"読書/BL小説"のアーカイブへ


[ 読書/BL小説 ]

綺月陣『この世の楽園』

 マヨイガでは毎年年末にその年出版されたBLのベストをきめるというひとりあそびをしているのですが、その決め方はすごくテキトウなのです。別に商業作品を網羅できてるわけでもないし、印象ばかりが先行してるので、年始めに読んだ作品はたぶん不利なのです。
 が、そんなテキトウなこの企画にもひとつだけルールがあって、すなわち「このベストに間に合わせるためだけに無理にBLを読まない」、というものです。無理にする娯楽ほどせつないものはないと思うからです。ただ、とはいっても、やはり年末になると焦ってきてしまいます。話題作とかトンデモ作品とか好きな作家の作品とかは、読んでおかないと、という気持ちに、どうしてもなってしまいます。これ↓はちょっとそんな感じでしたが、楽しく読めたのでよかったです。

 超絶わがままな坊ちゃんの教育係になってしまったエリートが、あまりに手がやけるので奔放に生きてるフリータの弟を呼んで手伝わせたら、なんか坊ちゃんは弟にはなついてしまい、あれ?なんで複雑な気分になるのかしら?という。

 そういう梗概と表紙を見て、兄→坊ちゃん←弟の3Pかなあと思ってたのですが、それであんまり期待もしていなかったのですが、評価よいみたいだったので読んでみたら、CPは違ってましたっていうか、表紙をよく見てたらちゃんとCPわかりましたね。

 というわけで、弟→兄→坊ちゃんのうえ、坊ちゃん→兄弟でした。
 兄はエリートで弟を見下しつつ、でもそれは弟をめちゃくちゃ意識してるってことで、損な性分でにぶちんなのですが、まあつまりBLの視点人物としてはよい感じかと。こういう視点人物は総受け気味が好みなので、坊ちゃんがもうちょっと兄をえこひいきしてくれたらよかった(笑
 坊ちゃんは、最初の傍若無人ぶりについてはあとで説明があったというか話の展開のキモだったのでよいけれど、それにしても兄にひどすぎたのでは。だって下僕はだれでもよかったというわけではないらしいのに、それでもなおあの態度だったの?と、ちょっと違和感。
 弟が…あんましむくわれてなくてかわいそう(涙。もっと幸せにしてあげてほしいし、兄弟がラブラブになれば弟は勿論、兄も幸せになれそうな気がする。でもなんとなく、続編もありそうかなあという気がする(ただの勘ですが。

 まあそれはさておき、この作品はデュアル攻めでもなく、ニア3Pでもなく、ほんとに3Pだというところがすごいのですが、エッチの場面も…すごかった。笑ったりひいたりしそうになったけど、みんな真面目にやっているんだよなあ…(笑。ちょっとなんというか、読者おいてきぼり感がありますが、まあむしろそれがいい、とも言える、かも。

with Ajax Amazon

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mayoiga.s6.xrea.com/x/mt-tb.cgi/1614

with Ajax Amazon