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[ 読書/BL小説 ]

五百香ノエル『ちるはな、さくはな』

 村の旧家の対照的な双子兄弟は、対照的な天使と悪魔な美人兄弟として有名なのです。老人の行方不明が相次ぐ中、双子の家に対立する分家の研究所に、優秀な研究者である兄弟の元叔父が戻ってきて、彼が忘れられなかった双子のかたわれ天使の方は心が騒ぎ、云々。

 村や二つの家の描写がくどくて、書き方があまりうまくないせいかイメージもわきづらくて覚え切れないし、登場人物も多すぎ。なんか双子と叔父との年齢差や関係性とか、すごくわかりづらかった。
 あと、なんというか、描きたい場面場面を優先して書いてる感じで、整合性も、物語やキャラ設定の一貫性も、あんまし気にしてないのかな、という印象。

 双子の母とか、なんか場面によってちぐはぐな描写ばかりで、けどまとめてみると聖女で皆にあがめられててわがまま女王さま、とかあんまし面白みのあるキャラじゃないんだよね。主人公の双子も同じで、最初の方は設定ちぐはぐでよくわからんし感情移入しづらいなあ、と思ってたんだけど、要するに澄は綺麗でいい子だと思われてるけど内面エロエロで好きな人以外どうでもいい子、烙はやんちゃわるいこチャラ少年だと思われてるけど純情村思いな子、というだけで、こうまとめちゃうと二人とも設定があまりにベタだしさほど魅力がないというのがわかってしまうんだと思う。
 攻めも、澄の彼氏の方は、澄の母を好きだったという設定だけど、それは恋愛だったのか興味だったのかもよくわからんし、存在をうとまれてる天才で人の気持ちがわからんという設定も、あんまし描写に活きてた感じしないし、澄をなんで好きになったのかもよくわからんかった。あとあらすじ見返してて思ったんだけど、この人なんで醜聞扱いされてるんだっけ…わからん…。烙の彼氏の外国人の方は、ほとんど偵察者という機能だけでキャラたってないし、烙がなんで好きになったのかもよくわからん。

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