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[ 読書/BL小説 ]

松前侑里『パラダイスより不思議』

 あれが終われば一段落、あれまで頑張ろう、とか常に思っていて、一向に一段落なんてしないのだということに気づいてはいけなかったのでは!?忙しいです。つなわたりです。

 恋人が親友と逃げてすべてがいやになって自殺を試みた天涯孤独のゲイのこが、動物の言葉がわかるペット探し探偵にひろわれる。探偵先生は受けっこの事情をすべて知りつつ助手にして、家にすまわせてくれるものの、冷たいこといったりするので何考えてるのかわからなくて情のうすい人だなあと思っていたが、次第に不器用なやさしさに気づいて好きになってしまい云々。

 設定も面白げなのに、ドリトル先生ものなのに、なんだかすごく物足りなかった。
 いろんな要素詰め込みすぎでそれぞれが薄くなってしまっていて、特に恋愛要素が薄すぎるのがもったいない感じ。
 攻め先生が動物の言葉を解する設定は、話の展開をつごうよくするだけで、あんまし活きてなかった気がする。サブキャラたちも面白いけど、美人秘書はまだしも、秘書に恋する先輩探偵とか極楽亭の女将達とか、無駄とは言わないけれどそんなに書き込むのはなんでなのか。ペットも人数多いけど、受けっこの連れてきたソラとかはなんかもうひと展開ぐらいほしかった。あと、まあペット捜索会社が舞台とはいえ、ペット捜しすぎ。いや仕方ないんですけど、なんか事件の事例が妙に多すぎ。そのせいで恋愛物語は薄くなるし、場面は細切れになりすぎてる。

 その恋愛物語にかんしては、受けが先生の見えづらいやさしさに気づいて好きになる過程はいいけど、なんというか、先生好き!って感じがあんまりしないというか…淡々と好きな感じというか。好きになった後には、先生の元妻に嫉妬とか秘書に嫉妬とか、そういう側面ばかりが書かれてた印象。印象だけかもしれないが、なんか物足りない。探偵先生にいたっては、なぜ受けっこを好きになったのかもわからないし。なんていうのか、双方とも相手をどういうふうにすきなのか、を書いて欲しかったなあという印象だった。

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