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[ 読書/BL小説 ]

秀香穂里『小説家は我が儘につき』

 なんだか…あれれ、って感じ。
 イケメンなハードボイルド系小説家×高級ホテルのコンシェルジュ。
 小説執筆のためにやってきたVIP客は、自分をさんざんからかってた兄の友人且つ大ファンの小説家その人でした。十数年ぶりの再会ですが、相変わらず自分をからかってさんざんワガママいわれてしまいます。

 設定は面白げなのに、なんかいろんな要素が雑多に放り込まれてて、整理できてない引き出しを開けて見せられた感じ。
 コンシェルジュも、スイートルームにバトラーがいるのにあえてコンシェルジュにした意味がよくわからん。結局身の回りの世話してるし。なおかつ攻めのアドバイスをもとにコンシェルジュとしても成長、という要素を盛り込んでるけど、その成長の描き方がありきたりな印象。
 他にも細かいとこで、緊張をとくツボの話はあんなふうに使うんだったら一回だけじゃなく何度か描写すればいいのにとか、コンシェルジュの制服の描写なんて末尾で初めて出しても却って唐突でよくないだろうとか、なんか描写が丁寧じゃないなあという印象。
 そもそも全体的になんだか日本語が変。誤用とまでいかなくても、違和感がある感じ。以前この作家の別の作品を読んだ時にはそんなに違和感を感じなかったんだけど。そんなこともあって、構成とかもあまり練らずに書き流してるんじゃ、って印象。

 キャラもごたごたしててあんまし魅力ない。攻めは傲慢強引で、ちょっとすねたりすると可愛げがあるらしいのだが、なんか一貫性を感じないし受けへの気持ちもいきなりずっと好きだったとか言われても唐突すぎ。受けは受けで、攻めへの態度とかただの強情なかわいこちゃんで、受けとしてもいまいちだし、そもそもホテルのコンシェルジュの態度としてどうかと思うことばかり。

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