった受けと、執着は別として関係性としてどう違うんだという感じ。

 そんなこんなで、まるっとハッピーエンドという感じではない、それぞれにちょっと後ろぐらい終わり方、という感じで、BL成分は物足りないかもだけど、お話としては結構面白かった。



2011年11月02日

森本あき『黒い天使の甘い契約』

 周囲の人を不幸にしてしまう体質でついに一人になってしまった受けのもとに、願いを3つ叶えてくれるという黒い天使が現れまして。

 なんかそうとうひどかった…。
 受けのベタベタ設定も軽すぎるし、そんな受けの不幸に酔っ払ったような語りもアレだし、天使も願いの代償がエロとか、正直どうでもいいキャラで魅力ないし、話の展開もベタを通り越してるし思ったよりひどかったし…。

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 最近愚痴めいた感想ばっかりですみません…。



2011年10月29日

栗城偲『冗談やめて、笑えない』

 これはちょっと前に読んだというか読みかけなんだけど。
 影が薄い受けは、ホストクラブを経営してる美形の幼なじみがすきなんですけど、まあ無理めなんで、ホストクラブでバイトさせてもらいつつ、友人のままでいるのです。

 つまんねかった…。途中で読むのやめてしまった。
 なんか攻めがきもい。薄顔の友人にかまいまくりで、ブサカワなキャラものを受けに似てるとかゆって愛でる美形、というのはいいんだけど、なんか過剰さというかわざとらしさを感じるというか…。受けのこと好き、って感じではなくて、たんに気の置けない友人って感じだし、そのうえ美形からのブサカワ認定って悪意ないにしても上からすぎる。後半読んでないので改心する(というか、受けのこと本気ですきだったのか、あるいは本気ですきになるのか)のかどうかわかんないけど、少なくとも初期設定の攻めはなんとなく感じ悪い気がした。
 受けは、自分は攻めにつりあわないからとか地味だし裏方に徹しようとか一歩ひいた感じで、かわいそう受けになりそうなんだけど、他の人への受け答えとかが皮肉屋っぽいというかいちいち感じ悪い気がして、それはあたしの主観にしても、とにかく話し方からは健気な感じがぜんぜんしない。だからキャラ設定がよくわからんし、美人ではないけどマジメ…ということで攻めの他にもファンが増えて行ったりしても、ぜんぜん感情移入もできない感じ。
 なんか攻めも受けも、ありきたりでないキャラを書こうとして力みすぎて、結果斜め上に進んでしまったのではなかろうか、というような印象だった…。



2011年10月24日

遠野春日『夜の砂漠に護られて』

 実は祖父な財界の黒幕のSPとして訪アラブした受けは、王族に目を付けられてコナかけられてうんぬんかんぬん。

 受けが強いのはよかったんだけど、攻めが最初はほんと遊び半分というか遊びでコナかけてるだけで、なんか今までの遊び相手とは違うっぽい、とかゆわれてもなんだかな。なびかないからむきになってるんではないかなとどうしても思ってしまうし。あとあんましカッコよくないというか、活躍できる場面があんましないんだよね…ちょっと気の毒。
 あと受けが守ってる祖父がひどすぎて、そのひどさにあんまし意味がない気がする。受けをかわいそうっぽく見せるためだけの存在というか。かわいそう受けは好きだけど、理不尽というよりも不条理なじじいって感じだし、受けがそれでも祖父を守ろうとするモチベーションもいまいち納得できず、かわいそうさがうすっぺらい気がしてしまう。
 そんな感じで、すごくダメでもないけど、なんか全体に惜しい感じだったかなあ。



2011年10月21日

亜樹良のりかず『はちみつdarling』

 きのーは樫本大進withバロックゾリステンにいちきましたvゾリステンて何ぞ…ああ!ソリストか…?やっぱベルリンフィルのメンバーだよなー^^って納得な感じだった!ヴィヴァルディとか面白い感じだったなあ。樫本大進はじめて聴いたけどいいね!バロックじゃないの聴いてみたいなー。あんましこういうこと書かないほうがいいのだろうけれど、誘ってくださった方のツテで、握手していただいてしまいましたvvvミーハーな感じにうれしい出来事でした。

 マダ男が獣医さんの家政夫になって、あら家事も獣医手伝いも意外と性に合ってるかもとか思ってたら、なんかクマ獣医さんにどきどきしはじめまして。

 受けは可愛げある青年でよいですね。
 クマせんせーはもうちょっと受けラブっぷりを見せてほしかった(笑
 しかしあとがきとかにもあったように、受けの娘の子猫ちゃんがメイン…?という感じでもあった。かわいいからいいけど(笑。



2011年10月17日

本宮榎南『狸といっしょ』

 たぬきちゃんが街に遊びに来たら、美形のお兄さんに拾われたのですが、実は彼の正体はー。

 なんというか、文体がウェブ小説っぽい。
 そしてたぬきがおやつ食べて寝てるだけでマジ赤ちゃんでしかなくて、すごくペドっぽい…。家事をしようとしても失敗したり遊んだりしてるし、かわいいと愛でるのはわかるけど、それに欲情してる攻めがとってもきもい。せめて、かわゆいから一緒に暮らしたい→たぬき世界のルールかなんかで一緒に暮らすためには娶らないとなんなくなる→形式上嫁に迎えたら、たぬきちゃんがちょっと成長して嫁として頑張って襲い受け、とかだったらよかったのになあ。



2011年10月14日

剛しいら『月の秘密』

 これはちょっと前に読んだ。
 執事と住んでるヨーロッパ系吸血鬼が、山出しの純朴そうな若者をひっかけてきたら、なんか狼男?でして。

 そこそこ面白かったけど、狼男の純朴/オラオラな二重人格設定は必要だったのかなあ…。というか、純朴そうな田舎の青年がメインのがよかったな(笑。金髪美形吸血鬼は、もう一声キャラ濃くてもよかったかも。大学教授に狙われるという話自体は面白かった。全般に、悪くはないけれど…という感じ。CPがもうちょっと萌える感じだったらなあ、ってとこかも。



2011年09月27日

あすか『血の桎梏〜邂逅〜』

 未来ファンタジー。特殊な種族の主人公は弟の死の責任を感じて病んだ感じで生きてるのですが、なぞの殺し屋の顔を見てしまい、ゲーム中とかいう殺し屋になぜか監禁されまして。

 …ひさびさにひどかったなー。
 ファンタジーSF設定は中二病以下というか中二病だったほうがたぶんましなくらい。街や社会、習俗や家具のありきたりすぎる設定が延々と描写されて、しかもそれがまたヘタな文章で、苦痛極まりない。
 キャラも諦め系の受けと中身からっぽでかわいそう系な殺し屋と、マスコットキャラみたいなネコっぽい種族のこと、これまたそれぞれ凡庸すぎありきたりすぎる。外見の描写もベタで、性格の面白みのなさとの相乗効果で、読むのがとっても苦痛。
 展開も訥々として見どころはない…と思うけど、流し読みしたのでそのあたりはなんとも。
 しかしこれ、タイトル的にも内容の中途半端さからしても、続編が予定されてると思うんだけど…まったくもって興味をひかれないなあ…。



2011年09月09日

バーバラ片桐『夜に堕ちる執事の純情』『極道の花嫁』『魔窟のプリンス 』『惚れてもいないくせに』

 飛ばし読みのと、読みきってないのもあるので、まとめていきます。

夜に堕ちる執事の純情 (リンクスロマンス)
 坊ちゃん×美形メガネ執事。後継者争いの中で坊ちゃんを誘惑して陥れるように脅された受け。これは結構面白かったけど、執事の妹の扱いが都合良すぎ…(笑。でも執事を口説きまくりな坊ちゃんとか過去の設定とかよかった。
極道の花嫁 (ガッシュ文庫)
 となりの組の長男×組長の息子。受けが天然おバカ元気受けだったのと、攻めがなぜ受けをすきなのかわからんかったのが難点。
魔窟のプリンス (リンクスロマンス)
 お部屋上司×几帳面世話焼き気味部下。あたしは汚部屋ものは基本ダメなんだわとやっとわかった。あと攻めが自己中というかマイペースすぎ。汚部屋の上に自分勝手とか…!
惚れてもいないくせに―申告もれの恋 (プラチナ文庫)
 ノンケマルサ×刑事。受けがツンというか、心のなかだけでデレてる感じ。もうちょっと攻めに優しく!



2011年09月02日

遠野春日『摩天楼で愛を囁いて』

 藤たまきの不思議ポット&ミスターシーナの小冊子が来た!予定日どおりに届くなんて、すごい!(笑
 内容は、シーナはやっぱり絵がちがいすぎて違和感が…ポットはシバが相変わらずカッコいいんだけど、ミキはまた子どもっぽい感じだったので、ちょっと残念な感じもあった。奥さんになりたい、というのはちょっとモチベーションがよくわからんし(笑、本編の末尾みたいなあっと驚かせてくれる爽快さのがかわいかったかなあ、という感じ。

 実はあたしこのシリーズ読んでないんだよね…(笑。西根とジーンの話しか読んでない。でもラストということだし、西根たちも出てくるというので、ついつい買ってしまった。

 ということで、末尾とペーパーの西根ジーンの出てくるとこしか読んでいないのですが…(笑。
 ジーンが素直になる話はかわいくてよい。というか、なんかいまさらツンケンされても違和感があるというか…未だにあれでは西根もたいへんですね、とも思う。
 でもそんなわけで、西根視点の話があってよかった!西根はジーンにめろめろ、というのが今までジーン視点で西根の発話とか態度とかでしか書かれてなかったから、西根はほんとにめろめろなのね…と、なんだか新鮮でどきどき(笑。ジーンは相当美人なんだろうなあ、という感じ。しかし…歳とったらだいじょうぶかしら、美貌が衰えたりそれによって愛情が薄れたりしたら悲しい…とかなんか現実的なことも考えてしまう…(笑



2011年08月29日

砂床あい『被虐の檻』

 ねたばれぎみです。
 父がたおれてしまって社長代理になったボンボンは、冷徹な教育係の秘書に兄との関係を見咎められて、社長をめざすのにスキャンダルはまずいから、自分が抱いてやるから我慢しなさいとか無茶いわれてご無体されまして。

 うーん。なんというか、カタルシスのない話だったなあ…。
 美しい双子の兄は母にひきとられ、自分は父に愛情をかけられずに育ち、母に愛されたい父に認められたいと思いながら、恋もせず(おそらく友人もおらず)孤独に生きてきて、誰も助けてくれないから痛みを感じないようにしてるうちにMになってしまったという、結構かわいそうな受けだと思うんだけど、あとから兄はもっとつらい目に合っていてとか、父は受けにどう接したらいいのかわからなかっただけでほんとは受けのこと思ってたのよとか言われて、受けは当初は自分のことしか考えてなかったよねとか反省させられたりで、なんだかかわいそう…(笑。

 両親や兄はこういう設定でも別にいいんだけど、なんというか、受けが攻めとくっつきつつも、受けの辛さが攻めに受け止められて癒される話ではないので、カタルシスに欠けるんだろうなあ。
 攻めは受けは最初はほんとにダメなこだと思ってて、でも次第に頑張る様子にほだされた、というだけで、受けの辛さを理解したという描写じゃないんだよね。お父さんはほんとはあなたのこと思ってたんですよ(あなたは自分のことばっかりでわかってなかったけどね)とかじゃなくて、愛情を感じられずに孤独でしたねでもこれからは自分がいますから、とかになんないのかなあ、と(笑。なぜMっぽいのかとかもわかってないみたいだし、これからは痛みではなく優しさを与えてあげよう、とか思ってほしいのに、気持ちが通じ合ってもSっぽさ残ってるもんなあ。

 まあ、そういう受けにキビシイ話だってことならそういう話でもいいんだけど、物足りなさが残ってしまってるし、だからそのあたりの展開のきびしさは作者は無頓着に書いたのかなあ、という気がした。受けの過去にキビシイのなら、何か他のアメをあたえてあげてほしかった、という感じかも。

 絵は…いや、単体では別に普通なのかもしれないけど…ほんとに鬼塚征士なの…?なんでこんなに絵が変わっちゃったの…???



2011年08月26日

五百香ノエル『こういうときにそうくるか』

 英語の勉強のために外資系の会社でバイトした際に、エリートゲイのイケメンアメリカ人と付き合ったけど、彼の日本出張終了とともにあっさりふられておおいに傷ついた受け。数年ぶりに彼が日本にやってきて、もう手玉にとられるようなおぼこじゃねーよと思うものの、アプローチされると気持ちがぐらぐらして、云々。

 攻めはわりと徹底的に享楽的というか、受けに冷たくしてから情熱的に口説いて落とす段階からラブアフェアを楽しんでる感じで、落とした後は徹底的に甘やかしかわいがり、そしてあっさり別れてはやくアメリカのセフレに会いたいなーとか思ってる、わりと最低な感じ。
 受けは過去の純情素直っぷりと、攻めに再会してからの徹底抗戦しつつもゆらいで結局そんなことになってしまい、それでももう攻めには何も期待しない、という攻め大好きっぷりがいさぎいいしかわいいし、いい意味で普通のこという感じ。
 そんな受けにこんな攻めがほぼ偶然再会しほだされる、というのは、なんというか、いい意味でBLファンタジーだなと思った。

 しかし、受け実家の洋食屋関連のエピソードとか、堅物調理師兄、サッカー少年弟、美少女妹、元気な祖母とか、商店街の仲間たちとかの描写にものすごい分量が割かれていて、最初はゲンナリした…や、読んでたらそこそこ面白かったけど、なんで??という気はした。攻めが最終的に洋食屋になじんでるのとか面白かったけど、受けの攻めと実家との間での葛藤とか、受けと攻めとの育った環境の違いとかがわかりやすいし、確かに意味がなくはないけれど、それでもここまでじっくり描写する必要性はなかったと思うし、逆に言えばそれだったら攻めのバックグラウンドの描写だって必要だったはずなのにそっちはほとんどないわけだし、いまいち意図がわかんない。
 あと違和感があったのは、受けと攻めとの出会いの過去編がわりと中盤で長々あって、別れるとわかっている話をわりとじっくり、先を知らないかのようなそぶりで読まなければならない感じで、ちょっとしんどかった(笑。
 イラストはちょっといまいちだった。



2011年08月25日

あすか『砂漠の愛奴隷』

 別れたアラブ王子の結婚式に呼ばれた日本人バイオリニスト受け。王子は振られたことをいまだに恨んでて、受けの彼氏の前で陵辱監禁そんなこんな。

 まあ、受けは攻め部下に頼まれて別れただけでほんとはまだ攻めがすき、攻めも受けを恨みつつ忘れられず、という、ものすごいベタなすれ違い+身分の差ものという感じなんだけど、いろいろ壮絶で、攻めも受けもよく互いと状況を許せたなあ、という印象…。まあ、受けも言ってるように、数年たって互いにいろいろ大人になって、開けた時間は必要だったのね、という感じもあるんだけどね。しかし最後のほうとかロミオとジュリエットまでこなしてくれて、もうなんか、おなかいっぱいである…。
 あと、受け彼氏だと攻めに誤解されっぱなしの友人は、大変お気の毒である…。攻めの部下は、読者目線では状況の半分くらいはこの人の責任で諸悪の根源だろ、という感じだと思うんだけど、攻めのためを思って行動しているのだから~とかゆうゆる~い目線でなんも責任を問われないのはすげえなあと思う。



2011年08月20日

雪代鞠絵『有栖川家の花嫁』

 旧華族の有栖川本家の攻めと結婚する予定だった双子の姉が出奔し、姉とは離れて母と二人で暮らしていた受けが、あれよあれよという間に姉の身代わりになることになってしまう。分家から妻をめとるのは本家の総領になるためだと言って受けを道具扱いの攻めに、受けは姉が戻ってきたときのため、そして自分も人を嫌いになったままじゃいやだし、とか健気なことをゆって、攻めと近づこう、有栖川家の花嫁たろうとがんばるので、攻めもかなりふんばったもののしだいにほだされたり、誤解したり、云々。

 …これだ!ジャスト!という感じ(笑
 こういうのがすきなんですよあたしは!(笑
 ベタで、でも王道で、キャラもみんな好ましくて、いいじゃないですか。新潟は北陸なのか、とか。受けの名前、水晶であきらは読みづらい(ついみずきと空目する)とか。まあそんなことはささいなことです(笑。

 攻めはかなり冷徹で受けにも相当非道で、受けにほだされずに結構頑張るのと、けどそれには理由があって、という設定と、もうどストライク。
 受けも嫌味にならない感じの健気さとか、末尾の展開でちょっとアレになってもあてつけがましくはならないとことか、よい受けですね。あと先生への気持ちの吐露とかもふくめ、攻めラブ!って感じではないのがむしろ正直というか、この状況なのでこういう反応は感情移入しやすくてよいと思う。
 攻め秘書とか受けの亡き母の元主治医とかも、それぞれいいキャラで、いい機能でもあったと思う。だからこの二人については、後日談とかでもうちょっと読みたかったなあ。

 後日談も面白かった。この本、復刊らしいのだけれど、既刊のほうには後日談はなかったぽい?ので、未読の方にはたぶんオススメなのです。短い漫画もついてるし。
 新婚旅行編で、恋人同士が覗くと縁起がいいという井戸を照れながら覗こうか、とかゆってる攻めがカワイイィし、それを時間がないからと流す秘書がおかしい。攻めが眠らせたSPにお布団かけなきゃ!とかゆってる受けもなんかズレててカワイイィ。あとカゼをひいた攻めが、受けに「強姦されるかの勢いで」服を脱がされて床に入らされるとこがおかしかった。

 まあそんなわけで、やっぱ王道は強いな!と改めて思ったのでした(笑
 あと、一馬さんの絵は最初の頃はどうしても違和感があったのだけれど、かわいいしきれいですき。



2011年08月11日

斑鳩サハラ『恋の粗挽きネル・ドリップ』

 彼女の出来ない高校生が、中学のときの同窓会で再会したちょうイケメンモテ男と、なぜか翌朝ベッドの上でふたりきりでして。
 …この作家さんの基本パターンだなあ。超絶イケメンは問答無用で受けにベタ惚れで、受けはぽやんとしたドジっこで、こちらも特にきっかけや理由はなくイケメン攻めに簡単にめろめろになってしまう、という…。そして、そのパターン以上の何かはない、という感じ。あと、とりあえず受けは保健室で寝すぎである。
 あとこれ、やっぱり復刊だったのね。なんか、高校生がナチュラルに飲み会とか喫煙とかって描写があると、なんとなく古い作品だなあという感じがする…。



2011年08月09日

バーバラ片桐『復活の秘策と陥没の秘策』

 ここのところ大量消費のためか感想が少なめですみません…。
 フラッシュメモリって考えてみれば容量すごいよなあ、と思いながらこないだ考えた、三四郎ネタ。「フロッピーよりCD-ROMは大容量、CD-ROMよりフラッシュメモリは大容量、フラッシュメモリより……人の頭は大容量でしょう。」

 すきだった朴訥ノンケ同級生とクラス会で再会して、恋人いないなら付き合わない、とか勇気を出して軽く言ってみたら、なんかOKされまして、でもしばらくしたらEDぽくなってきて、無理してあわせてくれてたのかしら…。
 なんというか…タイトルどおり(笑。ほぼ乳首の話。プラス、エッセンス的にED。トンデモを期待したのだけれど、筋はあまりなくって、乳首とEDだけのお話、という感じでちょっと残念…。



2011年07月24日

鳩村衣杏『やんごとなき執事の条件』

 茶道の家元の三男で、茶室づくりをしてる受けは、イギリス人貴族の依頼を受けて渡英。依頼人は唐突に家をつぐことになってしまった金融関係で働いてた元庶民の貴族で、ゲイな受けはクールな執事がもろにタイプでどうしましょう。

 誤字は多いし、描写はやや雑な印象だったのだけれど、むむむ。
 茶道と執事の仕事の描写とかにかんする説明口調がやたら多くて、いやそれは展開上仕方のない部分もあるんだけど、たとえば執事にかんするうんちくを受け視点で散々冷静に語っておきながら、受けが直情型で、執事にアホな絡み方をしたりするので、なんかちぐはぐになってしまい、最初のうちは受けがどういうキャラ設定なのかよくわからんかった。貴族とのやりとりも、受けは随分構えてたのにえ?それで納得していいの?という感じで、ちょっと頭がよさそうにみえないし残念な感じだった。
 受けのケガも、執事とのからみを増やすためには必要だったんだろうけど、茶会とかで受けがあまり活躍できないし、なんかもったいなかった…。や、作庭を仕事に選んだ、というのはわかるんだけど、でも茶道もきっちり披露してもいいじゃないか(笑。

 執事は途中でなんとなく意図はわかったのだけれど、ラストの豹変振りが…(笑。一貫して受け視点の話だし、ナゾのままでもいいんだけど、どういうひとなのかよくわからんかった。未来も不透明で、だからよくもわるくもすごく箱庭っぽい話だなあという感じがした。

 なんだかいろいろ悪口を書いているように見えると思いますが、でも実は、結構面白かったのです(笑。なんか、思ったよりも、CPに萌えられた。というか、上記のように条件がよろしくない割には萌えた、というか。



2011年07月22日

五百香ノエル『ちるはな、さくはな』

 村の旧家の対照的な双子兄弟は、対照的な天使と悪魔な美人兄弟として有名なのです。老人の行方不明が相次ぐ中、双子の家に対立する分家の研究所に、優秀な研究者である兄弟の元叔父が戻ってきて、彼が忘れられなかった双子のかたわれ天使の方は心が騒ぎ、云々。

 村や二つの家の描写がくどくて、書き方があまりうまくないせいかイメージもわきづらくて覚え切れないし、登場人物も多すぎ。なんか双子と叔父との年齢差や関係性とか、すごくわかりづらかった。
 あと、なんというか、描きたい場面場面を優先して書いてる感じで、整合性も、物語やキャラ設定の一貫性も、あんまし気にしてないのかな、という印象。

 双子の母とか、なんか場面によってちぐはぐな描写ばかりで、けどまとめてみると聖女で皆にあがめられててわがまま女王さま、とかあんまし面白みのあるキャラじゃないんだよね。主人公の双子も同じで、最初の方は設定ちぐはぐでよくわからんし感情移入しづらいなあ、と思ってたんだけど、要するに澄は綺麗でいい子だと思われてるけど内面エロエロで好きな人以外どうでもいい子、烙はやんちゃわるいこチャラ少年だと思われてるけど純情村思いな子、というだけで、こうまとめちゃうと二人とも設定があまりにベタだしさほど魅力がないというのがわかってしまうんだと思う。
 攻めも、澄の彼氏の方は、澄の母を好きだったという設定だけど、それは恋愛だったのか興味だったのかもよくわからんし、存在をうとまれてる天才で人の気持ちがわからんという設定も、あんまし描写に活きてた感じしないし、澄をなんで好きになったのかもよくわからんかった。あとあらすじ見返してて思ったんだけど、この人なんで醜聞扱いされてるんだっけ…わからん…。烙の彼氏の外国人の方は、ほとんど偵察者という機能だけでキャラたってないし、烙がなんで好きになったのかもよくわからん。



2011年07月21日

剛しいら『猫を愛でる犬』

 これたしかちょっと前に延期になってたやつで、タイトルみてすごく期待してた。
 外食産業の二代目で、相棒の黒ラブだけを愛して綺麗に丁寧に暮らしているイケメンは、父が勝手に買い取った古ぼけたファミレスチェーンのてこ入れをおしつけられて、ほとほとウンザリなのです。さらに、再建のためにとかで父の知己の息子とかいう男がやってきて、いきなり同居を命じられるのだけど、これがまた猫をつれたバイセクシャルのアメリカ人でして、生活乱されるしなんか尻狙ってくるしほんと勘弁して欲しいのです。

 なんか、二人の恋愛物語というよりも、犬猫とその飼い主のお話、という印象…。かなり動物が前面に出てきていて、いやかわいいしいいんだけど(笑、本筋がやや物足りないからちょっとアンバランスな印象。
 本筋は、本来攻めのアメリカ人が、さんざんせまったら逆にいたされてしまう、というとことか面白かったんだけど、攻めのほだされてからの受け溺愛っぷりとか、きままな受けが攻めにいかに本気かとか、そういうとこをもっと詳しく書いて欲しかった…(涙。ありていに言えば、ラブラブちょっと犬猫、な後日談があったらよかったのにと思う。あと、この作者さんには結構あることだと思うのだが、どのお話でも後半はキャラがみんな同じ(話や時代、受け攻め設定にかかわらず)になってしまっている感じがして、ちょっと残念な感じなのです。



2011年07月16日

高尾理一『お侍、拾いました。』

 長野の実家の蔵を友人二人と片付けに行ったら、裏山でお侍さんを拾いまして、記憶喪失のお侍さんは、こっちの世界のあれこれに驚き戸惑い楽しみつつ、記憶を思い出そうとしつつ、過去へと戻る方法を考える。

 これは…あれだ、BLというよりも、ジュブナイルというか…。『おじさんは原始人だった』を思い出した。
 攻めのカルチャーショックとか記憶、タイムスリップにかんする話が多すぎ。攻めはいい奴だけれど、なんで受けが惚れるのか、攻めもなんで受けに惚れたのか、よくわからん…。
 あと、上述のようにただでさえ説明が多くなっちゃう設定なのだから、攻めの記憶喪失設定は、説明を増やすばっかりで煩雑な気がした。受けの友人も、そしてまた友人その1の片恋も必要だったのか…。

 しかしいいかげんあたしは、自分が高尾理一に期待しているのはすっとんきょうBLではなく、オラオラ攻めと強い子受けだということを納得しなければいけないのだ。くそう。わかっていたつもりだったのに…。



2011年07月10日

夜光花『偏愛メランコリック』

 右側にならぶプレビュー見ていて、やけに人数が多いな…と気づいてどっきり。BLの表紙ばっかりなのに。

 先輩の代打で人形写真集の編集をすることになった人形ぎらいの受け。偏屈な人形師に会いに行ったら、溺愛している人形にそっくりだとかで一目惚れされて、けど編集業務はあるしイケメンなので惚れられてそう悪い気もしないし、けどアブノーマルな道だし…という感じでして。

 攻めはエキセントリックで、主に受けへの執着が常軌を逸しているのだけれど、天然で不器用で常識がないダメワンコという感じで、もっとカコイイ感じかなーと勝手に思ってたので意外だった。ていうか、あとがきで作者もイラスト蓮川先生なんだからカコイイ攻めにすればよかったーとか書かれてたけど、まさしく同意なのです(笑

 受け編集があんまし好きになれなくて、なんというかあまりいい意味でなくわりと普通の人だなあという感じだった。イケメンだから悪い気はしないとか流されたり、仕事のためにと攻めをコントロールしようとしたり、ズルイとこもあるし、小心者だし、な感じ。けど末尾とあとがきで、そういうわりとしょうもない普通の人間が、自分はそこそこいい奴だと思ってる状態で、それを自覚する話、だったのだとわかってそうなのねーと納得。けどこの濃ゆい攻めにたいして、受けのこういう物語まで持ち込む必要はあったのかどうか…(笑。

 そんなわけで、全体的に思ったよりはライトだったかなあという気もするけど、面白かった。
 あとこれもあとがきで作者がはじめてのプラチナ文庫なのでかわいいお話がいいかと思って…と書かれていて、プラチナ文庫ってそういうカラーだったっけ…と少し考えてしまった。リニューアル後はやはりそういう傾向を目指していたのかなあ…。



2011年07月07日

水無月さらら『美少年は32歳!? 』

 ネタバレぎみです。
 イケメントレーダー30歳台と、顔はかわいいのに地味オタクな高校生の中身が入れ替わってしまっててんやわんや。

 …なんか非常におしい。
 そもそも、ふつー入れ替わりものってのは、いけすかないあいつの身体に入ってみたら、苦労とかいいところとか見えてきてラブ、ってのが王道、だと思うんだけれど、こんな赤の他人同士が入れ替わってくっついても…なんだかな!入れ替わった後の苦労もそんなに共有してないし、なんでお互い好きになったのかもよくわからんというか、行き場のない二人が寂しくなったというか必要にせまられてというか、な感じに見えてしまって、この二人がくっついてもあんましうれしくなかったというか…。

 ていうかむしろ、それぞれの恋人と友人との関係のが面白かったのにー。
 トレーダーの恋人は役者を目指す美形バリネコちゃんで、トレーダーはあんまし本気でもないけど恋人は彼が大好き、という関係で、中身がヘタレ高校生になっちゃったイケメン恋人がかわいくなっちゃってバリネコなのに押し倒しちゃって…というなんておいしい展開!!…なのにそこで恋人を裏切った自分に絶望してフェイドアウトしちゃうんだもの…真面目でいいこなんだもの…。中身高校生になっちゃったイケメン恋人の世話真面目にみてたし、俳優目指してカテキョでバイトしてたという賢さもいいし、すごくいいこなのに!それに、美形ネコ×かわゆい高校生ネコの百合CPが見たかった!(涙

 一方、トレーダーは高校生になってかわゆい外見磨いて高校生生活満喫してて、おいおい!って感じ。上述の恋人がかわいそうだし、トレーダーになっちゃった高校生はぜんぜん人生楽しめてなくてかわいそうだし、なんかトレーダーだけいい思いしやがって…という感じ。まあ、トレーダーがあんまし人とかかわらないキャラであったということがわかり、そういう彼が成長するという側面もこのお話にはあるのだけれど…。
 思うにしかし、この作家さんは、よくも悪くもキャラをみんな突き放して見てる感じがして、こういうトレーダーみたいなキャラの短所を淡々と書くので、恋愛物語の攻めというよりも発展途上な少年漫画的キャラみたいというか、なんかうまくいえないけどBL的に違和感がある気がする。それがこの作家さんの特徴であり魅力となる場合もあると思うんだけど。や、基本わりとすきな作家さんなので。
 それはさておき、高校生の友人のデブオタクくんも昔はかわゆい子役だったとか、今は人にキモがられるのが楽しいとか、濃ゆい智識とか、面白いキャラで、トレーダーもそんな友人を最初は敬遠してたものの、次第に内面を知って信頼していく…というのは結構オイシイし、イケメントレーダー×デブオタク(でもたぶん磨けば美形な)高校生、というCPもよかったのにな!

