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[ 読書/BL小説 ]

夜光花『おきざりの天使』

 幼い時に一家心中、生き残って従弟の家にひきとられた受け。高校で従弟と一緒に入った水泳部で仲良くなった攻めに生徒会に誘われ、攻めは会長に、受けは副会長に。三人でなかよくしていたものの、やがてふたりはそんな関係に…
 そんなある日、当然夜光花なのだから奇妙な事件が発生するわけです。地震のあと、なぜか外部との通信ができなくなり、校舎の外に出た人間が次々に死んでいく。教師ら大人が激減し、攻めたちはなんとか生徒の統制をとろうとするのですが云々。

 はたしてBLをからめる必要があったのか…。作者はパニックものがやりたかったとあとがきに書いてたし、異常な状況の中での肉欲込みの恋愛というのは分かりやすいのだけれど、にしては過去とか事件以前の描写がきっちりなされてて、どうも全体としての統一性が把握しづらいというか。
 そして恋愛面だけではなくて、なんか異常な状況のせいでみんな情緒不安定かつ似つかわしくない行動もとってしまうので、みんなキャラがよくわからん…。
 異常な事件の解決は予想その2(漂流教室ではなくレベルEだったのね、という)だったけれど、解決にいまいち納得がいかない…。そういうオチなんだったら、すべての異常な展開に現実とリンクしたタネあかしがほしかったなあ…。タネなしのあのオチでは、夢オチとかわらないではないか…。異常さとか状況の描写はわりかし丁寧に書き込んでる気がするので、オチがないのが余計にもったいない感じ。
 あ、あとBL的にもオチがよくわかんない。従弟はなんだったんだ…従弟関連の描写も受けの願望ってことなのか…?なんだかエグいなあ…。

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