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[ 読書/BL小説 ]

沙野風結子『獣の妻乞い』

 面白かった。獣姦ちゅうい。
 受けは幼い頃に母をなくし、仕事人間の父は家によりつかず、黒犬を心の支えにしていたのだが、小学生の折にその犬をDQNに殺されてしまう。その後よく似た黒犬を助けるが、すぐに居なくなってしまうという不思議な体験を経て、傷つくのを恐れて他人にあまり深く関わらないようになってしまう。
 そんなこんなで高校生になった受けのもとに不思議な男がやってきて、受けをストーカー開始。暴漢から助けてもらったりして交流していくうちに、なんか犬っぽいみたいなのです??

 野犬問題とかちょっとSFっぽい人狼の設定とか、独特の世界観が面白かった。
 それにつけても、あたしは本当に犬(っぽい生き物)に弱いのだと再確認…色々な意味でなんだけど。犬が傷つけられているのはとってもこころが痛むうえ、犬に追いかけられるのはとってもコワイ!
 それはさておき、受けはトラウマから他人を自分のテリトリーに入れないんだけど不思議な男に懐柔されてしまう感じ。そんなに強いキャラでも魅力的なキャラでもないかもしれないのだけれど、どんどん獣化していく攻めの受け入れ方とかよかった。手にしてしまったぬくもりを手放せなくなっている、というのもあるんだろうけれど、それもまた人間らしくていい。
 攻めは人工的につくられた人狼で、幼い頃に出会った受けに再会したい一心で痛苦の多い道を選んで、というかわいそう攻めでとてもよい。

 しかしまあ、末尾あたりはこれはどうもアンハッピーエンドっぽいな…と、半分覚悟を決めて読んでいたのですが、意外にもそんなことはなかった。というかただ二人とも生き残った、というだけでなく、まだ今後の問題はあるにしても結構安定した生活に戻れた感じなので、割合ご都合主義。でもご都合主義だろうがなんだろうがハッピーエンドでよかった…。
 むしろ脇CPのほうがせつない感じ。本編では、この二人はスピンオフあるのかな、と思わされていたのだけれど、おまけの短編を読むともうこの二人の物語は完結している感じかな、と思った。

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