 まあつまり、CPと恋愛物語としての物足りなさ、ていうか主にCP、で残念な感じだったのです…。



2011年07月01日

いとう由貴『危うい秘め事』

 傲慢医者と美形メガネ弁護士の友人CPと、つねづね複数人での適当な遊びを楽しんでいた若き美形会社社長は、地味な書店員に親切にされて惚れてしまい、食事にさそうことすらできないピュアっぷりだったのですが、くだんの友人CPときたら書店員をさらってお膳立て、社長はその痴態と彼が自分を覚えていなかったことにカッとなってしまってそんなこんな、監禁陵辱のうえ自分を受け入れろと無理強いするのだけれど、云々。

 お話自体は、後半までわりとすんなりとした筋で、ちょっと物足りない感じもあった。攻めは非道なばっかりで、受けはどう受け入れるんだ…と心配しつつ、しかし受けもそんなに魅力的なキャラでもないので、さらさら読んでたのですが。
 しかし、このオチは…まあありきたりとは言わないけれどそれほどには意外でもないし、そこにいたる受けの感情や反応はもうちょっと丁寧に描いて欲しかったなあという気もしたのだけれど、でも面白かった(笑

 攻めは非道なばっかりで、まあちょっと狂的なとこはよかったけど、でもなかなか好きになれなかったんだけど、しかしおしまいまで読んで改めて考えてみると、やっぱりこのひとが一番の被害者だよなあ…(笑。受けをさらって一連の非道のきっかけをつくったのも脇CPなわけだし。
 受けは上述のように、もう少し末尾の変化を丁寧に描いてほしかったなあ。
 脇CP二人は、なんか…いいんだけど、なんか、機能っぽいというか、正直にいうとこの二人はお道具みたいな印象で…(笑。

 や、しかし、この後どうなるんだろうー?ちょっと後日談読みたい感じ。もうちょっとくらい攻めは幸せでもいいと思うし、それが受けの幸せにもつながるんだろうと思うし…。
 しかし、絵は残念だった…。



2011年06月24日

夜光花『ミステリー作家串田寥生の考察』

 うーん。悪くはないけど、帯に短し襷に長しというか…。

 ワガママミステリ作家の串田寥生にふりまわされるゲイ(なのはナイショ)編集の神凪くん。次の作品のために、神凪くんの出身地である島に行きたいとか言い出して、云々。

 ミステリとしては、展開がゆっくりすぎた。端的に言えば殺人が末尾すぎたというか…。キャラ多い割に、BL=ラブストーリーでもあるせいか脇キャラ描写が少なく感じて、こんな多人数必要だったのかなあと思ってしまった。多めのミスリードさそうにしても、殺人が遅めなのでいまいちそういう機能ははたしてないし。

 ラブとしては、どうにも攻めに萌えられず…。夜光さんのこういうわがまま破天荒電波攻めって、あんまり好きになれないなあ。なんかわざとらしさもある気がするし、逆にキャラがたたないというか。わがままオレ様ですよ!天然電波ですよ!って指示が丸見えというか、自然に見えない、気がしてしまう。あと、こういうキャラであっても、受けを選ぶよ!という気概というかガッツというか、を、もうちょっとくらい見せて欲しかった…。
 受けも、真面目に見えて実は淫乱だったみたい、というくらいだし、なんでこの攻めが好きなのかいまいち納得できないんだよね…いや、それは自分がこの攻めがニガテだからかな。

 そんな感じで、なんだかとってももったいない感じの内容だったのです。
 あと、絵がこの絵師さんにしては随分雑に感じた…残念。



2011年05月26日

大鳥香弥『にせ王子ピナ』

 孤児でごみ拾いで生計をたててたピナは、王子様の身代わりにさせられて、捕虜として某大国へ。蔑まれながらも命乞いをして、連れてきた将軍=皇太子の弟王子の奴隷になって、云々。

 面白かった。キャラもお話も、王道でタイトルから期待できるとおりでよかった(笑。そのまますぎて書きたいことはあまりないけれど。
 欲を言えば、あまりにそのまんまなのでもう一味くらいはほしかったかなあ。ピナの先生とかもうちょっと活きて欲しかった。あと、受けが王妃に母性を感じたり、王妃を殺さないで!と言ってしまうところはなんかなくてもよかった気がする。母恋のモチーフが後で活きてくるわけでもなかったので。
 宝井理人の絵は前より安定してきたっぽくてよいと思う。



2011年05月22日

名倉和希『おしおきは愛をこめて』

 特にネタがないでござる。というわけで、読みさしひとまとめを廃止。

 これは…ずっとアマゾンのカートに入ってたんだけど…なんで読みたかったんだろう。正直自分でもよくわからない。寿たらこの挿絵が見たかったんじゃなかろうか。

 新卒の予備校講師が、メガネ美人なセンパイいいなと思ってたら、とんでもないドS受けでして。

 攻め講師が受けのあれこれに一喜一憂して呑んだくれて試験問題紛失したり、受けにしぼりとられてしまって休みまくったりと、グダグダな働きっぷりでイライライラ(怒。
 あと一人称語りは、よほど好みじゃないとキツイなあと改めて思った。



2011年05月18日

樋口美沙緒『他人じゃないけれど』

 小学生の時に画家だった父が亡くなり、父の友人の画家にひきとられた受け。五つ上の画家息子にはなんだか嫌われてるぽいし、画家義理パパに恋心だし、とか思ってたらなんか義理パパへの気持ちが義理兄にバレてそんなこんなをされまして。

 なんかなー、としか言えない。
 義理パパはどこがいいのかぜんぜんわからん。優しいらしいけど、生活能力皆無の天然かわいいよれよれオッサン…ティーンの受けが惚れるにはマニアックすぎる(笑。あまりにあからさまに、寄る辺のない受けが身近な保護者に勘違いの恋、という感じで、もうちょっとこう、受けが惚れる、あるいは惚れてる理由付けがあったらよかったのに。

 義理兄もさー…。あまりにあからさまに受けラブで、たぶんそれを隠すために恋人取っ換え引っ換えなんでしょ、というのがミエミエすぎる。
 そしてそのわりに、受けへのからかいが鼻につくほど辛辣だったりして、なんかよくわからんひとだ。なによりも、受けがご飯用意して待ってるのに帰って来なかったり、自分だけでなく絵に没頭してる父もほうっといて、あげく受けに一人でご飯食べさせるって…。結構な頻度でひとりでみんなのごはんつくってひとりで食べてたらしい受けとか、これちょっと、読んでてツライよ…。作者的にはかわいそう受けってことなんかなあと思うけど、そのかわいそうさに必然性がないっていうか、攻めがいくらでもなんとかできた状況じゃんか。受けのことすきだったんでしょ?って思っちゃう。
 攻めはいちおう、受けへの気持ちを隠すためにデートに出かけてたとか、受けが居場所づくりのために家事ばっかりすんのをやめさせたいとか、なんかいろいろ理由づけしてるけどさあ…。だったら家事手伝えよって思うし、学生時代にふつーに遊びまわってたのは、別に受けとは関係ない状況っぽかったし、なんなのこの人。総じて受けのこと思いやってない感じで、受けがすきって感じが全然しない。やなひとだなあという印象。

 そんなわけで、ふたりが結ばれてもしらけてしまって、末尾は斜め読みなのでした。



2011年05月17日

杉原理生『薔薇と接吻』

 ラストまであとちょっと、のとこまで読んだので、出来れば読み終えてから書きたかったのだけれど…。

 幼いころ同居してた美形のお兄さんが、大人になるまで覚えてたら迎えに来るよ、とかゆっていなくなったのですが、再会したらなんか忘れられてるっぽくて、そしてなんだか吸血鬼らしー。

 そんなわけで、読み終えてはいないんだけど、正直微妙だったなあ…。
 メインである吸血鬼をふくむ、さまざまなファンタジー設定が、あんましきっちりしてなかった感じだし、魅力も特になかった。受けが何才になるまで~とかゆう設定も、厳密なものというより大人になるまで、とかもうちょっときっちりしてしまってほしい~。描写も読んでて飽きが来てしまうかんじ。

 攻めはなんで受けのこと忘れた設定だったんだ。それに、受けを遠ざけようとしどおしで、それは理由付けられてるんだけど、なんで受けが攻めをすきなのかはよくわからんし、攻めがいきなり受けを受け入れて独占欲むんむんになんのもよくわからん…。
 受けはモテすぎ…いや、そういう設定なのはわかるけど、上述のようにファンタジー設定がいまいちしっくりきていないこともあって、なんだかなあという感じ。



2011年05月15日

森本あき『悪魔な恋人』

 こないだ携帯で読んだ。
 というのは、随分前に『オトコの花道』の続きを読むために竹書房の携帯サイトの月額会員になったんだけど、それを解除すんの忘れててかなりポイントがたまってしまったので、そんで漫画をダウンロードするとすごい量になっちゃうので、ラヴァーズ文庫をいくつかダウンロードしたので。
 でもあれ高すぎるよね…データだけなのに、800円くらいするんだもの…。あたし基本は本のかたちのが好きだし、これはこんな機会でもなければ買う気がしないなあ。紙の本より安いなら、ちょっとは購入を考えるのに…。

 堕天使サリエルの息子で悪魔のリルは、人間と契約して願いをかなえ、その魂をとってこなければならないのに、いつも相手に感情移入して失敗ばかり。最後の機会ということで出向いた先が、名家の長男だけれど父とロシア人の恋人との間の望まれない子で、離れに幽閉されて暮らしてる、何もかもに飽いた青年で、望みなどない、むしろ望みをあててみろよそしたら魂やるから、とかゆわれまして。

 攻めの魂をもらうか、さもなければ受けが消滅という設定は重いけど、基本受けのほわほわ視点なので暗くならず、どうせなんとかなんだろうと安心して読める感じ。受けの攻めかわいそう&あたしたちどうなるの、というポエムが随所にあったのがちょっとしんどくて、ポエムとお色気シーンはナナメ読みした。
 結末はあまりにベタだしご都合主義だしで、まあ二人の結末はまだいいんだけど、父悪魔の扱いの都合良さ加減はあんまりだと思った(笑

 ところで、リルというのはメソポタミアの民話でインキュバスのことなのですが…。



2011年05月01日

名倉和希『殉愛のしずく』

 これはすこし前に読んだ。
 恋人もいろいろいるイケメン社長が、出張先で実は社長に恋してるマジメ堅物秘書とついそんなことになってしまい、案の定のめり込んでいってしまうのですが、実は秘書には社長に内緒の秘密がありまして。

 遊び人攻めが純情奥手受けに陥落、というオーソドックスなお話で、受けの秘密が若干差し色、という感じ…なのだけれど。
 受けの秘密が露見したときの攻めの反応がDQNすぎた気がして、ドン引きした…(笑。そしてここまで決裂して、受けも絶望のどん底になって、自殺を心配されるほどに思いつめるわけだけれど、でもそれでもきっと、攻めが迎えに来たら受けは二つ返事でついてっちゃうんだろ~な~、という印象で…(笑。まあ末尾も、受けは若干天然っぷりを発揮してたけど、だいたい予想どおりだったかなあ。
 しかし、攻めのDQNっぷりで、読んでる方としては正直ちょっとしらけた感じ。や、単にあたしのニガテなタイプの反応だった、というだけなのかもしれないので、他の方が読んだらまた印象違うかもですけどね。



2011年04月07日

松雪奈々『なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど』

 タイトルを見て、文章崩壊気味だったらどうしようと購入に二の足をふんだのだけれど、まっとうだった…。面白かった。タイトルのアホっぽさがむしろもったいない。というか、文章だけではなく内容もわりとまっとうな感じだった(笑

 そっけないキャラな研究者の受けは、ある日オッサン淫魔にとりつかれてしまい、自分が精気を吸い取っているので三日以内に男に抱かれなければ死んでしまうとか言われてしまう。仕方なしにゲイのウワサのある部下に、友人に男を紹介してやってくれとか無茶ぶりしたら、なんかウソがバレて部下といたすハメに。

 ノンケオッサン受けが仕方なしに男を誘いつつ、ほとんど無意識に部下に惹かれてくのはわりと自然でよかった。他のヤツはやなのに部下だけは大丈夫、とかいう確認の過程はなんか冗長だったので、ちょっと説明的すぎたかもしれない。
 部下攻めは受け(+淫魔)にふりまわされまくりで、カコイイいい奴っぽいんだけどもうちょっと描写がほしかった。
 あと、淫魔の示すあれこれの制約とか魔法がテキトウっぽいのが微妙だった。淫魔も自分も初めてのことでわからんとかいろいろ言い訳してるけど、もうちょっとファンタジー的な設定はしっかりつくってほしい。あとオッサンである必要はあったのか…まあ、ギャップはよかったかもしれないけど。
 あーあとネタバレですが、攻め以外ともいたしてしまうとこがあるので、若干微妙な気もしたし、ダメな人もいるだろうなあと思う。
 でも全体的に文章も構成もよい感じで、ただノンケに淫魔というのは飛び道具だと思うし、他の設定の次作も読んでみたい。



2011年03月24日

よみさし。

 水道水があれだそうなのでCHIMAYを飲むというアントワネット生活をしているクロエです。

 夜光花『熱情連鎖』。ドリームキャッチャーで夢の世界に遊ぶ高校生三人で、受け←友人二人。あたしだけかもしれないんだけど、3Pはさ…、攻めの比重が対等でないと、なんかなえちゃうんだ…。ていうか、より好みの方の攻めが扱い軽かった、ということなのかもしんない。

 バーバラ片桐『三兄弟』。兄→受け←弟。これもなんか攻めの比重がいまいちな感じ。兄は一途な暴君で、彼一人で充分なんでは?って感じの執着攻めだし、弟は彼女とかいたり軽いし…。なのでなんか3Pとして読みづらかった感じ。後半は読んでない。

 名倉和希『レタスの王子様』。コックな攻めに嫌われちゃうんじゃないかと偏食を隠して付き合い始めた受け、なメインのお話は、結構面白かったのだけれど、受けの弟が出てくる後編に入ったら飽きてしまった。

 砂原糖子『恋のつづき』『恋のはなし』のつづき。恋人同士になった二人だけど、攻めが隣人ゲイに勝手にやきもちみたいな。裏表紙の梗概にある以上のお話がない感じで、飽きてパラ読みしてしまった…。



2011年02月21日

剛しいら『禁縛』

 最近小説が最後まで読めないので、自分の根気がそれほどまでに退化してしまったのかと心配しましたが、やっぱ面白い作品はあっという間に、飽きる前に読み終えて、まだまだ読みたい!ってなるなあ、よかった。

 過去のトラウマをかかえた緊縛師の攻めは、亡くなった師匠の跡を継いで独り立ちしてやっていこうとしてるのですが、師匠の最後の仕事で出会った美青年が訪ねてきて、それが実は有名な女形専門な梨園の御曹司でして。

 特に前半、攻めが受けとくっつくどころか、はじめて縛るまでがすごく長いのに、それでも全然飽きさせずに読ませてくれて面白かった。攻めの過去や現在とか受けのキャラとかも丁寧に書かれていて、とっても面白いし引き込まれる。
 この作家さんは、どうもどの作品でも(それまで面白かろうとそうでなかろうと)後半になると展開もキャラ描写も荒っぽさが目立つような気がしてて、今回もそれがちょっと心配だったのですが、まあ正直前半の面白さにくらべると若干は劣るものの、それでもわりかしよかった気がする。ただ、上述のように受け攻めが関わり始めるまでに結構時間があるのに、つきあい始めてすぐ終わってしまう感じで、物語内時間のスパンが短いので、物足りない気はした。

 攻めはトラウマをつくられた件とか親戚の件がけっこう気の毒だけれど、なんというかカッコイイなあ、と思わされるキャラでよい。基本優しいのと経験がないのとで、受けをきっちりいたぶれるか、そしてどこまで堕とすかの見極めを付けられるか、とか悩んでいるのだけれど、後半はあんましそういう拘泥が見られないのは残念だった。
 受けは普段は高慢でワガママで自分が一番だと思ってて、女形の自分が一番美しいから現実の女とどうこうする気になれない…のだけれど、攻めが見たところではほんとはそれが本質ではなくて、そして縛られてしまうと素直なかわいこちゃんになってしまう。とっても魅力的だとは思うんだけど、前述のように物語のスパンが短いせいで、普段の高慢青年→本来の素直ちゃんの落差とか、恋をしたことでの変化とかが、あっさり書かれてる気がしてしまったというか、もっといろんなパターンやこれからの変化を読んでみたいと思わされた。

 イラストがなー。悪くはないんだけど、せっかく(?)なんだからもっと緊縛イラストいっぱいほしかった…。そして、(出来れば非BLのさぶ系とかでの)緊縛系のイラ経験ある作家さんとかがよかった…。人物絵は目が青木綛さんにちょっと似てる。



2011年02月12日

よみさし。

 最近根気がなくて、小説読むのがしんどい…(汗。

 斑鳩サハラ『恋愛雑学読本』『先生と先生のロマンス』でできた男夫婦の息子同士、らしい。イケメンなのに受けにメロメロで、天真爛漫でにぶい受けが気づいてくれなくてやきもき…というだけ、という感じ…なので、流し読みしてしまって、後編はあんまし読んでない。

 火崎勇『甘えてください』。いけすかないと思ってた同僚が意外とかわいくて口説き落として付き合うことになったものの、なんか家の用事だのなんだの理由つけられて会ってもらえなくて、という振られパターンの連続で、なんだか攻めが気の毒すぎるし、読むのが面倒になってきてしまって、読むのをやめてしまった。むりやり家尋ねたら汚部屋だったかな、確か…なんか家に事情があんのかなって感じだったけど、わからん。

 しみず水都『あまい愛をあなたが』。母のお金持ち男との再婚で、新婚家庭を邪魔しないようにと義理兄と同居することになった受け。母や妹とも離れて、自分はいらない子になってしまったのかなとくよくよしている受けに、攻め はやさしくしてくれて、なんかやたらかわいらしいお菓子のおうちみたいな新居につれていってそんな関係になるのですが、攻めの真意は実は。攻めのマジキチぶりがわかるまではしっかり読んだ。正直ナメてました、すんません。攻めがマジキチなのはいいんだけど、BLで狂気が許容されるのは、そこに愛があるからなんだよなあ。しかし後半パラ読みしたけど、攻めの行動の理由とかもベタでちょっといまいちな気がした。

 名倉和希『恋のルールは絶対服従!』。編集者受けは、テレビでも人気の大学准教授に本を書いてもらうために同居することに。わりと後半まで読んだんだ。前半はわりと楽しく読めたんだけれど、最後の方になって攻めの助手とか出てきてから飽きてきてしまった。攻めがなんで受けがすきなのかよくわからず、ただ受けをいじめたりかわいがったりしてるだけという感じで、やっぱ感情面がしっかり描かれてないとしんどいなあ、と上記マジキチ攻めの件とあわせて改めて思わされた。



2011年01月31日

五百香ノエル『骸谷温泉殺人事件―MYSTERIOUS DAM!1』

 犯人についてのネタバレありなので気をつけてください。

 新本格ぽい?正統派推理小説家の受けと、大衆受けする人気推理小説家の年下攻め。
 学生の頃から推理研究会関係のつながりで知り合い同士で、なんかウマのあわない二人なのですが、それぞれの作品がドラマ化されるということで六久路谷温泉でのロケについていったら、攻めに会ってしまって一触即発、けど連続殺人事件が起こりまして。

 ぜんぜん名前を聞いたことなかったけど、けっこう続いてるシリーズものみたいだったので面白いのかなあと思ったのですが…。
 ミステリーの筋は正直ちょっと物足りなさ過ぎた気がした。犯行動機は最初からほのめかされてるけど、そこでミスリードさせようとしたせいか、犯人が唐突すぎ。容疑者その1はあからさまにミスリードさそってるだけだし、容疑者その2とかぜんぜん出てこないのにあやしげだし、犯人もほとんど出てきてなかったキャラだし、ミステリとして破格に近い気がする。
 そして、BLとしても、この作家のキャラの心情のわかりづらさが炸裂という印象で、攻めもそうだけど、特に受けにはついていけない…。大人しげなのに酔っ払うと気が大きくなっちゃうキャラがちょっと正直ウザったい面もある。そして、酔っ払ってした言動を今までさんざん反故にしてきたらしく、攻めが気の毒…。攻めがなぜ受けに惚れているのかもよくわからない…。
 という感じで、正直いまいちでした…。



2011年01月28日

綺月陣『龍と竜~銀の鱗』

 『龍と竜』の、竜樹の弟爽太メインのお話。

 随分前、ていうか多分発売当時に買ってて、次郎×爽太だとはわかってはいたものの…50近いヤクザ×小悪魔中学生のあまりの恐ろしさに読み進められず、つんでいた(笑。あと次郎が他の人といたしてるのもちょっと微妙だったし。
 今回やっと読んだものの、斜め読みっぽくなってしまったけれど、まあなんとか一応読んだ…。

 爽太は龍×竜を知らんかったんかい、知ったらそれはショックだろうなあと。とはいえ竜樹を避けたりひどいこといったりするのはあんまりだ…と思ったら次郎が本気で怒っててよかった。こう成長してみると、爽太は結構しんどい立ち位置だなあというのと、それであの天真爛漫だった爽太がこんな、龍×竜には反抗期、学校ではスカした感じで、次郎にはあまえっこかつ小悪魔で、というキャラになってしまったんだなあ…と、なんだかせつない感じもした。
 龍×竜は、養子縁組の話で行き違いしかけてたのは、この期に及んでいまさら気持ちの行き違いというのはなんだか淋しいなあという気もした。まあ、すぐに了解しあってたけど。



2011年01月22日

高尾理一『下僕の恋』

 これは昔ノベルスで読んで、なんか忙しくて感想を書きかけのままにしてタイミングを失っていたのだけれど、文庫版が出たので再読した。感想は以前書いた感想に追記。

 秘書×坊ちゃん。
 突然の両親の事故死によって、新進の画家として研鑚してた英国からもどってきた受け。事故は人為的なものだったかもときかされて、とりあえず父のあとをつぐための勉強にはげむふりをしつつ、犯人捜しを決意。一方、 坊ちゃんを会社社長にして仕えたい秘書は、坊ちゃんの促成教育をほどこしつつ、あやしげな副社長や社長代理らとわたりあって云々。

  …で、最初は、びしばし厳しい秘書×ごくふつうの坊ちゃんかあ、という感じでふつうに読んでいたのですが、秘書視点の語りになったところで突然どんでん返しというか、実は秘書は厳しいこといわなきゃいけないのもつらいし、社長になってほしいのも自分をそばにおいてほしいからで、かねてより坊ちゃんにめろめろ通り越して崇拝してたことが判明、ここから若干変態的な下僕志願秘書×美人で攻め曰く生まれながらに支配者な気も強い坊ちゃんとの奇妙な恋愛と、両親の事故の真相や会社の権力闘争などなどが展開し、それぞれがしっくりきてて、しっかり面白い。

 下僕秘書は、坊ちゃんのためだけに学業その他で努力してきて、坊ちゃんに仕えることが無上の喜びという人で、坊ちゃんに命令されないと生きていけなさそう(笑。再会したときにさん付けで呼ばれたのが耐えられず、どうか呼び捨ててくださいとすがるように願いでて、坊ちゃんに奇妙な生き物を見るような目で見られて、でもその直後から一瞬で主従関係になってたというエピソードが、ノベルス版読んだ時からとてもすきなのです。
 坊ちゃんは坊ちゃんで、坊ちゃん視点のときはわりとふつうの青年なんだけれど、秘書視点からみるとすごい美人で気位が高く強くかしこく、あたりまえのように秘書に命令するご主人様、になってて、その両面がきちんときれいに重なるししっくりきてるので、視点入れ替わりをうまく使っているなあと思うし、魅力あるキャラだとも感じる。

 しかし、加筆された文庫版で久々に読んだけれど、なんだかノベルス版と無意識に比べてしまって、そのせいでそこここで違和感を感じてしまった…。特に前半は結構修正入っていたような気がするんだけれど、以前のバージョンのほうがまとまりはよかったような気がする。でもあまり公正に読めた気がしないので、よくわからない。
 まあなんにしても、やはりこの作者さんは、アクが強すぎるくらいなキャラを書くのがとてもうまいなあと再確認した感じ(笑。

 描きおろしの後日談は、ふたりの仕事が大変ということと、関係はあまりかわっていませんよ、ということはわかったけれど、なんだか物足りなくもあった。
 絵はノベルス版の小笠原宇紀の印象が強いせいか、ちょっと違和感があった。でも表紙がすごくいいと思う。



2011年01月19日

石原ひな子『パパは王子様』

 姉の遺児をそだててる天涯孤独な受けのもとに、欧州某国の王子がやってきて、その子の父=自分の兄がなくなったのでその子皇太子にするから、とかゆって、なんか某国につれていかれた。

 さいきん子持ちもどきに目覚めた(子連れ設定って個人的地雷なのですが、実子じゃなければむしろすきかも?とおもいはじめた)ような気がしてたので、結構期待して読んだのです。
 ややネタバレ。

 作者もあとがきでかかれていた気がするけど、人見知りで手のかかる甥っ子にまつわる描写が多すぎる。これでも減らしたらしいのだが。
 あと、カルチャーギャップの描写の違和感とあざとさがとっても気になる。受けはちゃんと意志表示しない、つい困って笑ってしまう典型的な日本人気質で、しかしそれにやけにつっかかって、自己表現しまくりな某国の人々は、なんか欧州の小国の王族というよりアメリカ人みたい(あたしの偏見ですけどね、笑)で、ちぐはぐな印象だった。受けも某国の人々も、やたら典型的な言動してるというかさせられてる、という感じであざとさも感じてしまったし。あとがきによると、大学で受講した比較文化の講義内容を活かしたというようなことが書かれていたけれど、講義内容はわからないけれどあんまりこの設定にはそぐわないものだったんではないかなあと思う。
 甥っ子の教育についても、受けはのびのび甘やかし気味ですぐだっこしちゃうし一緒に寝るし、某国の人々は厳しくしつけて一人で寝させようとするし、でも受けの育て方にもいい面あるよねと攻めが認めていく、というのは、それまでの上述の描写とあわせてやっぱりなんだかあざとい感じがした。

 全体的に、その甥っ子教育やカルチャーギャップやらがメインになりすぎというで、設定や展開にキャラがひきずられてる感じなのかも。恋愛物語よりもそっちがメインになってしまっていて、結局攻め受けの心情とか恋愛がよくわからんし物足りない感じ。だから最後の再会とかで盛り上がられても、王子より甥っ子との再会のほうがうれしかったんじゃあ…という感想なのです。
 タイトルみたいな擬似親子設定とか、傲慢そうで実は真面目堅物な王子攻めとか、面白くなりそうな要素は多かったので残念。



2011年01月17日

バーバラ片桐『飛鳥沢総帥のタブー』

 ねたばれしないと書けない。
 アル中の父をかかえてパパラッチでなんとか暮らしてる受けは、飛鳥沢グループ総帥の秘密をおって彼の館に忍びこみ、とんでもない秘密を知ってしまい、監視をかねて館に住まわされることに。

 飛鳥沢総帥の秘密は、あがり症を克服するおまじないにメンズブラを着用してる…というものだったのだけれど、これふつーに女装趣味、のがよかった気がする。メンズブラって、数年後にはそれなに?状態になっていそう。そして、メンズブラ着用を克服すべき悪癖、ととらえているのもなんだかなという気もするので、がっつり(下着だけでも)女装趣味としたほうが潔かったかもとも思う。まあ、その克服が末尾で活かされてはいるんだけどね。
 あと、そんな総帥が三十二さいチェリー、受けも生活におわれてて同様、というのはなんだかういういしくてよかったし、最初の事故みたいなのはよかったんだけれど、その後の関係はあんまりういういしくないというか…惚れあってくっつく、という感じではないのが、せっかくういういしいCPなのにもったいないなあという感じ(笑。
 お話は、前半はそんな感じで飛鳥沢総帥のいろんな秘密話で面白かったんだけれど、後半はなんだかいまいちだった。雑誌記事での仲違いとか、総帥選挙でのあれこれとか、なんだろう…悪くはないと思うんだけれど、なんだかいまいちだったなあ…。

 全般に、設定とか展開はいいんだけれど、心情描写がなんとなくものたりないかったのかも。受けも攻めもキャラはいいのに、そして互いに好意をいだくのはとってもわかるんだけれど、恋愛?なのかなあ、という感じなのかなあ。
 うーん、なんでいまいちに感じたのか、ちょっと自分でもはっきりとはわからない感じ…。



2011年01月15日

剛しいら『天使は罪とたわむれる』

 こないだ録画のガイアの夜明けを見てたら、キティちゃんの海外展開の話題で、キティは幅広い年代層にウケるから~と外国人がゆってて、そうかなあ?と思いつつ、でもミッフィとかじゃだめなんかな?と思ったのは、あたしがミッフィすきだからなんですけれども。
 でもそもそもの英語圏とかでは、もしかしたらミッフィは子供向け、と思われているのかもしれない。で、もしかしたらキティは、日本のよくわからん文化だし、子どもっぽいw、とかいいづらいのかも。もしかしたらそんなかんじの、逆差別的に批判しづらい状況みたいのがあって、それでほんとはかわいいもの好きだと言いづらかった高めの年齢層がキティをことさら愛でている、とかありそう。

 美貌と知性を兼ね備えた高校生は、結婚を繰り返す母の夫たちを利用しつつ、トレーニング的に悪事を働きつつ、お金をかせいである目標を目指す日々。同級生のボクシングやってて頭もいいイケメンがなんかからんでくるんですが、自分に興味あるみたいなので気まぐれに引き込んだら、なんかまあ頭もいいし使えるから友人みたいになってきまして。

 …あらすじ書きにくいんだよなあ。裏表紙の梗概も、作品読んでみるとなんかぜんぜん違う感じだったもんなあ。
 とりあえず、美人で性格破綻気味な受けのピカレスクで、攻めは受けに惚れてる、という設定でたぶんあってるのだと思う。そして、受けが警察撹乱したり、人やとって株であれこれしたり、相当お布施で稼いでるらしい宗教団体のお金を狙ったり、義理父の息子が母を狙ってるのをなんとかしたり、そういう受けがこなしてくミッションみたいのが結構印象的。受け攻めが東大に入ったりその後会社をはじめたりと、意外と時間のスパンが長かった。あと、母の元夫で受けを狙っていたおじさんの話が結構比重が大きかった。

 うーん、なんだかこう、うまく筋をいえず、キャラの特徴もうまく説明できず、いろいろと要素を羅列してしまったんですが、しかしそんな感じの作品だよなあ、という感じ。それで、面白かったかどうかも正直よくわからない…。



2011年01月13日

名倉和希『耳たぶに愛』

 失業中なので庭師の叔父を手伝ってるイケメンゲイ攻めは、叔父の仕事がキャンセルになったお詫びにとある豪邸に行ったのですが、成り行きで草取りだけでも、とかゆわれて通うハメに。
 しかしなんかそこん家の主人の作家せんせいが、年上というかおっさんという年なのに挙動不審でダメダメで子供みたいで、それもなんかそういう意味で自分に興味を持たれてるっぽいのです。
 さばけた作家の息子に父はどうよ、とかすすめられて、でも自分は年下カワイコちゃんが好みだしーとかゆってたら、なんか本人に聞かれてしまって、作家先生はスランプに。そしたら編集者が、スランプ脱出のためにせんせいを抱いてあげて!とかゆってきて、云々。

 そこそこ面白かったけど、予測の範囲内のお話かなあという気もする。
 攻めはまあふつう。受けはおっさんである必要はなかった気もする。四十までいかなくても、三十代前半くらいでもよかったんではなかろうか。受けの挙動不審なダメっこっぷりがあれば成立していた気がするので、おっさん受けという属性はなくてもいいというか、個人的にはそれほど好きな設定でもないのもあって、なんだか違和感があった。しかし、なんかおっさん受けって、必ず肌がきれいって描写があるような…。
 あと、周りの人がみんなおかしい(笑。中学生の美貌の息子もお手伝いさんもさばけすぎだ。

 ていうかむしろ、財産持ちな受けにたかりまくって傷つけて去っていった元カレ、というのが息子たちの話や受けの回想で出てくる限り、とんでもない奴だな…という感じだったのだが、しかし続編で出てきてみると、実は受けのことすきでからまわってた部分もあったらしくて、なんかわりといいキャラだった。しかもかわいいのに攻めだったらしいし。
 そして、攻め友人の柔和でリバでネコぽい外見なドS絶倫攻めに気に入られて受けになってしまうというのもおいしい(笑。作者もこのCPでミニ短篇まで書いてるし。
 そんなわけで、脇CPのが好みだったかなあ、という印象なのです。

 佐々木久美子さんの挿絵は、イラストとしてはいいんだけれど、小説の挿絵としては場面場面があの絵で想像しづらい感じで、いまいちな気がする。



2011年01月05日

★2010・BL小説ベスト10

 遅くなりましたがー、小説版ですv再版とかはキニシナイ!
 今年はなんだかものすごい面白い、印象的な話がいくつもあった気がしてて、ベスト10を決めるのは大変だろうなあと思っていたんですが、10作品を抽出するのはそんなに大変ではなかった。上の方も迷ったけど、下の方もちがう意味で迷ってしまった。そして、結局あげてみた作品はどれもクセものぞろいだった…(笑

2010年12月29日

五月緑子『少年王は砂漠の花を略奪する』

 学芸員の受けは中世アラブの文献を解読してて、落書きの四行詩を読んでいたらアラブにタイムスリップ、大国の老王に嫁ぐ某小国の姫が逃げ、その姫にそっくりだから身代わりになってくれとかゆわれまして。身代わりになって某大国を訪れたら、そこの王に恨みをもってる別の大国の美青年王が夜這いに来て、男だとバレて云々。

 うーん…。
 攻めと側近が、老王に復讐するしないで10ページ近くもめたあたりで、なんかついて行けなくなりかけた。
 攻めはオレ様で、なんで受けに惚れたのかよくわからんかった。
 受けが攻めに惚れる理由がない、というのは書かれていてよかったし、詩をきっかけとしていくあたりもちょっとくさいけど面白かったんだけど、ラブは物足りない。あと受けは、学芸員設定が面白くなりそうだと思ったのに、昔アラブにタイムスリップして大変なめにあって、それは確かにビビるだろうけれど知識として知ってる世界を見て喜ぶとか、偉人である攻めに会って喜びつつこんな奴だったのかとがっかりしたりするとかの描写がなくって残念だった。
 そんな感じで、なんだかいろいろ心情描写が雑な印象。受け攻め以外でも、結局老王に嫁がされた姫がなんの拘泥もなく王に媚びてるっぽいとことか意味分からんかった。



2010年12月26日

沙野風結子『くるおしく君を想う』

 全日本フィギュア見たー浅田真央が調子悪いと見ていてつらかったので、今期はあんまり見てなかった女子も久しぶりに見た。浅田真央はワーグナーとかショスタコとか使って男らしい(男子よりも男らしい)プロやってみてはどうか。羽生ゆづるも繊細な曲はトートロジーぽくていっそあわない気がする。あと、知人の選手もちょっとだけテレビ映ってた!よかったね!

