遠野春日『美貌の誘惑』
これ忘れてた。少し前に読んだのを、今日書店で見て思い出した。
ヨーロッパ人にしか見えないアラブ末弟×諜報機関の暗号解読官。
攻めの手元にいってしまった某機密をとりもどすため、事務官なのにスパイとして送り込まれてしまった受け。なんでも攻めはゲイなので、攻め好みっぽい受けに白羽の矢がたったとかなのですが、そんなうまくいくわけないじゃないかと思いつつ攻めの出席するパーティにもぐりんこんだら、すぐさま邸に招待されて滞在していきなさいとかいわれてあれよあれよ。
裏表紙梗概から、美青年好きアラブを賢い美スパイが華麗にだますとか、少なくとも丁々発止の化かし合いとかを期待したのだが…ダメっこスパイだった!
受けは美人でたおやかなだけで、攻めにも上層部にも流されてるだけという印象で、もっとかっこよかったらいいのになあ、とため息だった。攻めのこと好きなのかどうかもあんましよくわからんようなほどの受け身受けだし…。
遊び人攻めはなんでこの受け身な受けにそこまで惚れ込んだのか…。
せっかくスパイ受け設定なのに、スーパー攻めと美しいだけの受けというあまり面白みのないキャラで、凡庸な感じになってしまってもったいないなあという感じだった。
ライトグラフⅡの絵は新装版にあたって描き直し?らしいのだけれど、なんか最近の小笠原宇紀の絵とは違うような…?