高尾理一『恋は追憶に揺れて』
会社社長次男×印刷会社社長長男。
過去に、攻めの兄とつきあっており、一緒に会社を興した受け。会社の危機に、受けの両親から借りたお金を攻めが持ち逃げし、会社は倒産、受けは親の会社で働きつつお金を返すことに。数年後、元カレの弟が訊ねてきて云々。
この弟が、最初はしっかりものなんだけど、どんどんgdgdになっていくさまが…(笑。いいのかそれで、受けは。
むしろ、受けが元カレのことを思い返す様子が面白かったかも。お金を持ち逃げしたり、浮気をしたり、ダメ男だったのは確かなんだけど、でもいろんなことを思い返すと、いいところもいっぱいあった、って振幅がうまく伝わってきて、いいですね。
出会いのきっかけになった黒いネコのこととかも。「チビと呼びクロと呼ばれた猫が、パトロンのひとりに大事に抱き上げられてどこかへ去った日」なんてのもいいし。
それぞれの親も出てきて、むしろ印象が二転三転する弟がテクストにおいて空白っぽい感もある。不思議な印象。