 若干のネタバレはあります。
 これは結構前に読んだんだけど、なんといったらいいのか…。あたしはかわいそう受けがすきだし、かわいそう設定を期待して読んだんだけれど、流石にこれはかわいそうすぎるのでは…という気になった。や、しかし、この作品が面白かったのはかわいそうすぎるから、という気もしますが!(笑

 兄弟家のお隣りに越してきた家族には中学生のカコイイ優秀なメガネお兄さんがいて、小学生の弟はあこがれて仲良くなりたいと思ってたのですが、お兄さんは人当たりのいい兄の方がすきらしく、悔し紛れに兄はホモとかキモいってゆってたとか嘘ついたらお兄さんに嫌われて、しかも兄へのホモバレをおそれたお兄さんに未遂だけれど殺されかかる始末。
 そんな弟もやがて大人になって弁護士になったのですが、ホストをしていた兄が失踪。医師になった隣のお兄さんが、兄の借金の始末を付けてやるから兄の代わりをしろさもなければ兄の不始末を弁護士事務所にバラす、とかいうので、兄のかわりにお兄さんの家に住んでかわいがられることに。

 …というわけで、お兄さん=攻めは小さいときから現在に至るまでずっと兄がすきで、自分は好かれてないどころかうとまれて殺されかけすらしてて、しかも兄の身代わりとしてお兄さんの兄への愛情をだだもれにされる…なんて、ちょっと流石にかわいそうすぎやしないか!?(笑
 受けはあまりにいじらしくて心が広くて、それでいて普通の人っぽさを失わない、とってもよいかわいそう受けなのです。どんなに攻めにかわいがられて身体の関係までもっても、攻めが必要としていて一番好きなのは兄なのだと、ことあるごとに思い知らされ、せめて攻めの役に立つ人間になろうと攻めの職場の医療ミスの件に無理矢理首をつっこんだり、攻めのためにあれこれ気を配って風邪引いたり足折ったり(ねんざだっけ?。
 攻めが眠る間際に自分の名前を呼んでくれたことがうれしくて、寝て起きたらこの奇蹟が消えてしまうから眠りたくないのに…と思いながら眠りにつくところとか、せつない!

 攻めは攻めで、中盤以降は受けに惹かれつつあるようにも見えるのだけれど、かたくなに受け兄ラブを主張して受けにつめたくて、ある意味ではよいひどい攻め、という感じ。兄が戻ってきたときの受けへの対応やその理由とか、ベタすぎてわかりやくて、ひどすぎる(笑。受けを思って身をひく、というのはこの場合一番ひどい対応じゃないか(笑。しかしまあ、これだけひどいというのも、お話を面白くするためにはよい攻め、なのかも…という(笑

 そして、これだけ絶望的な状況をひっくりかえすために、受けのがんばりも勿論描かれるのだけれど、末尾で攻めが兄をすきだった理由とかも明かされたりして、攻めの心変わりにもいちおうの納得はいくのですが、けどそれもまた受けがさらにかわいそうに思えてくる要素でもあったりして、攻めのひどさもあわせてとことん受けに厳しいテクストだなあ、と(笑。
 そんな攻めやテクストのひどさ・きびしさを全部笑って許して幸せをかみしめてる受けは、ほんと度量がひろい(笑。過去の事情が分ったときの言葉とか、兄との関係の再構築っぷりとか、ほんと偉い…(笑。

 まあそんなわけで、お話としては文句なくとっても面白かったのです。かわいそう受け好きな方にはオススメなのです(笑。
 しいていえば、これだけ総出かつ全力で受けをいじめたのだから、書き下ろしは攻め視点での懺悔・受け萌え・ラブの大盤振る舞いが読みたかったなあ、という…(笑。
 タイトルも、受け視点ではない言葉なんだろーなーと思いつつ、ある意味ピッタリだなあとは思いつつ、けれど受けのかわいそうさを思うとちょっとずうずうしくないか?それだけの想いを示してあげてよ!と思ってしまう(笑



2010年12月24日

いとう由貴『灼熱の牢獄』

「入稿しろペッシ!
 “入稿”しなきゃあオレたちは“コミケ”に参加できねえ。
 他のサークルに申し訳がたたねえ!」

 しました!兄貴!

 施設育ちで内向的だった受けなのですが、男の恋人ができて幸せになれそう…とか思っていたら、恋人がアラブの王族の女性と関係をもってしまったとかで、宗教上結婚しろと女性の兄がやってきて、受けを犯して恋人の気持ちを覚まさせるという暴挙に。心身ともに傷ついた受けは、やがてニューヨークで高級男娼として生計を立て始めたのですが、なんかあのアラブ王子と偶然再会してしまいまして、しかもお買い上げされてアラブに連れて行かれてしまいまして。

 これは…かわいそう受けというか、無茶苦茶攻めといおうか…これまた、ひどずぎる…(笑
 受けはいっこも悪いことしていないのに、攻めは受けの初体験を犯して奪うわ再会しても気づかないわ、尊厳を奪うようなことばっかり、本当ひどいことしかしていない(笑、いや笑い事じゃない。しかもアラブに連れて行ってからも、受けの内面とかに惹かれてく…とかいう感じでもなく、ただ執着は強くなっていきます、という感じ。
 受けはただただ最低な攻めにひどい目にあわされていて、もともと気丈なまっとうな受けなのかな、という感じなのだけれど、相手はアラブで王族で、価値観もなにもかもが違いすぎてついていけずな感じで、こういう話によくある、こんなひどい攻めだけれど次第に惹かれていって…という流れが無いので、読んでてちょっとしんどいというか、受けが本気で心配になってくる。まあこんなひどい攻めでは惹かれようがないよね!

 しかしまあ、この作者のひどい攻め・かわいそうな受けの話は面白いことが多いし、これだけひどい攻めもまあたまにはいいかな…という気もするのですが、オチというか末尾の二人の結びつきがちょっと物足りなかったような。互いに相手を選ぶ理由がちょっと弱い、というか主に受け側の理由なんだけど。まあ、繰り返しになるけれど、あの攻めでは仕方ないとも思うけどね。ただ、やはりこの作者には、その大きなへだたりを乗り越えるような説得力のあるクライマックスを書いて欲しかったなあ。取ってつけたように、最後の二行くらいがああだったけれど…取ってつけた感があったよなあ。

 あと、基本受けも攻めも、設定があんまししっかり書かれていないというか作られてないのかな、という印象で、奥行きがうすい感じがした。たとえば受けは、施設出た後何してたのか、どこで恋人と出会ったのか、受けは内向的だったというけど具体的にどんな感じだったのかとか、そういうとこがないのでなんとなく設定だけの書割っぽい感じがあったのがちょっと残念。



2010年12月20日

五百香ノエル『マイ・ディア・プリンス』

 やべえええぇぇ。
 間に合うのかなあぁ。
『そんな進捗状況で大丈夫か?』
『大丈夫だ、問題ない』
 ほんとかよおおぉ。

 幼稚園で数ヶ月一緒だったアラブの王子様に女の子に勘違いされて相思相愛の受け、文通を続けてたけど高校生になったある日王子が突然来日して男バレ。王子は怒るもののやがてうんぬんかんぬん…。

 なんか散漫なお話だった。お話の筋も、キャラだてもなんか悪い意味でふわふわな感じ。文体の感じからするに、ドタバタアホエロを指向しているのだろうとは思うのだけれど、それにしても内容がなさすぎる…。
 お話自体に関しては、高校演劇部とか受けの女装ヒロインとか、受けの幼なじみのサルかわいい友人とか、中途半端だしなくてもいいんでは、って感じ。でもそれを抜くと何も残らない…。いちおう残るのは女装して痴漢のおとり捜査をするあたりだけかなあ…。たぶんかわゆい受けにイケメン攻めがメロメロ、のアホエロがメインなのだろうしそれならそれでお話がなくてももしかしたらいいのかもしれないけれど、それにしては攻めが受けに腹をたててる部分が長すぎるし。

 そのキャラも、なんというか何を考えているのかよくわからん。受けもずっと攻めをたばかってたのはなんでなのか、攻めをすきだったのかどうなのか、末尾近くまでよくわからんままなので、感情移入しづらい。文通してたのは攻めを好きだったからともなんとも示されないのに、それでいて攻めの怒りに不満をもたれても…という感じ。
 攻めは攻めで、受けに腹をたてるのは分かるけれど、急にやっぱ受けが好きだとかかわいい外見も内面も好きとか言われても、ちょっとついていけない。

 そんなこんなで後編は斜め読みしてしまった。
 絵はかわいかった。



2010年12月15日

剛しいら『愛玩人形』

 人形作家で人とかかわるのが苦手なぼっちゃんが、フランス人に押せ押せな感じで口説かれまして。

 キャラがどっちも微妙に魅力を感じられなかった気がした。
 攻めは、暑苦しいフランス人なのだけれど、受けに入れ込んだ理由が、古きよき日本の若衆のようで自分の理想、ってことだったので、なんだか受け自身をすきなわけじゃないんじゃないの?という感がちょっとあった。自分の別邸に受けの部屋を模した部屋をつくるとかの行動も、基本的には相手の意志無視なわけだし。受けとのことはそれまでのゲーム的な恋愛とは違うのだというような描写はあったし、思いが通じた後も受けへの愛情はしっかり示されてはいたけれど、関係がおちついてもそのテンションでいられるのかなあ、とも思う。過去の恋愛の状況をかんがみても、なんとなく将来的に浮気とかしそうな。でも多少アクティブになってもこの受けはやっぱり不思議ちゃんだろうから、余所見しているヒマはないのかもしれない(笑。

 受けのほうも、なんで攻めに惹かれたのかよくわからなかった。イケメンにくどかれた、というだけだった感じ…(笑。あとあとの方であかされる運命の設定はよかったので、それをもっと前面に出してちょっとファンタジーっぽい感じにしても面白かったのではと思う。自作の人形との関わり方とかも絡められそうな気もするし。でも性格とかは基本受身だし、攻めには惹かれてく理由付けが弱く感じられるしで、ちょっとキャラ自体は印象薄かった気がした。



2010年12月10日

水無月さらら『新進脚本家は失踪中』

 ややネタバレ。
 美形だけど大根な劇団員で、ほんとは脚本家をめざしてる受けなのですが、スランプ中朝の散歩に出たら車にひかれ、運転していたイケメン社長が面倒をみますとかゆって同居することに。
 この作家らしい淡々とした描写はわりとすきなんだけれど、そういう特徴を考えてもちょっと薄味だったかなあ。恋愛面がいまいち物足りないのかもしれない。

 攻め社長は、なんか絵もちょっとスゴかったし(笑、最初はイケメンぼっちゃんで慇懃敬語で自分ワールドで押せ押せなキャラ(わかりづらい…)かと思って、こ、これは相当へンな人っぽい、とものすごい期待してしまったのだけれど、すぐにくだけてしまって残念だった(笑。そこで期待しすぎたせいもあるのかはわからないけれど、ちょっとキャラが薄い気がした。あと子持ちだし。今までの女性や元妻との付き合いや彼女たちへの気持ちと、受けの場合のそれらとの違いがいまいちはっきりとは書かれないので、なぜ受けのことをずっと好きでいると言えるのかがよくわからんかった。
 あと、攻め社長の会社の描写がちょっとくどかった気もする。食にこだわるキャラづくりはわかるんだけど。でも、そういう攻めにたいして、受けは食にこだわらないままなのはちょっとよかった(笑。

 末尾はちょっと駆け足というか、やや雑な印象があった。目標とか成長のためにいったん離れるような描写って、この作家の他作品にもあったけど(作者は基本まじめな人なのかもしれない)、今回は受けの意思決定は唐突だし理由も母親の言葉だったりと受動的だし、その後の行動も自分勝手だなあという印象があった。悪い意味で芸術家っぽい(笑。これからも攻めは振り回されそう(笑。



2010年11月25日

樹生かなめ『悪魔との契約』

 議員の父の秘書をしているぼっちゃんは、悪魔のベリアルに口説かれて困っているのですが、しびれをきらしたベリアルのせいで家族が不幸に見舞われ、ベリアルと契約しようかと悩んでいるところへ悪魔アスタロトが登場、結婚して助けてやるとかいうのです。

 梗概でわかっていたことだけど、トンデモだった。
 ベリアルがダメでなんでアスタロトならいいのか…(笑。ベリアルはチャラ男系だしサタンさまはわりと普通なのでなんでアスタロトだけ古くさい喋り方なのか。サタンの話はちょっとよかったけど、結局家族のオチがあれでは受けが気の毒なんではないか。

 しかしこの作家は数冊(いやそれでも四、五冊は読んだかな)しか読んでないけど、文体に余情がまったくないので、ここに書かれている以上のことが想像できず、読んでおしまい感があってなんだか拍子抜けしてしまう。キャラの気持ちも書かれている以上のことが感じられず、ものすごい淡白な感じだというせいもあって、みんな何を考えているのかよくわからない。うーん。



2010年11月17日

よみさし。

 つかれております。

 小川いら『獅子座の男』『太陽を抱く男』。攻めは横暴自己中がすぎるし、受けはあざといほどに天然かわいいカマトト尽くし受けだし、なんだかめんどくさくなってしまった…。一冊目は愛が足りないと思いつつもほとんど読んだのだが、二冊目最初あたりで脱落。
 砂原糖子『言ノ葉ノ世界』。前作(『言ノ葉ノ花』)と勘違いしててしばらく買わず、買ったはいいけれど痛くて後編は拾い読み程度にしてしまった。人の心の声がきこえる攻めが、本心しか口にしない受けに出会って好きだとかウソつくのだけれど云々で、後編はその能力が知られた後なので信用してもらえないしいろいろ痛い。
 あべ美幸『SUPER LOVERS』1。おにいさんと義理弟の無口野生児ちびっちゃいこ。キャラが好きになれなかった。
 こうじま奈月『GP学園生徒会執行部』1。苦労性メガネとおこさまとまわりの人々。残念ながらノリについていけなかった…あと前作があるみたいね。
 喜久田ゆい『魔法使いの猫』1。なんか異世界にとんじゃって、猫になってて、魔法使いの猫という魔法使いを守る存在になったっぽい。絵もお話もなんだかつたない。
 遠野春日『夢のつづき』。例の茅島氏のおともだちの美貌の内科医さんのお話、復刊、らしい。これ既に何かの続きなんだっけ?既にはじまってる話という感じで入っていけなかった…。あと、この受けは義兄やいろんな人にやられまくっている設定なんでしたね、そういえば…。
 藤本ハルキ『僕だって恋愛がしたい』。これも前作があるの?冒頭でCPじゃないから一冊目だと思ったんだけど。これもちょっと入っていけなかった。あと絵がまずい。



2010年11月09日

沙野風結子『獣の妻乞い』

 面白かった。獣姦ちゅうい。
 受けは幼い頃に母をなくし、仕事人間の父は家によりつかず、黒犬を心の支えにしていたのだが、小学生の折にその犬をDQNに殺されてしまう。その後よく似た黒犬を助けるが、すぐに居なくなってしまうという不思議な体験を経て、傷つくのを恐れて他人にあまり深く関わらないようになってしまう。
 そんなこんなで高校生になった受けのもとに不思議な男がやってきて、受けをストーカー開始。暴漢から助けてもらったりして交流していくうちに、なんか犬っぽいみたいなのです??

 野犬問題とかちょっとSFっぽい人狼の設定とか、独特の世界観が面白かった。
 それにつけても、あたしは本当に犬(っぽい生き物)に弱いのだと再確認…色々な意味でなんだけど。犬が傷つけられているのはとってもこころが痛むうえ、犬に追いかけられるのはとってもコワイ!
 それはさておき、受けはトラウマから他人を自分のテリトリーに入れないんだけど不思議な男に懐柔されてしまう感じ。そんなに強いキャラでも魅力的なキャラでもないかもしれないのだけれど、どんどん獣化していく攻めの受け入れ方とかよかった。手にしてしまったぬくもりを手放せなくなっている、というのもあるんだろうけれど、それもまた人間らしくていい。
 攻めは人工的につくられた人狼で、幼い頃に出会った受けに再会したい一心で痛苦の多い道を選んで、というかわいそう攻めでとてもよい。

 しかしまあ、末尾あたりはこれはどうもアンハッピーエンドっぽいな…と、半分覚悟を決めて読んでいたのですが、意外にもそんなことはなかった。というかただ二人とも生き残った、というだけでなく、まだ今後の問題はあるにしても結構安定した生活に戻れた感じなので、割合ご都合主義。でもご都合主義だろうがなんだろうがハッピーエンドでよかった…。
 むしろ脇CPのほうがせつない感じ。本編では、この二人はスピンオフあるのかな、と思わされていたのだけれど、おまけの短編を読むともうこの二人の物語は完結している感じかな、と思った。



2010年10月29日

清白ミユキ『ボディガードは恋に溺れる』

 ギャングに入ってやんちゃしてる受けは、病に倒れた日本人母のためにがんばって働くも、母は亡くなってしまいまして、その葬儀に現れた父は会うのが幼い頃以来だったのですが、どう見てもマフィアです。母を苦労させやがってと殴りかかるも、結局生活のあてもないので父につれられて西海岸へ。ただで世話になるつもりはなかったので、父のボディガードにでもしてくれとかゆってたら、父本妻の次男=義理の弟が、受けのことは兄だと知らないはずなんですけど、なんか気に入ったとかゆってきて、自分のボディガードにくれとか言い出して云々。

 まだ三冊目なんですけど、あたしはこの作家さんに弱いというか、甘いかもしれない…。キャラがめっさ不安定なんだけど、でもわりと好きかもしれないという感じだ。
 受けはなあ、あんなに父のこと怒ってたのにわりとすんなり父についていったのがよくわからんかった。幼いころの優しい父の思い出とかもうちょっと書いてくれたらよかったかも。あと、なんでいきなり攻め=弟にラブっけ出てきたのかよくわからんかった。受けはもともとバイだったっぽいし、そういう情報はもうちょっと早く書いといてくれたら、もうちょっと攻めへの気持ちの変化にも納得できたかもしれない。あと、攻めに丁寧な言葉遣いになったのが、なんかそれまでのキャラ描写からちょっと違和感あった。もうちょっと子どもっぽいというか、しっかりと社会性のある人ではない印象だった。

 攻めはマフィアの次男なのにのんびり穏やかキャラで、でも裏では力や情報を得るためにギャングのボスっぽくなって、でもそれも父やほんとは気の弱い兄を支えるためで、でも自分も認められたいし、ってなんかキャラ迷子。穏やかかわいい外面と家族愛はともかく、ボスの素質満々な裏側はちぐはぐすぎだし、さらにそこに意外に年下らしいういういしい反応とかしてみたり、もうカオス(笑。もうちょっとかわいいっぽい純情さを全面に押し出してもよかったんではと思う。ギャングと対峙しているときとか、なんかちょっと中二病っぽいし…(笑。でもかわいい、けど威厳のあるボスってむずかしいね。
 父は…マフィアのボスなのに、自分の息子たちのことわかってなさすぎ…途中までは、すべてわかった上で見守ってるのかと思ってたのに、どうやらそうでもなかったみたいだし…うーん、受け母の想い人だったのだし、もうちょっとカコイイとこみたかった…(笑



2010年10月28日

かわい有美子『天国より野蛮』

 不老不死の高位悪魔が散歩してると、顔見知りのサキュバスが神学生を狙ってるのを発見、その神学生は片目が悪いらしくモノクルだけど、まあそこそこいい感じなのです。ヒマだったので魔力で学校のセンパイに化け、ノンケの友人に片思いしてるらしいのを利用してうまく口説き、あっという間にセフレにしてみまして、他の人間と同じようにすぐに飽きるかと思いきや、冷めてて自分に心の底からはなびかない神学生に、なんだか次第に惹かれていきまして。

 わりとあっさりとそういう関係になったのでちょっと意外ではあったけど、後から思い返してみれば、この筋ならそれは自然なことだった。
 で、身体はあっさりゆるすのに心は閉ざしたままの神学生に悪魔が本気になっていくのと、孤独な神学生が悪魔と因果な運命で関係して次第に人としての情愛をもったり悪魔に惹かれたりしていくのと、それぞれはオーソドックスな展開でそこそこ面白かったんだけれど、こういうオーソドックスなお話ってどうオチをつけるのか、でベタになるか面白くなるかが変わるような気がするのですよ。
 で、この話のオチのつけ方は…そんな~、って感じでしたね…個人的には。や、こういうオチ(前世=天界では結ばれなかった下級天使→堕天使の攻めと、上級天使→攻めを追ったことで神の逆鱗にふれて短命を運命とする人間となった受け)だと、なんか、今までのお話よりも、オチ設定のがメインだった気がしてきてしまって、なんだか腑に落ちない感じがしたのです。オチも本筋のお話もそれぞれせつないしいい感じだし、結局一応ハッピーエンドっぽかったので、いいんだけれど…。あーしかし、ハッピーエンドかどうかも若干微妙な気もするなあ…。うーん。
 攻めの使い魔がちょっと面白かった。



2010年10月18日

夜光花『薔薇の刻印』

 薔薇シリーズ一巻目、について、結構前に読んだんだけれどなんとなく書けなかったりして、タイミングを随分はずしてしまいました…。
 ネタバレあります、よー。

 さて、夜光花の新刊で、イラストは奈良千春、吸血鬼もの、シリーズものってことでちょう期待しつつ、その期待させ度が逆に不安でもあったのですが、期待通りでもあり不安があたりもしたなー、という感じ。
 父の知人プラス同居人二人という環境で、18歳になるまで交際禁止、武道やいろんな知識について学ばされて育った啓。なぜか自分を嫌っている美術教師が気になりつつ、親友に告白されつつ、夏休みを過ごしていたある日、唐突に逃げなければならなくなったと聞かされて、云々。

 どうも、キャラがいまいち好きになれないんだよなあ。
 主人公の啓が、あんまし魅力がない。作者は普通の人にしたかった、と言ってるけど、モテモテ設定にちかい気がするし、どうももうちょっとカリスマあってもよかったんではと思う。父、というかまだ書かれてないけれどたぶん本人なんだろうけれど、こっちは頭首?の薔薇騎士だということもあってカリスマぽかったし。
 レヴィンは、前半のあたり特に、啓にめっさ冷たいのに啓は彼を気にしてるし、これが攻め…なんか好きになれないなあ…という第一印象で、次第に啓に冷たくしてた事情がわかってきても、あたしの冷めた萌えというか生じなかった萌えが復活せず…(笑。
 なので、ラウルには妙に期待してしまっていたし、個人的にはラウルのほうがレヴィンよりすきなんだけど、でもまだ描写少ないし未知数だなあ。

 あと、初回から人死にとか大杉。スコットと昇の展開は必要ではあったと思うんだけれど、日常生活のパートが長かった割には彼らのパーソナリティの書き込みがうすかったので、もうちょっと濃い描写ほしかった。親友のほうは生き延びてほしかった気もする。あと三者とも、やっぱりイラストがほしかった。キャラ多いので大変だとは思うけれど。
 あ、サンダーは生きててよかった!

