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[ 読書/BL小説 ]

魚谷しおり『華族花嫁』

 またしてもごく普通の没落華族嫁入りもの、で、タイトルもド直球。漢ではあるが…むむむ。

 華族ものなのでやっぱり成金攻め×ちょっとめずらしい華族のおじょうさまの傍仕え。体調不良のおじょうさまにかわって、結婚式に身代わりさせられそのままお持ち帰り云々。

 ちょっと時代考証のアラが気になった。おじょうさまが乳兄弟(たしか)とはえいえ、男子の傍仕えだなんて、とか。

 内容は…、やっぱりごく普通の(略。特に見所もないかなあ…。攻めが、受けをうたぐって誤解がとけてすこし優しくなり、また急に激高して、と、いそがしくてよくわからんひとって印象だった。前半はあんまりいじわるなので、受けのこと好いてる感じは全然しなかったし、それならそうでいいんだけど、そうでもないもんだから、展開に違和感が残る。こうした感情の変化にはあとから説明がつくのだが、それでもなんだかなあという印象。
 受けは育った環境のせいもあってよくもわるくも純粋で、あんまり魅力は感じられなかった。

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 まあ、男で花嫁といったら、時代物になるのもわかるのだけれど、しかし時代物は男夫婦が今よりも生きがたい設定でもあるので、なんか閉塞感とか未来の茫洋感(笑)とかあって、しんどいなあ。あと個人的に、女装もあんまり好きじゃないし…。
 今回は作者が気になってたので読んだのだが、この作者はいまのところ一勝二敗くらい。二敗は言い過ぎか。二分けくらいか。『優しい偽者』は面白かった。ノベルスも何冊か出てたのね。読んでみようかな。

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