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[ 読書/BL小説 ]

バーバラ片桐『ストーカーはじめました。』

 トンチキなタイトルに惹かれたものの、あざとそうなもするしB級のにおいがプンプンするし、読もうかどうしようかしばらく迷っていたのだけれど、時間が出来たので買ってみたら、予想以上に面白かった!簡単に言ってしまうと受けがストーカーということなんだけど、そのトンチキさも面白いし、その奇抜な設定にだけにたよらずちゃんとキャラがきっちり魅力的で、お話もしっかり面白かったのです。

 高校時代、ストーカーの手紙に悩んでいた攻めは頭よさ気な同級生に相談するも、実はそいつが犯人でした!頭にきて手ひどくふったことを多少は気に病んではいたのですが、数年後刑事となり、ストーカー殺人事件への協力を乞いにいった先のストーカー研究の第一人者というのがこの受けでして、調査に協力するかわりに抱いてくれ、とか言い出して、お前まだ諦めてなかったのかー。

 総じて面白い話ではあったのだけれど、とにかく何しろやっぱり受けなのです。
 数年ぶりに再会した攻めのつかった茶碗をなめたり、攻めを尾行したりと、変な言い方だけれどかなりきちんと容赦なくストーカーな受けなのです。中途半端にかわいぶったりはせず、けれどあざといほどの変態ぶりというわけでもないのが、変な話だけれど好印象だった。
 ストーカー行為については、純粋なる確信犯で攻めは喜んでくれるはず!とか思ってるわけでもなく、こんなことをしてはいけない…と悩んでいるだけでもなく、その間で揺れ動いている感じでだからこそ悩ましくかわいそう。自分を抑制するために研究者にまでなって、それでも攻めに再会してしまってストーカー気質を発揮してしまうという、こんなかわいそう受けは初めてだ…ていうか、これもかわいそう受けでいいよね?ストーカーだけど…(笑。
 攻めにたいして、仕事のために抱いてくれたり一緒にいたりしてくれてるだけなんだから期待をしちゃいけない、と思うあたりはまあわりとよくあるかわいそう受けなのですが、このひとの場合そこに自分はストーカー気質だから何でも都合よく考えてしまうから…という自戒が入るので、きちんと設定活きてるし面白いし、なんだかますますかわいそうなのです。
 あと最初のときに、アレはさすがに許してくれないだろうからと足を舐めさせてくれ、とかゆって攻めをドン引きさせ、あれ!?足すらだめなの!?と泣きそうになっているのがトンチキかわゆかった(笑。
 そんな感じで、変態っぷりは面白いしおはなしにもしっかりからんでるし、けれど自分を律そうとしてるのがけなげでかわいいし、と、キワモノ設定もきちんと活かしつつとっても魅力的なキャラだった。

 攻めは攻めで、この変な受けを次第に受け入れてしまうのだけれど、その理由が最後にさらりとたった一言であかされるのがスマートでよかった。受けに疑いをもつあたりはすごく緊迫感もあってよかったなー。

 恋愛物語とは別立てで、殺人事件にまつわる筋も面白かった。犯人は意外だったというか、もうちょっと説得力もたせてほしかった気はしたけど。伏線がちょっと物足りなかったというか。
 あと、灯油が目に入ったのに病院いかないの…?とは思ったのだけれど、今ぐぐってみたら水洗いで平気なんだね。安心した(笑。

 しかしなんかこのCPは続編読みたいなあ。まだまだ面白いお話ができそうな気がする。

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