弓月あや『天使の贖罪』
イラストに惹かれてしまい、あらすじを見る限り内容はとってもダメそうだなあ、と思ったけれど、買ってしまった。
父母のいない受けは、高校入学を機に、いままでずっと援助してくれた英国人のあしながおじさんのとこへひきとられることに。あしながおじさんは例によって超絶美形で、そのやさしさに惚れてくっついたとこで実は受けは仇の息子で復讐のためにひきとったのだよ!という裏が判明して云々。
なんだか何かを思い出すなーと思ってたら、『侯爵の花嫁』の作者だったのね。これ感想書いてなかったね。たぶん去年くらいに読んだよ。なんかちょっと設定かぶってるね。
どちらにも共通するのは身分違いプラス「すれ違い」という点なのだが、そのすれ違いっぷりの演出が稚拙というか、ええーなんで!?って感じ。『侯爵の』は勘違いもはなはだしいというかちゃんと会話しなよって感じで、この『天使の』はいきなり豹変する君子攻め(笑)についてけない。まだ裏があるんじゃないの、とかうたぐってしまう。個人的にはすれ違いものって、やっぱりどうすれ違いを修正すんのか、が評価のポイントなので、その意味ではちょっと微妙というかヘタだなあって思ってしまった。
物語そのものもいまひとつだなあ。受けにつめたくするメイド頭も微妙にあんまり意味がないというか、ふたりの断絶をつくるためだけに存在してたみたいになっちゃってるし、受けが入れられるパブリックスクールも、面白そうなキャラとかもいつつあんまり機能してないし。っていうか、学校行ってるあいだ攻めと会えないってのが、そもそも物語をすすめる上ではある意味ちょっとまずい設定とも言える(まあ離れてるからこそ、な展開もあったんだけけどね。