 しかしいずれにしても、今回はシリーズの導入だからそっちに描写が割かれないとなんないし、人数がとっても多いので、キャラ個別の魅力があんまし伝わってこなかったのかなあ、という感じ。なのでまあ、次回に期待もしているというか、次を読んでみないとなんともいえないかなあ、とも思う。そんな感じなので、感想が書きづらかったという気もする。

 ところで、薔薇騎士、ローズナイトというのはもうちょっとなにか別の名前がよかったなあ…あと、薔薇シリーズというのもなんだか安易。
 奈良千春の絵はなんか恐くなったなあ…というかかわいげがない。かわいくなくてもいいんだけど、かわいげがまったくないのもどうだろうと思う。でも作者もブログでおっしゃってた通り、口絵カラーはすごくよかった。



2010年10月11日

夜光花『束縛の呪文』

 ネタバレです。
 高校時代はオレ様イケメン→今は売れはじめの俳優×クォーターの同級生→今はフランスでカメラマンの弟子。
 高校時代に、受けが攻めの姉を妊娠させたことで関係が悪化、今はなんとなく受けが日本に帰ってきたときに会う感じでつきあってるのかいないのか、みたいな。けど高校時代の事件には実はウラがあって、云々。

 受けがいろいろと秘密や隠し事をかかえているので、特に最初のあたりは、受けは攻めのことすきじゃないのか、じゃあなんでこんな関係つづけているのかと、全然感情移入できなかったというかなんかよくわからんかったのだけど、事件のウラとか受けの気持ちとかがわかってみると、実はわりとBLでよく扱われるモチーフ(飽きっぽい攻めの気持ちが永続するとは信じられない、という受けの悩み)だったしわりとわかりやすかった。

 そんなこんなで、前編は中盤辺りで展開が読めて、オチもほぼ予想通り、でも後編はちょっと意外だった。後編の終わり方は、こういう系統の話には珍しい感じで、微妙にハッピーエンドじゃないような、不安な結末だったけど、ある意味かえっていさぎよくてよかったと思う。
 こういう関係だと、BLではなんとかがんばって恋人同士になって終わり、ということが多いような気がするんだけれど、そしてそういうのもすきなのだけれど、これは実際的な対応策という感じで、よかった(笑。夢はないけれど(笑。この攻めは成長してたみたいだし、大丈夫そうな気もするけれど…わかんないものね(笑。でも逆に、受けの方は変わってないというか、成長してないってことでもあるのかな?成長すべきだったのかな?という気もする。だからある意味では、とっても寛大な攻めの話、という印象もあるかもだ。



2010年10月04日

高遠琉加『夢の庭』

 二見からの封筒にハテナと思ったら、『愛と混乱のレストラン』の小冊子でした、わーい。
 表紙が型押しにシックな装丁でカッコイイ。メニュー風らしい。小冊子て装丁がショボいことが多いのでうれしい。ていうかそもそも「Le jardin du reve」という名前も好きだ。

 内容は、すんなりキレイな後日談、という感じで丁寧でよかった。
 修司が理人に料理なんかできなくたっていい、と言った時の理人の反論が置いてけぼりな気がするのだけれど。修司前に人のつくったメシ食うの好きって言ってたじゃないか、かなと思うんだけれど。でも七年修司が料理しないとってことでオチなので、置いてけぼりでもいいんだろう。で、七年たったら、理人は全部修司のものになってるんだなあ、と(笑。
 あと、レーヴのひとびとはどう考えても二人のことに気づいてるんだろうなあと思いつつ、公にバレて理人がめっさ恥ずかしがるとことかも読みたかったなあ。ぱらっと見たときにそういう単語が見えてしまったので、レーヴで結婚式でもするのかと思ったのに(笑。でもオマケのキャラトークでああやっぱりバレているのね、と補足されててよかった(笑。
 オーナーの方も、これはどう考えても気づいているのだろうに、そしてたぶん修司はオーナーが気づいていることに気づいてそうだけれど、理人は全然気づいてなさそう(笑。っていうか、修司はレーヴ中が感づいてることに気づいてそうかもしれない(笑。理人にバレたら怒られていちゃいちゃできなくなるから内緒なんだろう。厨房であんなことしてるしなー。

 あ、そうだ、うなぎの血って毒があるんじゃなかったっけ??と思って調べたら、加熱すれば大丈夫なんだね。でもちょっと食べるのコワイなあ。
 あと、修司は前も四文字熟語で口説いてたっけ???と思って、『唇にキス 舌の上に愛』の後半を見返したら、確かにあった(笑。前回は「一石二鳥」で、今回は「一蓮托生」(笑。

 でもとっても面白かったんだけれど、そしてきれいにまとまってもいるのだけれど、やっぱり修司視点のフォローがほしかったな~!!これは、ぜひまたいずれ書いてほしい…でもこの作家さんはもうこれ以上レーヴのお話は書かなそうな気もする。



2010年09月24日

眉山さくら『官能と快楽の砂漠(ハーレム)』

 中学生の頃、建築家の父にくっついてアラブに来たら、父が火事で亡くなり天涯孤独に、火事から助けてくれた年下王子が口きいてくれて、王子のお世話係になって数年後そんな関係になり、王の逆鱗に触れ日本へ。さらに数年後、潜伏先の剣道場に王代行みたいになった王子が現れ拉致され、再びアラブへ。王子の変わらない執着に忘れようとがんばってたあれこれも無駄になり、こうなったら王子にきっちり仕えて妻を迎えるのを手伝おう、とか決心するのです。

 うーん、ベタだったね!
 王子の言葉遣いがなんか不安定な気がした。ときどき『姫君と不夜城の覇王』の攻めがかぶってたような…そういえばこれ、続編まだ読んでないや。それはさておき、浮気疑惑の説明はちょっと足りなかった気がする。
 受けはキャラづくりなのかなんなのか、ほとんど着物着せられどおしでなんかおかしかった。途中まで、なぜかやまねあやのの絵で想像してしまっていた…。や、小山田あみは大好きなんですけどね。
 王子の弟がなんかもうちょっと活きるのかと思ってた。受けに横恋慕とか、小国の姫とくっつくとか。



2010年09月19日

和泉桂『バロックの裔―無垢なまなざし』

 東京の東へ電車にのっていくと、バロックぽい城をかこんだ街がありまして、犯罪者の根城となっているのです。そんなバロックに育ったスリ見習いの少年が、都に出て最初の獲物に選んだぼんやりしてる華族さまは、少年がスったと知っているのに、再会したらおしることかおごってくれて、なんかそんなこんなで交流してるうちに、華族さまが家の問題でごたごたしてるのを知って、云々。

 もともとなんとなく面白げだけれどサブタイトルがいまいちだなあと思っていて、ちょっと嫌な予感もあったのですが、読んでみたところ結局あんまし好みではなかったので残念。

 最初からシリーズ展開織り込み済みなのはいいけれど、いきなり街の設定とか長々説明されたり、今回の話にはあんまし関係ないような設定も開陳されたり、キャラもあからさまに次回CPですよ-、という感じだったり、しばらく出てきませんけどこういう顔役いるんですよー、とかチラ見せされたり、あたしはこういうのちょっと萎える…。

 萎える原因には、バロックという街の設定のイマイチさもある気がする。説明されてて惹かれないんだもの。位置的にたぶんこれはTDL?ってのは面白かったけど(笑。あと全体的に、ファンタジーなのに設定の練りこみが甘い。たとえば犯罪者の街、というのはいいけれど、都にも犯罪者がいて、バロックの人間とは限らなくて~とか、なわばりとかないのかな。

 あと、キャラがなあ。主人公のスリの子はスリに向いてないかわいこちゃんなのはいいけど、人に迷惑かけないようにしてかえって迷惑かけちゃう、めんどくさいっぽい受けだし、いまいち魅力がない。一方では師匠にちょっと不義理がすぎる気もするし、キャラがよくわからなくなってしまった感じ。攻めの家に行ったのも、結局あんまし意味なかったし、なんか行動原理がよくわからん。あ、労咳展開もなくってもよかったような気が。
 攻め華族は、わりと長々とぼんやりなお人好しっぽく描写されてたのに、実は過去のトラウマから他人がどうでもよくてとか、そんな中で受けが気になってとか、唐突に饒舌にキャラ語られ出したり、受けへの不信感もなんかとってつけたような印象だったし、描写が足りないのかキャラまいごなのか…という感じ。

 ていうかあれだ、この話、別にバロックという街がなくってもいいんではないか???



2010年09月18日

丸木文華『あんたとお前と俺。』

 タイトル通り&あとがきで作者も書いてらっしゃるとおり、3Pのちょう王道という感じだった。

 母の再婚で、明るくて親切なプログラマリーマンの兄と、硬派な高校生の弟が出来まして、兄にコナかけられるわ、弟にはチャラいと嫌われるわなのですが、やっと母が幸せになったので、がんばんないとなのです。

 冒頭は、今まで母を支えてきたという自負が、母の再婚でてくずれてしまい、自分ではやはり役に立っていなかったの?という不安とか、新しい家族へのなじめなさに諦めを感じたりでも母のためにと頑張ったりと、そんな受けのダイアリーという感じなのです。でもそこに、お兄さんが優しかったりとか、家のために部活もせずにバイトしまくってたのをチャラいと思われて弟に嫌われたり、事情を知った弟に本気で謝罪されて以後なつかれたりとか、わかりやすい展開で、しかもタイプのちがう二人が近づいてきて、いい感じですね。弟の落差が劇的でこっちが本命…?と、ちょっと心配した(弟自体はいいキャラだし、この弟メイン攻めの話でも読んでみたいけれど、今回は3Pを期待してたので)のだけれど、杞憂だった。
 後編では、兄の結婚話や、弟の成績低迷とかで、二人と離れてみたり、結末もベタだけどでもそれがいい、というやつですね。



2010年09月17日

高尾理一『野蛮人の求愛』

 高遠琉加の成澤准教授と好きで好きで好きでの小冊子が来た。好きで…は、高校時代の話なのでちょっと淋しい~。

 リーマンが中学生のころにやたらなつかれてた知り合いの子が、大きくなってアマゾンから一人帰国するので面倒を見てやれとか親に言われてしぶしぶ部屋に置いてやったら、ちいさいころに結婚の約束したよね?とかゆわれて云々。

 うーん…。チェリー野生児×リーマン、以上、終了!という感じ。
 電化製品の使い方も知らず、狩りで食材とろうとしたり、ベランダにかまどつくって火事騒ぎになったりとか。で、手がかかるけどまっすぐ自分に愛情向けてくれる野生児にほだされ愛、みたいな。もうちょっとひねりと萌えがほしかったなあ。あと、アマゾンにたいするステロタイプな偏見がすごかった…(笑、まあ、とはいえ実情はわからないのだけれど。



2010年09月15日

秋月こお『スサの神謡』

 大陸からやってきた男の正体はスサノミコトで、小国の巫と恋仲になり、ヤマトの国の侵略を退けるためにあれこれあれこれ。

 この作者はもうBLが書きたいわけではないんではなかろうか。
 なんというか、たいていCPはちゃんと男同士で、でもそれはBLだからではなくて作者のデフォルトがもう男同士って感じというか…まあ、なので、この作者の書きたいものも、実際書いてるものも、たとえBLでないにしても、一般小説でもないんだろうな(笑
 なんだろうなあ、萌えはあまりなく、歴史小説としては食い足りない気もするし、でも決してつまんないわけではなく読ませる魅力はある…と思うのだけれど、うまく説明できない。『幸村殿』もそんな感じ。こっちはキャラ萌えというか、サスケ萌えはあるけど主役CPは萌えないというか。

 しかしなんというか今回は、スサがマレビト的に村の女の子たちに子どもつくってあげたり、アマテラスに求愛してたとか、ツクに抱いてやろうかとかゆったり、BL的にキツイ。神話だと思えばいいんだけど(笑。

 関係ないけれど、しかしそういえば、山岸凉子の『月読』は、スサがもうちょっと趣のあるキャラだったらなあ…と思う(笑



2010年09月11日

バーバラ片桐『ペット愛玩業』

 社長の息子な大企業幹部攻めは、冷徹で人の気持ちを考えないタイプで、見合いもうまくいかないのを心配した父親が、ペット(受け・うさぎ・性的な意味ではない)を派遣してもらいまして。

 タイトルから想像できる感じの、わりと普通の話だった。
 受けは性別受け的な、かわゆすぎる感じで天然いい子ちゃん、まあいい子ちゃんであるがゆえに友人とかにはあんまし好かれないタイプ、というのは面白かった。そのあたりの設定もうちょっと活かして欲しかった。天涯孤独で友達もいない、というのはかわいそう受け的だし、受けも成長する描写が可能そうだし。
 攻めは最初のあたりほんとクールというかコールドで、ペットとしてやってきた受けを勘違いしてむにゃむにゃ、とか、もうほんとダメなんですが、受けを受け入れたのは結局頑張りに心動かされて慣れてきて、ってありきたり気味な感じなのがちょっと物足りなかった印象。
 続編の新妻昇格編(笑)はよかった。しかし、攻めの元見合い相手の処理がちょっとズサンな気が…攻めのこと好きだったんでしょ?(汗



2010年09月07日

剛しいら『その刑事、天使につき』

 タイトルがベタだ。
 語学に堪能な受け刑事は、アフリカのある部族の被告のかかわる事件を検察に引き渡した際、検事に通訳を頼まれる。一緒に事件を追っていくうちに、攻め検事の部屋に泊まり込んだりしてなんかそんなこんなに。

 受けは素直で疑わない嘘つかない天使ちゃん。攻めはイラチな検察官とみせて実はただのイラチ真面目、嘘がこわくて他人を信じられないけど、天使みたいな受けを信じてみたい。

 前半は結構キャラ設定に力入ってたと思うんだけど、後半、天使刑事があんまり天使っぽい感じではなかったのが残念…というか、後半は攻めも受けも、特に特徴のない剛しいらがよく書く攻めと受け、という感じだったなあ…。なんというか、量産っぽい印象というか。なのでつまらなくはないけれど、そう面白みもない感じ。二人とも真面目すぎて誠実であろうとするあたりはかわいらしくてよかった(笑。



2010年09月04日

砂原糖子『天の邪鬼の純情』

 幼い頃のトラウマから、思ってることと反対のことをつい言ってしまう受け。あこがれのイケメン先輩に告白されたのだけれど、辛辣に振ってしまって大後悔なのです。

 なんか…受けにまったく感情移入できなかった…。
  そもそも天の邪鬼っていっても、いちおうトラウマという理由はあるけれど、ちょっと極端じゃないかと思う。それと、天の邪鬼っぷりにもいろいろ基準がある らしいんだけど、それもよくわからん。仕事の話とかなら大丈夫とか、好きな相手とかだとそれだけ反比例して正直になれないとか、生命の危機に瀕して素直に なれたとか、なんか基準がわからんしご都合主義っぽい。ただでさえ感情移入しにくい設定の主人公なのに、その設定がややこしいから納得すらしづらい。
 先輩はイケメンであるがゆえに敬して遠ざけられてて、自分は嫌われてると思ってる、というのは面白かったけど、受け自身も思っていたように、受けを好きになった理由が薄い感じになってしまってた。
 お話の展開もあまり面白いところがなく、なんか全般に奇抜設定でひっぱろうとしてコケてしまった残念な感じだった。



2010年09月01日

ごとうしのぶ『リスク』

 簡単にいうと、 「リスク」…(*´ω`) 「リスクヘッジ」…( ゚д゚) という感じでした。
 今年は新刊が早いなー。しかし、今年二冊目…?あ、暁文庫版買ってないからか。次はいったいいつ出るのかしら…と思ってしまって、もったいなくてゆっくり読みました。しかし、やっぱり展開ゆっくりだけれど、とりあえず文化祭一日目まで来てよかった(笑。

 玲二と託生でかわいらしい級長副級長な、C組はいいなあ(笑。章三も三洲もいるし。でもおおやさん絵の玲二カコイイし、玲二も託生も、たぶんそこそこカコイイ系なんだろうな、という気もする…というか、そうであってほしい(託生をカッコイイ男の子、に含めてくれたリカちゃんをあたしは支持する!笑。

 でも、八津、矢倉、ギイがいるB組もいいよね~…って、ギイは姫か!(笑。なんだ今回のギイ@B組は、みんなでギイのご機嫌とっちゃって、超可笑しい(笑。たぶん普段は気ぃつかいなんだろうギイが、文化祭にストップかかって姫になってんのが子どもっぽくて可笑しかわゆい。託生がB組に歓迎されてんのも可笑しかわゆいv

 そして、クーラーボックス運ぶの手伝ってくれる章三に萌えた!そしてお人好し、生真面目という託生評が好意的な感じでうれしい!ギイにちゃんとおごってもらえよ、と心配してくれんのもなんかうれしい!!章三と一緒にいると時間が過ぎるのがはやいて…託生!!!
 それはさておき、四十分、という時間を自分のすきなものではかる章三と託生もかわいい。あと、映画少年ていうのも(笑

 しかし今回、託生がやたら生真面目生真面目言われてて、そうかー、という感じだった。一年の頃の冷たい奴&変人扱いも、たぶん生真面目で頑な部分がそう評されていたのかなあと思う。
 託生は、バイオリンがなくなってギイの信頼を失ってしまった…と思っているところもよかった。なんというか、託生はこう、愛情にあぐらをかいてないところがいいと思う。

 朝比奈礁瑚は、やたらギイが冷たいし、恋をしただけなのにかわいそう、と思ったんだが、なんか陰険キャラになってきたな~。そいえば昼寝中のギイにキスしたのも結局彼なのかな?あ、ていうか託生にウソの呼び出しとかもしてたかもだっけ?やはり結構イヤなひとかもだ。
 ギイはバイオリンのことやたら言及してたけど、なんか予感があったのか。

 託生、アイスが嫌いなんて、そんな人この世にいるの…!?って、なんかカワイイな(笑。アイス好きなのかな。あとギイはお昼食べすぎ。ダッツ好きすぎ。
 託生も三洲も部屋にカギをかけてないのか、朝比奈もあけっぱなのか、なんかここの寮は一体どうなってんだ。
 あと、いままでストラドの管理ずさんだな~と思ってたら、リスクヘッジでその理由が明かされてた(笑。ほかにも、休暇中のやたらゴージャスな旅行の資金はどうなってんのかと思ってたら、ギイの稼いだお金だったとか、なんかいろいろタネあかしがあってよかった。最近こういう小ネタというかフォローみたいのが多いので、夏休み終わったあたりで、作者は既刊を全部読み返されたのではなかろうか、と思う(笑。
 しかしストラド盗難って恐いなあと読む前からハラハラしていたので、けっこうあっさりカタがついて次巻持ち越しとかにならず、個人的にはよかった。



2010年08月31日

いとう由貴『秘めやかな恋の旋律』

 大学の飲み会のあと、欧州の小国王子の留学生の部屋に泊めてもらったらなんかストーカー化してしまって刺されたのですが、自分もわりとちゃらちゃらしてたし向こうは王子だし、誰も潔白を信じてくれない。ちゃらちゃらっていっても、普通の大学生レベルなんですが、外見派手めだし、誤解されてもほっといたしで、ぜんぜん説得力ないみたい。そんなわけでなんか家族にも見捨てられてアメリカに留学させられて、孤独を感じているところに、王子の従兄弟という王子と偶然会ってしまいまして、ストーカー王子がお前を追っているとかゆって保護≒軟禁されてしまいまして。

 基本、自分は誘惑なんてしてないのに誰も信じてくれない…という受けと、ふつうのいい子に見えるけど小悪魔なんだろ?くそう誘惑に負けないぞ!という攻めの、誤解すれ違いラブ。
 筋はそこそこ面白いのだが、自分も確かにわるかったけど誰も自分を信じてくれなくて孤独…という受けの拘泥モノローグが何度も何度も繰り返されるので、さすがに飽きてしまった。あと、攻め→受けの誤解が常に連鎖してて、それが誤解だったとひとつづつ確認していくという流れもやや冗長だったかも。そんな感じで、全体的にややもっさり感がある。逆に後日談はなんかカタルシスが足りない感じ…誤解しててごめんよ孤独だったね、もう大丈夫だよ!とかゆう攻めからのメッセージ的な、なんかそういうのがもうちょっとハッキリあってもよかった気がする。

 また、受けは無自覚に男をどんどんおとしていくという、とんでもない魔性ちゃんだと思うのだが、あんまし魔性!ということががっつり書かれてはいなかった気がする。ていうかこの人、はたちまでどうやって生きてこられたんだ…とか思ってしまう。もしかして、対欧米人専門で魔性なのだろうか?(笑…とか、もうちょっとイメージしやすいように詳しく描いて欲しかった。ていうか、魔性ですよ!魔性ですね!ってみんなで理解するというか、もっとその設定を全面に出して欲しかった感じ。アンティークの小野さんみたいな(笑。
 あと、受けは男に襲われまくりで、次第にめそめそっ子になっていってしまって、攻めがなんで受けに惚れたのかよくわからんかった。魔性の力だけ?という感じ(笑。でもそういえば受けの方もよくわからん。四面楚歌な中でちょっとだけ自分に優しくしてくれた攻め、に惚れた感じかも?

 なんか文句多いですが、でも個人的には結構好きです。



2010年08月30日

五百香ノエル『運命はすべて、なるようになる』その3

 まだまだ、『運命はすべて、なるようになる』のことでございます…我ながらそうとうにのめり込んでますね(笑

 ええと、前回だかの感想で、下巻後半は、瑛輝が一気に大人になっちゃったように見えた、と書いたのだけれど、ニコルへの告白の言葉とかを勘案すると、瑛輝はニコルに痛めつけられながらそれでも彼の優しさを感じ取っていて、次第に優しくされたくなって&ニコルの恋人たちに妬くようになっていたけれど、自分でそれを認められなかった、ということなのだろう。
 ところでニコルは瑛輝のご主人様になりおおせつつ、結局五年後にはダメになってEDにまでなってしまい、自分ではもう彼の主人をちゃんとやれない、と思うにいたってしまう。以前劉大人は、ニコルはよい主人になるだろうと思っていたけれど、じゃあ結局劉大人の読みはハズれたのか、ニコルがダメになったのはニコルの弱さなのか、というと、そういうことではないのだと思う。他の場面での劉大人の洞察力の深さをかんがみるに、劉大人はニコルの隠しきれないほどの優しい心根までもをふくめて、よい主人になると考えていたんではないかと思うのだ。最後には瑛輝がその優しさに救われるとこまで含めて、先を見通していたんではないかと。

 あーしかし、ニコルは愛されるためではなく愛するためにご主人様役を引き受けた、のだと思っていたんだけれど、読み返すと逆なのか?という気もしてきた。ただ優しく愛するだけでは瑛輝は自分を見向きもしないだろう、ワーグナーのかわりに汚れていてもいいから英雄になろう、という目的から考えると、もともとは愛されるためにご主人様になることを選んだ、ともいえるのかなあ。
 ところで下巻の章題が、汚れた英雄とか愛の奴隷とか、誰のことだろう?と思っていたんだけれど、ぜんぶ彼のことだよね。下巻はほんと、彼の引力が強すぎる(笑。

 さて、のめり込み度の尺度のひとつに、「ラブソングがみんなマイCPのことにきこえる」というのがあると思ってるんですが、せつない勝手な片思いラブソングならピロウズ…と思ったけど、結構ジャストなのはないんだなあ。まあ、ピロウズの恋人は基本ツンツンデレちゃんで、誤解すれ違いというのとはちょっと違うか。でもこのあたりかな?

 彼女は今日、「どこかで見憶えのある外国製の、人形に似た瞳が素敵さ。何だか寂しそうだな。決めつけたりして、話しかけるチャンスを狙うよ」「ジョークなんて通じるかな?想像しても、しくじるのは怖いから言わないよ。何度も確かめたけど、やっぱり隣に存在してた。夢じゃないよ」勝手にデートのつもりのニコル、という感じ!「僕には見せないその笑顔は、何て美しく可憐なんだ」ニコルが別れを切り出しつつ瑛輝を見て、なんてキレイなんだ…と思うとこがスキです。せつない。

 バックシートドッグ「最終回だけ見逃してる、半端な幕切れ。キミに会いたい。'もしかして'なんて罪な夢は、心をかきまぜる。脇役の恋」「催眠術の仕業みたいに唇は動く、'キミニアイタイ'。感傷的な物語にはありがちな孤独、脇役の恋」「今になって思い知ったんだ、キミはまだあの季節を思い出せるかい。痛い程眩しかったな」これはいいね、脇役の恋はいいね。ワーグナー意識してる感じで。

 そんな感じで、ニコルの瑛輝への感情は惜しみない見返りも望まない愛のようであって、どこか一方的に焦がれる恋っぽいという印象だ。

 とりあえずこれくらいかなあ…。また思いついたら何か書くかもしれないけれど、マヨイガで感想を3回も書いたのは、『暁を待つまで』以来だ(笑。



2010年08月28日

五百香ノエル『運命はすべて、なるようになる』その2

 ひきつづき、『運命はすべて、なるようになる』のことなのですが、第二回、なので、ネタバレとか脈絡とかあんまし気にしない感じですみません。

(ていうか、上巻の螺旋が云々でネタバレてると思ってたのだけれど、そう思ってらっしゃらない方も結構多いみたい…?

 以下、ほぼただの攻め萌え話です、
 というわけで。




 ニコルかわいいよニコル!ああもうこんなかわゆい受け受けしい攻め、なんてステキなんだろう~!
 ていうかほんと、上巻読んだ時点では、彼がここまでステキなキャラになるなんて、思いもよりませんでしたよ。まっすぐ素直でお人形のように美しく、誰からも愛されて、だから傲慢で自分が拒絶されるなんてこと考えもよらないお坊ちゃん…なんて、しかも攻め、どうすんだ萌えないぞ、と思ってたわけですが(笑。

 転機は香港だろうなあ。劉大人のニコル評が面白くって、あと十歳若かったら素晴らしい淫売になれただろうとか、劉の優秀な生徒でよい主人になれるとか。そういうの一見全然似合わないように思えるんだけど、お綺麗なお坊ちゃんが、受けのために、つまり愛されるためではなく愛するためだけにそういう似合わないキャラをひきうける、というのがすごくよい。全然似合わないけれどそうなってしまえるだけの能力はあって、足りない分はたぶん愛情で補って、そうして傲岸不遜なご主人様になって。けど何年もそんなのを続けてしんどくなって、わざと好き放題しまくって瑛輝に見せつけたあとに、部屋で一人になると泣きたくなって床でうずくまって寝てしまうニコル…!ホテルを抜けだして瑛輝に怒られて、二人でマックにいったこともニコルにとってはささやかなデートだとか、もうもう、健気でいじらしくてたまりませんね!(あ、でもちょっとマック悪く言い過ぎなのでは!(笑

 逆に、瑛輝に世間一般という尺度=「まとも」を押し付けようとしたワーグナーや鳴竹(彼は恋愛感情はないけれど)は、ある意味傲慢だったんだろうなあと思う。まあどっちが正しいのかとかは別として、ニコルの愛情はある意味ではワーグナー以上だったってことでいいんだと思う。何がマトモか、僕の頭じゃわからないから、鼓膜に刺さるまで叫んでくれないかー。
 そして、ダフネは人間出来すぎ(笑。おそらく自分とワーグナーの子どものように思っているのであろうニコルの無茶苦茶な放埒ぶりを彼の頑張りとして見守りつつ、その原因であり夫の恋人でもあった瑛輝をも辛抱強くフォローするなんて…ちょっと超人的だ(笑

 あとあれだな、ラストが物足りないのは、ラブラブが物足りないというよりも、ニコルが瑛輝をかわいがるさまが物足りないんだな。なんか、できる・できない、の話がメインになってしまってた気がする(笑。今まで瑛輝をかわいがって優しくしてやりたいのをずっと我慢してたんだから、心ゆくまで優しくしてあげてほしい…というより、優しく「させてあげて」ほしい(笑。

 ところでニコルとニコールって、日本語だとかなりイントネーションちがう気がするんだけど、なんか瑛輝の呼びかけ方みてるとあんましかわんないように見える。どうなんだろう???
 あと、劉大人はニコルのことを、瑛輝を救ったからってだけではなく気に入ってるような感じなんだけど、そうだといいなあ(笑。よい生徒だし(笑

 しかし木原音瀬『美しいこと』のときも思ったけど、質量攻めというか、分量がある、ということでおもたく響いてくるってこともあるなあと思う。かなり読後の印象がつよくって、しばらくは他の本読めそうにない感じなのは、分量のせいもある感じだ。や、勿論ニコルがかわゆすぎたってのが大きいんですが(笑。



2010年08月27日

五百香ノエル『運命はすべて、なるようになる』上、下

 面白かった!!これあらすじ読んで気になってて、でも上下分冊だし下巻が一月後に出るんなら下が出てから読もう、と思っていたのだけれど、がまんできずに十日ほど前に上巻を読んでしまって、下の発売をかなり待ちわびていたのですvというわけで、読み終わったばかりなのです。
 ネタバレ部分はいちおう白字にしますが、出来ればぜひ、白字部分をご覧になる前に、作品そのものをご覧くださいv(でもわりと作品本体でバレバレだし、あんまり白抜きの意味がないかもですが)

 幼い頃香港マフィアに売られ、高級男娼となった瑛輝=受けは、テニス界の王者ワーグナー=攻めに憧れて、女衒やパトロンの協力をとりつけてテニスプレイヤーに成長する。やっと憧れのワーグナーと対戦するも、天邪鬼なこともあってわざと露悪的にふるまってしまう受け。攻めも愛弟子ニコルが受けに憧れていたこともあり、わりと受けを気にかけていたのだが、会ってみれば男娼で性格もあんななので、カトリックで人格的にも高潔な攻めは、受けを見るのもイヤになってしまい、云々。
 …と、妻帯者でもある攻めがどう受けを受け入れるのかしら?と思っていたところで、かなり早い段階で実は攻めは攻めではありませんよ!本命はあのひとですよ!と知らされ、それだけならまだしも、ワーグナーも当て馬でもなんでもなく攻め1ですよ!ということにさらに驚かされるという、それ(=CP)だけとってみてもまさにこのタイトルがピッタリな怒涛の展開(もちろんおはなしそのものもタイトルどおりで怒涛の展開なのだけれど)だったのでございます。

 とはいえ、上巻は、結構要忍耐。受けが恋に気づくまで、パトロンとべったりの生活描写とか、ワーグナーにつきまといみたいになってみたりだとか、展開がまどろこしいし、受けはどんどん精神不安定になるし、攻めが受けを拒絶しまくりだしで受けが痛々しい。最後の展開はあれ!そうなるの!とびっくりで、こうなってしまうと攻めはどうなっちゃうの…?と心配になる(作者も下巻あとがきで触れてらしたように、ワーグナーに感情移入して読んでしまうので、攻め2に感情移入できるのかしらと心配になる。

 そんなわけで下巻どうなっちゃうのかな、ほんとにワーグナーは攻めじゃなくって、この後攻め2がメインになるのか、だとしたら下巻ってどう展開したら面白くなるんだろう…とかあれこれ思いつつ発売を待っていたのだけれど、下巻の裏表紙梗概を見た段階でなるほどそう来たか!と理解=萌えて(笑、しかも読み始めてみると、梗概ではよくわからんかった攻めの行動の理由がもうとってもけなげでかわいそうで、とにかく萌えるのです。
 そう考えると、上巻は面白かったけれどわりと淡々と読めて、下巻はかなり感情移入(主に攻めに)しつつ勢いづいて読んだ感じだったかも。

 まあそんなわけで、攻めはすごくかわいくて、いちおう王者になるんだけれど、王者になりきれなくて、でも彼はワーグナーではないからそれでいいんだと思う。最後の試合の結果が納得だった。あんまりけなげかわゆいので、受けと一緒にいてもとても百合的なんだけれど(笑
 受けは全体の三分の一くらい精神状態がおかしくて、三分の一くらいgdgdで、最後わりと突然大人になってしまったというか解脱した感じだった(笑。いいんだけど。あんまり好きとか嫌いとかいう対象ではない感じだった。
 ワーグナーは帝王らしく、それでいてとても人間らしかった。しかし、いろんな意味でワーグナーの妻ダフネはよくできすぎている(笑、けれど、完璧なワーグナーのパートナーだしいいのかもしれない。
 受けパトロンたちは、上巻を読んだときにはアメリカ人の描写がちょっと長すぎる気がして、他の三人ももうちょっと描写があってもいいんではないかと思ったけれど、下巻でも役割があったので納得した。アメリカ人パトロンは、受け視点と攻め視点では結構意味合いが違ってたし、多義的な感じだった。
 劉大人はわりとありがちなキャラなので特に感想はないけれど、クラークは…もうちょっとおいしい場面があってもよかったのでは…(笑。ラストあたりでもうちょっと出てきてほしかった。

 末尾はもうちょっと書いて欲しかった…ものたりない!もっとイチャイチャしてほしいし、攻めももう浮気はしないと言っといてほしい(笑、しなさそうだけど。というか、かなり攻めが気の毒だったので、攻め視点でのカタルシスがもうちょっとあったらよかった気がする。
 あと少女の話は必要だったのかなー?ちょっとわからんかった。失ったものを取り戻すってことなんだろうけれど。

 なにはともあれ、面白かったですv分量もたっぷりあって、楽しめましたv



2010年08月14日

あすか『極上のエゴイスト』

 S気味の某組若頭は、美少年を買いつけに行ったオークションで、以前からにらみ合い気味だったロシアマフィアのボス秘書と口論してなんかヤられてしまいまして。その後なんだかんだと微妙に交流が続いたところで、若頭を溺愛している実兄が不穏な動きを見せ、兄を挑発するためにロシアマフィアと付き合うフリをしてみようと思い立ち云々。

