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五百香ノエル『運命はすべて、なるようになる』その3

 まだまだ、『運命はすべて、なるようになる』のことでございます…我ながらそうとうにのめり込んでますね(笑

 ええと、前回だかの感想で、下巻後半は、瑛輝が一気に大人になっちゃったように見えた、と書いたのだけれど、ニコルへの告白の言葉とかを勘案すると、瑛輝はニコルに痛めつけられながらそれでも彼の優しさを感じ取っていて、次第に優しくされたくなって&ニコルの恋人たちに妬くようになっていたけれど、自分でそれを認められなかった、ということなのだろう。
 ところでニコルは瑛輝のご主人様になりおおせつつ、結局五年後にはダメになってEDにまでなってしまい、自分ではもう彼の主人をちゃんとやれない、と思うにいたってしまう。以前劉大人は、ニコルはよい主人になるだろうと思っていたけれど、じゃあ結局劉大人の読みはハズれたのか、ニコルがダメになったのはニコルの弱さなのか、というと、そういうことではないのだと思う。他の場面での劉大人の洞察力の深さをかんがみるに、劉大人はニコルの隠しきれないほどの優しい心根までもをふくめて、よい主人になると考えていたんではないかと思うのだ。最後には瑛輝がその優しさに救われるとこまで含めて、先を見通していたんではないかと。

 あーしかし、ニコルは愛されるためではなく愛するためにご主人様役を引き受けた、のだと思っていたんだけれど、読み返すと逆なのか?という気もしてきた。ただ優しく愛するだけでは瑛輝は自分を見向きもしないだろう、ワーグナーのかわりに汚れていてもいいから英雄になろう、という目的から考えると、もともとは愛されるためにご主人様になることを選んだ、ともいえるのかなあ。
 ところで下巻の章題が、汚れた英雄とか愛の奴隷とか、誰のことだろう?と思っていたんだけれど、ぜんぶ彼のことだよね。下巻はほんと、彼の引力が強すぎる(笑。

 さて、のめり込み度の尺度のひとつに、「ラブソングがみんなマイCPのことにきこえる」というのがあると思ってるんですが、せつない勝手な片思いラブソングならピロウズ…と思ったけど、結構ジャストなのはないんだなあ。まあ、ピロウズの恋人は基本ツンツンデレちゃんで、誤解すれ違いというのとはちょっと違うか。でもこのあたりかな?

 彼女は今日、「どこかで見憶えのある外国製の、人形に似た瞳が素敵さ。何だか寂しそうだな。決めつけたりして、話しかけるチャンスを狙うよ」「ジョークなんて通じるかな?想像しても、しくじるのは怖いから言わないよ。何度も確かめたけど、やっぱり隣に存在してた。夢じゃないよ」勝手にデートのつもりのニコル、という感じ!「僕には見せないその笑顔は、何て美しく可憐なんだ」ニコルが別れを切り出しつつ瑛輝を見て、なんてキレイなんだ…と思うとこがスキです。せつない。

 バックシートドッグ「最終回だけ見逃してる、半端な幕切れ。キミに会いたい。'もしかして'なんて罪な夢は、心をかきまぜる。脇役の恋」「催眠術の仕業みたいに唇は動く、'キミニアイタイ'。感傷的な物語にはありがちな孤独、脇役の恋」「今になって思い知ったんだ、キミはまだあの季節を思い出せるかい。痛い程眩しかったな」これはいいね、脇役の恋はいいね。ワーグナー意識してる感じで。

 そんな感じで、ニコルの瑛輝への感情は惜しみない見返りも望まない愛のようであって、どこか一方的に焦がれる恋っぽいという印象だ。

 とりあえずこれくらいかなあ…。また思いついたら何か書くかもしれないけれど、マヨイガで感想を3回も書いたのは、『暁を待つまで』以来だ(笑。

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