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[ 読書/BL小説 ]

甫刈はるひ『翻訳家は嘘をつく』

 翻訳家×翻訳家のマンションの前の現場で働く写真家のたまご。
 仕事が行き詰った折、はつらつと元気に働く受けの姿にいやされちゃう攻め。受けは写真のためにバイトをいろいろかけもっていて、ある日出版社のトラフィックの仕事で攻め宅にやってくる。ちょうどスランプで料理をしてた攻めは、つい受けを餌付け。しかし実は受けはもともと攻めの大ファンで、ついすきですとか口がすべってしまう。その後いろいろあって餌付けしたりなんだり。

 意地っ張りというか往生際のわるい攻めは、ある意味典型的なダメ大人。
 受けは元気ハツラツで子どもでもあり、元気子ども受け苦手なんだけど、頑張ってて好感がもてるしよかった。ただ、受けの外見描写に関しては、ちっちゃくて、でも顔立ちは男らしくて地味にととのってて、手とかもでかい、とか、なんか想像しにくい。
 でも冒頭とか、いきなりご飯もりもり食べていきなり告白してる受けについてけなかったけど、お話が進むに従って違和感はうすれた。攻めも受けもキャラがしっかりたってるからかな、という印象。
 ただ受けが攻めを「おっさん」呼ばわりなのはちょっと微妙か。苗字プラスさん、のままのが萌える。

 文章がやや独特でありながらつづり方は丁寧というか、わりあい好きな文体だ。ただ、攻めの翻訳における仕事ぶりとか受けの自然の中での仕事ぶりとかは、ちょっとまだ文章力に不満が残るというかなんというか…ものたりなさは残った。BLなわけだし、恋愛物語はちゃんと面白かったのでいいんだけど。
 お話としても、やや個性のある王道、という感じで好みだ。

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