 お話はまあそこそこな感じで、元気な若頭も、ボスに絶対忠誠で無口無表情なロシアマフィアも、いい感じのキャラだったけど、ちょっと感情の揺れ動きが分かりづらかった。互いが微妙に気になりつつ、兄の異様な執着がエスカレートする中で、寄ったり離れたりするのだけれど、最後まで互いを実は気に入りつつどこかあっさりしてた気もした。まあ、攻めも体張って受け助けに行ったりとかはあるのだけれど…もうちょっとラブい関係でもよかった気がする。
 兄がなんかいまいちもったいないキャラだった。そういえば兄も最後のあたりちょっとわからないかも。



2010年08月11日

久我有加『いつかお姫様が』

 外見はカコイイのに中身は三枚目といわれてるような高校生が、友達の友達のイケメンさわやか王子様な同級生と知り合ったのですが、なんかやたら優しくしてくれて、お前俺の彼氏?というくらいの勢いなのです。

 面白かった。
 女の子みたいに優しくされるたびに、攻めカッコエエ…vと思いまくってる受けがおかしくてかわゆい。他のヤツにこんなことされたらキモかったりムカついたりするだろう、王子は王子だからカッコエエと思えるのだ、というフォローもあってよい。
 攻めは前編でも後編でも、ちょっとヘタレるところがあって、話を転がすためっぽいのでちょっと気の毒。でも話が転がらないと、延々と攻めは王子っぷりを発揮し、受けは攻めカッコエエ…と言い続けてそうだから、仕方ないかもしれない(笑。
 あと会話と心内文がぜんぶ地域語で、全体を通してなんとなくほんわかな雰囲気がある感じでかわゆいv



2010年08月10日

樋口美沙緒『八月七日を探して』

 八月七日に学校の階段から落ちて右手を骨折、ついでに三ヶ月間の記憶を失ってしまった受けなのですが、夢でちらほら垣間見る三ヶ月間に、どうやら無理やり男にやられてたっぽくて、少ない情報から人当たりのいいメガネ生徒会長かなと思うのですが、幼なじみがなんかいろいろ面倒みてくれて云々。

 うーん、面白かったのだけれど、なんか中途半端な印象もいなめない。
 こういう設定だと記憶喪失の事件自体がメインになってしまうと思うので、ある程度キャラが犠牲になるのは仕方ないのだろうけれど、攻め受けのキャラ設定とその描写が物足りないというか、なんだかちぐはぐ。
 攻めはある意味すごく分かりやすいのだけれど、というのは無口クールなできる男という外面プラス受けにいれこみすぎてgdgdな年相応な少年ぽさ、という設定はベタで説明もわかりやすい。けど、なんというのか、受けが見ている攻めはなんかもうちょっとカッコいいというかステキな攻め、という感じなので、ちぐはぐな印象。こういうちぐはぐさには、本文中でも言われてるように受けはちょっと攻めを美化してるから、という理由もあるのだろうけれど。
 受けは昔はしっかり者で今はgdgd、という設定はよく描かれているし理解できたのだけれど、こういう事件の中で不安になって受身なキャラにならざるを得ない中で、いまひとつ言動からキャラがにじみ出てこない感じ。後半以前みたいなしっかり者に戻ってきた、とかゆわれてるけど、攻めの通訳みたいになってるだけだったし、主体性をあまり感じ無かったので、しっかり者とかまとめ役というイメージはあまりもてなかった。一方の攻めも事件のためにちょっと普段とは違う言動になってるような印象だし、やっぱり設定と言動の描写がいまいちしっくりこないのかも。

 やっぱり事件にまつわる描写が多くなると、キャラもそれに沿った動きをさせなきゃならなくなるから、きっちりキャラ描写しにくくなるんだろうなあ。なので、BLでキャラしっかり書きつつこういうサスペンスやるのって、けっこう難しいのだと思う。
 まあそんなわけで、むしろ記憶喪失にまつわる事件自体をもっとがっつり書いてほしかったのだけれど、これがもうちょこっとだけ頑張って欲しかった感じ…。端的に言うと、犯人も展開もミエミエすぎる…。
 この作家は『愚か者の最後の恋人』はキャラもよくってお話もとっても面白かったから、決してサスペンスやミステリ的な展開がへたなわけでも力量が足りないわけでもないと思うので、要求が高くなってしまっているかもしれないけれど、ちょっと今回はもう一声欲しかったなあという感じだった。



2010年08月08日

遠野春日『欲情の極華』

 組長の愛人をしてた受けは、愛人をやめてサラ金会社を起こし成功したのだけれど、ずっと気になってた若頭が組をおわれたのを知って、自分の秘書兼運転手兼愛人としてひろいに行く。元若頭はめっさ忠実なものの、受けは事務的に抱かれることがしんどくなったりなんだり。そんな中、元の組で元若頭を復帰させようという目論見が出てきたらしく。

 基本的なキャラとお話はそこそこ面白かったのだけれど、メインの二人がちょっとキャラがわかりづらい気もした。
 受けは性に奔放(に、なった?)で、商売の勘はよくって、素直でなくって、なのだけれど、エクリチュールは攻め大好きで淡々とした攻めの言動に振り回されどおしなので、弱い印象というか、受け自身のキャラの印象がよわいのかも。組長の愛人になろうとしたのもなんでだったのかよくわからん。結構テキトー人ということなのかもしれん。
 攻めは結構受けに一途らしいのだけれど、かなりラストまで事務的な表面を装ってるし、結構ズルいというか計算してる?のか、よくわからんというか受けへの気持ちがもうちょっと読みたかった。



2010年07月26日

清白ミユキ『傲慢だけど可愛いあなた』

 会社が倒産して派遣してたのですが、倒産のきっかけになった某企業社長の内偵の仕事がきまして、倒産の恨みもある受けは社長秘書をやることに。社長は無駄、非効率が大嫌いで、人を人とも思わぬ社長っぷりで、社員やたくさんいる秘書たちにも恐れられてて、けど長時間がっつり働く人で、社長にくっついてる受け秘書はむかつきつつぐったりなのですが、誰も逆らわない社長につい逆らってしまったことで、受け秘書は社長の不器用さ淋しさに気づきだして、社長は受け秘書が気になり出したり云々。

 傲慢攻めとその心を懐柔する受け、というベタな筋だけれど面白かった。受けがスパイなので、社長を騙してる、という差し色もあるし。受けはわりとふつうのひとなんだけれど、攻めは結構きっちり傲慢で、特に前半はフォローしどころのにない傲慢さと性格だった(笑

 ただ、展開というか攻めの変化はそれでいいの?という感じではあった。
 無駄を排除する、というのは攻めの一種の理念だったと思うのだけれど、受けにメロメロってからは、受けのために、受けと一緒にいるために、というのが最優先になってしまって、なんか主義主張とか経営理念とかのない社長になってしまった感じ。その後きっと成長してくれるんだろうけれど、つまり愛を知らない攻めが愛を知ったことで人間的にも経営者としても成長するんだろうけれど、物語はそこまで書かないし…。



2010年07月23日

読みさし。

 櫻井春綺『セクシー番長』男子校のモテ番長の話のオムニバスっぽい感じなのだけれど、CP固定じゃないのが…。

 とおやま香住『ゲームの恋人』愛人の子の受けは、ホテルとか経営してる立派な兄にうとまれて寂しく暮らしてる。そこに現れた行き倒れの外国人を助けたら、実は…という。攻めはなんか日常生活のダメっぷりがいまいちに好きになれなくて、あと兄があまりによすぎたので途中で読むのが面倒になってしまった。後編もパラパラ読んだけど、やはり攻めいまいち、兄カッコヨス、っぽかったし…。

 松本トモキ『プラナス・ガール』1女装男子ものということで読んでみたのだが、女装子はただのかわいい女の子みたいだし、主人公が彼に惚れかけている葛藤がちょっと無神経でしんどかった。あと絵がニガテだった。

 剛しいら『人のかたち』明治期の人形師と下働きの青年…の話かと思いきや、イギリス人の愛人に殺された陰間青年の人形をつくることになって、その二人の話がメインになったりで、途中からパラ読みしてしまった。なんかそこそこ面白いんだけれど、BLとしてはどちらのCPにせよもっとがっつりかいてほしかったし、ちょっと物足りないなあという感じ。

 水原とほる『残花』危ないところを助けてくれたヤクザに惚れて一緒に暮らしはじめる…まではよかったのだけれど、ヤクザのとこの組長に目をつけられて受けを無理やり献上させらて、というあたりでいやな予感がし、あとはパラ読みしてしまった。これもまたイカれた組長が実は寂しい人間で、って感じっぽくて、攻めよりもアテウマのが魅力的になってしまいそうで…。

 遠野春日『嫉妬は黄薔薇に託して』前作の『告白は花束に託して』は大好きなのだけれど、この続編はちょっといやな予感がしていて、がっかりしたくないから読もうかどうしようか迷っていたのですが、結局買ってしまった。かなりざっと読んでしまったのだけれど…なんか、なんにも起こらない感じ?こんなにページ数必要なの?逆に、何も起こらないから、主役CPには悪い印象を持たずに済んだのでよかったのかもしれないけれど。うーん。



2010年07月22日

黒崎あつし『お嫁さんになりたい』

 某社長の愛人だった受け母は、正妻から逃げるために息子を女の子として育てたのですが、母なき後は正妻が受けをひきとって、お前はいつか金持ち変態オヤジに売りつけてやんよ、とかゆって育ててたのです。でもいざ嫁にしてもらえとかゆわれて出された先は、以前一度だけあったことのある親切なお兄さんで、この人のところに居させてもらいたいと思ってたら、受けの事情をおk把握なお兄さんも、お兄さんをお世話してる夫婦も、なんかめっさ受けによくしてくれまして。

 ベタなタイトルだし、ベタな話を期待して読んだのだが、まあベタだったけれど、なんかあっさりしすぎだとも思った。
 受けは正妻たちが怖くて今まで抵抗もせずに来てしまったけど、だいすきな攻めのいうようにこれからは主体的にならなきゃ、という感じ。攻めはやさしい保護者で、受けはひなどりのように自分をしたっているだけだから、と受けを相手にしようとしなかったりなんだり。典型的な関係だろうと思う。
 あと、受けが正妻さんがこう言ったんです、とか素直に報告して攻めたちがかわいそうに…という場面が非常に多く、受けのかわいそうっぷりを演出するためなのだろうけれど、回数が多すぎて少し鼻についた。
 なんにしても、キャラもお話もベタを期待していたのだからベタでいいのだけれど、もう一工夫ほしかったなあという感じ。
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 ところでBLではこういう場合、受けは女の格好するのがほんとはいやで男に戻りたい、そして攻めと結ばれたい、と思うのが常な気がしますが、女の子の格好したいアンド攻めと結ばれたい、というパターンもあってもいい気がするけど、BL的にはナシなのかな。



2010年07月21日

砂原糖子『斜向かいのヘブン』

 なんの気なしに手にとったら、結構古い本だったのね。
 人付き合いのわるいメガネ上司がダメ後輩の仕事フォローしてるのを見かけてしまい、仕事を無理やり手伝ったり、そのお礼をしろとかゆって無理やり飲みに誘ったりしてみたら、なんか自分はほんとうは吸血鬼だから恋愛もしないしなるべくひとを避けているとか言い出すのです。もともとあんま人にもものにも執着しないタイプで、遠恋の彼女にもさらりと振られたばっかりだった、そんな部下なのですが、上司の電波ぶりがかわいかったのか、吸血鬼ではないと証明しようと奮闘するうちに、このきもちはなんなのかしら。

 いやー、上司の秘密があかされて、ああこれから攻めの手助けでトラウマというか過去を克服してくという王道なのね…と思ってたら、末尾のどんでんがえしにびっくりしましたよ!そう来たか、という。
 でも後編があるんだけれど、そのトンデモ設定は、あんまし活きてなかった気がする。全編とおして、基本はオフィスラブで、初めて心動かされちゃった低温イケメンと、不器用で人付き合い下手なメガネのおはなしなので、トンデモなオチと設定がそんなには活きてないというか、ちょっと浮き上がってしまっている印象。
 おはなし自体は、不器用キャラはすきだし、そこそこ面白かったと思う。



2010年07月20日

バーバラ片桐『ストーカーはじめました。』

 トンチキなタイトルに惹かれたものの、あざとそうなもするしB級のにおいがプンプンするし、読もうかどうしようかしばらく迷っていたのだけれど、時間が出来たので買ってみたら、予想以上に面白かった!簡単に言ってしまうと受けがストーカーということなんだけど、そのトンチキさも面白いし、その奇抜な設定にだけにたよらずちゃんとキャラがきっちり魅力的で、お話もしっかり面白かったのです。

 高校時代、ストーカーの手紙に悩んでいた攻めは頭よさ気な同級生に相談するも、実はそいつが犯人でした!頭にきて手ひどくふったことを多少は気に病んではいたのですが、数年後刑事となり、ストーカー殺人事件への協力を乞いにいった先のストーカー研究の第一人者というのがこの受けでして、調査に協力するかわりに抱いてくれ、とか言い出して、お前まだ諦めてなかったのかー。

 総じて面白い話ではあったのだけれど、とにかく何しろやっぱり受けなのです。
 数年ぶりに再会した攻めのつかった茶碗をなめたり、攻めを尾行したりと、変な言い方だけれどかなりきちんと容赦なくストーカーな受けなのです。中途半端にかわいぶったりはせず、けれどあざといほどの変態ぶりというわけでもないのが、変な話だけれど好印象だった。
 ストーカー行為については、純粋なる確信犯で攻めは喜んでくれるはず!とか思ってるわけでもなく、こんなことをしてはいけない…と悩んでいるだけでもなく、その間で揺れ動いている感じでだからこそ悩ましくかわいそう。自分を抑制するために研究者にまでなって、それでも攻めに再会してしまってストーカー気質を発揮してしまうという、こんなかわいそう受けは初めてだ…ていうか、これもかわいそう受けでいいよね?ストーカーだけど…(笑。
 攻めにたいして、仕事のために抱いてくれたり一緒にいたりしてくれてるだけなんだから期待をしちゃいけない、と思うあたりはまあわりとよくあるかわいそう受けなのですが、このひとの場合そこに自分はストーカー気質だから何でも都合よく考えてしまうから…という自戒が入るので、きちんと設定活きてるし面白いし、なんだかますますかわいそうなのです。
 あと最初のときに、アレはさすがに許してくれないだろうからと足を舐めさせてくれ、とかゆって攻めをドン引きさせ、あれ!?足すらだめなの!?と泣きそうになっているのがトンチキかわゆかった(笑。
 そんな感じで、変態っぷりは面白いしおはなしにもしっかりからんでるし、けれど自分を律そうとしてるのがけなげでかわいいし、と、キワモノ設定もきちんと活かしつつとっても魅力的なキャラだった。

 攻めは攻めで、この変な受けを次第に受け入れてしまうのだけれど、その理由が最後にさらりとたった一言であかされるのがスマートでよかった。受けに疑いをもつあたりはすごく緊迫感もあってよかったなー。

 恋愛物語とは別立てで、殺人事件にまつわる筋も面白かった。犯人は意外だったというか、もうちょっと説得力もたせてほしかった気はしたけど。伏線がちょっと物足りなかったというか。
 あと、灯油が目に入ったのに病院いかないの…?とは思ったのだけれど、今ぐぐってみたら水洗いで平気なんだね。安心した(笑。

 しかしなんかこのCPは続編読みたいなあ。まだまだ面白いお話ができそうな気がする。



2010年07月19日

砂床あい『一途な夜』

 コンドーム開発研究員の受けは、同性愛者を自覚しつつも未経験で、でも新製品の実験しなければならず、男をナンパすることに。それらしきバーで、四種類の製品をためすために、ということは伏せつつ、四回おねがいしますとかゆってたら、イケメンセレブっぽいひとが興味をもってくれまして。別れ際にセフレになってくださいとかゆって、それ以降も関係をたもってこっそり実験を繰り返しつつ、攻めに惹かれていく受け。

 …んなアホなー(笑。これコンドーム会社からクレームくるんじゃなかろうか。
 ステキな攻めにうざったがられたくなくて、セフレでもいいからとか思ってる受けと、実は攻めの方もセフレでいいと思ってるらしい受けにもんもんとしてて、というわりとよくあるすれ違いで、そこにコンドーム関連のちょっとかわった差し色があった感じ。そこそこ面白かった。
 受けが理系研究員で、恋愛に奥手でどうみてもういういしいのに、やたらコンドームもってたり手馴れてたりするのが可笑しかった。
 あと、絵があっててよかった。亜樹良のりかずは攻めがかっこいいし、受けもきちんと大人っぽく書いてくれるので、こういう天然ぽい受けも、挿絵効果もあって子どもっぽくならない気がする。



2010年07月18日

栗城偲『恋をするには遠すぎて』

 はちどりのおすはまだ若いおすを相手に求愛ダンスの練習をするらしい。
 ひさびさにテレビみると、なんかやおいネタ多いな!
 あたしが妄想過多なだけか!

 高校生のチャラ男は、クラスのオタクどもがキライでイジメてたのだけれど、中の一人と夏の補習で一緒になって、なんか気になる好きになる気になる好きになる。

 冒頭近辺、攻めがあまりにDQNなのでどうしようかと思った…。後半はチャラ男とオタク二人の話が中心で、しかもオタク視点になっていくので仕方ないんだけど、攻めや攻めに調子合わせてたクラスメイトのDQNぶりのフォローがなかったのがちょっと微妙。あと、攻めが夜一人で眠れない時がある、という設定ものちのちあまり活きてなかったので残念。受けに惚れてからは、ごくふつうの受け大好きチャラ男攻めになってしまうし、なんかわかるようなわからんようなキャラだった。

 オタク受けは、冒頭、補習を受けるハメになったのは、もともと攻めが好きでなんか画策したのかと思ったら、ただ夏コミの原稿に追われていて試験で失敗しただけだったという…。受けの方はかなりベタな印象のオタクキャラという感じで、恋をしたこともない、攻めの受けへの気持ちをそれは恋ではなく萌え、とかゆってしまう不器用ぶりだった。攻めをツンデレと評してツンデレはキライではない、とかゆったり、受け×攻めのBL書いていやがらせしたりしていたあたりはベタだけれど面白かった。そんな受けなのでロマンチックになりづらいし、恋愛への移行はあまりスムーズとは言えなかったかも…でも仕方ないか。
 しかし高校生でシャッター前ってすごいなー、昔ならいざしらず、今でもそういう作家さんいらっしゃるのかなあ…ん?今って、高校生ってスペースとれるんだっけ…?や、べつにフィクションだからいいんだけど。

 夏休みの話のあとは渋谷デートとかで、おはなし自体はベタな感じ。DQNにせよオタクにせよ、お話やキャラづくりよりも、ややあざといキャラ設定が先行してるような印象があって、ちょっとバランスがよくないかなあという印象。でも総じて面白かったと思う。



2010年07月15日

凪良ゆう『散る散る、満ちる』

 受けはそつなく仕事のできる美形リーマンとみせかけつつ、その実引っ込み思案で寂しがり。部下のさわやかイケメンにひっそり恋をしてるのだけれど、イケメン部下は取引先のかわい子ちゃんがすきらしい。受けの幼なじみでもあるかわい子ちゃんの上司のおかげで、なんか三人ともゲイだとはわかったのだけれど、かわい子ちゃんには彼氏がいるとわかり、深酔いしたイケメンと受けはそんなこんなになるも、受けがイケメンをすきなのは内緒のまま。ダメっ子受けは、彼氏とうまくいってないかわい子ちゃんになんとか頑張ろうとする部下を、ついつい応援するようなことを言ってしまい、云々。

 総じて面白かったんだけど、なんか今ひと味足りないというか。
 とにかく受けがいろいろかわいそうで、天涯孤独になって両親ののこした家にロボット犬の玩具と住んでいて、受けの気持ちを知らない部下やかわい子ちゃんの言動にふりまわされて、でもこれはそういうお話なんで、それはそれでいいんですけど。

 こういう話ってお話を面白くするには攻めが無神経で鈍感でなければならず、それをいかにテクストがフォローするかが大事だと思うのだが、受けがでも攻めは自分の気持ち知らないしあれは仕方ない、これも仕方ない…とずっとゆってる感じで、なんか鈍感攻めと恋に盲目な受けという感じで…ちょっとイライラした。攻めが片思いしてたかわい子ちゃんも、まっすぐで積極的なキャラということだけれど、この受けの視点でずっと見てるとちょっとずうずうしすぎないか…と思えてしまう。三者とも、お話の遅延(ジュネット)のためにキャラを利用されちゃってる感じで、魅力が半減してしまってた感じ。
 まあ仕方がないのかもしれないけれど、だったらせめて、ハピーエンドのあとは受けがもっとがっつり幸せになってほしかったかなあ…後日談とか、なんだか何かが物足りなかった…。



2010年07月12日

清白ミユキ『幸せのデセール』

 『わがまま王子のパルファン』のスピンオフ?らしいです。『わがまま王子の…』はタイトルが気になって読もうかと思ったことがあったのですが、結局まだ未読。

 出張料理人がある日依頼を受けたのは、複数のセフレと関係もって仕事を融通してあげたりして、つまりギブアンドテイクのあとくされのない関係ですませてる某社長。自分もコナかけられたので、仕事失うの覚悟でそういうのは嫌いだとはっきり言ったら、なんかかえって気に入られちゃったみたいで友達になってくれとかゆわれるのです。
 そうして付き合いだしたら、傲慢で、金ですべてを解決しようとするような人間かと思ってたら、たんに不器用で、恋愛どころか人付き合いの仕方も知らないだけで、そんなさびしくもかわゆい攻めが受けになつきまくって、必死で受けに合わせようとしてがんばったりするので、元々ダメンズ好き気味の受けはほだされまくりなのですが、今までの攻めのことを考えるとセフレとは切れなさそうだし、ってことでか、受けは攻めとは友達づきあいを続けようと思うのです。
 そんな折、受けのフランス人の元カレがやってくるのですが、こいつがまた受けが一番とかいいながら浮気しまくりだった奴でして、すったもんだ。

 うまく処理できず、あらすじが長くなってしまいましたが…。とっても面白かったです。
 もう一見傲慢でトンチキで、内実は不器用な攻めがかわゆすぎる。やっぱり不器用キャラっていいですね!!受けにセフレとかよくないとかゆわれて衝撃を受け、また叱られたくてかわざとセフレ未満の相手を呼んでみたりとか、特に前半はトンチキすぎてかわゆい。後半も、受けの元カレに嫉妬しまくったり、受けを口説くために頑張ってきれいにしてたら誤解されたり、なんかもういっぱいいっぱいでかわゆい。
 受けはなんで、攻めは友達だから、とか必死に自分に予防線はってんのかがちょっとわかりづらかった。攻めは自分になついてるけど別に好きなわけじゃない、とかまたセフレとかいる男の愛情とか信じて傷つきたくない、とかなんだろうけれど、一貫した理由があるというよりいろんな状況がかさなって、という書き方だからか、なんか理由付けが不透明になりやすかった気がした。
 受けの元カレは、受けと攻めのジャマばっかしてかっこよくもないし、受けがなんで浮気されながらもずっとつきあってたのか、これだけではよくわからん(笑。受けが一番だとゆってくれたから、とか思い返しているけれど、つまりは浮気性だけれど情熱的なラテン男にほだされてた、ということでいいのだろうか。
 まあアテウマ攻めはさておき、愛を知らない不器用トンチキ攻めと、イケメン受けシェフという二人のキャラは魅力的だし、お話自体も面白かったですv



2010年07月08日

橘かおる『傲慢な支配者の花嫁』

 BLキーワード順列組み合わせみたいなタイトルだ。
 結婚してもお前が一番の恋人だからとかゆうアラブ皇太子と断腸の思いで別れた受け。帰国して、贋作騒動でまずいことになってる画廊の仕事にいそしんでいたら、皇太子の弟がやってきて、絵を買ってやる代わりに口説く権利をくれとかゆってくるのです。

 ややネタバレ。
 受けは、仕事のこととかいろいろ線引きしようとしてるけどなんか…微妙にgdgd気味かも。弟王子の豪勢なデートに素直に喜んでるのは素直だが、なんというか、もうちょっと質実でいてほしかった。でもいちおう画廊社長の息子だし、幼なじみの女の子とも結構いいお店いってるし、おぼっちゃんなんだろうな。
 しかし、皇太子といたしてなかった、つまり男はじめての受けが、弟王子にあっさり浴場したりするあたりはとってもファンタジー…。弟王子を気長に待たせるのかと思っていたら展開早いし(けどそれ自体は意味があったのでよかったけど)、いきなりそこまで感情が動いた受けというのもわかるようなわからんような…その後本格的に惚れたあたりとか、皇太子との比較とかもやや陳腐で、感情の動きがいまいちしっくりとこない感じもあった。
 話の展開上なのか、受けがひきずってたアテウマ皇太子があまりかっこよくないし、受けがイケメン二人の間で揺れ動く、というようななんだろう、醍醐味?はあんましなかった気がする。
 あと、事故と無理やりのあとの末尾の急展開が急すぎる。

 なんだか文句は多いけど(笑、とはいえタイトルどおりの強引支配者攻めに口説かれる恋愛物語自体はそこそこ面白かった。



2010年07月01日

橘かおる『蒼炎―secret order』

 おおぉ…苗字は漢字になったものの、ひらがな名前はつづいている…。

 ちょっと迷ってから購入した。
 イギリスでテロに巻き込まれた際に助けてくれた人は、目がやられてて顔が見られなかったけれど、声だけでも安心させてくれたので、すごく感謝してるのです。その後お世話になった縁からSPにあこがれて就職した受けは、欧州某大公国の後継者のSP任務につくのですが、彼はSPはいらんとかゆって受け一人のみならいいよとか言い出し、しかもなんか口説いてくる始末。

 実務にすぐれ、受けへの情熱的かつ一時的ではない深い愛をもった王子様×トラウマをかかえつつ職務にはげむ、誰にもなび かない美貌のSP、というベタ設定はとてもよいですし、細かいとこを気にしなければ結構面白かった。

 細かいとこというか、気になったとこもいっぱいあるんだけど。
 受けのテロ被害から攻めに会うまでが、あまりに怒涛過ぎてあれよあれよ。
 その後の展開やキャラの心情変化も、なんかわかるようでわからんような物足りないような。特に受け、それまで攻めをかわそうとしてたのに、いざそういうことになったら、PTSDを発症してたという精神面の変化はあるにしても、なんかやたら情熱的で積極的なので、ちょっとついていけなかった。あと、受けや周囲の仕事っぷりが微妙な感じ。
 受けの同僚二人や美形上司とか、なんかやたらキャラ多かったけれど、スピンオフがあるのかな。



2010年06月23日

あすか『桃色砂漠』

 まあ、うん、そうね、たいがいあたしも恥知らずだとは思うんだけれど、一応BLの小説を買うときには、ビニールがけしてない限り、口絵(たいがいエロ絵)をカバーにはさみこんでレジに出してるんですよ。カバーがけのときに、自分が恥ずかしいというより、店員さんに悪いから。
 ↓ ももちろんそうしてレジに出したんだけど、代金を財布からだそうとしてると、なんか店員さんの動きがおかしい。よく見ると、なんかノベルスのカバー一旦はずして、紙のカバーそのサイズに折りたたんで、折った中にノベルスのカバー入れてんの。おま…なにしてんだよ、そんなことしたらカバー掛けるときに口絵が丸見えで…オイイイィィィィィィィ!と、ほんとうに言葉にしそうになりましたよ。あんなの初めて見た。このかけ方だと、読んでるときにブックカバーずり落ちてくるし…。

 それはさておき。妙なタイトルと、この作者の『ラブちぇん』がそこそこ面白かったのとで手にとったのだけれど、梗概で吹いて、即購入しました。

 DVDショップ経営の美青年受けは、アラブの王子様に口説かれて、一夜をともにしたのですが、王子様のあまりのヘタクソさにブチ切れ、そんなこんなで王子に夜の指導をするためにアラブにまねかれ云々。

 セレブ攻めでこんな穴設定は斬新ですね(笑。アホなコメディ(褒め言葉)で、キャラも展開もいろいろ盛りだくさんで、なかなか面白かったです。

 王子のあれ設定は、速度だけではなくて、なんかもうちょっといろいろ改善点があったほうが展開が複雑になってよかったような気もする。受けも言っていたように、個人差もあるだろうし、途中から攻めがヘタ設定がうやむやになってたというか進捗状況がよくわからなくなってしまってた気がした。
 あと、王子はそれ以外の点では何もかもに恵まれてるので、のんびりどっしり構えているのでカッコ悪くはならずに済んでいるのだろうけれど、もうちょっとくらいあたふたしてもよかったかも。その点についてではなくて、受け周囲への嫉妬とかでもうちょっとあたふたしてほしかった。や、嫉妬はしてるんだけどね。あと意外と腹黒、というか計画ねりねりなのはよかった。

 受けはさっぱりした性格と、あと最初からそういう指導のために腹決めてきてるので、王子の○○というのをしてみたい、などのお願いに気前よく応えるとこが、受けとして斬新でとってもよかった。パーティのために女物ドレス贈られて驚いても、まあせっかくだしそれもいっか、とすぐに納得して着替え始めるし、話が早くていい(笑。でも仕事のことや倫理上のことなどでは、譲れないことをきっちり守ろうとしたりもするし、なかなか魅力的な受けだった。攻めのことを誤解したりつっぱねたりするとことか、お話の都合上という感じでちょっといまいちな部分もあるにはあったけれど、ラストシーンとかでもまあいっか、って感じで、でもそれがよかった(笑。

 周囲のキャラもいい。なんか妙に人数多かったけど。
 王子の兄の絶倫変人科学者は、妙に濃いキャラだけれど、もしかしてスピンオフ狙いなのだろうか…一体どんなキャラなら相手ならつとまるだろうか…今回出てきてた中では、受けのDVD店のバイトか、王子従者くらい…?しかし、この兄はいまいち心情がわからんかった。面白かったけど。
 王子の従者が受けに襲われそうになるのがおかしかった。
 王子の両親も、特に父親は人形収集癖とかなんか無駄にキャラ立ってて面白かった。
 受け元彼はちょっと心情がわかりづらかったなあ。悪いヤツなのか、それだけでもないのか…まあ、受けが好きだったと言ってたし、いいところもあるんだろう…、と。

 …はッ。もしかして、受け元彼×王子兄か!?…それも、いいかも。かみあわなさそうで。



2010年06月15日

凪良ゆう『落花流水』

 高校の時に好きだった教生と、ピンサロ店員として再会した攻め。彼は婚約者の妹が借金返済のためにピンサロで働かせられそうになったのをとめに来たそうで、攻めは、受けの身体をカタに借金をなんとかしてやるとかゆって云々。

 …という梗概で、強引そうな攻めとか婚約してる受けとか、あんまし今の気分じゃないかもなあ…と思ってちょっと迷っていたのですが、読んでみたら純情一途攻めの痛くかわゆいお話でした。

 攻めは受けのために、ピンサロとかかわりのあるヤクザの対立組織でヤバいバイトをして借金返そうとするわ、受けには内緒にしてるわ、結局ケガだらけのヤバい橋わたりまくりのたいへんなことに。高校の頃から、母子家庭の母が男に入れあげてたりなんだりで、かわいそうで健気でがんばりやな攻め…なんか受けみたいな評言ばっかり?(笑、でもそんな、すごくステキ攻めなのです。
 受けはもうちょっと攻めのこと気づこうよ~とか、高校で攻めから逃げたのは事情があったとしてもズルいよ~とか思ってしまったものの、最後にはいろいろふっきって来たので、よかったね、攻めも受けもね。ただ情報が少ないこともあって、攻めがそんな身体をはるほどの魅力がはたしてあるのか…?と、多少おもわされてしまった。

 オチについては、あとがき&本文中で既に触れられていたように、辛い生活の中で愛がすりきれてしまうんじゃ…?と思わされるちょっと不安なラストだったので、後日談があってよかった。でもその担保が九条というのが…(笑、ふたりを追ってるヤクザの顛末があれだし、(主人公CPがではなくテクストが)九条に負担かけすぎというか、ちょっと九条に肩入れしたくなってしまう。まあ、他に担保になれる人も設定もないのだけれど。
 そんなキャンディ好きの九条と、攻めに似ているという恋人のスピンオフも楽しみv



2010年05月03日

夜光花『蒼穹の剣士と漆黒の騎士』

 ファンタジーってあんまし読まないんですけど、夜光花なので作家買い…って感じで読んだらやっぱすごい面白かったし萌えた。しかし、なんかいろいろすごいな!

