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[ 読書/BL小説 ]

水島忍『生贄ゲーム』

 人里離れた全寮制男子校で突如はじまった「生贄ゲーム」。掲示板にはられた要項で、王、奴隷、祭司、生贄が割り当てられたが、ゲームの内容は不明。生贄になってしまった一年生=受けは、二年前のゲームについて知っている祭司の三年生に話を聞くが、二年前のゲームは生贄が王に強姦されて終了したらしい。情報を得るうちに身の危険を感じた受けは、祭司にボディガードを頼んで云々。

 どうも物語の構成が甘すぎる。ゲームが分かりづらいのは展開上しょうがないんだけど、情況や雰囲気が読み取れないのは別問題だ。ファンタジーならばきっちり設定を練ってくれなければ。また、学校の設定も、何かワケありの生徒ばかりが集まる、活気の無い学校、という表現が何度かなされるけれど、生徒の背景事情や学校の雰囲気に具体性がゼンゼンなくてうすっぺらい。それに、結局あかされたゲームの仕掛けも、面白みが無いし明かし方もいまいち。

 四人のキャラも、設定からしてぜんぜん甘いし、描写も動かし方も行き当たりばったりな印象。主人公でさえ、元気キャラだという設定らしいけどそれが描写から全く伝わってこないし、なぜ祭司に惚れたのかさっぱりわからない。他の三人は主人公以上に、キャラ設定も恋に落ちた理由もわからない。

 南国ばななの絵に惹かれて購入したので、絵はよかった…けど、全然活きてないよね。勿体無い。

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