鳩村衣杏『エレベーターで君のとこまで。』
森見登美彦は直木賞の範疇なのか。
タイトルが非常にわたし好みで気になってはいたのだが、最初に読んだこの作家の作品(『愛と仁義に生きるのさ』)がいまいちだったので、読んでなかったのだけれど、『ドアをノックするのは誰?』とか『王様は美男がお好き』がそこそこ面白かったので、読んでみた。
漫画家×IT企業勤務。
高校時代の同級生で、バレー部の同期。ちっちゃいことがコンプだった受けは、背が高く男らしくカコイイ攻めと親しくしてたが卒業間際にチビよばわりされてるのをこっそり聞いてしまい決別。IT企業がオフィス移転した際、上階に仕事部屋をかまえてた攻めと再会、家も近いので交流がびみょうに復活しつつも、攻めは漫画家であることや受けをモデルにした女子バレー漫画が大ヒットしてしまったこと、受けを好きなことなどなどを隠しているので行きつ戻りつ。
漫画家ものは好きだし、全体的にそんなにわるくもない出来何だけど、なんだか微妙。
ちょっと筋がごたごたしすぎて、いろんなひとの思惑とか、攻めと受けの間で今何が問題になってんのか、何が解決したのか、とかが、ごちゃごちゃしちゃっててわかりづらかった印象。だから二人が気持ちを確認しあうのが唐突な気がした。
むしろ、来るのかなーと思ってたゆるゆるなIT企業社長×お金大好きな漫画家のマネージャの話のほうが面白かった。ツンデレだが食べ物を粗末にしない受けがかわいい(笑