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[ 読書/BL小説 ]

五百香ノエル『ありす白書』

 黒縁メガネにぼさぼさ頭の受けは、ちょう可愛くてモテモテで恋愛の達人なふたごの妹とつきあい始めたちょうイケメンモテモテで恋愛の達人な男にこっそり恋をしてしまいまして、ある日妹とえっちしてるのを目撃したせいで、洗面所で妹彼におしたおされそうになったのです?

 なんだろう、フェロモンたれながしの女好きが純情受けにめろめろに、という王道展開は嫌いじゃないのですが、なんかいまいちカタルシスが足りなかった。
 攻めがなぜダサダサの受けに惚れたのかがいまいち納得できない。作中にもあるように、攻めは妹しか見てなくて受けは眼中になかったわけで、その状態から受けにきっぱりシフトする論理をもうちょっと説明して欲しい。受けが小説家だということがひとつポイントらしいのだが、その設定はあんまり活きてないし。
 あと後編で受けが豹変してるのにもちょっとついていけなかった。いきなりそんなエロエロになってもらっても困りますよ。なんかそこに至る過程を示してくれないと、違う人にしか見えない。

 たぶんあたしは基本、非論理的な展開がニガテで、勿論論理を超える萌えや面白みがあれば、非論理的展開でも楽しく読む(ていうかむしろそれだけの力をもった物語には、しばしば論理以上に惚れ込む)のだが、このお話にはそこまでの魅力はなかったと思う。

 攻めの犬走壮(いぬばしりそう)という名前はたしかにすごい。アパートの名前かと思った。

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