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[ 読書/BL小説 ]

榎田尤利『犬ほど素敵な商売はない』

 周回遅れの感想ふたたびです。これもたぶん読んだの一年ちかく前です。

 なぞの金持ち×犬(ボルゾイ)。
 美形だけどとりえのない主人公が、ともだちに紹介されてペット派遣会社のペット…というのは性的な意味でだと思ってたら、さいしょの客がほんとに犬扱いしてきましたよ!

 あたしは最初に読んだとき、冒頭の一ページを抜かしてしまっていたようで、あとからすごく後悔しました。外見もよく仕事もできてどこから見ても完璧ないい男なのに「何か」が足りなさそう、プラスちょっとS、という攻めは、もうものすごくツボなのです(笑。最近自分の好みがよくわかってきました(笑

 あたしがこの作品が気に入ってる大きな理由はもうひとつあって、たぶん攻めの犬の扱い方とか、その描写の仕方がちょうあたし好みだったのだと思います。もうそのあたりはたんなる好みの問題で。エグすぎず・軽すぎず、適度に現実的で・非現実的な印象です。受けをよつんばいで歩かせるのに、自分もはだしになって危険や汚れがないかちゃんと確認する攻めは、きっとよい飼い主です。
 受けも、ボルゾイになぞらえられるあたりがツボです。身長があって、繊細だけどやわでない美形ってイメージです。ボルゾイって昔はあんまり好きな犬種じゃなかったんですけど、最近は美しいなあと思います。

 末尾というか、攻めの元カレが出てきちゃうあたりテキトーすぎというか、簡単すぎというか…もうちょっと何かなかったのだろうかと思うのだが…。あと、受けの友人の女の子も、ちょっと出ばりすぎというか。あれだ、この作品は、攻めの部屋でつくられる、「世界にふたりだけ」の閉塞感のある雰囲気がとってもよいので、外部の世界とキャラは、もっとぺらぺらなくらいでいいんじゃないかと思う。ペット派遣会社の上司とか、紹介してくれた友人とか、元カレの今カレとか、攻めの秘書?とか、モブはあれくらいのペラさでいいのだと思う。

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