高遠琉加『犬と小説家と妄想癖』
そんなわけで、書きそびれていた既読小説について書こうかと思う。
官能小説家というか本文の言葉ではエロ小説家×数学教師。
大学時代はアパートのお隣りさんの仲で、卒業間際にエロ小説家に押し倒してキスされてしまいビビったものの、「二度としない」という誓約書を書かせてつきあいを続けてる。
正直そんなに面白くはなかった。破綻も瑕疵もないかわりに、凡庸なボーイズラブである。
ただ、高遠琉加の一人称文体ってやっぱり心地よいし、かわいい時の守村悠季のようなのだ。殊にこの作品は数学教師がメガネなのと、金ひかるの絵のせいもあってか悠季的だった(笑。
金ひかるは絵が上手い。ただ線が太すぎない方がいいかもしれないと思う。あと、こういう絵はイラストよりも漫画で映えそうな気もするけれど。