 鳥人族は大国に戦力を貸与することで、長い間独特の生活を守ってきた。長のユーゴもしばしば戦いに協力してるのだけれど、少数民族出身の騎士団副団長・狼炎がなんかやたら庇ってくるので、自分はそんなに弱々しく見えるのかと腹立たしく思ってる。
 そんな中、王国の王女がユーゴと結婚したいとか言い出して、勿論ユーゴは長として鳥人族のためにたくさん子をなさなければならないし、けど王女をすげなく扱えないしで困ってしまう。仕方がないので婚約者と結婚式をあげて、はやく子をなしてしまおう…と思うのだけれど、鳥人族は年二度の繁殖期しか子づくりができないので、狼炎の部族につたわる媚薬をわけてもらおうということになりまして。

 面白かったー。結構分量あったけど、とまらなくてほとんど一気に読んでしまった。
 でもやっぱり全体的に、ファンタジーだからか凝った筋の展開に筆がさかれてるし、基本的にさっぱりした気性の受けでもあるし、しかも鳥人族に巻き起こる災いへの対応に負われて、なんかこう精神面というか、具体的にはラブがやっぱり物足りない感じだったかなあ。特に前半なんかは女子率が高かったし。主人公は婚約者(というのも語弊があるのだが、まあパートナー候補)の女の子がいたり、王女に求婚されたりで、実はこのあたりも結構あたしの地雷なのですが、でもユーゴがあっけらかんとしてたので、あんまし気にならなかったかな。

 主人公は、作者もあとがきで書いていたようにとてもさっぱりした男らしい性格なのと、剣士であり一族の長であり、というキャラでもあり、あと鳥人族であり長でもありもともとの性格でもあるのか、一族のため繁殖第一で考えてて、自分の恋愛にも他人の恋愛にもうとい…というあたりも変わり者キャラで面白かった。まあ、ちょっとラブは物足りないけど!(笑。
 でもそんな性格の主人公が、繁殖期が近づいて身体が変調したせいで逆説的に精神面というか自分の狼炎への気持ちに気づく、というのはとてもうまいしよかった。ので、もっとその辺りの心理をねちねち書いて欲しかった(笑。
 あと、狼炎に媚薬をためす、とかゆわれて、婚約者のために媚薬をもらいにきてるのに、なんでそっちに使用されておかしいと思わないのか(笑。ねんねだからか!(笑
 ユーゴという名前は…ネゴシエイターばかり思いだしてしまった(笑

 狼炎はひかえめで情熱的でいい奴で、ちょっと影が薄い気もしたというかもうちょっと書いてあげて欲しかったが、そんな薄い描写で、設定的にもそう特筆すべきことのないキャラではあったのだけれど、なのにとっても魅力的だった。
 自分はユーゴのものだけれどユーゴは自分のものではないと言って、主人公の運命をまるっと受け入れて、それでもユーゴを愛するという…そんなステキ攻めなのに、不器用っぽいし主人公には尊大に見られて嫌われてるし。なんか最近傲慢攻めとか尊大攻めばっか見てた気がするし、こういうまっとうでうつわの大きな攻めって輝いて見えるよ!(笑
 とはいえやはり、主人公に嫌われてる物語前半はともかく、物語後半ですら登場場面が案外少なく、ラブ的にはやっぱりものたりない。でも、お話としては、王国や主人公の一族にまつわる物語が中心の構成の中で、部族のためという理由や騎士としての職務もあるけれど、基本的には部外者に近い狼炎が、主人公への気持ちだけを以て傍らに寄り添っている、という感じでよかったけどね。

 ともあれ、主人公は一族繁栄が至上命題で、また鳥人族は非常に短命で平均寿命が30歳ほど、という事情もあり、どうしても狼炎と共に生きていくことはできない、というのがせつなくていい。
 あと関係ないけど鳥人族は卵生というのもなんかスゴイ。この設定があるから、主人公に婚約者がいても、子どもをなさなきゃ、ではなく卵産まなきゃ、とかゆってるのでなんかそんなにいたいたしくはならない…かな。

 やっぱりあたしは夜光花が大好きらしく、しかもリンクスの夜光花は好き放題に書いている感じでとってもいいと思う。
 しかしこれ…続編、あるのよね???これだけキャラがいて、狼炎と短命な主人公、あるいは卵つくらなきゃいけない主人公、との関係はこれからどうなるのか宙づりだし…続編読みたい!



2010年05月02日

樋口美沙緒『愛の巣へ落ちろ!』

 こん虫BLです。

 人類が存亡の危機に際して生き残りのために昆虫と融合してる世界。
 シジミチョウの受けっこは、事情があって体が弱いのですが、テレビで見たエリートぞろいの高校に憧れてがんばって進学したのです。でもクモやハチなどエリートぞろいの生徒達にいじめられるわ、テレビに出演してたあこがれのタランチュラは来る虫こばまずだわ、更にシジミチョウはキライとか言われてしまうわ、さんざんなのです。それでも持ち前の明るさでなんとかがんばっていこうとしてた矢先、くだんのタランチュラの巣にかかってそういう意味でたべられてしまい、云々。

 ネタばれしますが。
 初エッチが攻め× 他の男の情事の直後、受けが元気なかわい子ちゃん、受けが昆虫でいうところの性モザイクつまり半陰陽、妊娠兆候、将来的に女性化して妊娠の予定…と、あたしの地雷がそこらじゅうに埋まっていた…!!(笑。でも、それでも面白かったけどね!(笑。しかしなんか梗概とかでほのめかしておいてほしかったなあ…でもこれ全部ほのめかしてたら梗概がすごい量になるか…(笑。

 虫人類が今でも特殊な能力が残ってて、サイズや力によってハイクラスとかロウクラスとかあって…というのは、ちょっと斑類っぽい気も…。
 そのSF設定をのぞいて冷静にみてみると、わりとよくある王道学園もので、モテモテセレブイケメンとかわい子ちゃんな庶民、受けは周囲には侮蔑嫉妬されいじめられまくりだけれど、まわりのセレブたちはやけに受け大好き、とか。
 受けに嫉妬したハチにそそのかされて受けにひどいことをした黒アゲハとカマキリが結局受けを気に入ってしまうとことか、ベタでおいしい感じだったけど、あんまし出てこなかったのでもうちょっとくわしく書いて欲しかった。

 この作家さんはこれで2冊目だと思うんだけど、階級差とかモテモテ身勝手イケメンとかわいそう受けとかがお好きなんですかね。王道ですね。いいですね(笑。



2010年04月22日

剛しいら『匣男』

 ここのところの忙しさに「連休は遊ぶぞッ!ジョジョーッ!おれは連休を堪能するッ!」というどうしようもない冗談を思いついたのですが、そしたらなんかディオジョナにもえだした。ものすごい自家発電機構だなあと思う。仕事(なんか弁護士とか会計事務所とかそんな感じ。考古学者のジョナサンが資金援助してる)に追いまくられて疲れたディオが、のん気(ノンケ?)なジョナサンをかっさらって休暇に南の島へ、とかそんな感じ。

 とかあほなこといってたら風邪ひいた!

 安部公房かと思ったのに…とか言われないために、わざわざ匣の字使ったのかなとか思った。でもまあ、受けにしろ攻めにしろ、箱かぶって歩く男ではBLにならないか(笑

 ちいさいころ納戸にかくれるのが好きだった受けは、大人になっても狭い場所が大好きで、人付き合いはニガテ。グループ企業の傾きかけた船舶会社を任されても、お飾り扱いされてる日々。
 そんな折、ちいさいころに納戸にいる受けをいつも探しに来てくれてた攻めがアメリカから帰国、そうとう優秀な経歴の持ち主なのに受けの秘書になってくれるとかゆう。

 やっぱりこの作家は面白いなあ。
 正直、キテレツな設定はけっこうどうでもいい。あってもなくてもいい(まあ、スーツケースは面白かったけど。受けも攻めもダメ人間なところと、そのダメさの描写がとってもいい。

 やる気がなくダメ人間な受けは、ある意味リアルでいい。アメリカに留学した攻めに捨てられたとか思ってうじうじして、帰ってきた攻めがお前追い掛けても来なかったじゃないかとか言う辺りでハっとさせられた。そんな感じでこの受けは、あくまで受け身で流されてるばかりで、そもそも受けは攻めをすきだったのか、それともどこかの時点ですきになったのか、とかいうあたりさえ微妙。
 そしてテクストと攻めはそのダメさをがんがん指摘していくのに、そんな受けをあるがままにまるっと受け止めて、しかしそれは受けにとって都合がよい世界であるというわけでもないのが面白いのだ。

 ご都合主義ではないというのは、攻めもダメ人間だからなので。攻めは受けのダメっぷりをわかっていて、それでもなお、そもそも自分は受けのために留学して受けのために戻ってきたのだし、これからはずっと受けをまもってやるとかいう。でもそれはスーパー心の広い攻めだから、ではなくて、こういう受け入れ方って、攻めの異常なほどの執着と独占欲とのなせる技だからで、つまり攻めはダメ人間だから受けのダメっぷりを包み込めるという、なんというか、ダメスパイラル(笑。ダメスパイラルなのに、受けも外向きに頑張ろうとしてたりして、結構前向きなのがいい(笑。

 そんな感じで攻めも受けも感情移入しづらく、正直キャラとしての魅力はあまり感じない。しかしだからこそ、お話自体はとっても面白い。
 そして、末尾近辺であかされる、攻めと受けの関係性にかんする意外な(個人的に…)事実が…これまたとてもよかった。この攻めと受けは、は気が遠くなるほどダメでピュアなひとたちなんだなあ、という感じ。

 不満だったのは受けの名前くらいか…風宮でフミヤというのはちょっと…読みづらかった…。



2010年04月19日

沙野風結子『つる草の封淫』

 なんかタイトルがスゴイ。
 これは結構前に読んだんだけど、なんかお話が説明しづらく、感想を書くのを先延ばしにしてたのでした。

 とある忍びの一族で、「珠」という貴人の身代わりとして育てられた受け。育ての親の白い総髪の上忍(攻めその2)といっしょに、某若様の身代わりとして、ある藩の国元へと向かう。そこの藩主の総領息子(攻めその1)はもの狂いとして有名で、若様はそれをいさめようとして一悶着おきてしまい、総領息子の元に人質としてとらわれることになったのです。

 この作品での忍びは呪術師的な側面が強く、独自の設定が多くて面白いのだが、その設定が複雑なうえに、きっちりとは説明されずに匂わす感じで明かされていくので、特に最初の方はよくわからんかった。あと末尾の受けの結末は、ちょっと方法も結果も微妙な気が…。

 受けは典型的な(?)かわいそう受けで、某若様の精神情報を受け取る際に、若様がきれいな心の伴天連教徒だったことを知って羨ましく思ったり、攻め1もそんな若様に興味を持ったんだろうなとか思ったり、というあたりがよかった。
 攻め1は目が赤く(黒サガか、笑)、攻め2は目が黒いのがちょっと絵的に恐い。攻め1は冒頭あたりはかなりエグいサドで、あんまし感情移入できなかった。このひともかわいそう設定なんだけど、いまいちなんというか、キャラが立ちきってなかった気もする。設定がインパクトあるせいかなあ。
 攻め2はあとがきにもあったとおり、もたもたしてたらダメじゃない、という感じか(笑。もうちょっとだけ受けと心が通じ合ってもよかった気がするんだけれど、受けがちゃんと自分を律っしてたのはよかったとも思う。しかしとはいえ、末尾ではしっかり攻め2なのはよかった(笑。

 しかしこれが三部作になるということは、…攻め2には別の彼氏ができるんだろうな。ちょっと残念な気もする。相手は若様か、攻め1の侍従かな…(笑。



2010年04月10日

よみさし。

 名倉和希『閉ざされた初恋』。両親の借金のため、パトロンにひきとられた受け。18歳になったらパトロンと寝なくてはならないのだけど元借金取り(だっけ?)の初恋の人が必ず救い出してあげるとかゆって。…ってさ、パトロンはエロオヤジだと思うじゃんか。美貌のおばちゃんだなんて…なんというか、怖くて…パラパラ読み流すしかなかった…。

 秀香穂里『桜の下の欲情』。日本画家×編集者。受けは宇宙科学の雑誌がつぶれてエンタメ雑誌の編集になって、著名画家の担当に。この作家さんはやはり仕事の描写に違和感を感じることが多い。そしてキャラがひとりよがりな感じ。面白みが感じられなくて、後半は読み流してしまった。

 ひちわゆか『奥さまは18歳!』。さえない旦那様×高卒で主夫になった受けはヤクザのあととり。なんか、壮大なプロローグみたいだった。旦那様とどこで知りあったのか、どういう関係なのかとか、ぜんぜんわからんかった。オチは途中で見えたし、受けは元気で頑張り屋でちょっとツメがあまくて、あんまり魅力は感じられなかったのだが、攻めはよくわからんので受けよりももっとどうでもよい感じだった。

 雁須磨子『猫が箱の中』。小学生 ×高校生。ネコを介しての交流は、なんかあざとくていまいちだった。高校生のセンパイのが平凡だけどいいじゃん…と思ってしまった時点で、メインの話がますます微妙に感じ、読まなくていいかなという気になってしまった。

 松崎司『夜来香』。中華街の術師の戦いみたいな。古い作品なんだね… ちょっと絵もお話もこなれてなくてキツかった。ていうかこれBLじゃないよなあ…。

 仲唯由希『恋の依頼』。探偵×誰かにねらわれてる受け。プラチナ文庫のフェアに応募するのに冊数がたりなくて買ったのだが、文章が淡々としすぎてて作文みたいでツラかった…。受けと攻めの出会いも唐突すぎ、唐突なのにふたりともなじみすぎ。あと、受けを狙ってた犯人がむちゃくちゃすぎ。



2010年04月08日

夜光花『二人暮らしのユウウツ―不浄の回廊2』

 よもや出るとは思わなかった『不浄の回廊』の続編で、すっごくうれしい…!
 のだけれど、タイトルが軽くて残念…!…今回も担当さん作のタイトルらしい(笑

 イケメン塾講師×霊能力もちの天然ボケフリーター。
 前巻までに、呪われて黒い影をせおい人を遠ざけていた攻めが、攻めにめろめろの天然に助けられて、くっつきまして。
 今回は、同棲することになったふたりですが、ふたりの元同級生が攻めにアタックしたり、以前攻めがナンパした女性が攻めの子どもを産んだとか言ってきたりなんだりなのです。

 攻めは、前巻では、受けキモいだのウザいだのいいながら、受けの料理が大好きでほだされた…という感じだったのに、後書きにもあったように、今回はキモいだの言わなくなってあんまり受けをいじめなくなってしまったので、なんだか違和感があった。というかむしろもう受けラブラブで、堂々としてて受けのためにわりとあれこれ行動するので、違う人みたい(笑。でも暗い影が消えたのと、自分を助けてくれた受けには誠実にありたい、という気持ちから、いい方に変わったということなんだろう。けど未だに他の人には、外面はとりつくろうようになったけど基本冷淡で、けど受けにはすごい優しいので面白い。
 あと、すきとか一言言うだけでもテレまくって、あげく誕生日にすきって20回言う約束をさせられて、夜中にうなされて飛び起きるほど悩むのがかわいい(笑。未だにかたくなに霊的な現象を信じようとしないのもかわいい。

 一方受けは、霊能力のために社会とあまりかかわってなくて世間ズレしてなかったり、攻め大好きだったり、攻めへのちょっと天然な言動がおもしろかわゆかったのだけれど、今回はこれもあとがきにもあったように、話の展開上攻めへの嫉妬ばっかりで、取り憑かれてめっさマイナス思考になったりするので、ちょっと視点人物としてキツかったし、この受けの脳天気でかわいいところがあんまり出てなくって残念だった。

 そんなわけで、受けのかわゆい話をもっと読みたいので、さらなる続編を希望なのですv
 あと、やはりこの絵師さんはとってもうまくていいなあと思いました。



2010年04月05日

凪良ゆう『全ての恋は病から』

 サークルの後輩×先輩。
 マンションのとなりに越してきた王子系美人先輩は、周りにはがんばって隠しているけど実は汚部屋住人でした。後輩はゲイで、人肌に触れてないと禁断症状出てくる病気なのです。そんなわけで、先輩の部屋を掃除するかわりに、先輩を思う存分もふもふさせてもらうことになりました。後輩の好みはかわいい系なので、美人で性格もキツい先輩には興味がなかったはずなのですが、だんだん先輩のかわいげが見えてきて、云々。

  …それって面白いの?萌えるの?とかなり半信半疑だったのだけれど、意外と面白かった。ちょっとヘタレめだけれど三つ子の弟大好きな攻めが、ダメダメ受けの面倒を見て甘やかすことを心から楽しんでいるのとか、美人王子受けのダメっぷりのかわゆさとか、よい。
 ただそれにしても、ここまでピンポイントな設定というのは無茶すぎる気がした。この設定に納得するのは結構たいへんで、そこでつまづきかねない危険性すらあると思った…。受け入れちゃえば面白く読めるんだけど。

 そして…、『夜をわたる月の船』の時も思ったが、汚部屋は文章だけでも恐ろしい…。青いカビが舞い上がるとか、文字だけでも勘弁してくれという感じだ…(涙



2010年04月02日

和泉桂『宵星の憂い 桃華異聞』

 シリーズものらしいのですが、これまでの作品は未読なのです。
 某国皇帝の寵姫でありながら、衛兵とつうじて皇帝の逆鱗に触れ、男妓にされてしまった受け。もともと愛なんて知らないし、常連さんの一人が親切だったりして、それなりに過ごしていたのですが、優しい常連さんの兄がくだんの衛兵だったのですよ。受けを恨み、受けにいれこんでる弟の将来を案じる衛兵は、受けをせめさいなんで云々。

 シリーズものらしく、世界観がしっかりしているのはよかったのだけれどちょっととっつきづらくもあった。男妓ってなんかすごい言葉だし…。あまり重要ではないキャラの名前が結構出てきて、前作とかのキャラなのかそうでないのかとか考えてしまった。楼の若き主人とかはこれから主役になったりするのか…でも相手があの人ではメインストーリーはないのかな。あと、黄梅楼は男妓専門の娼館ということだけれど、SM専門という付加価値は必要だったんだろうか…。他の作品で活きる設定なんだろうか。

 設定などはともかく、基本的な部分はベタだったなあ。愛を知らない受けが心を得ていく、という。や、面白かったしベタでいいんだけど(笑。
 受けが目を潰されるよりもと男妓になることを選んだ理由が、わかりやすくベタで、でもよかった。攻めの気づき方はなんかもうちょっとド ラマチックでもよかったんではとは思う。
 前半、それぞれの心情がよくわからんかった。受けは、どうしてあの時攻めと逃げよう何て思ったんだろう…とか自分の気持ちがよくわからない、と言うのだけれど、それは愛を知らないキャラだからなんだろうし、あと昔の事情は回想で次第にあかされていく形式だからわかりづらいだけなので、受けの場合はむしろわかりづらさが演出になっていていいと思うのだけれど。
 攻め兄弟は単純によくわからない。兄は再会までは申し訳なく思っていたというのがよくわからん。なんでそれまで救いに来なかったんだっけ?
 弟は受けのことをほんとはどう思っていたのかよくわからん。後編というか兄エンドのために都合いいキャラになっちゃった感じ。兄弟3Pが、展開上かなり受けをおとしめる感じでキツかったのだけれど、その後あっけらかんと対応できる弟にはちょっと引いた。



2010年03月28日

四ノ宮慶『玩具の恋』

 高校生の受け(推定)は、年上のゲイともにつきそわれて初めて訪れたゲイバーで、絡まれてたところを助けてくれたメガネイケメンリーマンにひとめぼれ。友人から、彼は子どもなんて相手にしないし、遊びでしか人とつきあわない冷たい男だと忠告されるも、猛アタック開始、高校生じゃなくて学生だから!セフレでいいから!べつに初めてとかじゃないから!とか嘘ついたりなだめすかしたりしてなんとか関係をつくってゆくのですが云々。

 お話は、受けが子どもの勢いでがむしゃらに頑張り、愛など知らない攻めがほだされてラブラブ…という典型で、典型すぎたというか。
 子ども受けの一人称語りという点でも、あたしのニガテなタイプの語りだった。前半は受け視点一人称で、後半は攻め視点三人称というアシンメトリーな構成 もあまり好みではない。
 キャラ自体も受けは子どもっぽ過ぎるし、友達とかの見守り方もなんか暖かすぎて、都合良いキャラになってしまってるし、そういう作品のエクリチュールが受けを更に子どもっぽくみせている感じ。
 攻めは他人を拒絶するようになった経緯がなんか意外とありがちだったのだが、なんというか、その経緯が演劇的すぎてちょっと薄く感じてしまった。あと、二編目の攻め視点では、あまりに急に受けラブラブすぎてちょっとついていけない感じだった…。
 なんか、受けも攻めも、自分の恋に酔っぱらいすぎだーという感じで、ちょっと次第に読者置いてけぼりみたいな感じだった…特に二編目とか。

 奈良千春の絵はなんだかだめになってきてしまったなあ…。



2010年03月22日

いとう由貴『誓いが永遠にかわる海』

 フラッグカウンターを右サイドの下の方につけてみました。
 はたして海外からのお客様はいらっしゃるのだろうか???と思って。

 書道のカルチャー講座のアルバイトのためちょう豪華客船にやってきた日本人受け。なんか狭い船室におしこめられて様子がおかしいぞ?と思っていたらオークションで売りに出されてしまいました!しかも落札者はあきらかにドSの変態貴族…必死に逃げ出してきたはいいけれど、船の中では逃げ切ることは不可能なので、もう身投げするしかないのです。ところが甲板で出くわした金髪イケメンがかくまってあげるとかゆって云々。

 ベタな設定あらすじだなあ、と思ったのですが、本編もこのまんまでした。お話の筋も、純粋純情なかわいらしい受けに、本気の恋をしたことがないイケメン富豪がメロメロ…というCPもベタだし、そこになにかひねりがあるわけでもないし。なので、まあ面白くなくもないけれど…という感じ。
 絵の影響もあると思うんだけれど、受けがやや性別受け気味なので、ひねりを入れられないというのもあるのかもしれない。前半は流されるままにオークションにかけられ、あとはずっと隠れているだけだし。でも後半では頑張って、ただ守られてるだけじゃなくて自分もなにかしなきゃと思ったり、自分だけ逃げてしまうと他の被害者が救われないんだということに気づいたあたりはよかったのだけれど(しかし、ドS貴族の被害者のことを考えるに、受けはもうちょっと早く動いていたらよかったのに…とは思う)基本的にあまり主体的な受けには見えない。
 攻めも特に特徴のないイケメン富豪。しかしその友人のICPOの刑事は、まあ必要なキャラではあったのだろうけれどなんか妙に存在感があるのでかえって、必要だったのか?という印象になっている気がした。



2010年03月20日

高遠琉加『甘い運命』

 『愛と混乱のレストラン』の、パティシエ×恩師のスピンオフ。

 うまくあらすじ書けないので前半三分の一くらいネタバレですが。
 イチはDV母親にあやまって怪我をさせてしまい、以後祖父宅で育つ。一人暮らしをしていた高校時代には隣家の保母さんのDV彼氏を、もみあううちに刺してしまい、少年院へ。なぜか担任のメガネがしょっちゅう面会にくるのだが、ある時を境にふっつりと姿を見せなくなってしまう。少年院を出たイチは実家に戻るも、家族関係もうまくいくわけがなく、そんな折にあの薄情恩師がやってきて、姉の子の面倒をみなきゃなんないから一緒に暮らして手伝ってくれないか、とかゆって云々。

 イチがかわいそうで、単純にいいお話だ し面白かったのですが、…これ、BLじゃなくてもよかったんじゃ…(笑。腑に落ちないのは、イチがせんせいをそういう意味ですきなのはなんでなの?せんせいもなんでイチすきになったの?と いうとこだけなんだもの。いいけどね。
 こういうイチみたいな不器用なキャラは、この作家の本領発揮という感じでとても巧く書かれていて魅力的だ し面白かった。せんせいは家の片づけ下手だったり、甘いもの好きだったりしてかわいい人なんだけれど、でもちょっと薄いかもしれない。もうちょっとキャラ 濃くてもよかったのではなかろうか。どうでもいいけど家の片づけできない甘党って攻めっぽくないか。せんせいの姉の子の海ちゃんはかわいいし、血縁のない関係性を描く上でとても重要なキャラなんだけれど、海ちゃんにまつわるエピソードが長すぎて、恋愛面の薄さと相まって、やっぱりこれBLじゃなくていいんじゃあ…という気になる。

 タイトルは引用だろうしベタだけれどいいと思う。辛い過去満載のイチがパティシエになる、というお話にとてもよく合っていると思う。

 あ、あとリヒトが海ちゃんをそっけなく気遣うとこが萌えた!



2010年03月19日

高岡ミズミ『人類学者は骨で愛を語る』


 元刑事の探偵は、数年前に行方不明になった息子を捜して欲しいという依頼をうける。そんな折、その少年がかかわっていた教会の裏山で白骨死体がみつかり、その調査の途中で若く美しく優秀な人類学の準教授と出会う。骨が大好きで天然変わり者の準教授は、男らしい探偵にどきどき、恋をしてしまったと気づき云々。

 こういう設定の話のご多分に漏れず、事件にまつわる話のパートが結構長いのだが、つまんなくはないけどちょっと冗長でいまいちだった。どんでんがえし的な面白さをねらったんだろうなと思うのだが、それが冗長さにつながってしまっているというか。
 恋愛話としては、特に可もなく不可もなく。天然純粋な人類学者が直球アンド意図しない変化球で恋に頑張るのはカワイイのだが、書き方が若干あざとくも感じた。探偵はカワイイ人類学者にタジタジなヘタレ。

 なんか恩師の教授とか意味ありげあったけどあんまし活躍しなかった気がするし、シリーズ化するのかなという気も。



2010年03月18日

五月緑子『ひーいずまいですてぃにー』

 以前どこかで紹介を読んで、トンデモな設定に興味をひかれていたのでマーケットプレイスで購入したのですが…。

 東大合格率100パーセントのちょう優秀塾は、実は二人一組でエッチしながらお勉強し、ちゃんと勉強が出来たらそんなこんなが出来るし、成績がアップすると好きなパートナーが選べるので、みんな頑張って勉強するのです。

 設定のトンデモさ加減とかアホさ加減はいいと思うのですが。ちょう天才児で人生に倦んでた攻めが受けに固執するあたりも偏執的で良かったし。でも、元気で悩まない、色気皆無の受けの一人称というのがツラかったのです…。

 関係ないけれど、葛井美鳥って、生徒・学生=すべからく子ども、なんだろうなあ。この挿絵もあまりに子どもっぽいけれど、別作品の漫画とかでは大学生でもこれくらいだったりするものなあ…。



2010年03月05日

いとう由貴『囚われの花嫁』

 というわけで(?、いとう由貴の傲慢最低攻めものコンプをめざすことにしたわけですが、とはいえ、これはちょっと行き過ぎだと思ったのでした。

 両親を事故で失い、父の従兄弟のフランス人に育てられた受けなのですが、実はフランス人は父がラブで、受けを藤壺の身代わりの若紫よろしく父の身代わりにしようとしてたそうで、16歳の誕生日に手込めにされてしまいまして。

 後書きで作者はこの攻めを変態攻め、と称しているが、これはちょっともう、狂気の域でしょう…。読んでてつらい。受けを父親として大事にしたり、受けが逃げると代わりの男を捜してみたり、戻ってきた受けはもう汚れだからとかいって虐待してみたり、流石にいろんな許容範囲を超えてるよ!
 受けはそんな攻めとの生活に耐えられなくなり逃げ出したり、その逃亡生活の描写が妙に長かったり、逃亡中に攻めが自分自身を見てくれないことがつらいのだと攻めへの想いを自覚したり、ほんとにあの攻めでいいのか?という感じなのです。そして結局この受けも攻めの元に戻って、末尾は狂気じみてきてた気がするし。
 そんな末尾で唐突に、攻めが自分はほんとは受け自身をずっと見てたのだ、とか気づいても…ほんとかよ、というか…受けはそれで納得しちゃうのかよ、というか…ちょっとこの二人、今後大丈夫なのでしょうか、という感じでございました。



2010年03月04日

いとう由貴『愛よ、灰にかえれ』

 これもうね、タイトルがスゴイよね(笑

 あとね、裏表紙の梗概冒頭、「元農民のユーニスは孤独を訴える皇帝ファハルに寵愛され、心から愛を捧げていた」云々て、元農民てなんか小説的には率直すぎる表現な気がしてスゴイなあと。
 まあそんなわけで、元農民の受けは、ひょんなことからオスマントルコの皇帝と出会い寵愛されんのですが、皇帝に裏切られ、数年後復讐しに戻ってきてそんなこんな。

 梗概で既に書かれてしまっているのはネタバレしすぎだなあと思ったのだけれど、皇帝はもともと脳天気に人を信じる受けにイラついて、かわいがるフリをして裏切って絶望させてやろう、とかいう傲慢かつ最低な攻めなのです。でもむしろ、いとう由貴だし(笑、そういうド最低な攻めを堪能したい…とは思ったのですが、ですが。なんというか、終盤であまりにあっさりと受けにごめんなさいしてしまうので、ちょっと物足りなかった。もっと葛藤するとか、なんか…なんというか、物語的な展開がほしかったなあ。
 受けも、裏切られてももてあそばれても皇帝が好き、というのはベタだけれどいいのだけれど、もうちょっとひねりがほしかった。

 もうちょっと書いて欲しかった箇所がいくつかある感じなんだけれど、たとえば皇帝が、自分の裏切りで純真な受けが変わってしまうのが面白い、とか言ってる部分とかは、もうちょっといろいろ書いて欲しかった気がする。実際受けは皇帝を憎んで復讐しようとして戻ってきた訳だけれど、受けの変わらなかった部分とか、変わってしまってもそれでも皇帝を受け入れられる度量とか、そういうとこを皇帝がもっとしっかり理解して受けを受け入れてほしかった。受けを手放せないから、受けがいないと眠れないから、というんではなく、もっと受けの価値をかみしめてほしい、というか(笑

 まあでも、やっぱこのタイトルがスゴイので、いいんです。



2010年02月28日

高尾理一『恋するバンビーノ』

 あれ…え、どうして…萌えなかったの…?
 高尾理一で、タイトルからも明らかにコメディ路線の高尾理一で、しかもイラストが大和名瀬!こんな萌えが確約されたコンボで、どうして萌えられなかったのか…。

 高校生でクールなイケメンでモテモテだと思われているけれど実は童貞、の主人公。エスプレッソに惚れてバイトをはじめたカフェの美人店長がゲイだと知って、気になって仕方がありません。

 なんだろうーこの残念っぷりは…。
 キャラ設定があまいのかなあ。外面はイケメンモテ男、実はオクテというのはとてもいいと思うんだけれど、なんかいまいち性格がわからんし、魅力がない。大げさになってくモテ男レジェンドにおののきつつ、童貞だとバレるのこわさにそれを助長したりと外面はクールぶって、という矮小さが、かっこよくないのはいいけれどあんまり面白い感じで語られてもいなかった。そんな経緯から感情が顔に出にくい、けど内面ではあたふた、というのも描写がうまくなくってもったいない感じだったかな。店長は主人公の気持ちに全然気づかずに惹かれつつ、でもこんな年下のイケメンモテ男だし自分みたいなおじさんなんて…と悩む、のはベタながら面白いと思うんだけれど…。主人公も店長も、設定はおおむねいいはずなのに、描写がしっくりきてなかった感じ。

 お話も全体的に地味で、山場にもかけるし、これまた描写がいまいちなのであんまり面白くない。主人公に惚れてるクラスメイトが店にいりびたって、主人公も店長もイライラしてるあたりが長くって、読者もイライラしちゃうんだろうな。

 そんなこんなで、高尾理一はコメディ得意な作家だと思うんだけれど、今回はなんだかからまわってしまっていた感じ。素材はいいはずなのに、せっかく大和名瀬の挿絵なのに、ああぁ~もったいない~!!!



