名倉和希『耳たぶに愛』
失業中なので庭師の叔父を手伝ってるイケメンゲイ攻めは、叔父の仕事がキャンセルになったお詫びにとある豪邸に行ったのですが、成り行きで草取りだけでも、とかゆわれて通うハメに。
しかしなんかそこん家の主人の作家せんせいが、年上というかおっさんという年なのに挙動不審でダメダメで子供みたいで、それもなんかそういう意味で自分に興味を持たれてるっぽいのです。
さばけた作家の息子に父はどうよ、とかすすめられて、でも自分は年下カワイコちゃんが好みだしーとかゆってたら、なんか本人に聞かれてしまって、作家先生はスランプに。そしたら編集者が、スランプ脱出のためにせんせいを抱いてあげて!とかゆってきて、云々。
そこそこ面白かったけど、予測の範囲内のお話かなあという気もする。
攻めはまあふつう。受けはおっさんである必要はなかった気もする。四十までいかなくても、三十代前半くらいでもよかったんではなかろうか。受けの挙動不審なダメっこっぷりがあれば成立していた気がするので、おっさん受けという属性はなくてもいいというか、個人的にはそれほど好きな設定でもないのもあって、なんだか違和感があった。しかし、なんかおっさん受けって、必ず肌がきれいって描写があるような…。
あと、周りの人がみんなおかしい(笑。中学生の美貌の息子もお手伝いさんもさばけすぎだ。
ていうかむしろ、財産持ちな受けにたかりまくって傷つけて去っていった元カレ、というのが息子たちの話や受けの回想で出てくる限り、とんでもない奴だな…という感じだったのだが、しかし続編で出てきてみると、実は受けのことすきでからまわってた部分もあったらしくて、なんかわりといいキャラだった。しかもかわいいのに攻めだったらしいし。
そして、攻め友人の柔和でリバでネコぽい外見なドS絶倫攻めに気に入られて受けになってしまうというのもおいしい(笑。作者もこのCPでミニ短篇まで書いてるし。
そんなわけで、脇CPのが好みだったかなあ、という印象なのです。
佐々木久美子さんの挿絵は、イラストとしてはいいんだけれど、小説の挿絵としては場面場面があの絵で想像しづらい感じで、いまいちな気がする。