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ジョシュ・ラニヨン『アドリアン・イングリッシュ5 冥き流れ』

 Kindle Ultimated。
 五巻はアドリアンの元カレ揃い踏みで日替わりデート状態で、ちょっと性格というか思考回路が破綻気味でキレやすく(体調のせいでしょうが)、少々読んでいてしんどい部分もある。ケイトにわざわざ会いに行く(キャラではなく展開の問題なのかもしれないけれど)のもどうか。でもアドリアンがジェイクがタイ料理を買ってきてくれて久々に空腹を感じたところは萌えた。やっぱりインフルエンザ、肺炎、手術で、ずっとロウだったんだね。
 逆にジェイクは菩薩のようになってしまって、アドリアンのまだ決心は出来ないけど引っ越さないで!とかいう無茶苦茶にもすんなり応えたり(この場面とこの展開が、ものすごく好きです)、無言でハンバーガー横取りされても怒らないし(笑、ほんと菩薩。言葉は足りてないのだけは変わらないけれど、アドリアンがそれにこだわっていたとわかったところが面白かった。
 とはいえ前述のように当て馬キャラのような外道行為をし、アドリアンの命を危険に晒しさえした後に、ジェイクがいくら菩薩になってもパートナーと読者を納得させるのは難しいはずで、その問題を、アドリアンの三年の痛みととジェイクの痛みの年数とを引き比べることで乗り越えた展開はまさに特筆すべきところだっただろうと思う。あと、少し前にパートナーをギロチンにかけた『はいまーとろーぜ』に感服したところだったので、なんかそういうジャンル(洒落にならない鬼畜攻めとか?)もあってもいいと思った(笑。
 メルはダメすぎてひどすぎる(笑。それこそ伝説の男なのだから、もうちょっとマシな人であってほしかった(笑。アドリアンがいちいちジェイクだったら…とか考えちゃうのも性格悪い(笑。でもメルがダメダメなのって、なんか学生時代の恋とか恋人ってそんな感じかもなあとも思う。メルとは映画とかの趣味があうというのも同様にしっくりくる。
 逆に、ジェイクは趣味とかは合うわけではないので、だから周囲からはアドリアンとジェイクは全然似合わないと思われてしまっていて、でも本人達はすごく気が合って自然でいられると思っているのがなんだかいい。正反対の相手に惹かれているのではなくて、全然違う二人なのに、世界で一人だけ本音を話せて、なぜか誰よりも理解してくれる相手、というのがすごくいい!
 ガイとアドリアンは、それぞれ一般的に言って魅力があってモテるほうで、だから互いに好意を持って付き合えるしパートナーになってもいいと(少なくともガイは、そしてアドリアンもたぶんジェイクを知らなければ)思うんだろうけど、互いに一番の相手ではないんだね。なんかリアルだなあと思った。

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