2010年02月23日

橘かおる『砂漠の鷹と暗殺者』

 旧版の感想はこちら

 文庫は買っていなかったのですが、書泉でペーパーつきだったので買ってしまいました。ら、ペーパー以外でも、旧版の内容にプラスして、小冊子の読み切りと書き下ろしを収録していたんですね。わーい。
 本編はあたしの中ではかなりお気に入りな作品なのですが、しかし後日談はちょっとイマイチだった。皇太子×その命を狙うアサシンという微妙な関係がせつな面白かったのに、後日談ではイケメンアラブ皇太子×愛され秘書見習い、に関係性が落着いてしまったからだろうなあ。
 あと、イラストがいまいちかも…旧版のに見慣れてしまったせいもあるかもしれないけど…。



2010年02月17日

朱西美佐『暁の落花』

 日本大使館職員×日中ハーフのスパイ少年。
 旧正月の上海で、情報を得るための任務で攻めに近づいた受け。色仕掛けなんて初めてでしたがせめて素敵なひとでよかった…と思ってたら、情報が漏れたのか、攻めはすぐにいなくなってしまいました。数年後、日本を訪れ東大留学生に化けて任務につく受けは、攻めに再会。しかし実は攻めは公安の刑事で、受けとは敵対関係にありまして。攻めは受けの事情をうすうす感づきつつ、なんかこんなに他人が気になるの初めてで云々。

 なんかいまいち面白みに欠ける展開だったなあ。ありきたりというか。スパイ云々の事件にまつわる展開は、まあ恋愛がメインのBLでは従の物語だから、あまり期待しすぎてもいけないのかもしれないが、けどやっぱ凡庸だった。
 ていう主にあたる恋愛物語もありきたりで、敵対してる関係だけれど惹かれ合う二人、というくらいの印象しか残らなかった。
 キャラ自体も凡庸だった。受けはもっとかわいそうな感じのほうがよかったのではなかろうか。や、かわいそうな設定なんだけれど、あんましそれを活かすような語りができてなかったような感じだった。



2010年02月10日

絢谷りつこ『宵山に啼く恋し鳥』

 美術商のあととり×旅館の息子。
 昭和初期京都、縁あって受けの旅館に滞在した攻めとそんな関係になったのですが、欧州留学についてこいと言われてまして。でも省みるに、受けはよくできた双子の兄にくらべて不出来で足手まといで、病気の父のことや旅館のことで一人でがんばってる兄や家族をおいて、自分一人だけ好きに生きるわけにはいかないと反省したのです。
 攻めは気が向いたらおいでと言ってくれたけどそんなわけなので、結局攻めとは別れたきりだったのですが、その後兄が亡くなり、ある理由から受けは兄の身代わりとして生きることを決意。けど留学から戻った攻めがやってきて、受けは死んだことになってるので悲しんで、しばらく旅館に逗留したいとかゆうのです。

 『そして、裏切りの夜が始まる』に引き続いてか、これも兄弟入れ替わりものだったけれど、なんかいまいちだったなあ。
 昭和初期京都という舞台と、攻めがそこに居るのに名乗り出せないもどかしさ、というのは面白そうだなあとおもったんだけれど、どっちもいまいちだった感じ。
 京都描写はいいけれど、受け思考によりそった地の文では標準語なのに受けの発話が京都弁というのは違和感があった。
 受けの入れ替わりについては、期待したほど面白くなかった。受けは出来た人だった兄のふりをするとかいって、全然素のままっぽいし。まあ兄描写少ないからよくわかんないけど、攻めや他の人の前での受けとそれ以外での受けが全然かわんないから、なんだかなあという感じ。
 それに、入れ替わった理由が、一応設定されてはいるけれどなんで??という疑問がぬぐえない。金貸しにしたって、別に入れ替わりがなくっても別のごまかし方あっただろうに…。入れ替わってる理由に納得ができないので、入れ替わりのせいで攻めに気持ちを伝えられない切なさというのもあんまし感情移入できなかった。

 あと、受け兄の妻がすごいかわいそう…ていうか、受けが兄のふりをしていた間、ほんとに入れ替わりに気づかなかったのか?受けはどうせ身代わりがバレるしかないだろうし、この義姉の扱いどうすんだと思っていたら、結局あまりにおざなりなオチだったしひどすぎる…受けも作者も…。昔よりもこれからの方が、受けだけ幸せになっていいの?って感じなんだが…。
 攻めはあんまし見所はないかなあと思う。



2010年02月07日

いとう由貴『そして、裏切りの夜が始まる』

 女手一つで兄弟を育ててくれた母が亡くなり、某ちょう金持ち企業体の社長さんの子である異父兄弟の弟も事故で植物状態になってしまって、高校やめて働いてはみたけれどもう打つ手がないのです。
 そんな折、病院のテレビで弟の父の一人息子が亡くなったことを知ったのですが、血族で経営をつづけてる社長さんとしては、弟の存在を知れば後継者として欲しがるだろうに決まってるのです。なので受けは、弟のフリをして社長さんに訪ねに行き気に入られ、兄(ほんとは弟)の治療費を工面して貰おうという大胆な計画をたてるのですが云々。

 大胆な計画すぎて、物語の中のことながらハラハラした(笑。DNA検査までするし。
 なんでわざわざ弟のフリをするのか、単純に息子さんの治療費出してくださいじゃあダメなんか…と思ったけれど、ちゃんと入れ替わりが必要な理由は書かれてたしまあ納得もできたのでよかった。

 攻めは社長のかなり年下の義弟で受けと同じく愛人の子、一族ではへらへらしてると見られてるけど結構社長は重んじてて、受けが本物かどうか見極めさせ、その後目付役にさせる。攻めは受けの入れ替わりに気づいて、黙っててやるかわりに身体を好きにさせろ、とか言って、実は大きな計画がありまして。
 最後のところで一瞬、攻めの計画が黒すぎるのではとドキリとしたが、流石にあれは計画のうちではなかったのでよかった…。

 というわけで大筋はBLよりも入れ替わりのドキドキを楽しむ感じで、それも結構あたしは面白かった。なにしろこの入れ替わりはいつまで続くのか、いつ受けは自分に戻れるのか、ていうか最後どうすんのか、弟が目覚めるのか、受けはどうやってこのにっちもさっちもいかない状況から逃げるのか…とかいろいろ思ってたんだけど、意外でもあり順当でもあるラストだった。この作家、結末が大抵(たぶん無自覚に)容赦ないよね(笑。そういうところが好きです。

 BLとしては、これは実は意外にも攻めかわいそうもので、愛など知らない攻めが受けにほだされるという王道で、かなりあたし好みです(笑。王道ながら、受けが攻めにつくしまくって心を癒すというような王道ではなくて、受けが弟のことをすごく大事に思ってるのを見てイラついたり、受けの他愛ない手料理に執着したり、と、かわいそう度が高くてとってもいいです(いつもながらひどい感想だ。
 けどやっぱりそんな攻めが受けへの愛を自覚して受けに癒される、という部分まで読みたいわけで、この攻めは無自覚なままなので、ちょっと物足りない。ていうか受けの方でも、最後まで攻めへは反発と同情しかなくって、クロエ用語で言うところのエヴァ最終話系というか、え、あとページこれだけしかないのに、受けは攻めへの愛を自覚できんの?と焦っていたら、ほんとに同情で終わってしまったので、とっても物足りないのですよ!!
 二人とももうちょっと幸せにしてあげてほしかったし、後日談とか入れて欲しかったなあ。



2010年02月05日

ひちわゆか『チョコレートのように』

 風邪なのか、花粉症なのか、それが問題だ。 とりあえず金柑買ってきた。

 そつのないイケメン同期にプレゼン資料を盗用され、茫然自失で泥酔してたら、みずしらずのうさんくさいイケメンに、自分はくだんの同期に彼氏をとられたから、一緒に復讐しようぜ!とかゆわれました。ハア?って感じだったのですが、なんかよくわからんままに、同期好みの男になって誘惑しろとかゆわれてあれよあれよとゆう間に改造を施される始末。

 すっごく面白かった!最後までタネがわかんなかった!(それはあたしがバカだから!
 攻めが女性と結婚してたことがあり、男に惚れて離婚、その男を寝取られ復讐を考える…という設定には、こんな攻めを好きになれるだろうか…と心配したりした。
 受けが途中でどうでもよくなって復讐を諦めたので、同僚はこのままフェイドアウトなのか、でも報いをうけてほしいなあでもそしたら陳腐になるかなあと思っていたら、ちゃんと因果応報展開だったうえに、それがたんなる懲罰ではなくってどんでん返しのミソでもあったので、すげー!と思った。

 というか、この作家はまだ三冊くらいしか読んでいないのだけれど、やっぱり初発の展開がとってもトンチキな人なんかなあ(笑。軌道にのっちゃえば、展開も心情描写もスムーズで、冒頭のトンチキさも全然気にならなくなるんだけれど。

 キャラ自体はわりとふつう。
 攻めはオレ様系で常にマーブルチョコレイトディスコ、じゃなかった、チョコばっか食べてるアニメ名作劇場大好き男(なんかBL小説のアニメ好きって名作劇場好きが多くないか?たまには萌えアニメ好きのキャラとかでもいい…のか?)で雑種の老犬を飼っていて、傲慢強引だけれど心のキズとか人情味とかのある、キャラとしてはわりとよくいるタイプだと思う。
 受けも、美形なのに黒縁メガネに服装ももっさりで対人関係もヘタで、攻めに改造されて美人になっていく、というわりとよくいる受け。

 前半、受けが攻めに振り回されてもうやだやめる!とかずっと言っている感じなので、流されてるくせにとちょっと自己中に見えてしまったし、はやく諦めないと話が進まないじゃないかと少しいらいらもしたのだが、けれどこういう反応しかできないのも当たり前の状況だよね。受けは信じてた友人に裏切られて自分の企画も横取りされて、そうとうに傷ついてただろうしいっぱいいっぱいだったろうし、こんな攻めに翻弄されたらそれはブチ切れるよなあ、と…(とんでもない指揮者のせいで、バイオリニストなのにバイオリンぶんなげた人みたいに、笑。
 だから、ゴルフのとこで、攻めが受けをあたたかく慰めて、自分もいろいろ言い過ぎた、とか反省しているとこがよかった。しかし後から考えたら、攻めはそういうつもりなんだったら最初からもうちょっと優しくしてあげたらよかったのにとは思ったが(笑。
 あと攻めの復讐計画には、なんか他に手ははなかったのか、という気もするんだけれど(笑、上述の優しくなさと考え合わせるに、受けの気持ちを奮い立たせてやりたかったのかな、というふうにも思える。そのあたり、もうちょっと言語化して説明があってもよかったかなあとも思う。

 あと回収できてないのは、攻めはいつからゲイなのか?という謎か。それと、職場のひとらは攻め受けがつきあってるのを知ってるのかどうか。攻め秘書は知ってるぽかったけど、その辺りあんまり説明がないし、受けの同僚も知ってるのか知らないのか微妙な描写だった。



2010年02月01日

水島忍『憑いてる純愛』

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 地方から東京の高校に進学したら、なんか幼なじみに似てるイケメン同級生がいて、やたらからまれていじめられるのですが、周囲はじゃれあってるとかいうのです。ところで修学旅行の旅館で肝試しをしたら、ちょっと霊視できちゃう受けは女性の霊に憑かれちゃったみたいで、なんか身体が勝手にうごいていじめっこ同級生とそんなこんなになって勘違いされっぱなし。

 なんかいまいちだったかなあ。
 受けは元気かわゆい系で、攻めとのあれこれは霊のせい、とか思いつつドキドキしてんの認めたくない感じ。攻めは受けをいじめてた理由とか考え合わせるに不器用だということなんだろうけれど、なんかいまいちよくわかんんあいキャラになってしまっている気がした。
 霊の設定はあまりうまく活きていなかったような気も…末尾ではむしろ霊のお話が中心なんだけどね。
 全体に、キャラもお話も、何がよくないというわけではないのに、なんとなく座りの悪い印象があった。



2010年01月30日

高月まつり『モンスターズ・ラブスクール』

 おおぉ。○にAのマークみたいのはダビデの星だったのか。

 妖怪学校の先生×狐少年。
 霊能師一族にいながら全然能力がなく地道に暮らしていたリーマンなのですが、勤めていた会社が倒産し、一族をたばねる祖母の紹介で教員免許を活かして先生をすることになりまして。もちろんただの学校ではなく、古今東西の妖怪が人間社会のことを学ぶ学校だったのです。

 ありがちなネタではあるけれど、BLってこともあり『がっこうのせんせい』とかぶる。
 お話自体は特に可もなく不可もない感じ。ちょっと文体がライトというかお手軽に書きすぎなきらいはあるし、感情の動きとかあまり丁寧に書かれていない印象もある。
 でもまあとりあえず、こんな学校で仕事したい…と思ったので、いいかなと。

 攻めは体温低い感じでなんかあんまし好きになれなかった。感情移入できないから、受けを受け入れたのもなんでなのかいまいちよくわからない。頭なでちゃいけないってのちゃんと聞こうよ。
 受けは子どもっぽいのだが、実年齢は七十歳ちょっと、外見は青年という設定。天然素直のかわいい受けだが、外見は青年というのがいいので、漫画のほうがこの設定が活きたかも。
 その他の妖怪もいろいろかわいい。
 絵は、こうじま奈月はこういう受けをちゃんと青年で書いてくれるのでいいと思う。



2010年01月25日

西江彩夏『純情な人のように、さよなら』

 フリータっぽい若者、実は劇団所属×美人メガネ外科医。
 表面だけ取り繕っていつもにこやか穏やかな外科医は、私生活では美少年取っ換え引っ換えの不誠実っぷり。ある日駐車場で出会った、趣味ではないけど上背がある美形をひろってお持ち帰りしたら、おいしくいただかれてしまいました。大ショックだったのですが、傍若無人な若者になんかかんか私生活に入り込まれてしまい、次第になじんできてしまいまして。

 あとがきを読んでて、ああそういえばアンハッピーエンドっぽいタイトルだなとやっと気づいた。なんとなく、このタイトルでもアンハッピーエンドではないという確信をもっていたのはなぜなんだろう。木原音瀬とかじゃないからか?(笑

 前に読んだのもその傾向があったけど、攻めの行動原理がよくわからなかった。特に前半は出会い含めて結構むちゃくちゃな人だしそのせいもあるかも。淋しげな受けが気になるスキになる→無理矢理じゃないと手に入らないだろうと暴挙→なんかひねくれ者なのがわかって恋はさめたけれど、同情プラスラブの予感、なのか。
 受けは無理矢理されて、それでもなんかずるずる受け入れてしまうあたりはよくわからん。後半での好きだけど別れたい、というグダグダは、こういう系統のお話のセオリーというか、いったりきたり唐突だったりしてもまあいいんだけれど。

 むしろ受けはキャラがわかりづらかった。不快なことがあっても外面だけとりつくろって微笑んで、相手をバカにしてる、というキャラで、喋りも相手を小馬鹿にしたようないけすかない感じなのだけれど、地の文で示される内面とはちょっと落差があるので、わかりづらい。まあそれが彼の性格だってことなんですけどね。でも特に前半、病院での仕事の描写が少ないせいか、そういう外面があんまし描かれてなかったので、余計にわかりづらいように感じた。
 あと過去のトラウマで人を信じるのが怖い、というのがよくわからん。結局、父に去られたことが過去のトラウマだったの?父のことを信じてたのに、というような記述がないし、トラウマトラウマという言葉ばかりで実がよくわからなかった。

 今回はなんかちょびっとだけ高遠琉加っぽい文体な気もした。
 あと「嘘でも優しいだろう」という攻めのセリフが、なんかピロウズっぽくていい(笑。

 桜城ややの絵がなんかちょっとびっくりするくらいデッサンがおかしい。もともとしっかりしたデッサンの人ではなかったけれど、それにしてもちょっと…という感じ。せっかくゴツい男CPで桜城ややなのに、あんまし色気もないし…。どうしちゃったんだろう…。

 『小説b-Boy』2月号には番外編が載っているけれど、これはいまいちだった。攻めの撮影と受けの元に帰ってのラブラブ話なんだけれど、映画の監督のエピソードがメインにある感じなのと、受けの決め台詞っぽいのがあざとい感じがしてしまった。



2010年01月21日

ひちわゆか『12時の鐘が鳴る前に』

 高校生の受けは、実家に帰ると義理母に気を遣ったり義理姉にこきつかわれたりするし、夏休みも寮に残ることにしたのです。そしたらお世話になってる知り合いから、知人がケガをしたので夏休みの間家政夫してくれないかとか言われて、門限までということで引き受けたら、先方は人嫌いのイケメン外科医でして。外科医の方では、紹介者がアレなので、受けはデリヘルから派遣されてきたものと勘違い、いじめて追い返そうとするのですが、受けは負けん気で居座って、半ば無理矢理家政夫していくうちに、そんなこんな。

 この作家はあたしはまだこれで二冊目なのだけれど、なんか攻めと受けが交流していくための設定がトンデモな設定というか、無理くさくないか(笑。それでも面白いからいいんだけれど。なんというか、お話がちゃんと凝ってて面白い。懐中時計のエピソードとか、最初はネットで知り合った人と時計の問い合わせくらいでなんで交友関係できたんだろうと思って違和感があったけれど、ちゃんと伏線になっててよかった。

 というわけで、ある事情から人間嫌いで世をすねた外科医×純で負け嫌いで無自覚ながら美形な高校生。
 受けは家族関係とか過去のこととかいい感じにかわいそうだった(ひどい感想だ。
 攻めは変わっちゃった性格はそう簡単にはかわらないというか、なんというか、受けをもっとべたべたにあまやかしてほしい感じがした。ラストはお伽話っぽくていいにはいいんだけれど、ちょっとラブラブ要素が物足りない感じ。後日談も面白いけどラブは物足りない。
 紹介者の友人が風俗王で、いいキャラだった。彼のせいで起こる、攻めの受けにたいするいろんな勘違いもベタでよかった。



2010年01月20日

洸『恋―La saison d’amour』

 臆病なゲイのリーマンは、上司と身体だけの不倫関係で、ノンケを好きになっても告白もしないしきちんと恋愛したことない感じ。ある日訪れたレストランのウェイターに目をうばわれて、通い詰めてしまう。

 梗概のせいか、思ってたのと違った。
 春夏秋冬の四章立てなんだが、ウェイター←リーマンなのは、春夏秋冬のうち春だけで、春でもうくっついて、夏以降はウェイターはいろいろあってやめてた演劇に戻って、人気俳優×一般人というCPになるので、なんか話が違うじゃないか、という印象だった。羊頭狗肉とまでは言わないが、羊頭鶏肉くらいな感じか?(笑。
 春初期設定で攻めがウェイターである必要はあったのかな。キャラづけにもあんまり関係ないよね。あと受けも、リーマンである必要も、不倫してる必要もあったのかどうか。なんか会社のごたごたも不倫も夏以降はなんも関係ないし。

 まあそんなわけで、結果的にはイケメンノンケ×臆病ゲイが少しずつ仲を深めていくという、わりとありきたりな話だった。

 受けは臆病で、攻めの近くに居られるならなんでもするしとにかく負担になりたくない…というキャラで、それが最後には少し強くなったのでよかったかな。でも攻めにまとわりついてる女性への決めゼリフは個人的には芝居がかっててちょっといまいちだった。
 攻めはなんで受けをすきになったのか…いきなりゲイのお客さんにあんなふうにせまられて、なんで受け入れたのか、その辺が書かれなかったのでよくわからなかった。過去設定とかあわせて考えると、恋愛体質というか誰かに依存したいということなのかね。なんで受けでないといけないのかを、もうちょっと丁寧に書いて欲しかった感じ。



2010年01月18日

仔犬養ジン『愛の報復』

 面白かったです。
 ファミリーの血のつながらない五人兄弟のうち、長男は義父を殺して逃亡、末弟は長男を慕っていただけにかわいさ余って憎さ百倍で、彼を追い続ける。十数年後に潜伏先のイタリアのある島で長男を発見し、報復のために今は恋人となった四男と計画をねりねり。

 スペインものは慣れてないので、名前とか覚えづらかった。オリヴィエはともかく、ガエルはしばらく蛙ばかり連想してた(笑。あと歴史的な事実もやっぱりそうちょくちょく触れるものでもないので、ファランヘ党とかフランコとか出てきても、えーと…と思い出すのに時間がかかる。

 末弟の長男への愛憎相半ばしての執念の復讐とかはよかったのだが、長男の気持ちはよくわからんかった。実は長男も末弟好きだったよ!再会できてよかったね!ということらしいのはわかるんだが(笑、再会場面から愛の告白までがよくわからん。ペドロのためなら末弟を拷問するとか、昔は自分を愛してくれてたけど今は違うんだなとか、昔のかわいい末弟との思い出を汚すなとか言いつつ、そんなに自分を愛してくれてるのか、やっぱお前は変わってないとか言う。むむむ。
 長男は、末弟の自分への気持ちは気の迷いや憧れだろうと思ってる→逃亡中に、末弟は本気だったんだと気づき、自分の気持ちにも気づく→末弟に会おうとするが会えず、神父を殺したのは末弟だと思い、末弟は自分を憎んで変わってしまったのだろうと思う→もう末弟に会わず、かわいい末弟の思い出だけを胸にひっそり生きていこう→再会、まだ自分を好きなんだったらすべて受け入れよう、というところ?かなりわかりづらいと思うんだが…あたしの読解力がおそまつなのだろうか…。
 まあでもいいんです。長男はカコイイし、オリヴィエという名前もオリという愛称もいい。末弟のガエルは黒髪にオリーブ色の肌でお色気むんむんで男にモテモテというのがとってもいい。

 絵がすごいよかった。初めて見る絵師さんなのだが、なんかすごいあたしの好きな感じの絵だ。ただガエルの肌は、あのトーンではオリーブ色というには濃すぎるのではないかとは思った。

 『小説b-Boy』2月号に後日談の短編がのってて、オリヴィエとガエルがふつうに甘々で、それもよかったですv

 この作家はミステリもしくはサスペンス色のあるクライムものの中でBL、という感じの作風なんだなあ、と思いつつ、サイトを拝見したらそれだけでもないみたいなので、今後の活躍がますます楽しみなのです。



2010年01月17日

あすか『ラブちぇん』

 警視庁キャリア組ながら失態で大阪に左遷されたクールビューティメガネ。東京に戻るために、歴史はあるけど今は弱小な某組のトップと知り合って、情報を得ようとしてたら、なんか向こうも狙ってたらしく、いえ情報じゃなくて貞操を。組み伏せられそうになったところへどっかの鉄砲玉が来て、逃げようと窓から飛び出したら身体と中身が入れ替わっちゃったんです。

 ベタだけどすっごいすきなんです、入れ替わり設定。
 そんなわけで好き設定補正もあるだろうし、ライトだったけれど、面白かったです。

 攻めが受けのかわりに警察の仕事をして、オラオラな感じでうまくなじんでて受けが羨むとことか、入れ替わり物の予定調和的でよかった。ただ、なんで受けが攻めを好きになったのかはいまいちわからんかった。
 後半は、受けの中に攻めに惚れてる東京の組の息子の精神?が入ってしまう話で、これも面白かった。ただ、引き続きなんで受けが攻めを好きになったのかよくわからないままなので、結構覚悟きめて関係続けようとしてる受けのモチベーションが微妙にわからなかった。

 ところで今リンクはろうとしてて気づいたのですがこのタイトルは地方局の某番組のタイトルらしいです。



2010年01月14日

榊花月『地味カレ』

 地味な社長秘書×新入社員。
 社内広報の仕事で、メディアでももてはやされてるイケメン敏腕社長の取材をしたら、社長に口説かれたのですが、むしろ地味秘書が気になるスキになるエッジ。

 …なんだこれー。イケメンに惚れられてるのに地味男を選ぶとかいう梗概はベタですごい面白そうだったのになあ。

 まず、会社内でのどーでもいい描写が異常なほど長い。受けをいびるお局上司とか、社長秘書をねらう他部署のスイーツとか、いかにも新入社員な受けの仕事っぷりとか、丁寧というよりはむしろダラダラと書かれてる。その上にだ、受けの新入社員としての不安とか就活の後悔とか、学生時代の仲間と会うと学生ノリが抜けないとか、仲間のはじめたダイナーがどうのとか、ほんとになんだこれ。
 これは、新入社員の学生時代と会社員生活のはざまのゆれうごく状況がメインの話なんですかね?そういうの期待してなかったんですけど、なんでこれBLでやろうと思ったんですかね?しかも別にうまく書かれているわけでもないし、面白くないんですが…。

 じゃあイケメンより地味男を選ぶという筋が面白いかというと、まずそもそも上記にさかれるページが多くて恋愛話がうすい。更に、イケメンは受けを気に入ってはいるものの、酒癖がわるくてからかった程度のもので、地味男を選ぶという落差を感じさせるにはアテ馬として役者不足すぎ。
 地味男も最初の印象こそ地味だったものの、性格はけっこうおちゃめだったり反応に困って受けに冷たくしたりとぜんぜん普通の人で、地味男の醍醐味がまるでない。更に受けが学生時代の軽音仲間と出かけた新人バンドのライブにイケメン姿で登場とか…もうぜんぜんわかってない!わかってないよ!

