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[ 読書/BL小説 ]

秀香穂里『ノンフィクションで感じたい』

 週刊誌編集者×恋愛小説家。
 学生時代の恋人同士、もともとゲイだった受けから告白して付き合ったものの、お前の気持ちが重いと言われてふられ、数年後に仕事の依頼の形で再会。週刊雑誌で三人の作家の連載を競作し、人気投票で一位になったら映画化という厳しい企画でベッドシーンとかも入れて欲しいとか言われ、最初は断ろうとするものの、きれいなロマンスばかり書いてる作風に行き詰まりを感じてたこともあって、売り言葉に買い言葉みたいな感じで攻めを挑発、きわどいシーンを書くために自分を抱いてみろ、とか言ったら攻めが受けてたっちゃって云々。ちなみに攻めは薬指に指輪が。

 全体に展開はベタだけどわかりやすく然程無理なく、わりと面白く読めたと思う。
 個人的にネックだったのが、受けの書く小説が恋愛小説ってとこだろうか。現代の恋愛小説ってほとんど読まないから。受けの書くストーリー(不倫もの)が筋だけだけどかなり書き込まれてて、それに対してそれってスゴイのか…?面白いのか…?とか思ってしまって、そう感じちゃうと物語自体に距離を置いてみてしまうし。あと、作家としての葛藤みたいのもちと微妙だったかも。これも感じ方は人によって違いそうだけれど。
 攻めはちょっと、過去との性格の違いとか、受けへの感情の違いとかがややわかりづらかった、あと、どうしてそういうふうに変化したのかもよくわかんない。過去の攻めと今の攻めとが微妙に連続性を感じなくって、そのせいで恋愛成就のカタルシスが足りない気もした。別れたときの重かった、って言葉を翻さないというか、再解釈はしないわけだし、そこがかわんない上で二人の関係性はどう再構築できたのか、がよくわかんない。再構築でなく、ただの構築に見えたというか。

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