 というわけで、いろいろな意味でガッカリでした。タイトルと梗概は面白そうだったので残念だ。梗概買いしちゃったので、ちょっとでも読んでから買えば良かったなあ。



2010年01月11日

いとう由貴『愛の言葉を囁いて』

 ややネタバレですが。
 世界的某巨大コングロマリットの社長?が、提携のために日本の某企業を訪れ、時間がほしいという取引相手に、受付で見かけた子会社の平々凡々な新入社員を寄越せと要求、人身御供にされた新入社員は社長にさんざんご無体なめにあわされて、あげくアメリカまで連れて行かれてしまって云々。

 傲慢オレ様スーパー攻め×ごくごく平凡な受け、しかも外国人×日本人。
 ベタだ!ものすごいベタでしたよ!
 でもオレ様攻めは改心しません!
 攻めが受けになんかすごい執着して大事にしてくれるので、受けは次第にほだされてしまうも、攻めはお前は恋人ではなくてお気に入りなのだとか言って、受けは人間扱いすらされてないと感じて大ショックなのですが、言葉の意味の問題なんだそうで、大切なのは言葉がどう使われているかなんだそうです…。
 受けはほんっとうに平凡で、アホではないのだろうがアメリカで逃げ出したときの判断とかダメダメで、けど急に逃げなきゃいけなくなって追われてる状況なら判断ミスくらいするよな…。

 いいけどね、この人らこの後どうなんのかな。攻めは受けを物扱いしないとかいって、ラストシーンのその扱いはどうよ…。受けは仕事はせずに攻めの愛人生活を続けるのかな。なんか、いくら言葉の問題とかいっても、それってやっぱり受けをおもちゃにしてないか。

 攻めの秘書がよかった。攻めに忠実なポーカーフェイスのプライベート秘書と、わりと一般的な感覚をもってる仕事上の秘書と。あと攻めの元カレとかなんか結構キャラ多かったな。続編あるのかな。あるといいというか、攻めをへこませる展開が読みたい。なんかもうちょっとこの攻めなんとかしたほうがいいんでは?という気がするから(笑



2010年01月10日

剛しいら『盗っ人と恋の花道』

 ちいさい頃から有名な盗賊に育てられた受けは、陰子の修行をさせられて、押し込みの手引きをするために男色のうわさがある材木商の元へと送り込まれる。材木商はほいほい受けを引き受けたように見せかけて、実はそれも火盗改めである双子の兄との計画で云々。

 というわけで、攻めは生き別れの双子の兄と再会して、実は相思相愛だった(火盗改めの兄は再会後に結婚してるし、勿論プラトニック)という過去設定があるんですが、最近の(に限ったことなのかどうかは、この作家を通読してるわけでないので知らないけれど)剛しいらは、受けか攻めのどちらかに、過去に愛した、あるいは現在愛している人がいる、というのが多くないですか???なんかなあ、あんまし好きになれない設定だなあ。
 …あれ?材木商もこないだ書いてましたよね?大正ですけど。
 それはさておき、こういう設定なので攻めが兄大好きだし、過去話の描写も結構あってそっちは本気で兄ラブなので、ちょっとキツいですね。

 でもまあ、兄関連の話をのぞけば王道だし面白かったです。
 受けは、自分みたいな赤の他人に親切にしてくれた攻めに、初めて他人にやさしくされてうれしく思って、どんなことでもしてこの人にお仕えしようとか思う、つまりかわいそう受けなのです。時代物なせいもあるのか女の子ぽいとこもあるけど、でも健気かわいい。
 攻めも受けがかわいいのでほぼ一目惚れ、受けがスパイだと知りつつめろめろで、大盗賊をつかまえるという兄との当初の約束を果たして、今までの気持ちにけりをつけようとしてる、豪放磊落ないいキャラです。
 そんな二人なので、互いに任務をかかえてだましあいつつ、どんどん互いに惚れ込んでく、というメインの筋は面白かった。
 うん、だから兄設定はいらなかった気がするんだ。攻めが火盗改めに協力するという展開は、別にこういう設定じゃなくてもつくれたわけだし。

 絵は初めて見る絵師さんだと思うけれど、きれいでカワイイ。



2010年01月09日

火崎勇『そのキスの裏のウラ』

 泥酔して目が覚めたらやられたあとだったっぽいんですけど、全然おぼえてないんです。たぶん相手は、前夜にいっしょにいた上司か取引先の社長だと思うんですが、どっちも急にモーションかけてくるんです。

 なんかなー。キャラに魅力がないし、お話も面白くない。受けはダメっこすぎる。本人も言っているように平凡なのにイケメン二人に求愛されるのがなぜなのかよくわからん。記憶がないからって攻めへのああいう対応はどうかと思うし、記憶思い出したくらいでなんでそうなるんだ。
 あと一人称文体だからって、改行大杉。二文字で改行とかどうよ。



2010年01月07日

剛しいら『華の涙』

 関東大震災で家も家族も失って、親戚を名乗る男にだまされて材木商の家に売られてしまう受け。そこの家の男衆にやられそうになったところを材木商の長男が助けてくれて、重労働は無理だろうと病気の次男のお世話係にしてくれる。次男は身体がままならずわがまま放題なのだが、家族や使用人からも無視されたり嫌われたりで気の毒で、優しい長男のこともあってがんばって仕える。そんな折長男に縁談がもちあがり、兄に執着している次男は縁談を壊すために、自分のかわりに受けに兄をたぶらかさせようとするのだが云々。

 長男はわりとあまり特徴のない優しいまともなお兄さんで普通すぎる。ごうつくばり父やわがまま次男ばかりの家の中で、一人だけまともな人、という役割なんだけれど、でも受けが叔父にいたぶられているのを見て感情を処理しきれなくて受けにつらくあたるとか、わりとヘタレだった。このあたりの長男の心情がちょっとわかりづらかったので、これは後の方まで読んでの把握なんだけれどね。まあとりあえず、攻めとして弱いというかあんまし魅力はない感じ。
 受けも、なぜ長男がそんなにすきなのか…けど普通ではない状況だったし、最初は心のささえとして一種の執着をしてたような感じなのかな。

 そんなかんじでこの作家はときどきつじつまや根拠がわからん展開とか結構入るんだが、でもむしろなんか人間の理不尽さを感じさせもしてくれる、気もする。こういう攻めのダメなところとか、受けのあまり根拠のない恋情とか、なんか生々しい気がした。でもこういう理不尽な描写って、単純にこの作家が作品を量産してるがゆえのあらさなのかなあという気もするし、一歩ずれたらあたしのすごくニガテな作風になってただろうなあとも思う。その理不尽さを補えるくらい好みの話が結構あるので、自分で勝手にいろいろ補って読んでる気もするから。

 それはさておき、次男が…。ずっと兄ラブで、最後に受けになって兄に愛されたかったとか言うのだが、受けの身体を兄に抱かれるために準備したりなんだりという微妙な関係で、なんかそっちの方が気になるよ。病がうつるかもしれないとか思われて、誰も触れたがらない自分にたいして平気で水を口移ししたりしてくれる受けのことだって、勿論好きだったはずというか好きだったわけで。最後の最後には、兄になって受けを愛したかった、とかも言ってるのがせつない…。長男が言うように、長男も受けも好きだったのだろう。
 受けの次男への献身は、長男への気持ちとか、長男が看破したように(しかしあの場面は一瞬長男がヘタレ化するのかと焦ったが)自分よりかわいそうな存在につくすことで自分の辛さをごまかしてるところもあったのだろうが、それでも次男への情だってあっただろうし…常に気に掛けてはいたわけだし。
 そんな二人が気になるので、もっと次男と受けも幸せになってほしかったなあ…。せめて、互いに向かって気持ち(恋ではないにしても)を言語化できてたらよかったのにね。互いに相手には何も伝えないままだもんね。

 全般的にはそこそこ面白かったように思います。
 御園えりいの絵はあまり好きではなかったのだが、なんか最近綺麗になってきた気がする!



2010年01月05日

遠野春日『茅島氏の優雅な生活』2、3

 茅島氏がお嬢さんとくっつけられそうになる話は、茅島氏シリーズらしい気がしたし面白かった。こういう、なんかかんかいろいろあってみんなが茅島氏に翻弄されて、最後に庭師が出てくる、というパターンが多い気がするし、そういう語り方はこのシリーズっぽい気がするし好き。

 英国旅行の話は、たぶん二巻の目玉なのだけれど、あたしのニガテなタイプの話だったので残念だった。
 やっぱりゲストキャラ話というか、第三者が性的ないしは恋愛的な意味で二人に関わってきて、しかもその第三者がクローズアップされるという話があんましすきではないみたい。
 これも、庭師の元カレに茅島氏が嫉妬するあたりがしんどいし、説明もせずにひきあわせる庭師もどうよ…と思ってしまう。庭師は昔は結構遊んでたらしいし、元彼とのこういう関係も、軽い付き合いのなごりで軽く考えてるような印象がある、と思う。でも茅島氏のことは別格でもっともっと丁寧に考えてあげてほしいよ~(や、充分考えてはいるのだろうけれど、けれど庭師基準そのものがやっぱりちょっとゆるいのかなと思う。
 そんなわけで、大変な目にあってるらしい元知り合いの受けのために庭師ががんばる話は、更にいまいちだった…(涙

 書き下ろしは、なんだか妙に違和感があった。最近の遠野春日は、やっぱりいろいろ変わったってことなのかなあと思った。
 庭師の表紙がイイ!庭師はまさにこんなイメージだよなあ。

 庭師帰省話は、いきなり空港に居る茅島氏に、なんか人ごとというか、物語ながらハラハラした(笑。

 金持ち社長が出てくる話は、ゲストキャラだけどよかった。社長がきっちりアテウマになっちゃってるからかな。夏にしたみたいな(上記)わがままなら許せるけど、とかいっている庭師がいい。
 一方、第三者キャラがクローズアップされてるおともだちはやっぱりちょっと好きになれなかった。茅島氏サイドの浮気(浮気ではないのだけれど)もダメということは、あたしはやっぱり茅島氏と庭師の二人きりの世界が好きなんだろうなあ。

 そんなわけで、二人きり度のとっても高いクリスマス話が最高によかった!庭師のボケっぷりもカワイイィ。

 書き下ろしはいまいちだった…無憂館が苦手なのもあるかも。無憂館の個々のキャラはすきなんだけど、グループになるとなんというか押しつけがましい感じがしてしまう、なぜか。



2010年01月04日

遠野春日『茅島氏の優雅な生活』1

 これは読んだのは七月ごろでしたが、忙しかったので感想を書かずにいたらタイミングのがしてずるずると年を越してしまいました、原作茅島氏です。

 とりあえず、すべてを持っていて・一見尊大な、それでいて、庭師ただ一人の心を願っている・健気で・一途な茅島氏が、とってもカワイイィ。

 けど、全体的には手放しで礼賛・ドはまりは出来ないかなあ、という感じでもある。先に読んでた漫画版を原作と比較すると、漫画版はあたしごのみのエッセンスをうまく抽出して、あたしのニガテな部分を排除してくれてた感じなので、だからすごく面白かったし、もしかしたら漫画版から入ったのも個人的にはよかったのかな、という気がした。原作読んでいろいろ不満も出てきたけど、茅島氏シリーズという総体への好意はゆらがなかったから。

 具体的には、以前の遠野春日らしい独特の硬い語りとか、茅島氏の不器用さ一途さかわいさ、庭師の抵抗と結局陥落してのメロメロっぷりといった要素がすんごく大好きで、第三者が深くからんでくる話(軽くならむしろ面白いんだけれど)がニガテみたい。漫画版では第三者キャラはすべからく排除されたりモブになってたりしたから、あたし向きだったのかもなあと思うのです。
 そんなわけで、漫画版の継続が決まったそうでワクワクなのですv

 で、繰り返しになるけれど、遠野春日はやっぱりこういう硬い文体のほうが雰囲気があるし面白いし萌える。そして、茅島氏の世界は「こういう」遠野春日がすんごくしっくりとハマって、とってもいい。庭師の名前が最後までわからないとことかもいい。

 イラストは日高ショーコでワクワクしてたのですが、なんかこのひとはカラーより白黒絵のほうが色気があるかなあという気が最近してきた。表紙の三枚はきれいなんですけどね。口絵はちょっといまいち…背景の彩色がいまいちなのかも。

 一巻は結構漫画版そのままだったので、大筋の話は特に感想はないのですが、漫画版にはなかった嵐の夜の庭師訪問前の話とか、かなりぎょっとした…。前述のように、あたしはこのシリーズのゲストキャラ話がニガテなんだろうなあと思う。
 表紙がキレイだしすごくこのシリーズっぽくってよい。



2010年01月03日

夜光花『堕ちる花』

 しばらく、昨年の積み残しを片付けます。

 これは確か秋頃に読んで、感想書くの忘れていた。

 イケメン俳優兄×大学生弟。
 四国のとある村から東京で出てきて、兄弟で暮らしてるのだけれど、弟は小学生の頃、見捨ててしまった友人を亡くした事件があり、後ろ暗い記憶がある。その時の仲間達の一人から妙な手紙が来て、東京に出てきていた仲間達と一緒に帰省するのだが、次第に村の忌まわしい秘密も露見してきて云々。

 事件と村にまつわる物語は、読み終わってみればわりとありがちな種だったかなあ。むしろ表紙がネタバレなのか。それはともかく、これこんな暗い設定は必要だったのかなあ…結局恋愛物語としては兄弟がくっつきましたという話で、昔の事件や村の秘密って全然恋愛要素には関係づけられてなくないか。別にいいけど。
 ていうか、続編がいろいろあるらしいので、兄弟ものとしては興味があるから、読んでみたい。



2009年12月31日

★2009・BL小説ベスト10

 特に後半、読んだ点数が少なかったので、ちょっと自信がない部分もありますが、あたし個人の中での順位だし、まあ上位はそう大きく動かないかなあと思います。『寄せては返す…』は本当に面白かったし、『初恋姫』は本当にかわゆくて大好きだし。ただ、順位に関してはどうなんだろう、結構迷いましてちょっと自信ないけど、まあ上位はどれも面白かったということです。
 シリーズものは迷いましたが、分割するとランキングがうまってしまうので、まとめました。『唇に…』は個別タイトルもついているし、発行時期もばらけていたので、まあいいかと。
 次点はいとう由貴『哀しみは雪のように』西江彩夏『ナルシストの憂鬱』かな。
 あと月末に出た木原音瀬の上下分冊読んでないけど、入れなくて大丈夫かな、とちょっと心配…面白いのかなー。

 しかし、こんなふうに獺祭ぽいことやってると、BLって面白い本ばっかだなーって気がしてきます(笑。
 漫画のほうは、後でアップします。

2009年12月29日

高遠琉加『成澤准教授の最後の恋』

 うーん…なんというか、普通のお話だった。
 攻めは仏文科の准教授で、適当に恋愛を楽しんできたイケメンゲイ。友人編集者がつとめてる出版社で、メガネのさえない新人に出会い、当初は印象も薄かったのだけれど、雨に濡れて様子がおかしかったのに手を貸してからなんか気になって気になって、結局自分の担当に指名してそんなことになったのですが、彼には高校の頃から想い続けている人がいるらしく、云々。

 王道というよりはあまりにセオリーどおりで、恋を知らない准教授がはじめての恋愛でぜんぜんセルフコントロールきかなくってヘタレで、とかそういうわかりやすい流れだった。あんまりベタでつまらないキャラになってしまっていて、なんかもう少しは特色ほしかった。編集者から准教授への気持ちもやっぱりベタで、ちょっと描写たりない気もするし。いっそ思い人が准教授だったら、ベタとおりこして何かになったかもなあ、と思った。

 表紙を見て、高永ひなこの絵はかわいいしきれいだけれど、攻めが受けっぽいなあと思っていたら、中の絵を見たら中の絵のほうが好みだった。個人的にカラーより白黒のほうが好みな作家さんなのかも。

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 高遠琉加はどうしても身構えて読んでしまうと言うか、過剰に期待して読んでしまうみたいだ。高遠琉加なのだから、ベタからちょっとずらして面白いもの書いてくれるはず…とかの勝手な期待をしてしまうんだよなあ。やっぱこれって勝手なんだよな。

 でも今回、ちょっといろいろ考えててあたしが高遠琉加に期待してるものは何なのか、わかった気がした。
 高遠琉加で面白かった作品といえば、やはりまず『好きで好きで好きで』(来月復刊だそうでうれしいですv)、『愛と混乱のレストラン』、あと古いところでは『告白』『この胸をどうしよう』とか好きなのです。
 で、『観賞用愛人』『ホテル・ラヴィアンローズ』あたりはなんか平坦で萌えないしお話もいまいちだなあと思ってしまってた。
 あと、『王子様には秘密がある』は前半がベタすぎて、後半は面白かった。
 と、ならべてみると、つまりあたしは高遠琉加のかわいそうな人が報われる話がすきなんじゃあないのか?、と。あたしはお話の面白さや一風変わった設定とかではなくて、かわいそう受けとかかわいそう攻めを期待していたんだな実は、と、納得できた気がするのです。なので今後高遠琉加の作品を読むときには、ちゃんと傾向判断して、勝手に肩透かしされた気にならずにすむんじゃないかなあ、と思いました(笑

 でも、ちょっと例外なのが『天国が落ちてくる』ですね。やっぱりなんか異色な作品だなあ。



2009年12月25日

須藤安寿『永遠に咲く花のように』

 国王の恋人だった美形貴族将軍は、王を裏切り処刑されてしまい、以来王は彼を思いきれずに意気消沈の日々。数年後、あやしげな錬金術師に彼の遺髪から人形を作らせたのですが、これがまあ彼にそっくりで。

 とりあえずは、アンドロイドばんざいー。
 彼への想いと人形への気持ちとでゆれうごく王とか、王が彼のことを想い続けていて自分は身代わりでしかないし、そもそも人形の自分の気持ちって、とか悩む人形とか、ベタ王道でとてもよかったです。

 ただ、基本それぞれのキャラがぐるぐる悩んだり考えたりというのが中心で、あんまり動きのない話という感じで、なんだか小説というよりもポエムっぽいなあと思うこともあった。文体がポエティックというわけではないんだけどね。
 ていうか、王と人形との交流って、ほとんど数回のエッチのみ、というのは言い過ぎだけれど、でももうちょっと色々交流してくれないとなんだか恋愛物語として物足りない感じもする。
 ただでさえ王の元彼への想いの描写がかなり濃度が濃いのに、人形に惚れる経緯も基本エッチな場面を通してしかわからないし、人形は人形で王がなぜすきなのかエッチな場面からしかわからない。まあエロ必須という縛りがあると仮定すると、逆にエッチな場面を通して心の動きをよく書いているなあ、ということも言えるのか(笑。

 絵がちょっといまいちだった。



2009年12月22日

砂床あい『銀盤のシャノワール』

 フィギュアは男子のほうが興味出てきました。ので、なんだかタイムリーなような感じがしまして読みました。

 引退した男子トップ選手が、亡き元コーチ兼恋人の隠し子のコーチをたのまれて、最初は断るつもりだったのになんか滑りは鮮烈だし家の事情は複雑そうだしで結局ひきうけ、元恋人の面影やかわいらしさに心揺れて云々云々。

 なんというか、受けが健気可哀相すぎで…。
 母はごたいそうな家の出身で、元フィギュアスケーターとの未婚の子という出自から、家をとりしきってる母の姉にいびられまくりで、攻めが救おうとしても手負いの子猫のようにうまく懐けない。そんでいろいろあって全幅の信頼よせるようになったらば、攻めは元恋人の面影を受けに重ねたり、それに罪悪感感じたり、はたまた受けのためにとかいって他のコーチに預けたりで、自分勝手な攻めにふりまわされまくり。それでも攻めがすきなので、攻めが自分の父を好きだと知って反発したり悲しんだりしつつがんばる、という…かわいそう(涙。
 というわけで、攻めは目の前に居たらなぐりたいタイプだった。もうちょっと罰があってもいいんではというくらい。美形コーチが黒ずくめのロングコートでリンクの脇に立ってるという画はいいと思うが(笑。
 元恋人のことはいまいちよくわからなかったし感情移入あまりできない感じ。

 お話はなんかあんまりスムースでないというか、攻めが元恋人の記憶よりも受け自身に入れ込むようになったあたりとか流れがよくわからなかった。途中で数年が一気にたってるせいもあるんだろう。それもあって、受けが攻めに反発→なついた後→葛藤の段階がなんか早かったというか、それぞれ独立している章のような印象だった。

 受けは、男子には珍しい柔軟なバレエ的なスケーターって、きのこいいですね。



2009年12月15日

読みさし。

 結構アマゾン評価高い本もあるのだが…あたしの根気が足らなかったのかなあ、という気もしなくもないがまあそんなわけで。

 丘群さえ『詩(ソネット)に濡れるくちびる』
 没落した華族の受けを救ってくれたのは、以前想いを拒んでしまった書生攻めで、なんか家を助ける代わりにえっちなことされて艶本よまされるんです。
 話の筋が見え見えだし、いまいち淡々としてて面白くなかった。受けが意地を張ったりなんだりするのだが、反応が平凡というか、華族受けが活かせてない感じがした。三分の一くらい読んで、あとはとばし読みしてしまった。

 小川いら『胸にしまっておけよ』
 彼女にフラれた後輩をなぐさめてたらそんなことになり、後輩=攻めは責任とる気まんまんで。
 二人ともきちんと彼女がいて、特に先輩受けはいい関係を築いていたというのが、なんとも…。なんで男同士でくっつくことができたのか、納得いかない感じ。ほとんどとばし読みしてしまった。

 水島忍『アルテミスの生贄』
 秘密サロンに出ると行って行方不明になった兄について調べたくて、勤務先のバーのオーナーの父がやってるらしい秘密サロンに近づく受け。
 秘密サロンがふつうすぎた。受けが平凡すぎた。攻めがなぜ受けを好きなのかわからん。さんざん忠告されて、兄のこと探るには他にも手がありそうなのにサロンに行こうとする受けがちょっとお馬鹿に見える。ので、途中で飽きてしまった。

 夜光花『愛を乞う』
 家の借金のかたに買われて、同い年の金持ち息子の性欲処理係にされた受け。高校卒業までという期限に望みをたくしてなんとか過ごしていたのだが、全寮制の高校に入ってから攻めがなんだか…。
 面白くなくはないのだが、わかりやすすぎる筋というか、高校卒業後の別離とか含めて予想どおりの流れすぎた。そして、この作家の持ち味があんまり活かされてないというか、普通のお話だった。まあ、性欲処理係という設定はよく考えると結構異様なんだけどね。高校卒業の辺りでしんどくなってきて、あとはざっと読んでしまった。
 ところでこのタイトルつけたのはたぶん『不浄の回廊』を名付けた人だよね?キャラ文庫のこの担当さんはセンスいいと思う。

 結城一美『この胸の秘めごと』
 ネタバレします。
 これちょっとかなり、いまいちだったなあ。オビの「誰も見たことのない、100%善意の恋愛詐欺!」というアオリ文句は面白そうだったのに。
 ノンケ上司への恋をゲイバーで出会った遊び人ぽいタチに相談して、その通りにしたらなんかうまくいったのだが、タチちょっと上司に似てる気が。
 なんかやな予感するよね。タチが上司か、あるいはタチと上司が双子か、どっちもやだなあと思ったけど後者で、受けが入れ替わりに気づかずエッチまでしてるというなんだそれな展開。それだけでもオイオイなのだが、更にその後タチが実はいろいろ考えてくれてたことを知ってタチとくっつくとか、なんだそれ。3Pならまだしも…。何が何だか、地雷大杉、萌えな過ぎ。



2009年12月14日

遠野春日『美貌の誘惑』

 これ忘れてた。少し前に読んだのを、今日書店で見て思い出した。

 ヨーロッパ人にしか見えないアラブ末弟×諜報機関の暗号解読官。

 攻めの手元にいってしまった某機密をとりもどすため、事務官なのにスパイとして送り込まれてしまった受け。なんでも攻めはゲイなので、攻め好みっぽい受けに白羽の矢がたったとかなのですが、そんなうまくいくわけないじゃないかと思いつつ攻めの出席するパーティにもぐりんこんだら、すぐさま邸に招待されて滞在していきなさいとかいわれてあれよあれよ。

 裏表紙梗概から、美青年好きアラブを賢い美スパイが華麗にだますとか、少なくとも丁々発止の化かし合いとかを期待したのだが…ダメっこスパイだった!
 受けは美人でたおやかなだけで、攻めにも上層部にも流されてるだけという印象で、もっとかっこよかったらいいのになあ、とため息だった。攻めのこと好きなのかどうかもあんましよくわからんようなほどの受け身受けだし…。
 遊び人攻めはなんでこの受け身な受けにそこまで惚れ込んだのか…。
 せっかくスパイ受け設定なのに、スーパー攻めと美しいだけの受けというあまり面白みのないキャラで、凡庸な感じになってしまってもったいないなあという感じだった。

 ライトグラフⅡの絵は新装版にあたって描き直し?らしいのだけれど、なんか最近の小笠原宇紀の絵とは違うような…?



2009年12月05日

ごとうしのぶ『誰かが彼に恋してる』

 ここのところ忙しかったし、あわただしく読みたくなかったのでちょっと出遅れてしまいましたが、やっと読みました。
 面白かった~けどぜんぜん進んでないね!ていうか文化祭二日前の、一日しか進んでない?文化祭本番まであと何巻かかるんだ…。九月になって既に三冊も出てるのに…。
 でも全然進んでいないけれど、あいかわらずなタクミくんの雰囲気があって、やっぱり好きだなあと思いました。

 とりあえず、しょっぱなから。
 赤池章三の形のいい背中…!!
 後ろ姿だけでなく、からかいの引き際も美しい風紀委員長…!!!
 託生のお弁当預かって帰る章三がいい。託生といっしょのクラスなの章三だけってことなんだけどね。ていうか矢倉とギイと八津はみんないっしょのクラスなのか。

 託生はギイに甘すぎる、と周りには見えるのかー。
 自分が面倒ごとにあっても人の心配をしたり、人のせいだなんて考えなかったり、そういうとこがいいのか、ギイは…と、非常に今更思った!だってギイ視点て希少なんだもの!

 しかしなんかギイは巻をおうごとにヘタレてくるというか、凡人じみてくるというか(笑。託生のことにかんしてはほんとに平凡なひとだなあ。でも最近ちょっと口調が軽くなりすぎてるような気が。
 とりあえず唐揚げみっつは無理ではないかと。そして、ギイのホットドッグ早食いは見たくない…小説だが…(笑。でも優勝はどうだろうというギイにおかしな謙遜しなくていいよ、とか冷たくへんなつっこみいれる託生がかわいい(笑。
 あ、あと、今回ギイがあんまりエロいので卒倒しそうになった。…他のBLと比べれば、ぜんぜんたいしたことは書かれてないのに…タクミくんだと、もうとんでもなく恥ずかしい…。

 やはり八津は最強の総受けなんだなあというか、やっぱり託生は八津にたいしてだけは攻めっぽいなあ、と。矢倉くんにライバル宣言てまた大胆な(笑。
 それはともかく、タク八津はいいというか、この二人が仲良しだとなんかいい。基本一人が好きな八津が、託生にはときどきこうして話をしにくるというのがいい。でも突然お昼にさそわれてけげんそうなのもいい。がんばる託生もいい。矢倉がそれに嫉妬してんのもいい(笑。矢倉にはやけに冷静な託生もいい(笑。

 利久は、登場の一言で絶対利久だな、とわかるのがごとうしのぶのスゴイとこだなあと思った(笑。こんだけキャラがうじゃうじゃいるし、けっして文章が巧い作家さんではないとも思うのだけれど、でもうまいんだなあ。
 雅彦さんの託生すきぶりがかわいいというか、託生がもっとモテたらいいのに(笑。そんでギイがやきもきしてたらいい。
 高林は一瞬しか出てないのに印象深い、おいしいキャラだなあ。
 三洲が出てこなくて残念だった。

 謎の誰かさんはギイたちのクラスメイトのドリームな噂の彼なのか、ギイにキスしたのも彼なのか、彼はギイがすきなのか。うーん、ギイとみせかけて託生ファンだったらいいなあと思うんだけど、やっぱり無理かな。というか鷹司はどこいったんだろう?



2009年11月30日

木原音瀬『夜をわたる月の船』

 忙しかったり久々に無茶な飲みをしてしまったり、していました。
 あと、アマゾンからラブレス9巻が来た…既にッ!読んだのに…。買いそびれるといけないと思って、予約していたらしい…。

 面白かったのかどうかもよくわからない…けど、先が気になって一気に読んでしまい、読後の印象は強烈で、拾い読みで読み返してるので、個人的には悪くなかった…のかなあ、と思っている。

 この作家は文章がうまいわけではないと思うんだけれど、なんかすごい先が気になってぐいぐいひっぱる力があるように思う。よくもわるくもね(あたしよくもわるくもって書くのくせですね。なんというのか、映画ではなくて連続ドラマ的なエクリチュールという印象があるというか。
 今回もやっぱり先と結末が気になったのと、地道に泥亀で読んでいくのが途中で苦痛になってしまって(最初に北海道に行った辺りで…)、かなりすっとばして読んでしまった。
 あ、ちなみに二段組みぎっちりでしたね。

 仕事もできるステキ上司にわりあい気に入られてるっぽいので喜んでたら、企画部に行きたいならエッチしろとか突然言われてしまいました。
 葛藤の末いたすのですが、上司は北海道に栄転し、これでせいせいしたと思ってたらなんか再会、その後なんかわけわからん展開に。

 主人公があんまり平凡で、言動とかも普通すぎて、上司が入れ込む理由もわからんしお話の主人公としてちょっとつまらないなあとか思っていたら、それもミソだったので納得した(笑。普通すぎる人だよね。企画部に入った頃の話とか、そのことについての上司評とか、いたい…(笑。
 取引の件については上司が悪いんだろうに批判を恐れてる小心っぷりとか、後半で上司を見捨てられずにけれどぞんざいに扱ってしまうあたりとか、すごい普通の人だなあ、と。
 でも逆説的に、ここまで普通の人じゃなければ、あのとんでもない男とこういう結末にはならなかったんだろうなあ。

 上司は最初のステキ上司っぷりはまあおいといて、花を捨てた辺りでぎょっとしてたらまだまだ序の口だったというトンデモキャラで、結構すごかった。
 超汚部屋のダメ人間ぶりには結構ひいたというか汚部屋こえぇぇぇ。けど汚部屋ってもう一般語彙なのかなあ(笑。その後の天の邪鬼ぶりというか嘘八百なキャラはわりと好きなんだけど、作者も後書きに書いてたとおり動かしづらそうだなあとも思った。あと壮絶な過去の設定は、正直あれなのだけれど、でも、この人にはそういうこともさもありなん、というか。
 ビジュアル的には、50代になって白髪だらけになった辺りでちょっとBL的にはかなりキツいものがあった(ああそう言えば、過去設定もBL的にとてもキツかった)のだが、その頃にはもうBLとして(ふつうのBLとして)読むことをしだいに諦め始めてたので、まあもう受けが白髪でもいいか、という感じになってた。髪を染めた頃には、もうそれくらいで萌えが復活するもんか、と変な反抗心が芽生えてたりもした。というか、髪を染めてみるときれいって、こういう外見的に微妙な状況のお話って、よく見るとととのってるとか肌が綺麗とか、絶対なんか留保が入るよねえ、とか思った。

 まあそんな、とんでもないおじさんに振り回されるごくごく平凡なリーマンの話で、萌えないし、キャラも好きになれないというか好きでも嫌いでもないし、きもちわるさもあるし、お話も面白いというよりはだらだらなんだろうけれど、それでも個人的には読んでよかったなあと思っています。それは全然うがった感想ではなくて、ごく単純にそう思うのです。

 ああしかし、その後の二人というか、幸せな二人をもう少し読んでみたい、という感想を持っているので、やっぱりこの作品もちゃんと(?)BLなんだろうなあ、という気がする。なんとなく。

 日高ショーコはやっぱりいいね。



2009年11月24日

水瀬結月『あなたに真心にゃん急便』

 フィギュアスケートを見にいちきました。面白かった…全然わかんないけど面白かった(笑。それですごくかわゆい選手を知ったので、しばらく注意してみてみようと思いますv